森見登美彦のレビュー一覧

  • 宵山万華鏡

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    2024年
    鑑賞作品 No.3

    《感想》
    森見ワールドにおける二系統の融合。
    背筋がゾクっとするような静寂の奇怪な世界とコメディーチックなドタバタ奇天烈劇場を同時に楽しむことができる作品だろう。

    すべてが横につながっているようで、見る角度によって様々な形に変形して、全く異なるものを見ているような浮遊感。
    まるで万華鏡を覗いているようだ…
    いや、どちらかというと万華鏡によって私たちは見られている側かもしれない。。

    《印象に残ったシーン》
    ▼ 妹が宵山様たちに付いて行こうとするシーン
    宵山様たちがぷかぷかと浮かぶ様が脳裏に浮かぶ。
    そこにお姉ちゃんが妹を連れ戻しにするシーンが、非常にドラマチックで現実的でハラハラドキドキしてイイ!!
    宵山様たちが人と人の間をすり抜ける描写や手汗の描写は実感をもって想像できるほど繊細で具体的。
    最初の疑問が最後に回収されるのもいいし、かといって理解できたかというともやもやが残るのも、森見さんのやめられないところだ。

    《MVPキャラクター》
    ▼ 乙川さん
    偽宵山では無意味に壮大なドッキリを仕掛ける仕掛け人。
    一方、骨董屋としてはあちらの世界とこちらの世界を仲介する商売人として、主人公の前に現れる。
    同じ人間とは思えない強弱に惹かれるなあ。

    《ぐっときたフレーズ》
    藤田「こんなことをして何の意味があんの?」
    乙川「よくぞ訊いてくれた。意味はないね、まったく」

    0
    2024年10月12日
  • 太陽と乙女(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    森見登美彦氏が作家デビューした2003年から2017年頃までに各媒体に発表した散文集とのことで、まず一連の小編を読んでいくうちに、著者が書く各小説作品の根底に流れる息遣いがどこから生じているのか、ということがよく分かる。
    幼少の頃よりどんなものに興味を持ち、どんなものを面白いと思い、どんなものを遠ざけてきたか、等々の赤裸々な吐露が、見事に作品群と連関していると感じる。
    あまつさえ、森見氏なりの小説のレシピともいうべき、創作プロセスまでが公開されているのが、一読者としてとても興味深いことである。

    私も著者とまったく同様に、大学生活前半の2年間ではあるが、四畳半一間の木造アパートに住んでおり、そして年代こそ若干異なれど、同じ地域圏内に生息していたので、それらにまつわる語りには強い共感を覚える。
    また、計画通りに出来上がった小説はきっとつまらないという見解についても、生業とする分野は少々違うが、ハプニングが発生しクリエイターの創造を超えて初めて、作品は面白くなる、と私も常々感じていたクチなので、深く同意する。
    他方、物語として破綻のない整合性よりも、断片的なイメージや文章の繋がりとリズムを重んじる、という創り方に対しては、がっつり左脳に偏向した私にとっては驚きであり、森見登美彦たる由縁の一端を垣間見た気がした。

    自分は文学に目覚めたわけではない、と明瞭に述べられている氏だが、例えば「有頂天家族」シリーズなどは紛れもなく文学作品に昇華している点がまた、文筆家としての非凡性を如実に表している。
    ただ、その「有頂天家族」誕生のきっかけとして、森見氏が京都の街の一角でタヌキを目撃したというエピソードが披歴されていたが、それは多分タヌキではなくアライグマではないかと思う。
    どうであれ、「有頂天家族」は三部作であるらしいので、完結編を気長に待つとしよう…。

    「じつのところ私は、地名さえあればなんとかなる、というふうに思っている。」
    「計画的であることと、即興的であること。論理的であることと、非論理的であること。匙加減は作家それぞれが自分なりに掴んでおかなくてはならない。」
    「映像を描写するというよりも、文章の感触を確かめながら書いている。」
    「ここで私なりに重要だと思うことは二つである。一つ目は、最初から私は誰かを楽しませるために書いていたということ。二つ目は、私は「文学」に目覚めたわけではないということである。」
    「ごつんごつんと暗礁にぶつかっているときは、『事前の計算を超えたものが生まれようとしているのだ』と考える。」
    「小説にとって一番大切なものは、物語ではない。そこに生きた世界が感じられるということである。」

