森見登美彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレシャーロック・ホームズの凱旋
ホームズの冒険譚が京都で・・・
森見氏と京都を切り離す方法はないのか?
京都で活躍していたホームズがスランプに。なんとかす乱舞を脱出させようと奔走するワトソンをよそに、ホームズは引退を決意してしまいます。
宿敵モリアーティ教授やメアリ・モースタン、アイリーン・アドラー、ハドソン夫人などホームズ譚の登場人物が数多く登場しますが、その役割は微妙に異なっているところも面白く読みました。コナン・ドイルが晩年にはまっていた心霊現象も物語の中心として描かれます。
森見氏の小説のいつものごとく、終盤は幻想と現実が入り交じり反転するドタバタとなりますが、その収め方が見事なので、 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ2008年本屋大賞
森見作品を手に取るのは何作目だろう?
森見ファンタジーワールド全開。
主人公は京都のに暮らすタヌキで下鴨家兄弟三男「矢三郎」。モットーは「面白く生きる」。亡き父「総一郎」は狸界の頭領「偽右衛門」と呼ばれた名狸だったが人間たちの「金曜倶楽部」によって狸鍋にされてしまった。その衝撃的な死を発端に、物語は動き出す。
父の死を受け、次期偽右衛門を目指す長男「矢一郎」と奇人肌の弟たち。それぞれが父から受け継いだ力や誇りを胸に、狸・天狗・人間が入り混じる京都で日々の珍騒動。天狗の大先生「赤玉先生」の世話や、美しくも妖しい金曜倶楽部女史「弁天」との交流、そして夷川家の「金閣」「銀閣」と -
Posted by ブクログ
読みたくてずっと積ん読にしていた本。
やっとこ読みました。
森見作品は結構読んでて、やっぱりあの少しふざけた森見節が大きな魅力のひとつだと思う。
ところがどっこい、この『熱帯』はその森見節が鳴りを潜めている。
『夜行』とかもそうだったなぁと思いつつ、それはそれで期待。
内容は詳しく書かないけど、というか簡潔に書くのが難しい笑
一言で言うなら不思議。
初めて知ったけど、「入れ子構造」という書き方がされていて誰かの語りの中でまた違う誰かが語り始め、さらにその中でまた誰かが…というマトリョーシカ形式。
少し混乱するところもあったけど面白い形式だなぁと。
ただいろんな世界線が混じり合っていて謎や