森見登美彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
山月記、藪の中、走れメロス、桜の森の満開の下、百物語。
これら5つの作品を森見さん風に書き換えた本作。
面白かった!! まず走れメロス以外の作品はちゃんと読んだこと無かったから、原作との違いがどれくらいあるか分からないけども、それでも面白かったと思う。
有名な作品を骨組みに、そこからキャラや内容を上手くいじっていて、構造を使うっていうのがどういうことか分かった。
そして個人的にはやっぱり森見登美彦は、ホラーが上手いというか、怖い。ハチャメチャにぶっ飛んだ話も面白く読めるけど、その分ホラーはめちゃめちゃ怖いなと思ったり。笑
山月記、齋藤秀太郎の僅かな人だけが認める天才感が面白い。話のやり取 -
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伊勢物語、きちんと読むの初めて。
川上弘美さんの日本語は美しいな。
和歌の訳がそこはかとなく典雅だ。
物語絵でよく出てくる有名な九段の八橋、宇津山だけにあらず。
しかし業平はすごいね、さすが歴史に名を残すプレイボーイ…
三十段の、歌を「逢うのは 一瞬 恨みは 永遠」て訳すのはしびれる。伊勢物語もすてきだけど川上弘美さんもすてき。
最後125段
「生きるとは
なんと
驚きに満ちたことだったか」
ってところなんて、めっちゃすてきじゃないですか
もりみーの竹取物語もすごく面白い。
もちろん元の話自体が面白いけど、彼の訳がなんともシュールで人間臭くて好きだ。
しかしなんておもしろい話なんだ -
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Posted by ブクログ
クライマックスにかけての素敵な狂乱ぶりはさすが森見登美彦さん!何にも予定のない休日にグウタラうたた寝しながら読むのに最適な本。大冒険できました。充実した1日だった。
●まだ読んでない世界線のわたしへ
・夏の暑い時期の予定のない土曜日(もしくは次の日も休みの日)に読むと良い。かつ近くでお祭りがある日だと更に良い。
・できれば朝は早起きして、トーストのモーニングがある喫茶店で序盤を読む。
・お店が混んできたらどこかでマンゴーフラペチーノを買って帰る。無ければなんか南国っぽいやつ。
・お昼ご飯にお蕎麦が食べたくなるはず。材料を準備しておく。
・1つ目の文章で違和感を持たないなら絶対読むべき。お祭り行 -
Posted by ブクログ
実に見事な二巻だった。二代目の帰朝とは赤玉先生の二代目であり、夷川の二代目であり、下鴨家の二代目のことでもあるんだろうな。退場したかに思えた先代達に変わって二代目たちが活躍する話かと思いきや、先代もまだまだ負けてないぞとばかりに出張ってくる。一巻であまり触れられなかった海星やその他の問題にもきちんと解答がでて、ようやく役者の準備が整ったような感じ。いつ出るのやらわからないが、続編も楽しみだ。話の筋としては、舞台説明を含む一巻を下敷に流れをなぞっていくようなイメージ。序盤の平和な物語でも最後に向かって不穏な雰囲気を上手に配置していく文章力が素晴らしい。