葉真中顕のレビュー一覧

  • もの語る一手

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    (この本自体は読んでなくて『小説現代』を読んだのですが、備忘録として登録)

    将棋を観るのが好きなので読んだのだけど、どれもこれも面白くて驚いた!
    人生で読んだ短編集でベストかも。
    将棋しばりなので中には面白くないものもあってもおかしくないのに。
    理由は書き手を見れば一目瞭然で(と言っても私は知らない人もいたんだけど笑)、人気作家ばかり。
    将棋好きな作家さんて多いんですよね。観戦記を書かれてる方もいらっしゃったり。

    私は将棋はほとんど指せないので、将棋難しそう…という方でも楽しめると思います。

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    2025年04月11日
  • 凍てつく太陽

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    寝ても覚めても本書に支配された。
    ハードボイルド、ミステリ、警察小説、アイヌ民族を含んだエンターテイメント。

    舞台は終戦間近の北海道の室蘭。
    軍が秘密裏に進めている軍需工場がある。工場関係者の連続殺人が起き…。

    特高(特高警察)と憲兵の違いも知らなかった私だが、引き込まれた。特高の日崎八尋の潜入捜査から始まる。

    アイヌの血脈の日崎、飯場で懸命に働く朝鮮半島の人々。皆、大日本帝国の皇国臣民とされていたが…。

    差別と被差別、支配と被支配の歴史。
    自分が正しいと思うことをできる時代になっている。その事をラストは噛み締めた。

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    2025年04月06日
  • 灼熱(新潮文庫)

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    最初は、面白いのかどうか疑問に思いつつも、途中からぐっと入って心揺さぶれ、最後まで一気に読まされる。

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    2025年04月05日
  • 警官の標 警察小説アンソロジー

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    ネタバレ

    警察小説名手による警察小説オムニバス。この手の企画は寄せ集め感強く中途半端になることが多い印象だが、本書は例外中の例外。粒揃いでどの作品も素晴らしく面白い。警察組織を舞台にしているが、各著者のそれぞれお得意分野を披露してくれている。特に月村作品は警察小説としてはものすごく特異なのだが、如何にもな感じが面白かった。つまらない作品がなく、読んで損のない一冊。

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    2025年03月10日
  • 凍てつく太陽

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    内容の濃さに圧倒された。戦時下の北海道で様々な民族の想いが描かれ、小説としての面白さもあり、最後まで失速することなく読み応えあった。

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    2025年03月08日
  • Blue(ブルー)

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    ネタバレ

    『絶叫』が良かったので同じく奥貫刑事が活躍するこちらも読んでみた。

    青(通称ブルー)の人生とともに
    平成に流行ったものや事件が描かれている。

    絶叫がそうであったように
    犯人が犯罪に至ってしまうやるせなさが描かれており
    好みの作風だった。

    For Blueが誰の視点だったか分かったときに感動したのと、
    兄と妹で同じ人物を違うように捉えている点が深みがあって良かった。

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    2025年03月07日
  • 夜更けのおつまみ

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    31人の人気作家さんたちがそれぞれの夜更けのおつまみ語るというなんとも豪華でお腹が空きまくるエッセイアンソロジー。
    私はお酒は飲めないけど酒の肴と呼ばれるものが何より大好き。
    それぞれの作家さんの私だけのおつまみが沢山詰まっていて最高だったー✨
    共感できるおつまみもあれば初めて知るおつまみやお酒もあって面白い。
    この本を片手に晩酌するのも最高のおつまみになりそう

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    2025年02月24日
  • ロスト・ケア

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    湊かなえさんの新刊を読む前に読みたいな、と読みたいリストから手に取った。

    戦後最多の大量殺人事件を起こした犯人に死刑判決が下された。事件の被害者にはある共通点があった。犯人の真の目的とはー…?

    物語の構成に序盤から引き込まれた。
    誰しもが逃れられない、他人事ではいられない、「介護」。
    認知症患者の介護の過酷さ、悲惨さ、介護業界に携わる人たちの苦悩…分かっているようで、分かっていなかった。
    自分が当事者にならない限りは、本当の意味で分かることはできないのだろう。

    10年以上前に執筆された作品だが、今の日本に重なる部分がたくさんあって興味深かったし、怖くも感じた。
    超高齢化社会どころか、超超超!高齢化社会になっていく日本。
    実際、私が住んでいる地域は周りが高齢者ばっかりで、私たち世代の人も少ないし、子どもが本当にいない…!
    既にこういう状況なのに、私が高齢者になる頃には日本の人口の40%以上が高齢者という計算になる。
    その頃の日本は一体どうなっているのだろう?

    犯人の言葉の一つ一つがすごく胸に響いた。
    「人殺しは決してしてはいけない」という自分の中の概念が揺らいでしまいそうになった。
    「やるべきことをやる」、「分かっていたはずだった」という言葉が胸に重たくのしかかってくるようだった。

    「分かっていたはずだった」と、将来絶望することにならないように、私たちが「やるべきこと」とは?
    問いかけてくるような作品だった。

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    2026年04月25日
  • 凍てつく太陽

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    いろんな要素が混ぜ合わさった骨太エンタメ小説でした!キャラクターの魅力はもうちょっとあってもいいかなって思いましたが、主題やメッセージ性もしっかりしているので、読み応えも心にグッとくるものも本当全方位でした。再読はしないかも 笑

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    2024年12月13日
  • そして、海の泡になる

