森見登美彦のレビュー一覧
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ネタバレ「鞍馬の火祭」の夜に英語サークルで一緒だった長谷川さんが忽然と姿を消す。
それから10年後「鞍馬の火祭」の見物のため、英会話スクールの仲間たちが集合する。
祭りの前に、メンバーの一人である大橋は、長谷川さんとよく似た女性を見かけ跡を追って「柳画廊」というギャラリーに入る。そこには岸田道生という画家による銅版画「夜行 -鞍馬-」が飾られていた。
宿で仲間にその事を話すと、全員が「夜行」について心当たりがあることが分かり、彼らはそれぞれ「夜行」にまつわる旅先での出来事を語り始める。
尾道、奥飛騨、津軽、天竜峡、そして鞍馬。
一人一人が語るそれぞれの場所の話は、不思議で怖くて、どこまでも夜が濃く深い。
結末はどこまでも曖昧で、語ってる本人達さえも真相に気付いているのか疑問である。
ただただ、電車の車内から真っ暗な外の景色を薄い自分の姿を通して見ているような寂しさや、旅行先で夜の暗さに驚くような気持ちが続いていた。
この2つの世界はなんなんだろう?
夜は明けたのかしら? -
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ネタバレ単行本が出た時に買ったような気がするが、発掘できなかったので文庫版を購入。
シャーロック・ホームズの二次創作は数あれど、本作の舞台はヴィクトリア朝京都というモリミー全開の設定。世界一有名な例の住所は寺町通221Bとなっており、金魚の「ワトソン」登場で早くも爆笑しながら楽しんだ。
第4章までの非探偵小説的事件をどう収束させるのか興味津々だったけれど、実はワトソンがロンドンで書いていた小説の中の出来事でありました、と第5章で明かされた。と思いきや、本当は女王幼ごころの君であるヴィクトリア女王に、バスチアン役のワトソンが物語を捧げるネバーエンディングストーリーだったようで、まるで狸に化かされたような読後感。虚無に飲み込まれなくてよかったね。
あと、もう少し京都の地理に詳しければもっともっと楽しめたのに、知らない地名が沢山あって残念。
《追記》 ちょいと気合い入れて積読本発掘したら、無事単行本が見つかりました。文庫版を読み終わった次の日に見つかるとか、モリミーの呪いかもしれませんw -
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夜は短し歩けよ乙女に続き2作目の森見登美彦作品。
新着図書に置いてあり気になったので借りた。
表紙の色味好きー!単行本の表紙もいいね!そいや、角川つばさ文庫にもあるんだ!と思ってその感想ちらっと見たら、、注釈とかあって大人でも勉強になるとのこと。そっちも読んでみたいな!
夜は短し歩けよ乙女より、こっちの方が読みやすかった。時代もより現代に近くなってるからか!?京大の典型的な男子学生たちが1人の女の子を取り巻くみたいな感じが森見登美彦の作風なのね!
解説を読んで確かに!と思ったのは、タイムマシンモノって一人称になりやすいのに、これは客観視してみんなでわちゃわちゃしてるのがいい!
上田誠さんの作品も見てみたいな。森見さんじゃなくて万城目学さんだけど、鴨川ホルモーも気になる!八木莉可子ちゃんとレイちゃん出てたよね。山田孝之の映画もあるのか!
