森見登美彦のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
題材と作者で読まずにいられない組み合わせ。
ホームズものは原作は一通り、パスティーシュなどもある程度読んでいる状態なので、触れたことがない人がどう感じるかは不明。
京都を舞台にした四畳半的グータラホームズの物語かと思って読み進めたものの、中盤以降は「熱帯」にも似た入れ子構造のファンタジーに。
正体のわからない「熱帯」に比べて、ホームズがどういったものかわかっている分、広がりは限定的。
またホームズ物ではあるんだろうけれど、推理小説ではなくあくまでファンタジー。
原作をある程度把握していれば面白さは増すかと。
個人的には大きな話にならずにビクトリア朝京都でグータラホームズが右往左往す -
Posted by ブクログ
私が読む竹取物語4作目
ところどころの言葉の選択が森見登美彦さんらしく思いましたけれど、忠実な日本語訳という印象を受けました。
かぐや姫の五人の求婚者たちへの無理難題。男たちはまともに挑戦しないで、それぞれの話に見事なオチまでつけてきます。
そして、帝の登場で、竹取物語が変調します。森見登美彦さんは 全集版あとがきとか講義も文庫の最後に掲載されていて、地球代表の帝も振られてといった感じでとしていました。
まあ、しかし 振られた事にはなるのかもしれませんが、かぐや姫は帝の事は好きな設定なのだと思います。
彼女が全てを忘れる羽衣を着せられる前に
帝に手紙を書き不老不死の薬と共に
贈ったという事 -
Posted by ブクログ
あの四畳半の森見登美彦氏の怪談なのです。
2004年が初出のようですので、初期の作品となると思います。
驚くべきは、その文章文脈がいつもの森見登美彦氏ではないのです。
こういうの書けるのになぜもっと書きませんですの?というところです。
「きつねのはなし」
一乗寺にある古道具屋「芳蓮堂」が登場
(これは度々登場ですね)
怪しげな骨董品が人から人へと何を伝える
吉田神社の節分祭がその怪異の入り口で出口
恒川さんの『夜市』を思い出すようなその
祭りの露天
祭礼の宵の京都はお気をつけやす。
「果実の中の龍」
どこまでが現実でどこまでが幻かを読者に問い続ける作品。序盤にさりげなく『果心居士』の名が出 -
Posted by ブクログ
《ワトソンなくしてホームズなし》p.5。
〔Ⅰ〕ヴィクトリア朝京都のホームズは極度のスランプに陥っており、彼に頼りきりだったワトソンやレストレードも同じ穴に落ちている。驚いたことにモリアーティも同じ穴にいた。
〔Ⅱ〕アイリーン・アドラーがホームズに挑戦してきた。その真意は?
〔Ⅲ〕十二年前にマスグレーヴ家で令嬢レイチェルが失踪した事件の謎は解けるのか?
〔Ⅳ〕マスグレーヴ家のハールストン館にある「東の東の間」と月と竹林と竹取物語。
〔Ⅴ〕ロンドンのベーカー街はどこに行った?
〔感想〕まあ、なんというか…
■ヴィクトリア朝京都のシャーロック・ホームズについての簡単な単語集
【アイリーン・アド