森見登美彦のレビュー一覧

  • 作家と楽しむ古典 古事記 日本霊異記・発心集 竹取物語 宇治拾遺物語 百人一首

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    古典文学を訳すにあたり、作家たちがどう読み取って現代語訳に落とし込んだか、その思考の一端に触れることができる。
    訳された作品だけでも面白いが、本書も合わせることでより読み易くなったと感じる。
    是非一緒に読んでもらいたい。

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    2020年10月07日
  • 竹取物語/伊勢物語/堤中納言物語/土左日記/更級日記

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    教科書、それも抜粋でしか触れたことがなく、苦手意識もあった古典文学が、現代語訳と更に訳者の個性も加わったことで、とても読み易く物語に入り込めた。
    また、この全集には対となる「作家と楽しむ古典」という本がある。
    訳者自身による解説で、原典への解釈やそこから感じた思いなどを知ることができて、物語への理解がより深まったように思う。
    是非合わせて読んでもらいたい。

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    2020年10月07日
  • 竹取物語/伊勢物語/堤中納言物語/土左日記/更級日記

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    竹取物語・森見登美彦/伊勢物語・川上弘美/堤中納言物語・中島京子/土左日記・堀江敏幸/更級日記・江國香織。現代語訳で読みやすいが、例えば森見ならもっともっと森見節で書いて欲しかった。伊勢は元が好きでないが、歌の訳が流石。堤中納は初見。虫愛ずる姫君のみ知ってた。他に図々しい坊主など。土佐日記初見、愚痴じゃん。ひらがな辛い。更級日記。猫に宿った姫君の話。「焦がれた物語を読む楽しさといったら妃の位も及ばない」そうそう!

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    2020年10月05日
  • 新釈 走れメロス 他四篇

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    文豪の名作を腐れ大学生に当てはめたもの。

    【山月記】李徴役の斎藤秀太郎の変人っぷりがメイン(に見える)。李徴の時に感じた共感や同情が、なぜだろう、あまりわかない。

    【藪の中】いろいろな角度から同じ事件を見る話のはず。

    【走れメロス】身代わりとなった友のため走る話のはずが…
    笑ってしまうので、公共の場で読むときは注意。

    【桜の森の満開の下】
    心理描写や情景描写が丁寧。
    原作未読。読んでみよう。

    【百物語】
    暑苦しさは伝わってくる。
    原作未読。読んでみよう。

    全体を通して元ネタを知っていた方が面白いと思う。

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    2024年04月11日
  • 太陽と乙女(新潮文庫)

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    単行本は読んでいたので、増補された部分を目的に再度手に取った。
    特に西東三鬼『神戸・続神戸』の解説と、追加されたあとがきでより最近の登美彦氏の心情が読み取れる。
    苦心されて居られるようだけど、それでも新作も出たことだし、これからも末永く楽しませていただければと心から願うばかり。

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    2020年09月05日
  • 太陽と乙女(新潮文庫)

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    くすくす読んでるうちに、思いがけず真面目な内容にはまり込み、結局最後まで読みきってしまった。それなのにあとがきに「一気に読むのはオススメしない」とある。そういうことは最初に言ってください。言われてもやめないけど。著者と自分の経歴は微妙に重なったり交差したりする部分があるので、個人的にはとても読みやすく理解しやすい。でもだからこそ他の多くの人がこの本をどう読むのかさっぱりわからない。読書はごく個人的な行為だと思うので、それでいいと思うけど。

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    2020年07月19日
  • 夜行 下

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    勝手なイメージかも知らんけど、モリミーの世界観と少女漫画の画風が相容れない。だからこそ、原作とは違った趣があるという見方もできるけど。本作に関しては、漫画化によって、原作よりもホラー要素が強まっている印象。原作の時にはあまり感じなかったけど、そこかしこで恐怖感が感じられる仕上がりになっている。それはそれでアリかもね。

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    2020年06月17日
  • 美女と竹林

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    エッセイながら至る所に妄想が散りばめられて現実との境界が曖昧になのが不思議と心地良い。
    思わず「阿呆や…」とニヤニヤ呟きながら読み耽ってしまった。
    気負わずに読める正に竹林に癒やされるような気持ちになる文章たちでした。