てかヨーロッパ企画の作品は私好きなのかも?「リバー、流れないでよ」だけみたことあるけど、あれ良かったし。
糺の森(ただすのもり)が一生読めるようにならない!!なりたいんだが。
また京都行きたくなっちゃったよーん! -
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怠け者の主人公小和田くんが、ぽんぽこ仮面の騒動に巻き込まれて、貴重な貴重な土曜日に大冒険することになった話。
「充実した土曜日の朝は、熱い珈琲とタマゴサンドウィッチから始まる」
素敵なフレーズだ、間違いない!と思いながら、私は土曜の朝現在(もう11:38)、ソファに横たわりながら本作をだらだら読んでいる。充実した土曜日とは言い難い、ぐうたらした始まりである。
来週の土曜日こそ近くの喫茶店に行って充実した休日の始まりを迎えたい。
こんな風に本作では貴重な休日の初日である土曜日をいかに過ごしたいかが、それぞれの登場人物視点で語られる。ぐうたらな主人公は所長とも恩田先輩とも違って、何にもせず怠惰に過ごしたいと思っている。そんな主人公のもとにぽんぽこ仮面を継いで人々を助けてくれ!とか、宵山に行こう!と誘ってくる登場人物が現れて、小和田くんは小冒険をする羽目になったのである。
この本を読んで柳小路に行った。
八兵衛明神(この本を読んでなかったら絶対に通り過ぎる)になむなむして、軒を重ねるお店の1つに入りお酒を楽しんだ。
次は、今回の土曜日の舞台となる祇園祭の宵山に行きたい。
「...なんて、いったい誰が決めた?」
本作で何度も登場するこのフレーズも、非常に耳に残った。 -
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「夜は短し歩けよ乙女」が好きで何度も読んだ。この本は同じ作者ということで手に取った。
この本には、上記作品の人物やお店が登場する。彼らの人生の続きを覗き見ているようで、読んでいてワクワクした。
本の内容自体は、前半までつまらないなと思っていた。時々言い回しにクスッとすることはあったけど。
あの時こうしていたら、という「もし」の世界が、同じ「私」の視点で何度か描かれる。
3度目にもなると、またこの展開か…と途中で飽きてしまったが、最後に全ての伏線を華麗に回収して着地するのは見事だった。
読み終わって思うのは、あの独特な世界観が好きで、私もその世界の住民になりたいということ。
あと、樋口師匠の名言なのか適当なのか分からないがありがたいお言葉もとても好き。
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登場人物の発話表現にとっても森見登美彦らしさを感じた、読みやすい古典新訳!
このシリーズがそもそも古典に気軽に触れるいい橋渡しになっててとても意義ある試み。
原文が読めればいいだろうけど、時代が移ろい言葉も文章表現も変遷を辿る中、やはりその時代にあった表現に新訳することで、初心者にとってのハードルが下がる。ましてや有名な作家が訳してるなら尚更。
女性(かぐや姫)を中心とした色恋沙汰で、かつコミカルな要素もあるならまさしく森見登美彦一択!
解説でどんなところに注意しながら訳していったのかもわかるし、何よりイメージしやすかった。
他のシリーズも読みたいなぁ。 -
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ネタバレ「楽しい!」をめちゃめちゃに詰め込んだかのような世界観。致死量のユーモアを浴びた。
真面目にアホするのっていいなあ。一番楽しいよなあ。
第一章は色んな場所へ飲み歩きに行く話だった。
詭弁踊り参加するのはワロた。
先輩が李白のズボン剥がしの被害にあってたのもワロた。
第一章でぐっと引き込まれた感がある。私もこんな愉快な一夜を過ごしてみたい。
第三章の学園祭もたくさん人が登場して楽しかった。
「ごはん原理主義者VSパン食連合」
「一目惚れした女性に会えるまでパンツをかえないと心に決め、下半身が病気になってしまった番長」
アホや。この大学絶対タテカンあるやろ。
局員たちが偏屈王を追っている時エロ本ばら撒くのワロた。そして何人かまんまと捕まってるのもワロた。
こんななんの規制もない学園祭すごく行ってみたい。この本の世界の住人になりたい。
