いっきさんのレビュー一覧
レビュアー
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非殺人ミステリー
第1作「マジョルカ」、第2作「マハリタ」に続く3作目が本作。
前2作品は短編を繋ぐ形で主人公やヒロインの関係等が描かれていたが、本作はシリーズ3作目にして、本格ミステリー感のある長編となった。
本作はミステリー作品ではあるが、殺人などの血なまぐさい事は起きない。
殺人を伴わないミステリーではサスペンスフルな展開にならないようにも思えるが、本作ではヒロインのマツリカさんの正体の追求も含めて、かなりドキドキする展開があり、読み応えはとてもあった。
最後の最後、マツリカさんが皆の前で謎解きを披露して終わる。
柴山くんとマツリカさんの関係が周りに人たちに周知された後の展開は、おそらくは次巻以降に描か...続きを読む -
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アイデアが良い
自分がSなのかMなのか分からないので、実際にどっちも試しにやってみると言うコンセプトが面白かった。
両方の立場に立つことで、相手の気持ちを想像できるし、思いやりを持てるわけで、こういうプレイこそ、
本当のSMなのだろうなぁと思った。 -
一番の問題は保護司
仮釈放された受刑者の日常の面倒を見る(監視しつつフォローする)役割を持つ保護司と言う仕事。
その仕事をするある女性が主人公の作品。
仮釈放された受刑者を始め、主人公の回りの人間達など、次から次へと胸糞悪い人物が登場する。
押し並べて人間社会と言うのは、汚い部分を見ればこんなものなのだろうけれど、読後感は悪い。
しかしそれは扱っているテーマがテーマだけに、仕方がないとは思う。
一見して仮釈放された受刑者の問題を描きつつも、実はこの保護司の女性を描く事が一番の目的だと思われる。
無理して明るく一所懸命に生きようとする彼女にこそ、保護司が必要なのではないか。そんな気がする。 -
- カート
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試し読み
読み辛い
絶対音感とは何か?、について書かれた本だが、筆者特有の回りくどい飾った長文が散見され、また全体の構成も行き当たりばったりで、取り留めが無く読み辛かった。
絶対音感を説明する為に論理的に構成された本と言うより、筆者の自己顕示欲が前面に押し出された感想文と言った感じ。 -
最も分かりやすい入門書
本書は、恐らくですが、実存主義の入門書としては、日本で一番分かり易い。
哲学に関して全くの素人の私でも、内容が理解できた。
本書は、西洋哲学全般の歴史、哲学がどういった経緯で発展して来たのかを語りつつ、徐々に実存哲学の時代にまで読者を導いてくれる構成になっています。
又、実存哲学を理解する際に初心者がぶち当たるであろう特別な用語についての解説も丁寧かつ平易であり、
例えばハイデッガーの「現存在」の「現」の部分が持つ特別な意味や、サルトルの「対自存在、即時存在」の概念の解説が丁寧。
ただ、サルトルが述べている「実存は本質に先立つ」と言う観念は、本書の解説を読んでも今一つよく解らなかった。
本...続きを読む -
他を圧倒するストーリー構成力
『アドルフに告ぐ』は手塚治虫の後期を代表する傑作です。
手塚には様々な評価があり、色々な人が賛否を述べていますが、少なくともストーリーの構成力では彼に比肩するマンガ家は居ないと思います。
その証明の一つがこの作品である事は間違い無いです。
またこの作品には、手塚がデビュー当時から一貫して何度も描いているテーマが説得力のある形で描かれています。
そのテーマとは「善悪は絶対的なものではなく、常に相対的であり、見る人や立場によっては入れ替わる」と言うものです。
以上のような深淵なテーマを持つ作品ですが、そういった事を抜きにして、単にストーリーを追うだけでも圧倒的なエンターテイメント性があるので、...続きを読む -
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脇道の話のように見えて実は・・
修学旅行がメインなので、本編とは別の脇道の話のようにも思えたが、実際は今後に繋がる重要な伏線があり、読み飛ばせる巻では無い。
本巻で最も印象的だったのは堀北で、彼女は以前とは異なり対人で非常に誠実な態度を見せる場面があり、本当に成長したんだなと思わされた。
