森見登美彦のレビュー一覧

  • 熱帯

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    辻褄という言葉が存在しない作品。
    作中の熱帯は千一夜物語をモチーフにしているがこの作品自体も千一夜物語のオマージュとなっている。
    作中の人物が語る話の中の人物がまた物語を語り始めるといった具合で元の物語の奥へどんどん引き込まれる。

    池内さんが京都で千夜さんの後を追う所までは物語を追えていたが、アトリエの中に入ってからの第4章以降は物語を追うことを諦め、ただただ物語の波に身を委ねていた。
    5章からは語り手が誰なのかもほぼほぼ分からなかった。

    作中の不可視の群島は魔王によって創造されたものだと言う説明があり、そこに住む人達は群島の外には出られないことになっていたが、外の世界の人たちも熱帯という

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    2026年09月02日
  • シャーロック・ホームズの凱旋

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    森見登美彦「シャーロック・ホームズの凱旋」
    バカバカしくも「どうなるんだ?」とワクワクする。あたかも多元宇宙のような2元ホームズ譚。

    プチシャーロッキアン、さて、どんな話なんだろうと。古今東西、ホームズのパロディ、パスティーシュは手が尽くされている。京都でどんな展開をする?と興味。

    ヴィクトリア朝京都、寺町通221Bのシャーロック・ホームズは赤毛連盟事件の大失敗以降、この1年、深刻なスランプに陥っていた。診療所を営んでいるワトスンはメアリに、ホームズをやたら気にかけるのはやめるよううるさく言われていた。そしてこの期間、多くの事件を解決し目覚ましい活躍を見せたのは、ホームズ宅の向かいに事務所

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    2026年09月02日
  • 夜行

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    「宵山万華鏡」のような不思議な世界観。四畳半〜も好きだけどこの世界観の方が森見登美彦ワールド感があって好き。
    解釈は考察班に任せるとして、とても好きなお話でした。

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    2026年08月31日
  • 四畳半タイムマシンブルース【電子特典付き】

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    群衆劇
    タイムマシーンを用いて過去と行き来するが、それはたった1日の出来事にフォーカスされている
    主人公の明石さんへの気持ち、行動できないもどかしい感じ、夏休みのだるさみたいなものが表現されている。

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    2026年08月31日
  • 宵山万華鏡

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    宵山の祭りの1日にフォーカスした連作短編集。不気味な話もあれば、どんちゃん騒ぎでバカしてる話もあって、不思議な感覚だった。
    乙川は結局何者なんだろう。想像できない部分も多くて、アニメ化して欲しい。

    話は全然違うけど、千と千尋の神隠しみたいなあの不思議さと怖さがあって、世界観は体験してみたいと思った。

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    2026年08月30日
  • 新釈 走れメロス 他四篇

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    ネタバレ

    3.5

    読みやすかった。
    まず、原作を読んでから読んだ。
    原作も意外と読みやすくて良かった。
    桜の原作がエグいし意味わからなかった。

    夜は短し〜と一緒にまた読みたい




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    2026年08月30日
  • シャーロック・ホームズの凱旋

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    ネタバレ

    ヴィクトリア朝京都という架空の都市や、各キャラクターの原典からの乖離(特にモリアーティ教授とアイリーン・アドラー)などに最初は馴染めず、うぅん……という気持ちで読んでいたけど、後半になるとそういう違和感への理由みたいなものがわかるし、驚きの展開もあったりしてめり込んで読めた。が、最終盤なるとまたうぅん……という気持ちになった。

    原典への忠実さやミステリを求めるとちょっと違うなって感じるかもしれない。ファンタジー?メタ?的な……

    「ワトソンなくしてホームズなし」というのは本当にそうだなと思うし好きな言葉ではあった。

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    2026年08月29日
  • 太陽の塔(新潮文庫)

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    ネタバレ

    法界悋気をこじらせた冴えない高学歴大学生の妄想走る失恋模様。
    「幸福が有限の資源だとすれば、君の不幸は余剰を一つ生み出した。その分は勿論、俺が頂く」と言い放つ飾磨の悪友っぷりが非常に魅力的。
    クリスマスファシズムに対抗した「ええじゃないか騒動」後の「そして、まあ、おそらく私も間違っている。」という言葉に込められた、失恋の痛みとそれを乗り越えた成長が深く胸に響いた。

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    2026年08月29日
  • シャーロック・ホームズの凱旋

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    ヴィクトリア朝京都にて再構築される世界一有名な名探偵の物語。氏の小説の舞台はやはり京都が良い。洒脱な思弁と駄弁と詭弁が活き活きと描かれる。と思っていたら中盤から何やら雲行きが怪しくなり、一転霧深いロンドンと虚構の崩壊という予測不能な展開に。虚実入り乱れる酩酊感のなか、最後は熱い相棒愛と創作愛に包まれる。ワトソンなくしてホームズなし。

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    2026年08月29日
  • 夜行

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    ネタバレ

    夜行と曙光が混じり合う独特な世界観にゾッとした。

    物語のオチとしては、スッキリとした印象は得られず、あくまでも世界観に浸る作品なのではないだろうか。そのうえ読み始めから読み終わりまで惹き込まれる世界観はさすがのもので終始飽きることなく読み進められた。

    また、ガガーリンの「地球は青かった」のセリフに対して本当は宇宙の暗さが地球の青さを際立たせていたと意訳する視点には圧倒された。同時に私は、このような一つ一つのセリフに対して、穿った見方を得られる思考が羨ましく思った笑

