森見登美彦のレビュー一覧

  • 聖なる怠け者の冒険

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    京都、宵山の大冒険

    森見ワールド前回の素晴らしい作品
    頭の中を覗いているようで、
    本当に楽しい

    はちゃめちゃだ、
    脳みそが複雑に絡まってどうしようもない人なんじゃないかとつくづく思う。

    そんな小説を好きになる僕も大概

    人間の前に、怠け者だから
    わざわざ楽しかった気持ちを文字に起こさない

    心にあれば十分でしょう
    だってそうでしょう

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    2025年04月27日
  • ペンギン・ハイウェイ

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    少年時代に色々なことに興味を持ち、外で遊ぶことにワクワクしてた懐かしい感覚が思い出せた。
    自分の場合は虫を捕まえたり、釣りに行ったとき魚を触り倒してた経験を思い出しました。
    あの時の感じを忘れて自分はつまらない人間になってしまったなと、切なくも感じました。
    最後の主人公が海について何か知っているか聞かれた時意地になって教えない感じ好き。

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    2025年04月25日
  • 夜行

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    世にも奇妙な物語のような、不思議な怪談話
    旅をしているような、夜の闇に囚われるような、最後は朝焼けが見えるようなそうでないような、不思議な作品

    論理とか伏線回収とかそう言う作品ではないので、
    前記のような不思議な体験をしたい人は読んではいかがでしょう。

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    2025年04月22日
  • 有頂天家族

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    ネタバレ

    「捲土重来!」「くたばれ!」

    洛中での狸と天狗と人間の、笑って、呆れて、ちょっと心温まる物語。ラストは疾風怒濤のごとくストーリーが駆けめぐる。飛び回る。

    人間は街に暮らし、狸は地を這い、天狗は天空を飛行する。
    人間と狸と天狗の三つ巴。それがこの街の大きな車輪を回している。
    天狗は狸に説教をたれ、狸は人間を化かし、人は天狗を恐れ敬う。天狗は人間を拐かし、人間は狸を鍋にして、狸は天狗を罠にかける。そうやってぐるぐる車輪は回る。

    もうみんな可愛い!狸の4兄弟はもちろんだけれども、金角・銀角兄弟も、赤玉先生も弁天も、わがまま放題やりたい放題。でも、憎めない。
    狸の父の器の大きさ母の愛。家族の絆に

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    2025年04月21日
  • ペンギン・ハイウェイ

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    映画になっていることは知っていて、それの予告の映像の、本当に断片だけ、それだけが前情報の状態で読み始めた。

    なので読みはじめてすぐ『思ってたんとちがう』でした。自身の勝手な想像のひとり歩きでした。ペンギン、めっちゃ出てくると思ってました。(確かにたくさんでますが)

    日頃から身のまわりの不思議を複数かけ持ちで研究する主人公こと「アオヤマくん」。
    ある日、突如住宅街に現れた「ペンギン」。
    ひそかに気になっている歯科医の「おねえさん」がそのペンギンに関係していることを知り、「おねえさん」を研究対象に巻き起こる小学生日常ファンタジー。

    どんなときも、どこまでも冷静沈着なアオヤマくんに、こんな強い

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    2025年04月16日
  • 夜行

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    ★4.1
    鞍馬山の火祭りの日、彼女は失踪した。
    彼女の不在を抱えたまま、五人の男女は五つの土地で、それぞれ“夜の物語”に出会う。


    「この話はどこまでが現実で、どこからが夢だったのか」
    読後、胸の奥に残ったのは、説明のつかないざわめき。怪談とも幻想譚ともつかない物語が、どこか自分の記憶や夢の奥底と響き合うような感覚。
    『四畳半神話大系』や『夜は短し歩けよ乙女』で見られるような軽妙さとは異なり、森見登美彦がこんな静謐で不穏な語りを書ける作家だということに、素直に驚いた。

    この短編集の魅力は、“断片がゆるやかに円を描いていく構成”にある。
    それぞれ異なる「失踪の物語」、そのひとつひとつに違和感

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    2025年04月15日
  • 有頂天家族

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     推しの昆虫学者さんの愛読書だそうです。
     わたしが思うに、この物語の主役は「洛中」というか「京都」ですね。懐が深いです。
     そこで狸と天狗と人間が、おもしろおかしくかけずり回るお話です。「ファンタジー」だそうです。
     準主役は狸一家のお父さん「下鴨総一郎」さん。作者の森見登美彦さんも楽しんで書かれているみたいで、おもしろかったです!
     冒頭の説明だと狐たちも京都に相当数いるはずだけど、物語にはぜんぜん出てこないです。狸たちみたいな下世話な世界ではなく、狐たちはもうちょっと高貴な世界に、すみ分けしているのかもしれません。

     他人の愛読書ですし、若い昆虫学者さんは、何がおもしろいんだろうと考え

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    2025年04月12日
  • 恋文の技術 新版

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    書簡体の本は苦手だけど、なんか最後まで読めた。
    森見さんの本は1ページ目で森見さんとわかるからすごい。

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    2025年04月06日
  • 竹取物語

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    森見訳の竹取が文庫化されるのを数年前から待っていた。
    竹・美女・うごうごする男たちと、森見登美彦以外の訳者は考えられない作品。
    森見登美彦としては万感の思いであろう。
    読み物として普通に面白いのだが、森見登美彦の生真面目さが出ていて、「原作と自分の味のバランス」との間で、かなり慎重に悩んで書いたことを感じさせる文章となっている。

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    2025年04月05日
  • 聖なる怠け者の冒険

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    森見登美彦を読み続けている人ならニヤリとする関連付けが各所にあって、また読み返したくなる程よい物語でした。
    宵山の迷宮に迷いたくなる一冊です。

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    2025年04月05日
  • 竹取物語

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    場面で区切られていたり、読みやすい文章だったりと、
    古文が苦手な私でもしっかり物語を楽しめました。

    起承転結まとまっていて洒落も効いていて、平安時代から
    こんなに面白い読み物があったのかと改めて感じました。

    現代小説に比べると描写が圧倒的に少なく、掘り下げも少ない為、もっと欲しい!と感じてしまいますが、そこが研究し甲斐、考察し甲斐がある箇所なんですかね…?

