森見登美彦のレビュー一覧

  • 有頂天家族

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    海星がとにかくカワイイ。姿が見えないというのはこんなにドキドキするものか。ちょうど身内を亡くしかけているところで読んだので、「生きていればサヨナラと袂を分つことはできない」(ちょっとうろおぼえ)という言葉が身に沁みた。人生全体的には幸せでも次々にやってくる大小の悲しみから逃れることはできない。これくらいの軽々しさで乗り越えていくしかないんだろうな。

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    2025年11月08日
  • 宵山万華鏡

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    ネタバレ

    宵山を舞台にいろいろと不思議なことが起こる連作短編集。
    前の話で疑問だったところが次の話に出てきたり、同じ出来事が別口から語られたりとちゃんと連作してた。

    私は宵山とか、京都とかについてあまり造詣が深くない。
    でも、なんか不思議なことが起こりそうな雰囲気は似合うと思うし、十分楽しめた。

    お祭りの人混みの中ではぐれちゃうのは良くないですね。本当に。

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    2025年11月04日
  • 聖なる怠け者の冒険

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    人気者が実際誰なのかって、とても気になりますよねえ。そんな素朴な疑問から始まる物語。
    展開が忙しいのが楽しい本。
    森見さんのキャラは本当に面白い。
    どうしたんだい、とか落ち着いた感じの話し方なのに個性が出る。それが読んでていて美味しい。
    面白かった。

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    2025年11月03日
  • 恋文の技術 新版

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    森見登美彦氏の友人、守田一郎氏が、京都大学からクラゲの研究のために半年間能登鹿島臨海研究所に出向することとなり、寂しさから友人たちと文通した書簡集。恋バナをしたり、下ネタに走ったり、実験ノートやデータの入ったパソコンを誘拐したりして、卒論制作ギリギリのチキンレースをしたり、バカバカしくも学生さんらしい生活がうかがわれて一緒に何かをやっている気分にさせられる爽やかで微笑ましい作品。

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    2025年10月25日
  • きつねのはなし

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    ネタバレ

    「水神」に最も惹かれる。高祖父から続く疏水脇の家の秘密。再読時にこの屋敷の年代記と間取りを書き留めながら読んでみた。この作業も面白かった。建物の間取り(構造)が物語に重要な役割を果たしている作品が、筒井康隆にもあったような記憶があるが、タイトルを失念してしまった。

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    2025年10月23日
  • きつねのはなし

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    森見登美彦作品の中では「夜行」と同じジャンルになると思うが、よりじとっとした雰囲気がある。

    短編をまとめた様な話だが、それぞれの話の繋がりを匂わせる場面も多くて面白い。こういうのに弱い。

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    2025年10月10日
  • 恋文の技術 新版

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    やっぱり森見登美彦は最高だ!

    読書に教訓など求めるなと云わんばかりの気取らなさ! 基、事実云ってる!

    知的でどこか品のあるダサさ!

    妙にリアルな灰色の青春譚!

    なのに真夏のサイダーのような読後感!

    好きィー!

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    2025年10月09日
  • 熱帯

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    読んだのは何年も前なのに、不思議な夢を見た後のように、この本を介して見た景色や感覚がぼんやりとずっと記憶に残っていて、時たま思い出す。そして、〈熱帯〉で過ごした日々と、私の実生活における過去の日々は、同様に記憶の中でしか存在しない確かな人生の一部となっていく。この過程で、作者の空想でしか無かったはずのその記憶は、時が経つほど朧げな現実味を増してゆく。

    読んでいる時はとにかく没入して、訳もわからず〈熱帯〉の中を彷徨った。実地踏査の様な読書体験だった。

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    2025年10月02日
  • 竹取物語

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    久しぶりに「竹取物語」を読んで見ました。
    現代語訳されていて、子どもの頃に感じたもの
    と違って、新たな発見があり楽しい。
    物語として、結構 奥が深かったのに気付きました。

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    2025年09月23日
  • 恋文の技術 新版

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    ネタバレ

    中身がないように見せて中身があるようなそぶりを見せる本。
    守田君が書いた文通しか読んでないのに、登場人物の人となりや、それぞれがどんな文通を書いていそうか想像できて楽しかった。

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    2025年09月11日
  • 夜は短し歩けよ乙女(角川つばさ文庫)

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    本当に本当に大好きな作品!
    小学生の頃表紙買いしたものの、言葉が難しくて読めなかったのが懐かしい!今はその小難しい言い回しや文句が楽しく心地よいです!森見登美彦さんの作品が好きになったきっかけでもある。
    もちろん今も絵柄は大好き!!本棚に登録するなら思い入れもあるこちらが良くて登録しました。

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    2025年08月30日
  • 熱帯

    「熱帯」について

    現代日本版の「千夜一夜物語」は、古川日出男の「アラビアの夜の種族」や星野智幸の「夜は終わらない」などの名作がありますが、森見登美彦の「熱帯」もその系譜に繋がる作品だと思う。

