【感想・ネタバレ】太陽の塔(新潮文庫)のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

(再読)
「高校の時に読んで、京都にある大学へ進もうと決めたんだ。」と、先生から勧めてもらった。
大学一年の初夏だった。
京都でもなんでもない、某県の大学生になってしまった後に。よくぞ。
たしかに、京都へ進学したくなるほど面白かったので、まあよしとした。

0
2024年05月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

声に出して読みたくなる文章だらけだ!!
なんだこの本は。太陽の塔、実物見ておいて本当に良かった。あんなに存在感があって、不可思議で、理解し難いものはないし、私にとっての水尾さんは最後まで太陽の塔だったんだね。ずっとそこにいる、目の前にいるけれども、彼女のことを永遠に理解することができないんだね。あんなふざけ倒してばかりだったのに、最後の2ページでこんなにも胸が締め付けられるなんて思わなかった。大好きな小説!

0
2024年01月24日

Posted by ブクログ

「クリスマスなんてクソ喰らえ」な同士達に捧ぐ、超絶スペクタクル失恋拗らせ奇譚。愛すべきひねくれ野郎共にラーメン奢ってあげたい。

0
2023年12月25日

Posted by ブクログ

本当に最高。
こんなに素敵な大学生活ってあるのか。
京都に住みたくなってしまう。

ゴキブリキューブ、京大生狩り、叡山電車、下鴨幽水荘、
猫ラーメン…
どれもこれも憧れてしまう。
どんなところからそんな造語が飛び出てくるのか。

叡山電車の描写が本当に綺麗で、乗りたいなあと思った。私も、夢の中へ行くときには何か電車とか、乗り物に乗って行っているのだろうか。そうだったらいいなあ。
物語の終盤も、本当に綺麗で、切なくて、読んでほしい。

恋したごときで何を威張るか。
恋する者はそんなに偉いか。

私は森見作品の中で、太陽の塔が一番好きだと思う。

0
2024年01月16日

Posted by ブクログ

森見登美彦さんの作品は大衆文学として分類されることが多いが、個人的には立派な純文学だと思う。
これが純文学じゃなければ、「ライ麦畑でつかまえて」も、「デビッド・カッパーフィールド」も純文学じゃないことになる。アンチ恋愛と見せかけての恋愛小説、と見せかけた青春小説、よく考えたら、「ライ麦畑でつかまえて」精神そのものじゃないかと思う。どうでも良いけど、この作品はファンタジー大賞を受賞したらしい。理由はいまいち分からないが、あのシーンをファンタジーと言うのは強引過ぎないか?ただの文学表現の手法じゃないですか。
まあ、それはともかく、京都の大学生じゃなくても、日本の大学を経験した人は共感できることばかりで、文章も個性的で大好きな作品でした。

0
2023年10月09日

Posted by ブクログ

やっぱり森見さんの紡ぐ文字が好きだなぁ、、と思う一作でした。
失恋をした一人の青年の曲がったこころの、再生までを描くセラピー小説でしたねぇ、、。
文士的な語り口は、冴えない独白小説を色づいて奥ゆかしく、もどかしさをも含む作品に仕上がってました。

0
2023年08月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

クライマックスの急転直下。
カオスな世界観にどっぷりと浸らせて、がちゃがちゃと読者を錯乱させ急き立てる異常なスピード感のまま、突如ふわっと放たれて終わる美しいエピローグが、森見さんの真骨頂という感じで好きです。

0
2023年06月16日

購入済み

愛すべき阿保ども

森見さんの著書、好きです。
森見さんの書く『阿保』は『アホ』ではなく『あほう』と読みたい。

0
2021年06月23日

Posted by ブクログ

愛すべきひねくれ男だな

2023.12.7
大阪、京都を歩き回りながら読み直したので、かなり思い入れのある作品になりました。
旅を思い出しながらまた読みたい。

0
2023年12月08日

Posted by ブクログ

やられたッという感じですね。
文章はしっかりしていて、テンポも良くて、読みやすいです。
何となく夏目漱石センセを彷彿とさせるような、独特の文体も好みです。

文中に「ライ麦畑〜」や「共産党宣言」をパロった部分もあって、その遊び具合も絶妙ですね。
肝心の内容についてですが、アホ満載男汁祭りって感じ。でも、なぜか微笑ましく、最後の方は爽やかですらあります。
私の中で最高にオモロイ“青春小説”です!

