【感想・ネタバレ】夜行のレビュー

あらすじ

怪談×青春×ファンタジー、かつてない物語。

「夜はどこにでも通じているの。世界はつねに夜なのよ」
私たち六人は、京都で学生時代を過ごした仲間だった。十年前、鞍馬の火祭りを訪れた私たちの前から、長谷川さんは突然姿を消した。十年ぶりに鞍馬に集まったのは、おそらく皆、もう一度彼女に会いたかったからだ。夜が更けるなか、それぞれが旅先で出会った不思議な体験を語り出す。私たちは全員、岸田道生という画家が描いた「夜行」という絵と出会っていた。
怪談×青春×ファンタジー、かつてない物語。

春風の花を散らすと見る夢は
さめても胸の騒ぐなりけり
--西行法師

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Posted by ブクログ

森見登美彦さんはこんな怖い話も書けるんだなってとても意外でした。版画の中の少女が現れると、夢のような出来事と、現実との境界線が曖昧になっていき、恐ろしくも幻想的な夜の異世界に迷い込んだ気持ちになりました。個人的にかなり好きな世界観でした。こういう話で考察するのはナンセンスかな?でも読み終わったあとも、あれは何だったのだろうっていう事が多すぎて、ついつい考えてしまいます。もっかい読むかもしれません。夜の街を散歩しながらこの話を振り返りたいです。

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2025年11月18日

Posted by ブクログ

昼の反対は夜。光の反対は闇。
どちらの世界が本物なのか。
平行世界のようなファンタジーなのか、それとも百鬼夜行のホラーなのか。
不思議な物語。

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2025年11月11日

Posted by ブクログ

あらすじと表紙で気になって購入させて頂きました。
刺激の強いホラーは苦手なのですが、薄気味の悪さが情景と共に思い浮かび、最後までこの雰囲気に浸ることができ、とても面白い本だと印象に残りました。是非とも多くの人に読んでもらいたいです。

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2025年09月11日

Posted by ブクログ

ちょっと怖くて不思議な、「夜行」という絵にまつわるいくつかの話。
都市伝説を高解像度の映像で近距離から眺めているような不気味さ!
とてもおもしろかった。

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2025年04月06日

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ぐるぐると旅をしている。
否、座っている。
作家 森見登美彦の力によって日本全国を旅した。
もちろん脳内での話だが、自分では見た事も考えたことも無いような「画」が流れ込んでくるのだ。アトリエの様相だけでなく匂いや温度まで感じることができる。そして夜行を「視た」私は鳥肌がたった。森見登美彦は読者の中に入って語りかけてくるのである。

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2025年12月08日

購入済み

面白い

きつねのはなしのような静かな作風のため好き嫌いが読み進めていくとじわじわとはまってきました
面白かったです

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2020年02月08日

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ネタバレ

著者に多いポップな作風とは対照的に深い影を帯びた作品だった。京都を基盤にしつつ、尾道や奥飛騨、津軽で広がる物語は異界への誘いのように幻想的でホラーチック。「夜行」と「曙光」、表と裏の境界が溶け合い鮮やかに反転していく描写が見事だった。

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2025年12月09日

Posted by ブクログ

なんてったって難しい。
自分の中での「こういうことかな?」がほんの少しだけあるけれど、言語化するのが難しい。

でも最後の最後に、ほんの少しだけ曙光を感じられてほんの少し嬉しかった。
知りたいことたくさんありまくりだけど。

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2025年12月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

昔(2022/12/27)に一回読んだことがあって、そのときめっちゃ面白かった記憶があり、カバーが可愛くなっていたので、買ってしまった…!

やっぱり面白い。
森見さんの作品は夜は短し歩けよ乙女とか、四畳半神話大系が好きだけど、この本はふざけが全くない。

森見さんがふざけなしで本気で書いたらこういう感じの話になるんや…!と感動

珍しく、京都だけに焦点を絞らず、尾道や、東北など、各所での儚くて摩訶不思議な物語が描かれていた。
書く物語も、オチが本当に切なくてロマンチックで素敵

1番メインの場所は、貴船口駅周辺
以前京都に住んでいたこともあり、貴船のあの有名観光地なのに飾りすぎない京都らしい雰囲気で、いかにも起こりそうな物語だなと思った。

みたことある場所だから、この世界観がすっとはいってきて本当に良かった。

良き作品だった…!