    語り手は作者の分身である「モリミン」。小説が書けず、スランプ気味のある日、謎の本をめぐる物語を思いつく。
    「汝にかかわりなきことを語るなかれ」という警句から始まる、「熱帯」という本の記憶が甦ったからだ。

    見るからに、虚実の境があやしくなりそうな危ない設定だ。この本を最後まで読んだ者は一人もいない。
    語り手は奇妙な「沈黙読書会」で本に再会し、「学団」がその内容の全貌をつかもうと研究を重ねている事を知るが、「熱帯」にはどうしても切り抜けられない「無風帯」がある。

    謎の追求は、アラビアンナイト風の入れ子構造をもって、とんでもない展開になっていく。
    因みに、作中に出てくる「虎」は作者に言わせると、自分が頭でコントロールできない何かだとか。

    本は幾多の本を呼び込む。書物とは一体、誰が書くものなのか? 作者ではないかもしれません。
    このモリミーの「熱帯」は、壮大な本の冒険であり、創作論でもあり、時を超える蠱惑の語りにゆったりと身を任せられるのです。

    #シュール

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    2025年08月28日
  • 竹取物語

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    森見登美彦さんの古典新訳作品。別著「走れメロス」があるため、それと同系統の作品かと思いきや、しっかり(?)古典を和訳しる作品です。しかし、要所で感じられる森見登美彦さんらしさがたまらなくマッチしています。巻末のインタビューにもありますが、特に歌が秀逸です。

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    2025年08月26日
  • 聖なる怠け者の冒険

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    長い長い土曜日の話。
    愉快だった。
    道に迷ったときつい地図アプリを見てしまいがちだけど、たまには大いに迷ってみようかなと思った。
    とりあえず次の土曜の朝ごはんはだし巻き卵のサンドイッチとコーヒーにしよう!

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    2025年08月15日
  • 恋文の技術 新版

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    森見ワールドというか、森見の書く人物像って全て面白くて、でも人情的な温かみや人間くささ(拗らせ?笑)があって魅力だなあと思いました。
    ずっと読んでたいし、こころに栄養が行き渡るような本でした。

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    2025年08月07日
  • 竹取物語

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    今は昔竹取の翁というものありけり、の文章で始まる竹取物語。
    そこはかとなく内容は知っているけれど、じっくり読んだことがあるかと聞かれるとない。
    そんな中、森見登美彦先生が現代訳をされたこの本は読みやすい。
    作者自身、腕まくりをしてのぞんだという5人の求婚者の場面は完全に森見登美彦作品。
    非常に読みやすい

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    2025年08月06日
  • 新釈 走れメロス 他四篇

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    森見先生だなぁっていうのが第一声です。
    森見登美彦作品は「四畳半神話大系」と「夜は短し、歩けよ乙女」だけしか読んだことないのだけど…。

    四畳半のアニメから入ったので、その印象が強くて、あの制作陣でこの「新釈走れメロス」もアニメ化してほしいなと思った。
    と思いながら読み進めてたら「藪の中」がめちゃくちゃ面白かった。
    すごく「わかる」っていうか。一つの出来事でも、見る人が違うとまったく別のものになる。
    それは現実でも往々にしてあることで、しかも、男性の捉え方と女性の捉え方の違いも「あ~~、あるある」ってなった。
    これは原作の「藪の中」がそうなのか、森見先生の解釈から生まれた差異なのか。とても興味深いので、原作を読みたくなった。
    「走れメロス」以外は原作を読んだことがない。「走れメロス」もストーリー展開が全然違うので、他の作品もそうなのかもとも思うので…。
    あとがきを読むと「この作品のここが肝」と森見先生が思うエッセンスを抽出して再構築したのかな?と。
    なので、他の作品も元ネタの方を読みたくなった。

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    2025年08月01日
  • 聖なる怠け者の冒険

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    宵山そっちのけの冒険という名の大騒動に、絶えず笑わせてもらい、心まで軽くなった気がした。
    登場人物みな自由でアホなステキぶりで愛おしい。

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    2025年07月24日
  • 熱帯

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    「熱帯」という本を巡って、話が入れ子のように次々と展開していきます。
    途中からはこんがらがってくるので、あまり考えず流れに乗るのがコツかも。
    謎解きあり冒険あり、読み進めて気づいたらこんな所に来てるじゃん!という感覚。「熱帯」の中に来ちゃった!という、煙に巻かれてるような不思議な読書体験。こっちのタイプの森見さん、好きです。

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    2025年07月24日
  • 竹取物語

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    以前刊行された日本文学全集からの単行本化されたもの。
    有名な古典と森見登美彦の言語センスが融和してところどころ珍妙である。
    特に五人の貴族たちの失敗や嘘のエピソードは役者の真骨頂と感じる。
    下らない駄洒落であたかも本当の語源のように慣用句を説明するところなどはまさに。
    そこから「不死の山」の大オチにつなげるのも、ジョークとしんみりとした感傷のギャップが現代語訳だとすんなりと入ってくる。
    古文は読み慣れない、絵本では物足りない人には一度触れてもらいたい。

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    2025年06月28日