森見登美彦のレビュー一覧

  • 新釈 走れメロス 他四篇

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    面白い!!
    世界観が滅茶苦茶なのに、なんでこんなに森見登美彦は面白いんだろう。今まで読むのを避けていたことに後悔。
    正直走れメロス以外はうろ覚えだったけど、全然行ける!面白い!

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    2025年06月25日
  • 新釈 走れメロス 他四篇

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    ネタバレ

    近代文学の傑作である「山月記」、「藪の中」、「走れメロス」、「桜の森の満開の下」、「百物語」を森見先生ワールド全開な感じの大学生たちに置き換えて新しい解釈のもと新しい物語として生まれさせた作品集。
    どの話の主人公もみんなちゃんと腐っており、読んでいて阿呆と言いたくなるような人たち。
    また、この短編だけでなく、過去作である「夜は短し歩けよ乙女」や、「四畳半神話体系」などの話・人物などが少しずつ登場しており、より楽しめる作品になっているところが良かった。

    「山月記」は、斎藤秀太郎という天才文学者崩れの青年の物語。「藪の中」は、映画サークルみそぎの恋愛模様?がいろんな人の視点から描かれる物語。「走

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    2025年06月22日
  • 新釈 走れメロス 他四篇

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    過去に学校の授業で学んだ作家の作品が、現代の腐れ大学生に置き換えられ、森見登美彦流に再編されている。

    登場人物の性格や物語の舞台などすべてが現代に置き換えられて元々の作品とは大きく異なっている。
    しかし、元々の作品の芯の部分、作者が訴えたいであろう本質にブレがなく物語が進んでいく。そのことに驚き、強く感銘を受けた。

    タイトルにもある走れメロスは、気高く純粋なメロスが詭弁ばかりの大学生になっているのに、読み終わった時には登場人物の誠実さや人間同士の信頼の美しさが伝わってきた。

    山月記の主人公は誰が見ても奇人で、大学を留年や休学を繰り返しながら、卒業して行く人たちを嘲笑いひと蹴りする。
    それ

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    2025年06月20日
  • 四畳半神話大系

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    バラ色のキャンパスライフという理想を夢見る、主人公のたられば思考に共感できました。独特な古風で仰々しい言い回しとユーモアも面白く、主人公の内面の葛藤や妄想を、やたらと格調高く、しかしどこか滑稽に描くことで、現実のしょぼさとのギャップがあり面白い作品だった。

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    2025年06月16日
  • 四畳半神話大系

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    森見登美彦独特の読み口で、集中するまで時間がかかってしまうこともありますが、入ってしまえばイッキで読めました!やっぱりこの世界観には惹かれますね

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    2025年06月15日
  • 四畳半神話大系

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    「夜は短し歩けよ乙女」を先に読んでいて、
    表紙が少し似ている!と思って買った一冊。
    夜は短し歩けよ乙女に出てくる人たちも出てきたり
    町の描写が似ていたりしていて
    あー!これこれとなりながら楽しく読めた。
    四畳半神話体系の方が読みやすくて好きだった。
    4話の中で繰り返される日々、小津との関係性、語り手が語る様子、最初は大混乱だったけど面白くて良かった。

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    2025年06月14日
  • 竹取物語

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    中学生のとき国語の授業で、5人の貴公子の求婚話を知りました。とても面白く大好きでした。

    今回テンポの良い文章で、再び5人の話を楽しめました。森見さんは古典の現代語訳、初めてとのことです。そして、大学院生時代の研究テーマが竹ということで、竹に対する特別な感情をお持ちです。

    あとがきを読むと、どのような方針で現代語訳されたかが分かります。続いて、古典研究者である大井田氏の解説を読むことで、竹取物語の深い部分まで理解できます。他の作家の現代語訳も読んでみたいです。

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    2025年06月10日
  • 熱帯

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    「あらゆることが『熱帯』に関係している。この世界のすべてが伏線なんです」