それと、櫛田の心情が変化した兆しが現れたり、綾小路が坂柳や一ノ瀬と関わる重要な伏線が描かれる等、見どころは多い。
ところでこの巻に限った事ではないのだが、
会話の場面で複数のキャラクターがいる時、今誰が喋っているのか分かり難い事がちょこちょこある。
要するに地の文が不足している。
他にも日本語の言い回しで違和感のある文章...続きを読む -
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重大な伏線が複数ばら撒かれた
本巻(2年生編6)の内容は、ほぼ前編に渡って前巻の後始末的な内容で、後半に体育祭(の試験)が配置されている。
しかしそんな中に、今後の展開に重大な影響を及ぼす伏線が複数ばら撒かれた。
例えば前巻で退場した愛里が、退学直前に何かしたらしいがそれは謎のまま。
軽井沢の件で佐藤へ接近する謎の1年生・・・
そして綾小路と坂柳を知る謎の人物からの助言と、二人の間に結ばれた秘密の関係。
愛里の件で復讐を企む波瑠加の動向等々・・・
ざっと列挙しただけでもこれだけある。
作者はこれら伏線を全て回収して物語に決着を付けなければならない訳で、他人事ながら大変だろうなぁと思う。
それはともか...続きを読む -
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櫛田の行動への違和感
文章や場面の描写に迫力があったが、話の内容には不満がある。
何と言っても櫛田の仕掛けが稚拙過ぎる。
彼女は綾小路又は堀北を退学にする為に「賛成」へ票を入れ続けたが、綾小路からの毎月のプライベートポイントの振り込みを暴露されただけで簡単に崩れてしまった。
彼女はもっと頭が良いはずで、あんな稚拙な仕掛けをして墓穴を掘るのは、今までの彼女を知る身としては違和感を覚える。
良かった点もある。
例えば、綾小路が入学時の冷徹さを全く失っていない、ハイパーサイコパスな人間である事を確認できたのは良かった。
彼の強さの源泉を見た気がする。
以上色々と書いたが、今作にもページを次へ次へとめ...続きを読む -
誤字脱字皆無
4.5巻なのでサイドストーリーかと思ったが、メインストーリーに繋がる重要なエピソードが多々あるので疎かには出来ない。
それと今回は誤字脱字無かった(と思う)。
今迄はそれなりに多かったので、改善されてます。 -
勝つ事とは、成長する事
人間にとって成功とは何なのかという、哲学的なテーマを追求していった過程を描いている。
そして得た結論が「成功とは、成長し続ける事」だ。
作者の実体験に裏付けられているので、説得力がある。
わたしがこの本の中で最も惹かれたのは、作者の人生観、勝負観に強い影響を与えた二人の人物の話だ。
一人はTさん、もう一人はHさん。
勝負の世界に生きる本物だけが持つオーラが字面を通して伝わってくる。
残念なのはこの二人についての話がとても短い事だ。 -
作者の実体験
投資の指南書なんて胡散臭いと思っていたが、この本は指南と言うより体験談が書かれているので説得力があった。
作者はあるとき交通事故に遭い、その体験から「お金がいかに大事であるか」を身を以て学んだ。
結局この世の中、綺麗事だけでは生きて行けない。お金と言う先立つものがあって初めて安心が得られる、と作者は言う。
作者は事故以来、様々な副業(株のデイトレードやブログでのアフィリエイト)を試みるがどれも上手くいかない。
その理由は、自分が好きでないものは長続きしないから、と言うものだ。
これは非常に心に突き刺さった(説得力があった)。
自分が大して関心もなく、続けるのが実はそんなに楽しく...続きを読む -
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相変わらず内容は面白いが・・・
長所は言うまでも無く、内容の面白さ。
これに関しては他の多くのレビュアーが語っているので割愛する。
問題は短所。
文章として変な部分があった。
以下、抜粋。
a.『絶対に避けなきゃならないのは、多くの生徒と同じ行動をしないことだ』
↑という文章の直後に、
b.『大勢が休む選択をしたのなら動き、大勢が動いている時こそ休む』
とある。
aの意味は「多くの生徒と同じ行動をしろ」だが、bはその逆。
この巻に限らないが、本シリーズには、誤字脱字、日本語としてちょっとおかしい等が散見される。
脱稿後のリリース前にプロの校正を受けていないのだろうか。
こういう所はラノベ特有な...続きを読む
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