0
2023年08月20日

Posted by ブクログ

京大生ならでは?の、自尊心が高いのに自信がなく、捻くれた者の極みのような文体が一風変わった作風を生み出している。京大生としてはローカルな情景がふんだんに出てきてたまらない

0
2024年04月29日

Posted by ブクログ

「飾磨は教科書の詰まっているらしい鞄をぽんぽんと叩いて、『俺はそのあたりのマクドで勉強してから帰る』と言った。『次に会うのはいつだろう?』と私は尋ねた。
『忘年会をやるんだろ。植松さんから聞いた」飾磨は言った。
『じゃ、その時に会うか』
『おう』
『じゃあ』
『じゃあな。俺はこっちへ行く』」

0
2024年04月23日

Posted by ブクログ

「生きよ、(けれども少しは)恥じよ」

よくある大学生の失恋物語だが、作者のセンスある言い回しと奇妙奇天烈の事件も相まってここひとつにしかない失恋ファンタジーという名の世界を作り上げてる。要所要所にツッコミ満載の事件が散りばめられていて最後まで飽きさせてくれなかった。

0
2024年03月01日

Posted by ブクログ

第15回日本ファンタジーノベル大賞を受賞した森見登美彦の長編小説。ファンタジー小説?ファンタジー=妄想ならばそれは正しいジャンル分けかもしれない。
失恋した京大生である主人公が、ストーカーまがいなことも行いつつ、非モテ男性どもと鬱々とした学生生活を送る姿を描く物語である。文学作品的な語り口や、京都という地域が持つ雰囲気の描写により、高尚な小説を読んでいる気になるが、真面目に読んでいると、「おや?なんか違うぞ?」と途中で気づく。「一体何を読まされているんだ!」という少なくない絶望感と後悔。大丈夫、森見登美彦作品では基本仕様なので、慣れて行こう。基本的に、全編通してふざけている。

この物語を読んでいると、自分の大学生時代を思い出す。まだ社会に出ておらず何者でもない時間。お金はないけど時間だけはたっぷりあって、妄想や考えることばかりやって、悶々としていた人生の中での休憩時間。社会に出ていなからこそ持てる万能感、自分最強、本当は俺はもっとすごい感。とってもよくわかる。
同じ感覚を持つ同級生たちとの自室での飲み会の不毛さ。大学生活ってもっとキラキラ充実したものだったはずなのに、とぼやきながら。男どもが集まってバカなことをやろうと言い出す感じ。そう、バカが許されると思っていたあの感じがとても共感できて可愛くもあり、恥ずかしくもある。行け!稲中卓球部を読んでいるような。

物語後半で同級生飾磨が計画するクリスマスイブの「ええじゃないか騒動」小さな声から始まる声かけ、1人また1人と同調する人が増え、次第に町中全部を巻き込んだ大きな波となり、そのうねりの迫力はすごい。だがそれが何だというのだろうか。わからん!

キラキラファンタジー小説ではなくドロドロ悶々妄想小説である。だがそれがいい。良書。

0
2024年02月24日

Posted by ブクログ

森見ワールドが良い。時折出てくる妄想グセが著者の色を濃厚に抽出している。

京大生だからもあるのか?
一部の男子特有の、捻くれた自分肯定が発揮され、類は友を呼ぶとは、まさにこの通りというような私と友人たち。

女にはモテないかもしれないが、自分に浸ってる我々が一番素直で人間らしい生き方をしている、誇りですらあると。

それでも、時折世間一般の幸せや、大好きなあの子を追いかけたい気持ちはあり、自分自身は逃げているだけなのかと辛くなってしまう。

自分でも自分のことよくわからないんだよと、どんな姿が見れて仲間が増えたというか勇気をもらえた。

初雪、彼女の前髪の雪を払ったお前
かっこいいぞ!!

