【感想・ネタバレ】夜行のレビュー

あらすじ

怪談×青春×ファンタジー、かつてない物語。

「夜はどこにでも通じているの。世界はつねに夜なのよ」
私たち六人は、京都で学生時代を過ごした仲間だった。十年前、鞍馬の火祭りを訪れた私たちの前から、長谷川さんは突然姿を消した。十年ぶりに鞍馬に集まったのは、おそらく皆、もう一度彼女に会いたかったからだ。夜が更けるなか、それぞれが旅先で出会った不思議な体験を語り出す。私たちは全員、岸田道生という画家が描いた「夜行」という絵と出会っていた。
怪談×青春×ファンタジー、かつてない物語。

春風の花を散らすと見る夢は
さめても胸の騒ぐなりけり
--西行法師

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Posted by ブクログ

ネタバレ

著者に多いポップな作風とは対照的に深い影を帯びた作品だった。京都を基盤にしつつ、尾道や奥飛騨、津軽で広がる物語は異界への誘いのように幻想的でホラーチック。「夜行」と「曙光」、表と裏の境界が溶け合い鮮やかに反転していく描写が見事だった。

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2025年12月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

昔(2022/12/27)に一回読んだことがあって、そのときめっちゃ面白かった記憶があり、カバーが可愛くなっていたので、買ってしまった…!

やっぱり面白い。
森見さんの作品は夜は短し歩けよ乙女とか、四畳半神話大系が好きだけど、この本はふざけが全くない。

森見さんがふざけなしで本気で書いたらこういう感じの話になるんや…!と感動

珍しく、京都だけに焦点を絞らず、尾道や、東北など、各所での儚くて摩訶不思議な物語が描かれていた。
書く物語も、オチが本当に切なくてロマンチックで素敵

1番メインの場所は、貴船口駅周辺
以前京都に住んでいたこともあり、貴船のあの有名観光地なのに飾りすぎない京都らしい雰囲気で、いかにも起こりそうな物語だなと思った。

みたことある場所だから、この世界観がすっとはいってきて本当に良かった。

良き作品だった…!

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2025年11月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「夜行」と「曙光」という絵のもとに二つの世界が存在するっていう世界観が、不思議な出来事に絡めて少しずつ種明かしされていく感じが面白かったです。
岸田さんと長谷川さんが再会したことで二つの世界が分離したということは、長谷川さんと両思いだった(?)大橋くんは岸田さんにとっては邪魔者だから、長谷川さんと結婚するための「曙光」の世界から大橋くんを追い出したのかな、とか思いました。

ただラストの種明かし後、それまでの各話の答え合わせがなかったので、ちょっとモヤモヤした終わり方でした(自分で想像してねってこと?)。
一番答え合わせが気になった「津軽」の話は、藤村さんは「曙光」の世界では佳奈ちゃんみたいな性格ってことですかね?
あと、田辺さんと佐伯さんは「曙光」の世界の岸田さんをどう思うのか少し気になりました。

森見さんの作品の中で「きつねのはなし」がかなり好きなので、似た系統の作品を書かれていたのは嬉しかったです。
ただ、地名が各章のタイトルだからと安直な理由で旅行のお供の本にしてしまったため、旅行中ホテルのフロントマンや夜道がちょっと怖かったです笑。
住み慣れたご自宅で読むことをお勧めします笑。

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2024年12月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

登場人物が語る不思議な旅の話を聞けば聞くほど、不気味さが募るばかり。
最後まで、「なーるほどね!チャンチャン!」とはならず、変にフワフワした余韻が残る。
著者は面白おかしい話もうまいけど、こういう妖しい世界を作るのもうまいなあ。

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2025年03月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

行方不明になった長谷川さんの仲間を10年ぶりに大橋くんが集めて、長谷川さんこ行方不明になった鞍馬の火祭りに行くことにする。
仲間たちの、岸田さんという銅版画家の「夜行」にまつわる偶然と思われる話が続く。
最後になり、大橋くん以外の人にとっては、大橋くんが行方不明になっていることがわかる。その世界では「曙光」という大橋くんの世界では存在が未確認だった連作が存在した。
長谷川さんがいなくなった大橋くんの世界と大橋くんがいなくなった長谷川さんの世界との関わりがよく分からないまま終わってしまった。鞍馬の火祭り、長谷川さん、大橋くん、岸田さんがポイントだったのだろうけど、読み解けないまま読み終わってしまい、なにか不完全燃焼感が残った。

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2025年02月14日

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