森見登美彦のレビュー一覧

  • 恋文の技術 新版

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    書簡体小説ですが、各キャラクターの個性が強く表現されていてすごいです。
    主人公の守田が研究室の友人や先輩、妹などにひたすら手紙を書き続けています。
    本来、物語は主人公と主人公以外の人物や環境による影響によって成り立つと思うのですが、この物語はただひたすら守田からの手紙だけで展開されます。彼の書く手紙の内容から友人たちからの返信があったと推測されるのですが、それを踏まえてさらにまた守田が手紙を書くことで彼らの関係性や人間性がどんどん浮き彫りになります。
    物語の最後にしてようやく守田が恋する相手への手紙が出てきますが、結果がどうなったのかを想像できるのもまた楽しみのひとつです。

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    2025年12月10日
  • 夜は短し歩けよ乙女

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    『成瀬は都を駆け抜ける』に出てきたので、読みました。昔読んだはずなのに内容を全く忘れていました。
    飲み歩き、仲間ができていく、大学生ならではの世界ですね。ファンタジーなところが素敵で楽しめました。

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    2025年12月10日
  • シャーロック・ホームズの凱旋

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    ホームズと言うのだから、探偵物だと思って読み始めた。ところが一向に謎を解かない。どの様に復活していくのかと期待して読んでいたら、とんでもないファンタジーに出会ってしまった。面白かった。

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    2025年12月09日
  • 宵山万華鏡

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    祇園祭の宵山を芯に据えた6つの連作短編集。『夜行』のような幽玄な幻想譚かと身構えれば、『四畳半〜』のようにいつもの悪ふざけが炸裂する話もあったり。森見さんの要素がぎゅっと凝縮されていて、この本を開くたびに無限に模様を作り出す万華鏡を覗く時さながらのワクワクした気持ちになれた。特に「宵山劇場」にも登場する、意味のないところに意義を見出そうと踠く徒労で愛らしい人物たちがとっても好き。

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    2025年12月09日
  • ペンギン・ハイウェイ

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    アオヤマ君の知性と論理が際立ちながらも尚残る幼い無垢さや、好奇心たっぷりに色んな探究に打ち込む姿に深く癒された。ニュータウンに突如現れたペンギンや"海"の謎を追うファンタジー然とした描写は瑞々しく息づき、想像力を無限に羽ばたかせてくれる。ノートとペンを鞄に街を隅々まで歩きたくなる、そんな衝動にかられた一冊だった。

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    2025年12月09日
  • 夜行

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    ネタバレ

    著者に多いポップな作風とは対照的に深い影を帯びた作品だった。京都を基盤にしつつ、尾道や奥飛騨、津軽で広がる物語は異界への誘いのように幻想的でホラーチック。「夜行」と「曙光」、表と裏の境界が溶け合い鮮やかに反転していく描写が見事だった。

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    2025年12月09日
  • 夜は短し歩けよ乙女

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    多分、恋愛小説?

    凄く独特な文章表現でユーモラスがある。難しい言葉も多いのでスマホを辞書替わりにしてよみました。
    引き込まれる程ではないけど面白いと思う。

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    2025年12月08日
  • 四畳半神話大系

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    一気読みしないと読み切れない気がしたので一気読みした。森見登美彦は初めて読んだが、凝った文体なのにスラスラと読めてしまった。あの時ああしていればなあと大学生活に思いを馳せることはあるが、案外この物語みたいに大して変わらない結果になっていたのかもしれないと思った。

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    2025年12月08日
  • 熱帯

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    ネタバレ

    様々な世界線が入れ子になって交わっている不思議な感覚。途中までなかなか話に入り込めなかったのに、ラストの50ページくらいから一気に引き込まれた。読み終わって、え?どういうこと?となって、すぐにもう一度読みたくなる作品だった。

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    2025年12月07日
  • シャーロック・ホームズの凱旋

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    かの有名なシャーロック・ホームズの舞台が、森見登美彦の手にかかれば京都の街へと早変わりしてしまう。京都が舞台になるとなれば森見登美彦の右に出る者は誰一人いない。そんな一冊だ。面白くないわけがない。

    一世を風靡した名探偵・シャーロック=ホームズはスランプに陥り、相棒のジョン=ワトソンはどうにかこうにかホームズを立ち直らせようと奮起する。そんなところから物語は始まる。この時点で面白くないわけがないのだが、進むにつれて登場人物たちが化学反応を起こして(アドラーとの対決やメアリの思い、モリアーティ教授の行動も必見、絡まり合う心霊主義など)超新星爆発的な面白さを生み出していた。それでいて原作を踏襲して

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    2025年12月07日
  • 夜行

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    なんてったって難しい。
    自分の中での「こういうことかな?」がほんの少しだけあるけれど、言語化するのが難しい。

    でも最後の最後に、ほんの少しだけ曙光を感じられてほんの少し嬉しかった。
    知りたいことたくさんありまくりだけど。

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    2025年12月05日
  • 恋文の技術 新版