0
2024年02月09日

Posted by ブクログ

昨日京都大学北部祭にて森見登美彦さんインタビューを聞いて来たのでそれと絡めてお話しします。
インタビューの際にこのデビュー作である「太陽の塔」をよく出されていました、それくらい森見先生にとっては特別な作品なのでしょう。
作中に出てくる主人公は森見先生の人物像に1番近いらしく、当時はさぶざぶしい大学生だったそうです。「太陽の塔」を気にデビューが決まってから大学の研究はあまりやらなかったそうです笑
またヒロインに関してもちゃんと女性を描くのは恥ずかしいそうであまり触れないようにしていたみたいです、なんだか本当に主人公みたいですね!
まさに森見登美彦の原点であり、特別と言えるのではないでしょうか。星四つです笑

0
2023年11月26日

Posted by ブクログ

1作目なんですね。京都の街の中の風景が目に浮かびます。あー、学生時代に戻りたい。と思いながら楽しく読みました。

0
2023年10月27日

Posted by ブクログ

『夜は短し』のように水尾さん視点のお話も読んでみたいな。どうやって籠絡されてしまったのか。

森見さんのお話に出てくる、プライド高く屹立しつつ自虐的な面もある私の語りは読むたびに笑えてくる。

0
2023年07月01日

Posted by ブクログ

森見登美彦の世界観は何度読んでも素晴らしい。
主人公の京大の冴えない大学生(自分ではそうは思ってないかしれない)と、猫のように魅力的なヒロイン。何度読んでもこの組み合わせは最高。
主人公の凝り固まったプライドと膨大な知識から紡がれる偏屈な思想と、固い文体に独特のユーモアで語られる日々が、なんともいえない。中毒になる。

0
2023年06月27日

Posted by ブクログ

「夜は−」が読めたので、「じゃあ次はデビュー作だ!」と思い読んでみました。
「なにやってんだ君たちは」と思わず苦笑してしまう。
私は普段、テレビを見ても本を読んでも、あまり声を出して笑うということをしない方なのですが、これはついつい「なにやってんだ」と声に出して笑ってしまいました。
特に「私」と「遠藤」の攻防がたまらない。

0
2023年08月28日

Posted by ブクログ

 森見登美彦さんの本作(2003)は、デビュー作にして日本ファンタジーノベル大賞受賞作。実は『夜は短し歩けよ乙女』『熱帯』が私にあまり響かず、本作にリベンジです。復讐ではありません。

 あぁ何だろうコイツ、嫌なタイプだな‥。何せ冒頭から、「何かしらの点で、彼らは根本的に間違っている。なぜなら、私が間違っているはずがないからだ」という手記の体裁で始まるのですから‥。
 独善ぶり、道徳的優位性感情、高慢さを発揮する「私」は、京都大学を休学中の五回生です。

 モテたいのにモテない。(当然だよね?) それでも彼は、「自分がモテないのは世間のほうがまちがっている」とのたまう。(は?) そんな彼にも、奇跡的に彼女・水尾さんがいた時期があり、数ヶ月で玉砕。拒否された事実が解せず、「水尾さん研究」と称して観察を続ける。(完璧なストーカーですよね?) しかし彼にとっては、謎を究明する知的人間の正当な行為なのでした。(すごい理屈!)

 他にも、冷静な研究のために対象との直接的接触は避ける(むむっ、ギリセーフか?) 彼女は私の偉大さを理解できないがゆえに否定せざるを得なかった。これは研究であり、断ち切れない恋心とは無縁(おめでたい!) 自分が稀有な存在で選ばれた人間(ウケるー!) この手記が万人の共感を得るはず(この自信はどこから来る?)等々‥

 こんなふうに、彼の主観と側から見た客観はことごとくズレていて、もはや不快さを超越した奇想天外のギャグです。もしかしたら、これらを笑えるか腹を立てるかが、本作を好むか好まざるかの分岐かもしれません。
 個人的には、内容のコミカルさにニヤリとはするものの、少し堅苦しい文章で、やはり響いた感が今一つ得られませんでした。ごめんなさい。
 でも、終末に見せる哀愁漂い、かつ爽やかな雰囲気はよかったです。それに、水尾さんがゾッコンする「太陽の塔」に対しては畏怖し、愛しつつ幻影を見るんですね。

 同じ学生生活を描いた伊坂幸太郎さんの『砂漠』や、同じ京大出身で京都所縁で作風が似てる(?)万城目学さんを思い浮かべました。
 まさか「きのこの山」×「たけのこの里」論争じゃあるまいし、好みの問題ですね。

0
2024年04月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

語彙力がある人の捻くれた視点や文章見るの面白かった。めちゃめちゃ遠回りしながら進む話もたまにはええじゃないかと思った。

0
2024年04月07日

Posted by ブクログ

腐れ大学生。
序盤から森見節炸裂。
夜は短し、四畳半とかと比べるとどこか寂しい。
特に終盤。ハッピーエンドではない気がするし。
でも現実ってそんなもんなんだろうなと思った。