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    2020年05月28日
  • 作家と楽しむ古典 古事記 日本霊異記・発心集 竹取物語 宇治拾遺物語 百人一首

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    学生のときに古文をかじっていたから楽しく読めた。勉強していて良かった。
    古文を古文のままで理解できない自分としては、現代語訳に頼ったり自分なりに訳したりしながら読むわけだけれど、どうしても型にはまった蓄語訳は分かるのやら分からないやらはっきりとしないと言うことが起こる。そこが楽しむことを目的として古典を読む際の障りとなってしまうので、こういう訳者のカラーが表れている現代語訳は面白い。
    古文って行間を読む楽しさが詰まっているのだと分かる。町田康はやりすぎの感もあったが。
    自分は森見登美彦、妻は町田康が好きなので、両者の需要が一致した一冊だった。
    両作家が現代語訳を手がけた作品の方はまだ買ってない

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    2020年05月03日
  • 奇想と微笑~太宰治傑作選~

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    太宰治というと、新潮文庫版の「人間失格」の真っ黒い表紙からの連想で、なんだかとにかく真っ黒い印象でしたが、こんなにユーモラスな文章も書く人だと知って嬉しくなりました。
    本書の中では「畜犬談」が好きです。
    「犬の心理を計りかねて、ただ行き当たりばったり、無闇矢鱈に御機嫌をとっているうちに、ここに意外の現象が現れた。私は、犬に好かれてしまったのである。」なんて、絶妙のリズムでおもわず笑ってしまいました。

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    2020年03月08日
  • 夜は短し歩けよ乙女 新装版 上

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    夜は短し歩けよ乙女のマンガ版
    原作の世界観がしっかりと再現されています。
    なにより乙女がかわいい

    偽電気ブラン
    古本市は原作にあり、
    占い、雨宿り、ペンはオリジナルストーリー

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    2019年12月21日
  • 太陽の塔(1)

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    森見登美彦氏原作、太陽の塔コミカライズ。
    絵が可愛い。可愛すぎて原作を読んだときの想像とは違う気がするが、とりあえず次巻を待つ。

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    2019年05月19日
  • 有頂天家族

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    京都を舞台とした、狸と天狗と人間(そして半天狗と)の物語です。
    大人物だった親父を亡くした四兄弟の狸。
    かれらのうち一匹とて親父のような豪傑然とした狸はいない。
    堅物で詰めの甘い長男、
    やる気のない次男、
    遊び人の阿呆者である三男。
    まだまだ子どもの半人前、四男。
    そんな彼らのうちの三男、矢三郎を主人公として、
    天狗の赤玉先生やその弟子である弁天などとの関わりが
    すなわちそのまま物語になっています。

    いやあ、面白いですよ。
    愉快なエンターテイメントです。
    こんなにおもしろいのってあるんだ!というくらいに想像を超えておもしろい。
    そして、七章あるうちのひとつひとつがそれぞれでおもしろいのに、

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    2025年07月17日
  • 作家と楽しむ古典 古事記 日本霊異記・発心集 竹取物語 宇治拾遺物語 百人一首

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    眠くなってきたので手短に。
    去年、池澤夏樹さん個人編集の「日本文学全集08」を読みました。
    ほかでもない、十数年追いかけている作家、町田康さんの「宇治拾遺物語」が読みたかったから。
    いや、爆笑しました。
    古典を読んでこんなに笑ったのは初めて。
    中学、高校時代に出合っていたら、古典が好きになっていたに違いありません。
    本当は古典って面白いものだと思うんです。
    それを恐らく研究者や学者たちが、無用に格調高いものにしてきたんでしょうなぁ(恨み節)。
    あ、で、本書はその日本文学全集で各作品の新訳を手がけた作家たちによる講義集。
    もちろん、町田康さんの「宇治拾遺物語」の講義も含まれています。
    私は、町田

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    2017年11月19日
  • 奇想と微笑~太宰治傑作選~