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    森見登美彦節全開で最高だった。
    森見登美彦といえば京都で主人公が捻くれているが、今回の舞台は主に石川で、主人公の捻くれ具合は今まで読んできた作品の中で過去最高だったと思う。読んでいてずっとクスクス笑いが止まらなかった。「夜行」「夜は短し歩けよ乙女」などと違いファンタジー要素が全くなかったため容易に想像することができたし、作者のおっぱいの好きさ加減も知ることが出来た。
    個人的に森見登美彦作品で1番好きかもしれない。

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    2025年12月05日
  • 新釈 走れメロス 他四篇

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    森見登美彦が文豪の有名作品をオマージュした短編集。

    文豪名作に森見ワールドが入り込んでいるが、どちらかというと原作をリスペクトしている印象。

    メロスは森見らしさが強く好きな編でした。

    文豪作品が好きでちょっと味変がしたい方にはおすすめかなと思います。

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    2025年12月03日
  • シャーロック・ホームズの凱旋

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    "ヴィクトリア朝京都”という耳を疑う場所を舞台に、世界で一番有名な探偵シャーロックホームズと助手のワトソンが時にはコミカルに慌ただしく、時には寂しげに奔走する。221Bは寺町通りにあるし、警視庁のボートが疾走するのは鴨川だし、モリアーティは鬱鬱してるしスランプに陥ったホームズは竹林に…なんじゃそりゃ、とツッコミを入れたくなるぶっ飛んだ世界観なのに、惹き込まれてしまった。流石の森見ワールドで楽しすぎる。結局何が真実なのか、最後まで正解を教えてくれないのもまた良い。

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    2025年12月02日
  • 四畳半神話大系

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    内容はいつもの森見登美彦さんの恋愛コメディといった感じであったが、4話に掛けて並行世界で起きた出来事を追っていくという仕掛けが面白かった。どの選択をするかによって話の内容は変わるものの、小津との出会いや明石さんと上手くいくことは変わらず、青春を感じました。下鴨神社の古本市に興味を持ちました。

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    2025年12月01日
  • きつねのはなし

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    森見登美彦さんらしい、ちょっとざわざわするようなヒヤッとするような怪しい短編集です
    芳蓮堂やナツメさん、道場や、お寺など、共通の場所や人たちが出てきます
    そして、いやに胴が長いケモノ、狐面。
    最初の きつねのはなし がとても怪しくどきどきしながら読みました。
    渡してはいけないもの
    取引してはいけないこと
    が出てくるのはまさに 京都奇譚集ですね

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    2025年11月30日
  • 宵山万華鏡

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    子供の頃、普段通っている道から外れてみて、それだけでも冒険気分になったり、気になる場所があるけど少し勇気が必要で、でも振り絞ってドキドキしながら行った事や人混みの中をはぐれないようにハラハラした事とか。皆さんもそういう体験ってありませんでしたか?

    冒頭そういう記憶を甦させられます。

    本書は不思議な感覚を感じつつ、懐かしくもあり、心地良く感じたり、おののかされたり、そう来たかと思ったり。

    終始、祇園宵山も感じられ良かったですよ^_^

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    2025年11月24日
  • 新釈 走れメロス 他四篇

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    古典文学の腐れ大学生バージョン。
    面白かった。
    原作で既読なのが山月記と走れメロスのみなので、他の作品も読んでみようと思います。

    特に印象に残ったのは山月記。元の現作より主人公が身近に感じて、その分心も痛みました。自分の語る夢に自分で苦しめられる経験は誰にでもある。諦めきれず、才能がない自分を認めたくなくて、人知れず消えたくなる。私もそんな思いになることがあります。でも袁傪(今作では夏目)目線で見ると「夢なんて生活の片手間で見たらいいのに、わざわざ人間を辞めることない」って言いたくなる。他人からしたら良くも悪くも人の夢なんてそんな物だなーと再認識しました。

    千野帽子さんの解説で語られていた

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    2025年11月23日
  • 有頂天家族

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    『夜行』に続き、モリミー作品九作目。年納め本の予定が年始め本になってしまった…。でも、物語の時期的にちょうどいいタイミングで"逆に"良きでした!狸、天狗、おかしな人間たち(?)が織り成す「京都疾走物語」はなんと微笑ましいことでしょう。笑。

    好ましいキャラクターが多いことで有名なモリミーですが、いつにも増して多いこと[×2]。その中から厳選して三キャラあげて締め括りたいと思います。弁天、赤玉先生、そして下鴨総一郎。
    面白きことは良きことなり!星四つ半。

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    2025年11月20日
  • 四畳半神話大系

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    深夜京都の4畳半夢を見てた
    灯りの灯らない蛍光灯
    明日には消えてる世界線に

    色々なことをしても大元の人生は変わらない
    春を告げる物語なのだ

    なんか、こんなアホな一人暮らしに戻りたい
    カミサマーッ

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    2025年11月19日