あらすじ
祇園宵山の京都で、誘い込まれた妖しい迷宮。夏までの期間限定サークル「祇園祭司令部」に集まった学生たち。変人ぞろいの彼らが用意した大舞台、いったい何をたくらんでいるのか?(「宵山劇場」)。「祇園祭宵山法度」で現行犯逮捕。連れ去られた藤田の地獄めぐりがはじまった……(「宵山金魚」)。吃驚仰天の新世界! 6つの物語が交錯し妖しくつながっていく連作中篇集。
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宵山を舞台にいろいろと不思議なことが起こる連作短編集。
前の話で疑問だったところが次の話に出てきたり、同じ出来事が別口から語られたりとちゃんと連作してた。
私は宵山とか、京都とかについてあまり造詣が深くない。
でも、なんか不思議なことが起こりそうな雰囲気は似合うと思うし、十分楽しめた。
お祭りの人混みの中ではぐれちゃうのは良くないですね。本当に。
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宵山とは、祇園祭のメインとなる山鉾巡行(7月17日・24日)の3日前・前々日・前日の総称で、いわば前夜祭のようなもの。
京都に住んでいた頃は真面目な学生だったので、その頃は期末試験の勉強に勤しんでいた。だから宵山に行ったことが無いのは仕方がない。真面目な学生だったので。
6年間住んだけど1度も行ってない。
京都の思い出は色々ある。
特に家から近かった銀閣は格別で、悠久の侘び寂びを感じられ、苔の木陰道を歩くと涼しく、心が洗われる。
鞍馬は1番好きなところで、叡山鉄道に小一時間揺られると街の喧騒は遠く、すべての音が小さく、しかしはっきり聞こえる。踏んだ落ち葉が割れる音。踏んだ土がキュッと鳴る音。鳥の鳴き声、羽ばたき。吐息。鼓動。
京都はいいところ。他にも素敵な場所はたくさんある。北野天満宮の梅も永観堂の紅葉も小綺麗な小池通りもぶっとい五条通りもオシャレな白川通りも全部いい。人が少ない時を狙ってまた行きたい。
行った思い出もあれば行ってない思い出もある。京都はいいところ。
祇園祭は特にそう。祇園祭の思い出といえば、四条烏丸の塾講バイトの行き来、7月になるとめっちゃ暑い。そしてなにやら祭りの音頭が漂っていて、普段は大都会なのに洋服では無く、ハッピ野郎、ハッピガールが湧いてくる。
楽しそうな奴らや。
そんな思い出しかない。
この本を読むと自分の話をしたくなる。
読んだ感想もいいけど、読まなかった感想を述べたくなるのもいい本だと思う。思い出と同じ。
肝心の本の話をすると、この世界観はめっちゃ好き。この書き方も好き。ある宵山を別の人物から描いた6編やけど、それぞれ繋がっていて描き方も書き口も違って雰囲気も違って、喜怒哀楽も喜悲も違って、頑張り方も頑張らなさも違って、幼心もあり、兄弟愛もあり、青春もあり、親子愛もあり、老年の心もあり。
幻想的で異世界味のある宵山に、現実の世界の全てが詰め込まれた逸品。
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森見登美彦ワールドにハマるきっかけとなった本
当時京都に引っ越ししたてで京都生活への夢が広がった思い出の一冊
短編集(一応)なので言い回しが難しい森見登美彦作品の中では読みやすい、かも、、、?
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関係ないようで実はどれも繋がりのある連作短編。特に好きだったのは「宵山金魚」のサイドストーリー的立ち位置である「宵山劇場」。こんなに手の込んで馬鹿馬鹿しいものがあるか、と面白かった。「宵山万華鏡」ではまんまと騙された。
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祭りの夜に、何かが起こる。森見ファンタジーの真骨頂!
姉妹の神隠し、学生達の青春群像劇、繰り返される一日からの脱出など、祇園祭の京都を舞台に様々な事件が交錯し、全てが繋がってゆく。万華鏡のように多彩な宵山の姿を楽しめる、連作中篇集。
ファンタジー
森見登美彦さんのファンタジー系のお話。有頂天家族のようなたくさん笑える話のほうが好きなんだけど、これはこれで面白かった。
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子供の頃、普段通っている道から外れてみて、それだけでも冒険気分になったり、気になる場所があるけど少し勇気が必要で、でも振り絞ってドキドキしながら行った事や人混みの中をはぐれないようにハラハラした事とか。皆さんもそういう体験ってありませんでしたか?