    0
    2023年10月05日
  • 有頂天家族 二代目の帰朝

    Posted by ブクログ

    狸たちが愛らしい。天狗たちも憎めない。前作に続き新キャラたちも登場。恋愛模様や家族の絆があり、毛玉達の成長が見られ、最後はやっぱりドタバタ。阿呆の血はステキだなあとつくづく感じる。

    0
    2023年10月03日
  • 有頂天家族 二代目の帰朝

    Posted by ブクログ

    狸の家族たちの物語、続編。
    阿呆の血がしからしむところ!相変わらず狸の皆様も天狗も人間も楽しそうで何より。雷が鳴ったらお母さん所に家族が集まるの凄い好き。後赤玉先生の株が上がる。後半の怒涛の展開で読む手止まらん!

    0
    2023年08月06日
  • 有頂天家族 二代目の帰朝

    Posted by ブクログ

    久々の森見ワールドを堪能。
    その世界は混沌としていて、私などでは感想なんて書けない。

    ただ面白かったということと、なんだか寂しいラストシーンが印象的。

    0
    2023年07月26日
  • 有頂天家族 二代目の帰朝

    Posted by ブクログ

    いやぁ、狸たちの悲喜こもごも、愛らしいですね。
    天狗がいたり、狸たちが化けて普通に街を闊歩してたり、奈良とか京都ってそういうのがありえそうですw
    下賀茂神社とか今度行ったら別の目線で見てしまいそうです。
    ただの阿呆だけではない矢三郎もそこそこ見えて、カエルの次男も井戸から出てきて。恋をしたり結婚したり、、、変わっていく狸たち。
    二代目と弁天とか、四国の狸との交流とかも今後も続いていきそうで楽しみだなぁ。
    狸って何年生きるんだっけ。。。と思いながらも。是非狸鍋にならずに生き残っていただきたいです!

    0
    2023年07月24日
  • 美女と竹林

    Posted by ブクログ

    森見氏が書くとんでもない連載物。竹林の奥底に美女を見出すことはできなかったが、とにかくオモチロイ小説であった。小説というのはフィクションで現実離れしたものが多いが、ここまで「妄想だよ」とわかる作品は初めて。

    0
    2023年05月13日
  • 奇想と微笑~太宰治傑作選~

    Posted by ブクログ

    「畜犬談」が面白すぎて声に出して笑った。他、「黄村先生言行録」の、太宰治の心の中でされるツッコミが面白い。
    星野源とか朝井リョウのくだらないエッセイが好きな人は、きっと好きになると思う。

    森見登美彦は最後に「走れメロス」をもってきてくれてたけど、私はやっぱり好きじゃない。
    中学生の頃読んだ時と印象が変わったことと言えば、最後はちゃんとオチつけてるなあ、と思ったくらい。

    0
    2023年05月03日
  • 美女と竹林

    Posted by ブクログ

    もう広いのか狭いのかわからない妄想の、それをこねくりまわした文章が脇道それまくりで竹を切るだけなのに良く一冊になったなと笑。ただ、やはり単純に楽しく読める。私は好きですよ。

    0
    2023年03月29日
  • 太陽と乙女(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    森見さんのルーツや、小説への向き合い方、スランプなど、様々な背景を知ることができた。森見登美彦ファンなら、手に取るべきであろう。

    「もし私が四畳半に暮らしていなかったら『太陽の塔』はなく、『四畳半神話大系』もなく、ひいては『夜は短し歩けよ乙女』もない。」

    「小説を読むときだって、「たくさん読もう」とか「何か役に立つことを学ぼう」とか、よけいなことを考えていたら、どんな面白い小説でもあっという間につまらなくなる。」

    0
    2023年03月13日
  • 太陽と乙女(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

     確かに著者も終盤で書いていたように、一気に読むと胸焼けがしそうだった。日常関連の章が面白く、中でも茄子になった話が格別だった。茄子としての役割を演じることで人見知りの殻を破る森見氏が凛々しくて馬鹿馬鹿しい。たまにさくらももこさんを彷彿とさせるのは、ものぐさな所が似通っているからなのか。京都が好きだから書いているのではなく、モリミーが書いているのは偽京都らしい。よくわからない。『シャーロック・ホームズの凱旋』というタイトルは物凄く好みなのだが、まだ出版されないのかな?