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2025年11月13日

Posted by ブクログ

精神的に来る恐怖体験を描いた連作集。とくに最初の3話がよかった。文章もいい。

1話目、妻の得体のしれなさが怖い。配偶者って家族だけど他人でもある。その距離感が得体の知れない不気味さにつながるのだろうか。
2話目は語り手が気持ち悪い。登場人物全員しょうもない。ミシマさんは存在感がある。
3話目の語り手も怖い。幼ななじみの少女ってそういうことだろうなと思ったら案の定。

終わりの2話は話に収拾をつけようとして説明的になり尻すぼみ感。その説明も微妙だし、オチのない悪夢のような連作集でよかった気がする。

あと表紙の女性はこちらに背中を向けていた方が雰囲気あったと思う。

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2025年10月07日

Posted by ブクログ

コウペンちゃんカバーが可愛くて購入。ほっこり系かと思いきや全然違った。微ホラー?夜の電車に乗りながら読むと、自分も物語に入った気分で楽しかった。

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2025年09月04日

購入済み

6年ぐらい前に紙の本を読んだことがあって、もう一度読みたいと考えて購入しました。
当時とは違う発見があって良かったです!

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2025年07月24日

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森見登美彦の怪談話。とても好きだった。
主人公の大橋くんと、学生時代同じ英会話スクールに通っていた仲間たち。その仲間たちがそれぞれ語るエピソードは、「ホラー」ではなく「怪談」という言葉がよく似合う、独特の湿度を感じました。

読みながらずっと、何かが怖いのに、それが何なのか言語化できず唸っていました。振り返って自分なりに言葉にするなら、各話の語り手は終始普通の体験談として話しているのに、その内容が次第に普通ではなくなっていき、その歯車の狂ったまま語り終わるというところなのかもしれない。

すべてがハッキリとは説明されず、わかったようなわからないようなままの部分もあります。読み返せば発見はあるかもしれないけれど、読者が想像を膨らませられる余白があり、人それぞれ解釈も分かれるかと思います。読み終わった人と、感想会を開きたくなる本でした。

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2025年06月28日

Posted by ブクログ

コウペンちゃんカバーのバージョン買ったのですが、カバーでのファンタジー✖️ホラーと書かれていたのとカバーが合わさって、ちょっと怖いけど最終的に心温まる系かなと思ったら大間違い!怖い描写はしっかり怖く、途中何度諦めようと思ったことか。内容がとても不思議で、読み終わった今もあまりはっきりしていません。

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2025年06月03日

Posted by ブクログ

ずっと読みたいと思ってた作品
すごく不思議な物語でした
ゾッとするのになぜか美しいと感じたし、恐いと思いながらもどんどん読み進めてしまう世界観でした

今自分がいる世界が表なのか裏なのか
そもそもそういう概念自体あるのか
読み終わってみると、自分の世界と照らし合わせて考えてしまいました

物語の登場人物もどっちが本当の世界なのかわからずで、ただ最後の1行に戻って来れたのかな?という希望が見えました

恐い気持ちもあるけど、一度夜行列車に乗って遠くの街に出掛けてみたいと思ってる作品でした

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2025年05月08日

Posted by ブクログ

世にも奇妙な物語のような、不思議な怪談話
旅をしているような、夜の闇に囚われるような、最後は朝焼けが見えるようなそうでないような、不思議な作品

論理とか伏線回収とかそう言う作品ではないので、
前記のような不思議な体験をしたい人は読んではいかがでしょう。

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2025年04月22日

Posted by ブクログ

★4.1
鞍馬山の火祭りの日、彼女は失踪した。
彼女の不在を抱えたまま、五人の男女は五つの土地で、それぞれ“夜の物語”に出会う。


「この話はどこまでが現実で、どこからが夢だったのか」
読後、胸の奥に残ったのは、説明のつかないざわめき。怪談とも幻想譚ともつかない物語が、どこか自分の記憶や夢の奥底と響き合うような感覚。
『四畳半神話大系』や『夜は短し歩けよ乙女』で見られるような軽妙さとは異なり、森見登美彦がこんな静謐で不穏な語りを書ける作家だということに、素直に驚いた。

この短編集の魅力は、“断片がゆるやかに円を描いていく構成”にある。
それぞれ異なる「失踪の物語」、そのひとつひとつに違和感や謎を抱えながら読み進めるが、最後の「花屋町」編で、それらがゆるやかに回収されていく。
けれどその回収は決して完全ではなく、「すべては明かさない」という作家の美学が貫かれている。その不確かさが、まさに“夜行”というタイトルにふさわしい。
現実と非現実の境界、光と闇のあわいに立ち続けることこそが、この作品の核なのかもしれない。

森見登美彦は「京都」という都市の持つ時間の層や、ユーモラスな学生たちのやりとりを通じて物語を描いてきたが、この『夜行』では、そうした“場所”や“人間関係”さえも朧にし、「記憶」「喪失」「不可逆性」といったより根源的なテーマに向き合っている。
彼が描く“夜の世界”は、単なる暗さではなく、静けさと優しさ、そしてどうしようもない哀しみをたたえている。


さて、
あなたがこの本を読み終わって見上げた世界は、読み始める前とほんとに同じ世界ですか?