0
2024年03月07日

Posted by ブクログ

初めて森見登美彦さんの作品を読んでみた。同郷なので気になって読んでみたが、なんか独特の世界観が炸裂して最初はついて行くのがしんどかった。でも後半はこのバカさ加減が気持ちよくなってきたので次も読んでみたいと思った。

0
2024年02月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

森見作者の処女作であり、裏表紙の内容説明に惹かれて購入しました。作者原作のアニメが多くあり、アニメ(映像作品)→原作の購入の流れが多かったのですが、今回初めて原作からその世界観に触れることになりました。一人の大学生の物語、フラれた男の子の物語、ただその街に住んでいる青年の物語、今この瞬間にもどこかで起きていそうなありきたりな物語だけどファンタジーノベル大賞受賞作。現実と空想の物語。どこから現実でどこまでが空想なのかが分からなくなってしまいそうになる。
以下勝手に解釈したもの。これが正解だとは思わないけど、自分ではこれが一番納得した考察

 初めてできた彼女にフラれた私は、その後彼女の幻影を追いかけるようになる。だから彼女に会って何かするとかはない。進展もない。ずっと過去を振り返っている。私は、間違っていない人間だからフラれた事を何かの間違いだと思っている。だから彼女と行動を共にした期間を思い出しながら振り返るだけ。それがずっと続く。

転機になるのは「ええじゃないか騒動」

そこで作中初めて現実の今現在の彼女が描写がされる。空想ではなく現実の彼女へ声を掛け、手を取ろうとするがそれは叶わない。そこで気づく、現実を直視する。隣には彼女はもういない。妄想するのは自由だが何も現実は変わることはない。そこに気づくまでに長い時間がかかった大学生の物語。

0
2024年02月24日

Posted by ブクログ

主人公は京都で学生生活を送る休学中の大学 5 回生の男。本上まなみさんの解説でも書かれている通り、「大学生の日常ともやもやが、主人公の視点でじっくり語られていきます」。私自身も過去に大学生活を送った経験があり、懐かしい感情が湧き上がってきた。そして、思い出したいような思い出したくないような当時の記憶が蘇ってきた。文章自体も「豊富なボキャブラリーや凝った言い回し」(またもや本上まなみさんの解説から引用で恐縮ではあるが)などが非常に面白く読み進めている間は主にそれを楽しみ、読後にはじわじわとノスタルジーを感じるような作品であった。

0
2024年02月07日

Posted by ブクログ

四畳半神話大系を一気見してから初めて森見登美彦さんの活字に触れました。
文章がいちいち最高で、お気に入りの箇所を反芻しました。
別作品も読もうと思います

0
2024年01月12日

Posted by ブクログ

ただの怠惰な学生の手記、なのだけれど
めくるめく京都の風景描写や友人・元恋人を巡る奇妙な関係が面白くちょうど今の季節(大晦日に読みました)にもハマり楽しめました。
寒い季節にヌクヌクしながら読むと、ますます夢感が高まる気がします。

0
2023年12月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

堕落した大学生の煩悩を豊富な知識から色んな言い回しで書かれているのがやはり魅力的。
男同士で鍋を囲んで会話している場面も良いのに、最後のええじゃないかの場面では青春小説を読んでいるような熱い気持ちになり、そのギャップを楽しめた。
騒がしさを「ええじゃないか」を文中に大量に入れることで表し、その喧騒の中で水尾さんへの思いを正直に吐露する"私"の構図がとても良い。その最高潮の盛り上がりの後、スっと爽やかなエピローグに入るのが、この心地よい読後感を生んでいると思う。

0
2023年12月08日

Posted by ブクログ

面白かったけど、他の森見登美彦さんの作品にあるキャラクターの個性の豊かさとか場面がコロコロ変わっていくストーリーの軽快さとかの良い意味でのクセがあまりなかった印象。太陽の塔に行ってみたいなと思いました

0
2023年10月23日

Posted by ブクログ

「夜は短し歩けよ乙女」の前作。ストーリーに続くものはないが、こいだのまねき猫だののアイテムは両作に共通していて、京都にこれらは絶対なのか?と思った。それとも著者が好きなだけか…
就活の合間に読んで一息リフレッシュ。…するのがモテない男たちの話というのがなんだか情けない気もするが。
まあいっか、おもしろかったんだし。

0
2023年08月05日

「小説」ランキング