    0
    2022年12月26日
  • 美女と竹林

    Posted by ブクログ

    竹を刈ることに対する大変さや、竹への想いが作者なりの表現で書き表されていてとても面白かったし、勉強になった。
    美女と竹林は等価価値である!!

    0
    2022年12月11日
  • 四畳半王国見聞録

    Posted by ブクログ

    短編集。森見登美彦とてもらしい、腐れ大学生モノで、いつも通り面白かった。
    タイトルからも明らかだが、四畳半神話体系と似た印象の(スピンオフ的)な作品。各短編がゆるくつながっている模様。はっきりとした物語ではないので、多少読みにくさはあるかも。

    0
    2022年11月03日
  • 竹取物語/伊勢物語/堤中納言物語/土左日記/更級日記

    Posted by ブクログ

    伊勢物語、きちんと読むの初めて。
    川上弘美さんの日本語は美しいな。
    和歌の訳がそこはかとなく典雅だ。
    物語絵でよく出てくる有名な九段の八橋、宇津山だけにあらず。
    しかし業平はすごいね、さすが歴史に名を残すプレイボーイ…

    三十段の、歌を「逢うのは 一瞬 恨みは 永遠」て訳すのはしびれる。伊勢物語もすてきだけど川上弘美さんもすてき。

    最後125段
    「生きるとは
     なんと
     驚きに満ちたことだったか」
    ってところなんて、めっちゃすてきじゃないですか


    もりみーの竹取物語もすごく面白い。
    もちろん元の話自体が面白いけど、彼の訳がなんともシュールで人間臭くて好きだ。
    しかしなんておもしろい話なんだろうなぁ、古事記とかも面白くてユーモアあふれてるけど、竹取物語のファンタジーたまらん。昔の人すごい。

    0
    2022年09月27日
  • 美女と竹林

    Posted by ブクログ

    作者の馬鹿らしい考え方が、なんとも面白く感じられる一冊。
    何か展開があるとか、意味があることをやっているわけではないが、なんとなく読めてしまう、そんなお話。

    エッセイだが、空想バリバリで描かれているので作者を主人公とした小説として楽しめる。というか、どこまで現実でどこからが空想なのか、読んでいてよくわからない。

    0
    2022年09月09日
  • 四畳半王国見聞録

    Posted by ブクログ

    森見さんの本は、どれも面白いです。
    読んでいるとグイグイ引き込まれ、一気読みしてしまいました。
    京都が舞台になっていらるのがいいですねー。学生時代を思い出します!
    ぜひぜひ読んでみて下さい。

    0
    2022年08月15日
  • 四畳半王国見聞録

    Posted by ブクログ

    再読。面白かった。実に面白い。それぞれの登場人物が動き回る短編も面白いな。それぞれに繋がりがあるのも一つの土地で同じ題材を組んでいる妙があるというもの。どの短編も阿呆で実に楽しませてもらった。文字を読んでいるだけ、文章の装飾を見ているだけで面白いという作家は中々いない。個人的に最終作品の流れや、それぞれの纏まりに物語的巧みさを感じた。押さえどころを分かっている。

    0
    2022年07月25日
  • ペンギン・ハイウェイ

    Posted by ブクログ

    児童文学だと思っていたけど、一般向けが先だった。娘がペンギンのイラスト話みて手に取った本。幼稚園児。読めるはずもなくわたしが読んだ。SFがあまり好きでない私だが、小4があまりにも落ち着いた行動をするその心情描写が細かく、楽しく読み進められた。

    0
    2022年06月14日
  • 奇想と微笑~太宰治傑作選~

    Posted by ブクログ

    自虐的な太宰の文章のリズムがとても心地よかった。太宰の作品は暗いものばかりだと思っていたが考えを改めた。どの作品も面白かったが、ロマネスクと畜犬談、親友交歓は特に面白かった。女の決闘なども、なるほどなあとか思いながら楽しく読める、本当に読者に向けた解説文だと思った。

    0
    2022年06月02日
  • 美女と竹林

    Posted by ブクログ

    美女と竹林。それは、自分がやみくもに好きなもの。竹林を拝借した作家は、将来の多角的経営を夢見る。だが、美女はどこだ? 虚実入り混ぜて綴る、妄想と執筆に明け暮れた多忙にして過酷な日々。『小説宝石』連載を単行本化。

    どこまでが本当でどこからが妄想か???

    0
    2022年05月29日