森見登美彦のレビュー一覧
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ネタバレ「世界は常に夜なのよ」
「夜行」か「曙光」か。
どちらかだけでなく、2つは表裏一体で違う世界線なんだろうな。
すぐそばにある異界というのがじわじわと怖いです。でも、そんな不穏さが好き。
“事件”があったからなんとなく連絡取りづらかった…というのに、実は本人の方が当事者だったところがゾッとしました。
「夜行」に入り込んでた大橋君と、「曙光」にいた岸田道生と長谷川さん。
岸田道生・長谷川さん・大橋君より、どちらにも登場する中井さんのほうが静かに怖い。記憶がないから、岸田・長谷川・大橋以外はそれぞれ違う形で存在してるのかなぁ。。。
どちらの世界線でも誰かしら失踪してるみたいだし。
「天竜峡」がちょっと“押絵と旅する男”みたいでいい…何の絵を運んでるかは明かされないけれど。
森見さんの怪談は端正な文章だなぁ…とつくづく思いますが、所々にあ!というフレーズがあるのでモリミーだと感じます。
階段を降りるぴたぴたという足音とか、『津軽』でよちよち歩くとか。雪道だからよちよちになるのはそうだけれど。
つい先程『リバー、流れないでよ』を観たので、貴船の料理旅館!と思いました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ舞台は「ヴィクトリア朝京都」。鴨川、四条大橋、洛西、寺町通、南座など馴染みのある地名や建物が登場するが、そこには「ビッグ・ベン(時計塔)」があるということだから、ロンドンの象徴と京都の街並みが共存する情景が浮かび上がる。
本作でシャーロック・ホームズは、スランプに陥っている。その要因が、かつてホームズが解決できなかった、嵐山のマスグレーヴ家の令嬢失踪事件にあると見たワトソンは、ホームズを救うため事件の真相に迫ろうとする。
しかし、第五章では、これまで読み進めてきた「ヴィクトリア朝京都」の世界こそが、ワトソンが描いた架空の小説の中だったことが判明する。仲間のような存在として描かれていたモリアーティ教授もオリジナルに近い悪役に。ここから物語はグッと面白くなり一気にラストまで読み進めた。 -
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序盤は期待をしていたほどではないなぁと思いつつ読んでいたけど、途中からぐんぐん引き込まれていった。不思議な世界観が森見登美彦っぽくてハマった。天才。ここのところ、森見登美彦の本はなんだかつらまらなく感じてしまっていて、自分の価値観が変わっちゃったのかもしれないと寂しく思っていたので、久しぶりに面白いと思えて嬉しい!!私の好きな四畳半神話体系みを感じた。
ホームズもワトソンも、ハドソン夫人もアイリーン・アドラーも、みんなみんな原作のキャラから想像つく言動で、だからこそヴィクトリア朝京都がすんなり受け入れられたんだと思う。また原作を読みたくなる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ自分の中ではちょっと氏っぽくない作品。
たぬきが縦横無尽に走り回ったり、行っても行っても四畳半が続いてたり、怪物みたいなえもいわれぬ老人が跋扈する、といったようなモリミファンタジーとは違って、どこか体温の違いを感じる。またユーモアにまみれたという感じもない。
読後感としては、今自分はどの世界線にいるんだろうな?ということと、誰が主人公だったんだろうなということだった。本を読む時、誰に感情移入するかっていうのはけっこう大事な気はするんだけど、今回のように世界線が変われば背景がかわり、主人公(というか、語り手?)が変われば、視点が変わる(だけじゃないけど)。途中まで感情移入してた人が途中から姿を消してみたり、別の世界線で同じ名前だけど違う人になってたり、そのへんをうろうろしてる間に今自分がどこにいるのかわからなくなった。
今の高校生はこんな複雑な物語構造が理解できるなんてすげえな。自分は複数回読んでも理解しきれないんじゃないかと思う。日本のミライは明るい。