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    太宰治の短編をまとめた『傑作選』。まとめたのは走れメロスを聞いて「恥ずかしくて耳をふさ」いだ、という森見登美彦氏。

    最初に収められた「失敗園」を読んで思い出したのは「宮沢賢治」で、最後に収められた「走れメロス」を読んで思い出したのは「雨ニモマケズ」だった、というのが個人的な感想。

    「失敗園」は【農作物の擬人化】作品。田舎に住んでいる人間の「あるあるネタ」を読ませるものにした一作。田舎の津軽出身であることをコンプレックスにしている作品が多い太宰治が、こうも生き生きした農作物を書けるのか、と驚きを感じる一作。

    「走れメロス」は教科書に載せたくなる【己の弱みに打ち勝った美談】。しかし、この『傑

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    2017年08月31日
  • 夜は短し歩けよ乙女

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    「私は黒い髪の乙女に恋をした。」京都大学と思われる大学を舞台に先輩の恋の模様をふんわりした文章で描いています。本書は今年2017年4月に星野源が声優としてアニメ映画化されました。前に読んだのが頭痛を起こしそうなほど難解な小説でしたので、フワフワした小説を読んでみました。なぜか脳内イメージが高橋留美子のコメディ漫画で再生されましたが。

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    2025年12月21日
  • 竹取物語/伊勢物語/堤中納言物語/土左日記/更級日記

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    竹取物語・伊勢物語・堤中納言物語・土佐日記・更科日記
    どれも学校で古典や歴史で学んだ物語ですが、一度も
    読んだことがありませんでした。(絵本とかあらすじみたい
    なものを除いて)
    初めて読みましたが、現代と異なって違和感のある部分
    もありますし、想いのほか現代でも共感できる部分も
    多く面白く読めました。現代訳が秀逸であったことも
    要因だろうと思います。
    中でも、伊勢物語の和歌と話しの内容の奥深さ。単なる
    恋愛だけではなく人とのつながりを大事にしてきた文化
    が垣間見える部分。
    堤中納言物語の短編小説のような、また現代でも共感できる
    家族や仲間での何気ないやり取りの記載。
    土佐日記の紀行文としての情

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    2016年10月02日
  • 奇想と微笑~太宰治傑作選~

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    「ヘンテコ」で「愉快」な太宰治傑作集。まさにその通り。いい意味で太宰のイメージが壊れた気がします。やっぱり文体は読みにくいのだけど、太宰ってこんなに楽しい話も書くのか、という感じ。太宰の他の話も読んでみたい。

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    2016年02月11日
  • 竹取物語/伊勢物語/堤中納言物語/土左日記/更級日記

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    ネタバレ

    原文を読めるだけの素養がないので、現代訳で読めるのはありがたい。『土左日記』堀江敏幸氏の「貫之による緒言」と「貫之による結言」に紀貫之の土佐日記への想いが甦ってくるようです。それにしても、平安期の人々はよく泣いていたことを改めて知りました。1000年も昔の日本人の感情とはどのようなものであったのかと興味が湧いてきます。私たちが感じないものに感じ、見えないものを見、聴き取れないものを聴いていたのだろうかと想像が膨らみます。ただ、死生観は違っても、男女の仲は変わらなかったようにも想えます。

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    2016年02月11日
  • 竹取物語/伊勢物語/堤中納言物語/土左日記/更級日記

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    森見さんの話が聞きたくて講演会に行って、欲しくなって買った本。森見登美彦さんの「竹取物語」は、確かに森見さんらしい。ファンタジーで、竹林が出てきて、美女も出てきて、そして男たちが片想いをする。川上弘美さんの「伊勢物語」は、授業でやった文章が出てきて懐かしい。在原業平すごい笑 中島京子さんの「堤中納言物語」は、歌の訳も三十一文字にしているのがすごい。こんなに楽しい物語だったんだと驚き。堀江敏幸さんの「土左日記」は、ひらがなで訳して貫之の考えを示すという独特の訳。江國香織さんの「更級日記」は、これも授業でやった文章が懐かしい。歌の訳など工夫されているのが伝わってきました。
    古典文学のエキスパートで

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    2016年02月10日