冒頭そういう記憶を甦させられます。
本書は不思議な感覚を感じつつ、懐かしくもあり、心地良く感じたり、おののかされたり、そう来たかと思ったり。
終始、祇園宵山も感じられ良かったですよ^_^
Posted by ブクログ
宵山に行く前に何か面白そうな小説でも読もうと言う感じ。読み終えぬまま、途中で断念して宵山観光(暑かった)に行き、なかなか読み進まず読み終えたのは秋。通りの名前を把握していたら更に理解しやすいだろうと思い地図を片手に読むことに。
短編どうしが繋がっているのを知らず、ループしているのも知らずに、それがわかった時から読むスピードが俄然上がる。この小説そのものがどこから読んでもいいのでは?そんな小説は初体験でした。
宵山の雰囲気、暑さ、湿度、ひといきれ、全て実体験と重なった。良かった。
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森見登美彦というだけで購入して読んでみるも序盤は物語の描写が読み取りにくく、もしかしたら読むのにエネルギーを使う難しめの本かもしれないと思った。でも中盤から短編同士の物語が節々で繋がり始めて読み応えありで読み終わって非常に満足しました。
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友人にプレゼントしてもらった。
お祭りって賑やかで楽しい反面、不思議で怪しいイメージもある。初めての森見作品、そんな雰囲気のある世界をとことん楽しめた!京都、宵山に行ってみたくなる作品。
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最初の一編だけ読んだ時はつまらなくて読むのをやめてしまったけど、全体を通してみると繋がりがあって面白い。
不気味な話、バカバカしい話の落差が激しくて混乱する(褒め言葉)。
来年は祇園祭に行こうと思った。
Posted by ブクログ
かなり好きだった。
祇園祭の宵山に起こる不思議な出来事を寄せ集めたオムニバス形式。
とくに、『宵山回廊』が気に入った。
宵山の美しさと妖しさ、物語のそこかしこから立ち昇る不穏な予感、登場人物それぞれが抱える微妙な心境、全部が泣きそうになる。
宵山の夜は、本当に不思議な世界に繋がっているのではないか?と思わせてくれる。
すぐ再読したくなり、なかなか読むのを止められず、ループしてしまう。これぞ宵山的現象かもしれない。
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先に「夜行」を読んじゃったから少し似てるものを感じたけどこっちのが全然古いんだね。森見さんのこういう繋がってなさそうで繋がってる、みたいな話だいすき。祭りの喧噪に紛れて不思議なものが紛れるっていうのよくあるけど森見節が効いてて楽しかった。京都を旅したくなったな~。
金魚の話で脳内がポニョの妹たち?浮かんだ(笑)
Posted by ブクログ
京都の宵山の日の幻想的な物語
お祭り独特の、心が騒ぐような、不思議な、異世界のような雰囲気が伝わってきます
色や音が目や耳に流れてくるよう
それでいて、森見登美彦さんらしいユーモアもあって、よかった〜
Posted by ブクログ
2024年
鑑賞作品 No.3
《感想》
森見ワールドにおける二系統の融合。
背筋がゾクっとするような静寂の奇怪な世界とコメディーチックなドタバタ奇天烈劇場を同時に楽しむことができる作品だろう。
すべてが横につながっているようで、見る角度によって様々な形に変形して、全く異なるものを見ているような浮遊感。
まるで万華鏡を覗いているようだ…
いや、どちらかというと万華鏡によって私たちは見られている側かもしれない。。
《印象に残ったシーン》
▼ 妹が宵山様たちに付いて行こうとするシーン
宵山様たちがぷかぷかと浮かぶ様が脳裏に浮かぶ。
そこにお姉ちゃんが妹を連れ戻しにするシーンが、非常にドラマチックで現実的でハラハラドキドキしてイイ!!
宵山様たちが人と人の間をすり抜ける描写や手汗の描写は実感をもって想像できるほど繊細で具体的。
最初の疑問が最後に回収されるのもいいし、かといって理解できたかというともやもやが残るのも、森見さんのやめられないところだ。
《MVPキャラクター》
▼ 乙川さん
偽宵山では無意味に壮大なドッキリを仕掛ける仕掛け人。
一方、骨董屋としてはあちらの世界とこちらの世界を仲介する商売人として、主人公の前に現れる。
同じ人間とは思えない強弱に惹かれるなあ。
《ぐっときたフレーズ》
藤田「こんなことをして何の意味があんの?」
乙川「よくぞ訊いてくれた。意味はないね、まったく」
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幻想的怪異と阿呆大学生の奇想天外な企み。
なーる。
森見ワールドの全てが味わえる贅沢な連作短編。
京都への羨望がより強まってしまった。
なんて魅力的な場所。
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再読3回目。
祭りはハレの日。何があってもおかしくない。京都には祭りがいっぱいあって、祇園の宵山はその最高峰。妖怪やら魑魅魍魎がウヨウヨしてても頷ける。
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なんだか不思議な話だった〜。短編の連作で、森見登美彦ってこんな話も書けるのかと思ったけど、やっぱりなんだかんだで、どたばだ喚きながら茶番を作ってる話が1番面白かったな。最後の方は、パラレルワールドみたいで、少しホラー要素があって最後どうなっちゃうんだろうとどきどきした。ちょっと全部を理解しきれないままだったのが残念かなあ。私が悪いかも。
Posted by ブクログ
森見さんのホラーはよくわからない不思議現象が起こり、そしてそれがあまり説明されない。
なんだろう、こういうことだろうか、どういうことだろうか、と考えながら読み進むのが、楽しい。裏を返すと、説明されたい人には不向きと言える。
結局、人間は自分の想像力が一番恐ろしいと思う。
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京都の実際の街並みを想像しながら読むとリアリティがあって、よりゾクゾクする。
宵山をテーマにしたホラー。
森見さんらしい、京都と摩訶不思議を織り交ぜた感じ。
いつもと違うなと思うのは、各短編を読み進めるごとに、宵山の真相がわかっていくこと。若干ミステリーチックな感じが珍しいなあと思った。
-----ネタバレ------
姉妹妹:宵山さんに連れ去られかける
藤田くん:乙川くんに宵山様に処刑されるドッキリを仕掛けられる
小長井くん:乙川くんのドッキリの助っ人バイトとして奮闘
河野画伯:昔、娘が宵山様に連れ去られる
ある宵山の日娘を万華鏡で見てから自分も宵山の日から抜け出せなくなる
→娘と宵山様になった??