    一冊の本、『熱帯』を巡る物語。
    その本は誰も、結末まで読み終えることが出来ない不思議な本だった。
    『四畳半神話大系』『有頂天家族』など、コミカルな作風でお馴染みの森見登美彦先生の作品からは少し離れた様な、不思議な読み味のする本でした。目まぐるしく変わる情景、予想外の物語と物語の繋がりへの驚きなど、「読書めちゃくちゃ楽しい!」と強く思わされる素敵な作品でした。この世界の何処かには、そういう不思議な事ももしかしたら本当にあるのかもしれない。子供の頃に児童書を読んで、日常の中に潜む非日常を相手に活躍する主人公たちの物語にワク

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    2025年06月04日
  • ペンギン・ハイウェイ

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    『夜は短し歩けよ乙女』に続いて出会った森見作品。
    SFファンタジーという形を借りた小学4年生の少年アオヤマくんと歯医者のお姉さんの物語だ。
    少年の物語がこんなに胸を締めつけるのはなぜなんだろう。好奇心と探究心の塊のようなアオヤマくんは研究者であり理論家である。発見したことをノートにメモして、大人顔負けな研究をしている。いくつもいくつも。聡明な彼は強い意志と理屈で自分をコントロールしようとするが、コントロールできないものに出会ってしまう。それがお姉さんだ。
    いじめっ子のスズキくんに対しても、屈せず渡り合うさまがかっこいい。あくまでも頭脳で割り出した行動で乗り越える。死について研究するウチダくんも

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    2025年06月04日
  • きつねのはなし

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    毎年、暑くなり始める初夏のタイミングに読みたくなる、そして実際に毎年読んでいる作品です。
    実際に四条通りや河原町通りの喧騒から一本裏通りに入っただけで、急に誰もいない、どこかに迷い込んだような錯覚に陥ることがあり、営業しているのかどうか一見して分からないような古い店を見つけると、いつも本作品を思い出します。
    京都を舞台にした学生街ならではの青春小説などもたくさんありますが、こっち寄り(どっち?)の話が実は京都の本質なのではないかと思います。

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    2025年05月31日
  • 四畳半タイムマシンブルース【電子特典付き】

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    ネタバレ

    一言で表すと最高。前作に続き、これまた別の四畳半の世界だが、前作がややくどく感じたのに対して、本作は爽快でこれこそ森見登美彦さんの作品に期待していたもの。登場する小津や明石さん、樋口清太郎らは健在。むしろ小津は腹立たしさ、小憎たらしさが増している気がする(笑)。中でも京福電鉄研究会の内紛にまつわる小津のエピソードは悪辣すぎて、逆に笑えてくる。結果的に何に罪もない主人公だけが蚊帳の外に置かれる結末は、作者のセンスの賜物だと思う。
    最も好きな場面は、主人公が明石さんを五山送り火に誘うところ。不器用なのに格好をつけたがる主人公が、全然かっこよくない形でしどろもどろになりながらも積極的に明石さんを誘っ

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    2025年05月24日
  • 熱帯

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    こんな本は初めて読んだ。
    読むのに時間がかかるけど、おもしろい。
    森見登美彦さん曰く、『熱帯』は『ペンギン・ハイウェイ』の遠い続編であり、『夜行』と対になる小説であるらしい。確かにそんな感じがした、かも。
    ぐるぐる回って、目が回ったような感覚になる。

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    2025年05月21日
  • きつねのはなし

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    ネタバレ

    「きつねのはなし」京都の古道具を舞台に不思議な雰囲気の短編。『xxx HOLiC』の世界観のようだった。願いを叶えるためには対価が必要なことだったり、その対価のための対価が膨れ上がって行ったりと。狐に摘まれているような話だった。

    「果実の中の龍」物語の中の物語に沈んでいく先輩の話。他人の物語のはずなのにさも自分の体験であったかのように語っていたことにより、自分の体験であると言う錯覚に陥ってしまった話。想像や妄想と現実の区別がつかなくなってしまうのは苦しいことだろう。その区切りの意味で、先輩は別れを受け入れたのかもしれない。

    「魔」魔が刺すとはこのことなのか、と。この人さっきまで相談にも乗っ

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    2025年05月25日
  • 有頂天家族 二代目の帰朝

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    前作以上に楽しかった!