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2025年04月15日

Posted by ブクログ

表紙で勝手に青春ものと思い込み、いつ四畳半とかみたいなわちゃわちゃ青春こじらせ系が始まるのかな~ってわくわくしてたら、ホラーだった…。
怖いものは何も出てこないんだけど、狂気ともオカルトともつかない得体の知れない登場人物が静かに怖い。淡々と進むところも怖さに拍車をかけている。

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2025年03月27日

Posted by ブクログ

好きなイラストレーターさんがカバーイラストを担当していたので購入しました。
第四夜までとにかく怖い。
夜の暗い闇の中ではとてもじゃないけど読めなかったかも。
第五夜で衝撃の種明かしが。
つまりどういうこと…!?
もう一度最初から読み返したくなるお話でした。
難しい…!

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2025年03月01日

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情景描写がうまく、映像が浮かんでくるよう。全編を通じて不穏な空気感がよく出ている。伏線回収がされず放り出したような展開は好みが分かれそうだけど、個人的には気にならなかった

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2025年01月21日

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2016年に読んで以来、約9年ぶりに読み返した。森見登美彦氏の本は須く読んでいるが、こちらの作品はきつねのはなしの系譜。

夜は短し歩けよ乙女、有頂天家族がコミカルな作品だとすると、夜行はホラー寄りと対をなす。個人的にはきつねのはなし同様、好みである。

2016年当時は西日本にいたので京都は身近な存在だったが、2025年現在は東日本と遠くにいる。話に出た津軽がより身近だ。自分自身もそう言った意味では対を成すのか。

更に面白いのはこの作品でも夜行と対を成す曙光が話のキーとなる。
当時読んだ時は話のラストに薄気味悪さを感じていたが、今改めて読むと、ある意味ハッピーエンドだ。長谷川さんもきっと、今も幸せにしているのだろう。

次に読む時はまた違うことを思い浮かべるのか、また自分自身も京都近くに戻るのか、分からないが、また、どこかで、この本を通し、過去の自分と語り合いたい。

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2025年01月18日

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ん、これ本当に森見登美彦だよね?っと思って何回か、作者を見直した。

自分の知ってる森見登美彦の文体じゃない。めちゃくちゃホラーだ。そして、グイグイ読ませる。まるでスティーブンキングのよう。

あらすじは難しくてうまく説明できない。

ある英会話スクールに通っていた仲良しメンバーがそれぞれ、不思議(恐怖)体験をした話をしていく。
その話には整合性があるような、ないような。
共通点はある作者の銅版画。。。

同作者の熱帯も難しかったが、この作品も素晴らしい。気持ちよくケムに巻かれるこの感じ嫌いじゃ無い。嫌いじゃないよ!!

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2025年01月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「夜行」と「曙光」という絵のもとに二つの世界が存在するっていう世界観が、不思議な出来事に絡めて少しずつ種明かしされていく感じが面白かったです。
岸田さんと長谷川さんが再会したことで二つの世界が分離したということは、長谷川さんと両思いだった(?)大橋くんは岸田さんにとっては邪魔者だから、長谷川さんと結婚するための「曙光」の世界から大橋くんを追い出したのかな、とか思いました。

ただラストの種明かし後、それまでの各話の答え合わせがなかったので、ちょっとモヤモヤした終わり方でした(自分で想像してねってこと?)。
一番答え合わせが気になった「津軽」の話は、藤村さんは「曙光」の世界では佳奈ちゃんみたいな性格ってことですかね?
あと、田辺さんと佐伯さんは「曙光」の世界の岸田さんをどう思うのか少し気になりました。

森見さんの作品の中で「きつねのはなし」がかなり好きなので、似た系統の作品を書かれていたのは嬉しかったです。
ただ、地名が各章のタイトルだからと安直な理由で旅行のお供の本にしてしまったため、旅行中ホテルのフロントマンや夜道がちょっと怖かったです笑。
住み慣れたご自宅で読むことをお勧めします笑。

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2024年12月23日

Posted by ブクログ

美術館にいるときみたいな、ちょっと息がつまるような感じがした。
鞍馬の火祭り行ってみたいけど一人で行くの怖くなっちゃったな。でも誰かと行くと失ってしまうかもしれないからもっと行けなくなっちゃったな。