ギャグ漫画みたいだけど最後綺麗におさまってて良かった。 -
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ネタバレ森見さんの作品を初めて読んだ。
「正体が分かりそうで、最後まで分からない」ところが魅力的だった。
読み始めたとき、怖いというより、まず「懐かしい」と感じた。
物語に出てくる古い家や薄暗い部屋の描写は、子どもの頃に行った両親の実家や親戚の家を思い出した。
昔の田舎の家はどこか似た造りをしていて、トイレは家の端の暗いところにあるから怖く感じたし、雨の日には床や木のサッシが湿気を含んで色濃くなり、雨音が響いていつもより寂しい雰囲気に感じた。
大人になった今なら、暗くてよく見えないから怖かったのだとか、人は暗闇で不安になりやすいのだとか、いくらでも怖く感じる理由をつけられる。
でも子どもの頃に感じていた「怖さ」には、それだけでは説明しきれないものもあったように思う。それは必ずしも霊的なものではなくて、自分でもうまく言葉にできなかった寂しさや不安のようなもの。
例えば、おばあちゃんちで一人でトイレに行くのが怖かったのも、本当は、大勢の親戚の中で過ごす戸惑いや、親に甘えたいのに構ってもらえない寂しさを、「怖い」という気持ちに置き換えていたのかもしれない。
この本を読んでいると、子どもの頃の「怖い」という感覚が、今までとはまったく別のものに思えてきたので不思議だった。
そして、「よく分からない」という感覚が、物語を読んでいる間、ずっと続いた。
四つの話をすべて読み終えても、結局何が起きていたのか、よく分からなかった。
胴の長い不気味なケモノも、人と人とのつながりも、どこまでが現実で、どこからが怪異なのかも曖昧なまま。その正体が分かりそうになるたびに、また分からなくなる。という繰り返しだった。
でも、「最後まで分からない」ことこそが、この本の面白さなのだろうと感じたし、これって人生と同じでは?とも感じた。
今の世の中は、分からないことがあっても、すぐに正解や、自分なりに納得できる答えを探すことができる。そんな中で、この本にある「曖昧さ」や、「分からないことは分からないまま」という感覚は、なんだか懐かしく思えた。
また、全体を通して怪異そのものよりも、人間同士の細かな駆け引きが気になった。
最初の「きつねのはなし」では、物々交換のように物が人から人へ渡っていくけれど、それは単純な交換ではなく、「断ると角が立つ」とか「相手が何を望んでいるのかを探る」とか、遠慮や欲、貸し借りのような、人間の複雑な感情が絡んでいるように思えた。
先輩が主人公の顔をケモノのように見えたと言ったあと、二人があからさまに会わなくなっていく場面も印象に残った。
本当にケモノが見えたのか、それとも別の意味があったのかは分からない。でも、一度誰かをそれまでとは違うものとして見てしまうと、人間関係そのものが変わってしまうことはある。
妖怪や怪異の話なのに、読み終わってみると、「こわい」と感じる正体だったり、人間の心の動きのほうが印象に残る、不思議な本だった。 -
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『恋文の技術』刊行15周年記念の文庫新版。
書き下ろしの短編が別冊付録として付いてきた
お得な一冊。
やっと読むことができました( ´θ`)
書簡体小説なのですが、主人公守田くんから
回りの愛すべき阿呆な人々へ宛てた書簡が永遠に続く・・・?
春・夏・秋に起こる事件?出来事が繰り返し
文通という形式で語られます。
しかも、返信は掲載ないので想像するしかない
けど、そこは森見登美彦さん、お上手です。
守田くんの未熟な自意識が面白く、
読者がおいおい!ってつっこみたくなること
数知れず。
守田ワールド炸裂しまくります。
ストーリーはありますが
ほとんど、「◯っ◯い」についてのオハナシです。
「お◯ぱ◯」をこれだけ連呼するのに、
(100回くらいでてくるんじゃ?)
全くエロくないカラッとした語り口さすがです。
前半は読みにくさが否めないのですが、
中盤からは夢中なってる自分がいました。
守田くんは大学院生ということもあり
理系ではあるものの国語力が高いので
とても勉強になります♪( ´θ`)
まぁ森見さんなので、独特な言い回しパーティでしたけど。。。