    前作からの伏線も多く、この本を読むことで世界観をより一層楽しめました。
    登場キャラが前作より増え、ハチャメチャ感が強くなった気がします。

    胸キュンあり、ピンチあり、どんでん返しありの盛沢山で最後まで充実していて飽きなかった!
    すっかりこの人間と天狗と狸が織りなす奇想天外ワールドに引き込まれてしまっているなあ。
    毛深い表現が個人的に大好きです。

    ただただ楽しかった!面白きことはよきことなり。
    次作を心待ちにしております。

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    2025年05月15日
  • 四畳半王国見聞録

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    舞台の大学に通っている(あるいは通っていた)人々にとって特に楽しめる内容だと思う。学生時代を思い出して、感傷に浸ることができた。

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    2025年05月11日
  • 太陽の塔(新潮文庫)

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    ネタバレ

    ・最高だった!
    ホモソーシャルを描く作品の中でも、かなり好きな描かれ方だったような感じがする!
    主人公が飾磨に彼女に振られたことを伝えた時の、「幸福が有限の資源だとすれば、君の不幸は余剰を一つ産み出した。その分は勿論、俺が頂く。」というセリフは今まで読んだ小説の中でもかなり好きな方かもしれない。
    ホモソーシャルの紐帯はあくまで競争を前提にしていて、たがいを気遣いつつも戦友なのだ。親友というよりは戦友。

    ・飾磨は登場シーンからよかった。「二十歳の自分」を書いて粘土に埋め、後から掘り起こす“夢玉”ってなんだよ、タイムカプセルじゃダメなのかよ。と思うし、その後の「夢なくしちまったよ、俺」も最高。

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    2025年05月11日
  • 四畳半タイムマシンブルース【電子特典付き】

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    タイムマシンがあったとしても過去は変わらない。
    それはタイムスリップものとしての新しい解答であり、さりげなく現在を肯定してくれる素晴らしい視点。四畳半メンバーの暴れっぷりはやっぱり笑えてどこか懐かしい匂いのする夏風をふわりと感じて本を閉じた。一節ごとの区切りが短いので読みやすいことこの上なし。「成就した恋ほど語るに値しないものはない」

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    2025年05月08日
  • 竹取物語

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    前に同作者の「超訳 走れメロス」を読んだことがあったのでそれと似たような文体かと思っていたら、真面目な現代語訳だったので意外に思った。ただ節々の言い回しから森見作品らしさを感じられた。
    また、物語本編だけでなく、あとがき、講義、解題まで載っているため、より物語の解釈が広がるし、竹取物語についてもっと勉強したくなる。古典の入門編として、手に取りやすい本だと思う。

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    2025年05月05日
  • 恋文の技術 新版

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    ネタバレ

    研究に向いてない根性の足りない理系院生が主人公で、自分と設定が同じすぎる。将来に悩んでる今のタイミングで読めて良かった。

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    2025年05月04日
  • 有頂天家族

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    とっても、楽しかった…!!
    こんなにずっと楽しくてワクワクさせられた小説ははじめてかも。
    独特の世界観に思わず引き込まれてしまいました。

    まずなにより、森見登美彦らしい古風でもありポップな文章がとっても好き!
    こういうファンタジー要素強めの内容が、森見登美彦の文章表現と非常に相性が良いように思います。
    くすっと笑ってしまうようなユニークな比喩表現がとても好きだ…
    一文一文が文学的でもあり、ポップでもあり、素敵で楽しい表現ばかりで、毎ページ楽しくてもう。。。たまらん!文章好きすぎてうっとりしてました。

    舞台は京都。
    狸と天狗と人間とが入り混じった世界。
    何それ!?って感じの奇想天外な設定やけ

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    2025年04月29日