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    2025年03月30日
  • 竹取物語

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    かぐや姫と5人の求婚者達の関係性が、森見登美彦の書く小説と非常な親和性があり、大変読み易く、面白さとあわれさが堪能できた。

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    2025年03月30日
  • 有頂天家族

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    ネタバレ

    流石です森見登美彦先生。
    なんと言っていいか分からないけれど愉しませてもらった。面白く読むほかに何もすべきことはない、解説にあるようにまさに森見作品に通ずる言葉だ。
    狸、天狗、半天狗、人間の愉快で阿呆で破天荒な展開の数々にハラハラしたり、ホロっとしたり。
    最後の初詣の終わり方も良かったなぁ
    森見さんは黒髪乙女や弁天のような妖艶で皆が憧れる女性を描く天才。海星も好き。
    狸やら赤玉先生やら弁天のいる世界に浸っていたい
    そんな余韻があります
    面白きことは良きことなり!

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    2025年03月30日
  • 夜行

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    表紙で勝手に青春ものと思い込み、いつ四畳半とかみたいなわちゃわちゃ青春こじらせ系が始まるのかな~ってわくわくしてたら、ホラーだった…。
    怖いものは何も出てこないんだけど、狂気ともオカルトともつかない得体の知れない登場人物が静かに怖い。淡々と進むところも怖さに拍車をかけている。

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    2025年03月27日
  • 竹取物語

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     今更ながら竹取物語を読んでみる。
     誰もが知ってる話で説明不要なのだが、改めて読むと謎が深い。

     かぐや姫は月では高貴な身分だったが、罪を犯して地上へと落とされた。
     その罪の償いが終わったので月へと戻された。

     どんな罪を犯して、なぜ罪の償いが終わったとみなされるのか。
     そういった研究もされているのね。
     改めて読むと謎だった。

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    2025年03月26日
  • ペンギン・ハイウェイ

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    少年たちのひと夏の大冒険。
    哲学者ような研究者のような少年は、友人たちと不可思議な出来事を調べていく。
    そこには、1人の女性がいる。
    冒険の最後を見届けて、この少年はきっとやり遂げるだろうと確信した。
    少年たちに、幸あれ。
    最後に、ハマモトさんかわいい。

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    2025年03月26日
  • 竹取物語

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    森見版竹取物語。

    学生のころ古典の授業で読んで5人の若者vsかぐや姫のところは面白いなぁと思っていたけど、今作ではより5人のキャラが立っていて面白かった。
    作家さん独特のリズムや言い回しが心地よかった。

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    2025年03月25日
  • 熱帯

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    ネタバレ

    ファンタジー。すごく不思議な物語だった。
    物語の中で物語が始まるという構成が至るところで観られて読み進めることが楽しかった。

    前半は「熱帯」と、その作者である佐山尚一の謎を追っていく話。後半は佐山尚一の物語。
    個人的には前半のような謎を追っていく中で不思議な現象に巻き込まれたり、個性強めなキャラクターに振り回されたり、と言った展開が好き。池内氏と白石さんのやりとりがもっと読みたかったが、後半も南の島の描写が美しくて良かった。暑いシーンは暑いし、雨が降ると寒かった。熱帯、南の島の空気感や色がありありと感じられて気持ちよかった。

    物語を創作することについても触れている。何もないからこそ何でもあ

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    2025年03月24日
  • 有頂天家族

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    ネタバレ

    京都を舞台にした、下鴨家の狸たちの物語。糺の森や詭弁論部、偽電気ブランなどが登場すると、思わずニヤけてしまう。「夜は短し歩けよ乙女」の李白らしき人物も現れる。

    可哀想だけれど、食べちゃいたいほど狸が好きというのは、さすがに引いてしまった。さすが詭弁論部だ。この人も酔っ払うと詭弁踊りを始めるのだろうか。まあ、それでも、鳥が好きなのにからあげを食べる自分のことを考えると、人のことは言えないか。

    金閣・銀閣の阿呆っぷりが最高だ。「捲土重来、捲土重来」からの「呉越同舟、呉越同舟」には、笑わずにはいられなかった。

    下鴨家の兄弟になりたい。雷が鳴ったら母上や兄弟と一緒にくっついていたい。ちょっとした

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    2025年03月21日
  • 有頂天家族

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    読み進めるのに結構時間がかかった。
    というのも、いろいろイベントは起こるのだが、途中まで、ストーリーの進みが遅く、終わりが全然見えなかったから。ただ、最終章はそれまでの章とは違って、疾走感すら覚えるようなストーリー展開で、没頭して読んだ。これより前の部分の章で登場人物たちの狸柄、天狗柄、人柄が分かっていたからこそ、楽しめたように思った。弁天と赤玉先生の好き勝手にやる感じ、下総家の一致団結感、夷川家の強かな感じが面白かった。純粋にエンタメとして面白かった。アニメ化しても楽しめそうな作品。おもしろきことはよきことなり!

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    2025年03月20日