【感想・ネタバレ】実存主義のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

購入済み

最も分かりやすい入門書

2023年10月18日

本書は、恐らくですが、実存主義の入門書としては、日本で一番分かり易い。
哲学に関して全くの素人の私でも、内容が理解できた。
本書は、西洋哲学全般の歴史、哲学がどういった経緯で発展して来たのかを語りつつ、徐々に実存哲学の時代にまで読者を導いてくれる構成になっています。

又、実存哲学を理解する際に初心...続きを読む者がぶち当たるであろう特別な用語についての解説も丁寧かつ平易であり、
例えばハイデッガーの「現存在」の「現」の部分が持つ特別な意味や、サルトルの「対自存在、即時存在」の概念の解説が丁寧。

ただ、サルトルが述べている「実存は本質に先立つ」と言う観念は、本書の解説を読んでも今一つよく解らなかった。
本質より前に実存が先にあると言われても、だからどうなんだ?、と思ってしまう。
これは本書のせいと言うより、実存哲学(正確にはサルトルの唱える実存哲学)が内包する根本的な問題なのかも知れない。

#感動する #深い #スカッとする

0

Posted by ブクログ 2023年03月09日

読んだ理由は『ミュウツーの逆襲』を観たからだったと思う。
実存主義についてなんとなくの枠組みは見えてきた。
思っていた通り、神谷美恵子の著作は実存主義の理解なしでは精読できない。
あとで読み返す。

0

Posted by ブクログ 2024年03月04日

本文164ページのごく短い書物でありながら、哲学解説書ではなく哲学書と呼びうる重厚さを備えた本格派の新書。

まず、1962年発行ということもあり文章が非常に格調高い。実存主義者らしいロマンチックでいて切実な言葉運びは、読み進めるには大変だがこれぞ思想、という趣を感じさせる。

また内容の面でも、著...続きを読む者の評価や考えが積極的に表明され、ある種の「実存主義史観」が形作られている。実存を限られたエリートの特権と捉えるハイデガーを著者は批判し、実存をあらゆる人間の主体的な在り方と広く捉えるサルトルを称揚する。このあたりは教科書的な記述と異なって楽しく読めた。

実存主義にはキリスト教的実存主義と無神論的実存主義の2分類があるというが、この両者の間に非常な隔たりがあることがわかった。
キルケゴール、ハイデガー、ヤスパースなど前者に属する哲学者の思想は、乱暴に言えば、人間が存在する理由を問われて「神が人間を作ったから」と答えるようなものだろう。非クリスチャンの私には共感しがたい感覚だし、飲み込んだところではいそうですか、で終わってしまう。内に閉じた思想という印象で、あまり魅力的には映らなかった。
一方の無神論的実存主義は、神すなわち根源的な究極の存在を否定する。むしろ人間は本来的に自由な存在であり、自分の選択に責任を持ちつつ積極的に「まだ見ぬ自分」への挑戦を続けるのが人生だと説く。こちらはむしろ、今日では手垢まみれのあまりに聴き慣れた言説になってしまっている。
思うに実存主義は目新しい大発見という類いのものではなく、ギリシアの時代から何度となく繰り返されて来た終わりのない「人間とは何か」という議論の、比較的新しい潮流ぐらいに思っておくのが丁度いいのだろう。
つまらなかったという訳ではないがあまりに穏当な結論で拍子抜けの気分。教養の道は険しい。

0

Posted by ブクログ 2023年02月11日

実存主義とはなんなのかということと実存主義者とされる思想家たちの思想を教えてくれる、ありがたい。人間は代替不能だ、死んだ人間を追って死ぬひとはあっても死んだ犬を追って死ぬひとはないだろうという記述には、著者の強い主張というよりは実存主義の人間中心主義から来るものであるにしても、かなりひいた。とはいえ...続きを読むそういうものを批判した構造主義的な相対主義もなんだかなと思うし、実存主義のもつ切実さをどうにか取り入れて行けたらいいなと思う。

0

Posted by ブクログ 2010年11月18日

実存は本質に先立つ。
多くの実存主義者の書を用いて幅広く解説していた。
存在、現存在、実存の違い。それに伴う意見の対立。
中々興味深い。

0

Posted by ブクログ 2013年05月27日

哲学というジャンルは本当に難しい。
冊数をこなさないと日本語であるはずなのに
異国の言葉に見えてきます。
まあ、実際にこの本にはドイツ語やらが
散見されるわけですが。

私というものをみつめる本。
必然的に宗教も絡んできます。
そう思うと、キリスト教というのは
なぜあるんだろうとかなぜに人は秩序の中...続きを読む
埋もれるのだろうと疑問に思ってきます。

それが哲学の始まりなのでしょうか。
わかりませんがね。

ある程度これらのジャンルを
読みこなしていくと
少し霧が晴れておや、と思えるかもしれません。

0

「学術・語学」ランキング