森見登美彦のレビュー一覧
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「これからは竹林の時代であるな!」
どうしてそうなった。
なにがすごいって、「竹林に入って竹をきった」だけしかしていないのに1冊のエッセイになって、それで人を最後まで笑わせてくるところだと思う。竹林の時代だと思うのもすごいんだけど。
この本の内容を圧縮して言うと、著者が竹林に分け入り、基本的に大変だという趣旨のことをブチブチ言いながら微量の竹を切り、肉か何か食べる感じだ。その日々の合間にスルリと妄想が入り込む。このスルリと入ってくる妄想が、うっかり暑い日に昼寝した時の夢くらいアクが強い。アクの強い妄想と過去の風景と竹林がグルグル回るようで、読書しながら酩酊するような思いをする森見さんの文章が -
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Posted by ブクログ
森見さんの、太宰治傑作集。
太宰治は中学の時に読んだ「走れメロス」と「人間失格」ぐらいしか馴染みがなかったので、印象がかなり変わった。
特に気に入ったのは「畜犬談」、読み終わった後に太宰治のことがちょっと好きになっているから、ずるいと思う。
最初の「失敗園」→「カチカチ山」→「貨幣」ぐらいまで「これは森見さんが書いたのでは?」と思ってしまうぐらい、文体もその雰囲気もよく似ていた。
読みやすいもので読者を釣って、「ロマネスク」あたりで太宰治の世界に引き摺り込んで、「黄村先生言行録」あたりから深い沼に沈まされる感じ。
100年程前の文章だから、読み難い所もあるし、時代錯誤で「ん?」と思う所もあった -
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Posted by ブクログ
ネタバレ古事記 712年 天武天皇の命により 池澤夏樹
神様の血縁関係
歴史 神話 伝説 系譜 歌謡
なる=勝手に生まれてきたもの
ヤマトタケル 弱いものへの共感
日本霊異記 平安初期 日本最古の仏教説話集 伊藤比呂美
ブロークンな漢文
性を書く博愛主義
くながひ=杭を交える、つっかえる(婚、愛婚) とつぐ=戸を継ぐ(交通)
竹取物語 平安前期 森見登美彦
かぐや姫が地球に来た理由は不明
帝さえも拒否し、世の中のルールをすべて拒否して帰っていく
宇治拾遺物語 鎌倉初期 町田康
原曲を再現するのではなくカバー曲、メロディーもムードも変えない
原文から聞こえてくる音 -
Posted by ブクログ
森見登美彦氏デビューから14年間(2003〜2017)
の新聞・雑誌・パンフ等に発表されたエッセイ大全集。日記まで掲載されていますね。
他の作家さんの文庫解説も網羅されていたり、お気に入りの映画、もちろん小説などのエッセイも豊富です。
森見さんの小説は、文章のテンポが良くて、滑稽なのに哀愁がみたいなところが好きなんですけど、ちょっと疲れている時は、あっ今日は何書いてあるかわかんなくなってしまうのでごめんなさい。(神話体系とか)という事もある。が、このエッセイ集は、まえがきに「寝る前に読む本」しかも、あとがきに「少しずつ読む本」。難しすぎず、適当に面白く、どこでも切れが良く、どこからでも読め