    「世界はつねに夜なのよ」というフレーズが度々作中に出てくるほどに夜を感じる作品だが、最後は裏腹に「ただ一度きりの朝」を主人公

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    2026年08月29日
  • シャーロック・ホームズの凱旋

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     あまり楽しめなかった。シャーロック・ホームズを一通り読んでいると、登場人物や細かいオマージュに気づくことができるかもしれないが、そのノリで本作を読むと、思っていたのと違う感があるかもしれない。なので、他の方の感想にもあった、“二次創作“という言葉がピッタリだと思う。
     後半での急展開具合は、これもまた人を選ぶ気がする。作者に翻弄されるような本が好みの人には合っているだろう。

     ハヤカワミステリ文庫のシャーロック・ホームズの冒険を以前読みました。他のホームズも読みたくなったので、本作は良いきっかけになると思います。

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    2026年08月28日
  • 恋文の技術 新版

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    書簡集という手紙を集めて本にするタイプの小説は読むのが初めてで、相手がどんな返信をしてきているのか、主人公の置かれている状況が様々な人視点で見れて、新鮮で面白かった。

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    2026年08月28日
  • シャーロック・ホームズの凱旋

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    ネタバレ

    ロンドンとビクトリア朝京都のはどこかマーベル作品のマルチバースのようにも感じた。ワトソンなくしてホームズなしなので、もしロンドンのワトソンの人生がうまくいっていたら、ビクトリア朝京都の世界が消えたのかも、もしかすると生まれてすらないかもしれないなと思った。

    「探偵でありながら、解かない方がいい謎もある」言いたいことは分かるし、作品全体の「一つの真実に決めなくてもいい」というテーマにもつながっているのだろうけれど、若干ホームズなのに?笑みたいな気持ちもあるのは否めないかな。

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    2026年08月27日
  • シャーロック・ホームズの凱旋

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    ビクトリア朝京都って何…?京都の町にホームズがいるってこと?いや、描写的に日本家屋って感じじゃない…でも神社が存在してる…なんか映像を想像出来ない舞台だな…。というのが第一印象だった。
    シャーロック・ホームズシリーズは読んだ事はない。とは言え、オマージュや二次創作に触れる機会はあった為、登場人物や事件のタイトルくらいは知っているのだが、そんな浅薄な知識の自分にも、スランプという共通の悩みを持つホームズとモリアーティが一つ屋根の下で暮らしているという設定が如何に異様かは分かる。正規のシャーロック・ホームズからはあまりにもかけ離れた世界観の本作。実はこの舞台が影であるという話になった時には得心した

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    2026年08月26日
  • 新釈 走れメロス 他四篇

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    ネタバレ

    普段、昔の小説は食わず嫌いでまったく読まないのだが、森見登美彦版のストーリーということでかなり面白く読むことができた。
    森見登美彦の描く小説といえば阿呆な大学生がドタバタするストーリーという勝手なイメージがあるが、京都の美しい情景や美しい女性、ちょっとレトロな雰囲気、ともすると背筋がすうっと冷たくなるような不穏な感じなどなど、とにかく色々と素敵な要素が詰まった短編集である。

    山月記
    小説に魅入られて天狗になった男の話。
    こちらの短編集には5つの小説が入っているが、どの小説にも本作の主人公・斎藤が登場するのがオマケ的要素な感じがして好き。

    藪の中
    いろんな人の視点で描かれた小説。
    最後のキス

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    2026年08月25日
  • シャーロック・ホームズの凱旋

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    ネタバレ

    面白かった。

    森見さんらしい、どこか間の抜けた登場人物たちの掛け合いが楽しい。

    竹林の片隅に引き籠もるホームズが見られるのは、ここだけでしょう。

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    2026年08月23日
  • 四畳半王国見聞録

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    同じ世界線の短編集。
    登場人物が多く少し混乱するため、一気読みをおすすめする。繰り返し読むとより楽しめると思う。

    森見登美彦の大学生作品らしさがよく出ている。しかし、短編であるため、満足度は他作品に劣ると感じる。

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    2026年08月22日
  • ペンギン・ハイウェイ

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    読んでいる間、ニュー•シネマ•パラダイスという映画を思い出していました。アオヤマ君=トトが大人になって町に戻って来ても、お姉さんはもちろんいないし、探検した森や海辺のカフェも無くなっているかもしれません。どんな不思議な出来事も、何十年という時間の経過があの夏の記憶を少しづつ削りとってしまうのです。でも最後まで残るのは、トトにとっての切り取られたフィルムに映し出されたラブシーンのような、お姉さんのオッパイなのかもしれません。

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    2026年08月22日
  • 5分後にお風呂に入りたくなる! 湯けむり文学

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    お風呂好きとしては、読まずにはいられないタイトル。お風呂をテーマにした小説やエッセイ22話。
    1話が10ページ足らずなので、すいすい読める。
    「お風呂」は私にとっては、湯船にゆっくり浸かって1日の疲れをとる癒しの時間。そんな話が続くのかと思いきや、予想を超えるバリエーション。お風呂って、人によってこんなにも違うものなんだとびっくりしてしまった。

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    2026年08月21日
  • きつねのはなし

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    ネタバレ

    夏らしく、背筋がぞわっとするものが読みたくなり再読。
    最後まで「正体」は明確には語られない。だからこそ、その空白を埋めるように、これまで自分が見聞きしてきたものや、知っているはずの恐ろしいものが勝手に想像の中で膨らんでいく。
    非常に読みやすい作品とは対照的に、濃厚な暗闇の中から何かがこちらを覗いているような感覚に何度もぞわっとさせられました。

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    2026年08月20日