【感想・ネタバレ】夜行のレビュー

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ネタバレ

怪談だけれどほとんど(というかほぼ)人死には出ず、なのにどこかそわそわして淋しくなるような話だった。他の人の感想を見て、「夢十夜」みたいというのがあったが本当にその通りだし、新釈走れメロスならぬ新釈夢十夜といってもいいと思う。夢十夜以外にも、「雪国」、「桜の森の満開の下」などの影響も考えられるなと思われた。

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2024年05月15日

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ネタバレ

不思議な森見さんらしい世界が広がっていた。鞍馬の火祭で姿を消した長谷川さんを忘れられない仲間たちが10年ぶりに集まり火祭に出かけることになった。それぞれ旅先で出会った不思議な出来事を語り始める。尾道、奥飛騨、津軽、天竜峡。岸田道生の作品で繋がるパラレルワールド。夜行と暁光。大橋くんと長谷川さんが生きているのはどちらの世界か。決して交わらない。「夜明けの空気は冬のように冷たかった。今まで耳に入らなかったのが不思議なほど、賑やかな朝の音だった。そのときほど朝を朝だと感じたことはない」朝が来る。生きている。

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2024年05月07日

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ネタバレ

不思議な気持ちになりました。森見登美彦さん!という感じの物語でした。とっても面白かったけれど、どんな内容?と訊かれると困るような……。

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2024年04月16日

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ネタバレ

長谷川さんの失踪から10年後の仲間との再会、そして銅版画家、岸田道夫の連作作品をめぐる仲間の語る体験がパラレルワールドと繋がっていることが徐々に明かされていく。そして遂にはもう一つの世界へ迷い込む。
それぞれのエピソードで行方不明になる人達は別の世界に行って戻ってこないのだろうか、曖昧にされた謎は読者の解釈に委ねられるが個人的には伏線の回収はしてほしい気持ちになる。
仲間の語るエピソードがどれも中途半端の語り終えるので消化不良のまま読むことにもやもやする。作者らしい作品ではあるが。
情景描写はとても幻想的で、特に第四夜「天竜峡」での電車での情景はあてのない旅に出かけたくなりました。

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2024年03月17日

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ネタバレ

百物語のように語り部が順に話し出す。どれも得体のしれない怪しさのあるお話。結末がどうなったのかわからないもどかしさを感じるが、嫌な感じではなく、先を読みたくなる。夜行と曙行、2つの世界。そういう異次元がもしかしたら存在するのかもしれない。読み終えた後も、謎が深まるお話だった。

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2023年12月18日

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ネタバレ

夜行と曙光、2つの世界を行き来することになってしまった男の話。あらずじを全く見ずに読み始めており、てっきり「夜は短し〜」のような雰囲気かと想像していたので、ホラー要素の強さにびっくりしながらも、あっという間に読んでしまった。

2つの世界を行き来する瞬間の描写がよかった。この世から一度切り離されるような感覚になる。

「世界はつねに夜なのよ」と「ただ一度きりの朝ーーー」の2つの言葉がこの物語を象徴していると思う。ずっと夜の世界で生きてきた「夜行の岸田」と毎回違う表情を見せる朝を探し続けた「曙光の岸田」どちらも同じ人物なのに魅せられたもの、みているものが違うからなのか、全く違う人生だった。

一番ゾワっとしたのは、岸田が夢のなかで「その瞬間、僕は自分が死んでいることに気づく。」というところ。岸田が夜行の世界に足を踏み入れたことに気がついた瞬間だったのだろう。その後、夜行の世界から空が白んでいくように、ゆっくりと曙光の世界に戻っていく様子に安堵すると同時にもう1人の岸田の人生を知っているだけに手放しで喜ぶこともできなかった。もちろん、「夜行の岸田」が不幸だったわけではないのだけど。

いろいろな解釈ができる物語でもあるので、部分部分ではなく、全体を通してもう一度読み直したいなと思いつつ、森見さんの他の本も、もっと読みたくなった!

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2023年09月16日

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ネタバレ

なかなか奥が深いお話だと思いました。
読者に、ご想像をお任せしていますって言う感じがしました。

英会話スクールの、かつて大学生だった仲間。その仲間の1人がお祭りの帰りに、行方不明に。

社会人となり10年ぶりの再会。
各々、旅の思い出を語るが。。どれも岸田という同伴画家が関係している。

「夜行」が陰の作品なら「曙光」は陽の作品。
夜行で行方不明になったのは女性、曙光で行方不明になったのは主な語部の男性。。

途中、銅版画家の告白から出てきたイギリスでの幽霊の絵の話。。

これを読んで思ったのは、語り部(大橋)は、叶わぬ恋を思い、長谷川さんを手にかけているのでは?

そこで人生が変わった銅版画家の岸田さん。。
長谷川さんが生きていたらの人生が曙光、亡くなった人生が夜行。

お互い夫婦になるはずだった2人は、夜行では闇の中で逢瀬を重ねる。。

この話は、そういった意味でもゾワリとします。

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2023年08月06日

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