柳さん:宵山様の万華鏡のガラス玉の部分を持っていたせいで、宵山の日から抜け出せなくなる
【宵山の真相の原理】
赤い着物の女の子たち(宵山様)に連れ去られると、宵山の日から抜け出せなくなる。
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姉妹、おじさん、若い男性と女性、いろんな登場人物目線で物語が進んでいくのが面白い。
でも、乙川さんが藤田くんにかける、祇園祭司令部の宵山法度に違反して、宵山様に処刑されにいくっていう盛大なドッキリは、今まで見てきた、「夜は短し歩けよ乙女」「四畳半神話大系」を彷彿とさせた。笑
ここだけ、伏線もほとんどないからおまけページ的な感じなのかな?
おもしろかった!
だんだん情景描写をちゃんと落とし込んで読むのが苦手になってきてて、それは私の問題だけど残念
Posted by ブクログ
#宵山万華鏡
#森見登美彦
森見作品には、四畳半シリーズに代表される「愛すべき阿呆らしさ」の作品群と、「夜行」、「熱帯」等のホラー風味をまとう作品群がある。本作はどちらかといえば後者の方か。しかし両者に通底しているのは、京都という街の「異界」性。京都の夜の闇に潜むものへの畏怖が横たわっている。宵山の絢爛な混沌を楽しんでほしい。
#読書好きな人と繋がりたい
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バレエ教室の帰り、ある小学生の姉妹が宵山という
夢と幻想の世界に迷い込む。全6編の連作短編集。
それぞれ色が違う、まさに「万華鏡」といった話が
連なり、同じような時間軸で各話が交差しており、
最終話を読んで全容が分かる構成となっている。
初の森見登美彦作品でした。
個人的には、3つ目と4つ目の乙川の話は、キャラが良く(漫画的で)特に面白かったです。
京都の土地勘があればより楽しめるのかな、何となく好みが分かれそうな作風かな、と思いました。
Posted by ブクログ
めちゃくちゃタイムリーだった。大体群像劇だったけど違うところもある。ホラー味のある方が本のメインっぽかったけど、イタズラいっぱいのふざけてる話の方が好き。
Posted by ブクログ
不思議な世界と仕掛けがしてあって面白いんだけど、森見登美彦に求めているのはこういうのではないという気持ちもある、
同じようなものばかり書いてもしょうがない気持ちもわかるけれども笑
Posted by ブクログ
「宵山金魚」「宵山劇場」はいつも通りの荒唐無稽なバカバカしさで安心して読むことができたんだけど、宵山姉妹の話になるといつもと調子が違ってついつい深読みしようとしてしまいオイラが迷子になったみたいになってしまった。この際、京都に行ってホントに迷子になるのも面白そうだ。今度、京都に行くことがあったらきっと森見登美彦の小説をたどるだろうな。しかし、森見登美彦の物語の多くが京都を舞台にした奇想天外な話であるとわかっているのに飽きもしないで同じような物語を待ち望むオイラってなんなんだろう。
Posted by ブクログ
一章一章が40ページほどの短話集であり、集中力のない自分でもとても読みやすかった。全体の構成は桐島部活やめるってよのような一つの出来事について多面的な視点から眺める感じ。
四畳半が大好きなので、無限ループネタがあったり小津のような乙川が出てきたりと既視感を感じつつも楽しめた。
最後の宵山万華鏡はフィクション色が強くて上手く話についていけなかった感がある。大坊主とか舞妓とかは乙川たちの演出じゃなかったの?あれ?
全体として宵山に関する知識、京都の地名に関する知識があればもう少しリアリティを持って読むことができたかもしれないと思った。
Posted by ブクログ
宵山を舞台とした不思議だったりちょっと怖さがあったり、阿呆な話。短編ですがすべて繋がっているので読み進めるとそれぞれの話の表と裏、側面などがわかっていくのが面白い。
同著者の「きつねのはなし」のような感じでした。
Posted by ブクログ
森見ワールドです。
「四畳半」みたいなワチャワチャもあれば
「夜行」みたいなゾワッとする話もあり…
森見さんならではの最後では繋がるといった感じですが,ちょっと怖いままで終わる所もありました。