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2024年09月08日

Posted by ブクログ

出町柳のエルカミノで買った。

怖いんだけど、ホラーかと問われればそうではない気がしてくる。怖くて不思議な話。英会話教室の仲間たちのそれぞれの話はどれも後味が悪く、物語を最後まで読んでも納得のいく考察ができなかった。ほんとうにどれも嫌な感じなので、どの世界も体験したくない。ただ、佐伯の言っていた「我々は景色ではなく言葉を見ている」という話には納得させられるところがあって、主人公はインチキ話だなんて思ってるようだったけど、深く考えてしまった。

森見登美彦の作品は頓痴気なものばかり読んできたので、こういった気味の悪い物語は新鮮だった。京都の町ってやっぱり怪談っぽい雰囲気に合うのだなあ。そして森見登美彦の表現の幅は想像以上に広いのだなあ。

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2025年10月02日

Posted by ブクログ

森見登美彦さんの作品らしいと感じる一方、感じ方が違う作品でもありました。怪談の要素もありながら、パラレルワールドの世界観もあり。個性的な作品です。

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2025年08月15日

Posted by ブクログ

森見作品の中では真面目?
ファンタジーにホラーに面白かったが、ところどころ説明不足に感じて、モヤっとしてしまった。想像力不足かも。

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2025年05月10日

匿名

購入済み

最初から最後まで不気味でした。ホラーに近い感じがしました。不思議な気配にいつの間にか絡め取られて、もう一つの世界に紛れてしまったような心細さも感じましま。

#怖い

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2025年03月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

登場人物が語る不思議な旅の話を聞けば聞くほど、不気味さが募るばかり。
最後まで、「なーるほどね!チャンチャン!」とはならず、変にフワフワした余韻が残る。
著者は面白おかしい話もうまいけど、こういう妖しい世界を作るのもうまいなあ。

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2025年03月12日

Posted by ブクログ

やっぱり森見さんの世界観が好き。
このなんとも言えない不思議な気持ちになる、唯一無二な感じの世界観にすごく惹かれる。
読み終わって、どういう話だった?と聞かれても上手く伝えられない、自分の中に刻まれる物語みたいな感じも好きなポイント。
今作は最近ハマっているホラー要素があって、より楽しめた。
物語の舞台は行ったことのない、知らないところばかりだけれど、風景描写からはっきりと想像できるし、この場所知ってるかもとなるのも面白い。
再読もしたいし、森見さんの他の作品も色々読んで、浸りたい。

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2025年02月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

行方不明になった長谷川さんの仲間を10年ぶりに大橋くんが集めて、長谷川さんこ行方不明になった鞍馬の火祭りに行くことにする。
仲間たちの、岸田さんという銅版画家の「夜行」にまつわる偶然と思われる話が続く。
最後になり、大橋くん以外の人にとっては、大橋くんが行方不明になっていることがわかる。その世界では「曙光」という大橋くんの世界では存在が未確認だった連作が存在した。
長谷川さんがいなくなった大橋くんの世界と大橋くんがいなくなった長谷川さんの世界との関わりがよく分からないまま終わってしまった。鞍馬の火祭り、長谷川さん、大橋くん、岸田さんがポイントだったのだろうけど、読み解けないまま読み終わってしまい、なにか不完全燃焼感が残った。

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2025年02月14日

Posted by ブクログ

岸田氏の作品”夜行"を通して、大橋くんの不思議な体験を物語にしていた。謎めいた箇所がおおく、理解に苦しんだところもあった。

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2025年01月05日

Posted by ブクログ

鍵を握る銅版画と話し手たちによって紡がれる怪談ファンタジー。尾道から始まるストーリーが、学生時代に鈍行列車で広島〜山口を旅したことを思い出させた。百鬼夜行のような、あやかし要素もあるけれど、夜行列車に乗って旅をするなんともいえないワクワク感も思い出させてくれた作品。上野発の夜行列車でどこへ行こうか。飛行機とか新幹線とか移動時間を短くする方法を考えがちなのだけれど、夜行列車は乗ることが旅の目的であって、そういう旅のスタイルの良さを思い出させてくれた。

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2025年01月04日

購入済み

雰囲気は出ているが

現代を舞台にしたファンタジー小説。
特にこれと言ったオチも無く、何がなんだかわからない作品。
何かテーマがあるのかも知れないか、私には分からなかった。
ただ、ミステリアスでホラーな雰囲気はよく出ている。

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2021年02月10日

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