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    ネタバレ

    「ハルさんが考えた世界への復讐法は、誰にも何にも縛られず、自由に生きることでした」

    自由を渇求し、男たちの支配から逃れた末にたどり着いた場所は、お金の支配下だった。
    何かに固執する事って、結局、そのものに支配されること。

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    2024年09月17日
  • ロスト・ケア

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    日本社会の闇に迫っている。
    認知症が進んだ親や義理の親を介護せざるを得ない人たちが、人間の尊厳すら保つことができす、苦しみながら生きなければならない現実をつきつけられた。
    私は姑に結婚以来10年以上いびられ、実家の家族までも蔑まれている。湧き上がる憎悪に蓋をして、自分を騙し騙し生きている。この上、認知症になり、介護が必要になり、私が面倒を見ることになったとき、持ち堪える自信がない。こうなるとロストケアが本当に罪なのか、わからなくなる。ロストケアなど不必要な社会をつくらねばならない。
    政治家は、介護を必要とする人と介護する人を仲介するとき中抜きする事実を洗い出し、まずこの悪事を正すべき。そして、我々もこの社会の闇に関心をもつべき。

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    2026年10月05日
  • 警官の道

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    警察もの 読んだことない作家さんも入っていたので 短編ならサクッと読めていいよね~と 読みました
    好きな 呉勝浩さん柚月裕子さんはもちろん面白かったです 初めての作家さんも追ってみたくなりました。

    「聖」は うるっときちゃいました。

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    2024年06月17日
  • 作家 超サバイバル術!

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    面白かった。本を読む人は、少なからず、自分が作家になって、作品が大ヒットし、チヤホヤされて、歴史に名を刻みたいという人が少なからずいると思う。
    作家3人の眼力や分析、見通しが鋭いこともさることながら特筆すべきは、読者ひいては人間の特性を把握していること。人の心の動き、癖、身勝手さなどを把握しているからこそ、売れる作品を書き続けてこられたと思う。3人が語る、その人間の本質を、フィットする言葉でうまく表現できているのが、さすがベストセラー作家。

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    2024年05月20日
  • シークレット~綾辻行人ミステリ対談集in京都~

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    綾辻さんもいつの間にかもうかなりのベテランっていうのが驚き。今をときめく若手の書き手の対談はとても興味深いし面白い。ホストが綾辻さんだから成り立っている部分が多分にありそう。もっと分量を読みたいし、他の方との対談も読んでみたい。

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    2024年04月06日
  • ブラック・ドッグ

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    ネタバレ

    良い意味で期待を裏切られた作品です。

    葉真中作品はデビュー作である「ロストケア」でドハマりし、続く「絶叫」、「Blue」と高評価をつけ読み終えました。

    「ロストケア」は社会派の最高傑作だと思っていますが、だからこそ私が葉真中作品に求めるのも社会派作品。

    手元で積読となっている著者の2作品「凍てつく太陽」、「灼熱」もブク友さんのレビューを読めばそっち側の作品。

    でも、本作は違うんだよなぁー。

    前面に出てくるのは所謂パニック小説。

    わずか数時間の出来事を651Pの作品にすると、リアルに伝わってきますよね。

    恐怖、パニック、悲鳴、絶望...

    閉鎖された空間でまさに狩りが始まりますが、狩られるのは「人」、獣達に襲われ、食い殺されていきます。
    ※本書は「ロストケア」と違い映像化しちゃダメなヤツです。

    本作の主人公って...

    当初は隆平かと思いきや、早々に...

    結愛?拓人?栞?シンって見方も出来るけど、アイを中心にって考えても面白い…

    ウーン...?(*_*)?

    単なるパニック小説としても読み応え十分な作品なのですが、やはり考えさせられんですよねー「種差別の克服」。

    ここまでの感想、きっと未読の方にはチンプンカンプンですよね^^;

    でも読み終えた読者の方ならきっと共感頂けるのではないかと...(苦笑)



    目的のためには殺人も辞さない過激な動物愛護団体、『DOG』。遺棄動物の譲渡会が行われる会場に集まった隆平、栞、結愛と拓人たちは、『DOG』によって会場に閉じ込められ、謎の黒い獣に襲われる。獣から逃げるため、逃走を開始する人間たち。「ヒト」と「ケモノ」を隔てるのは何か。

    内容(「BOOK」データベースより)

    殺人も辞さない世界的な過激動物愛護団体“DOG”。ペットの販売イベントに集まった隆平や栞、結愛、拓人たちは“DOG”によって会場に閉じ込められ、謎の黒い獣に襲われる。次々に食い殺される人間たち。彼らは生き延びることができるのか―。社会派ミステリの旗手が切り拓く、パニック小説の新境地!

    著者について

    葉真中 顕
    1976年東京都生まれ。2009年、児童向け小説『ライバル』で角川学芸児童文学賞優秀賞受賞。2011年より「週刊少年サンデー」連載漫画『犬部!ボクらのしっぽ戦記』にてシナリオ協力。2012年『ロスト・ケア』で第16回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞し、ミステリー作家としてデビュー。『絶叫』が第36回、『コクーン』が第38回吉川英治文学新人賞候補となる。

    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

    葉真中/顕
    1976年東京都生まれ。2009年『ライバル』で第1回角川学芸児童文学賞優秀賞を受賞。’12年『ロスト・ケア』で第16回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞し、ミステリー作家としてデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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    2023年06月04日
  • 作家 超サバイバル術!

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    だいたい 中山先生と知念先生の 回答がかぶりが多いです 葉真中先生は 二人とはややスタイルが 違う というのは 筆の速さが関係するみたい 作家としてやっていくには 筆が速いことが 圧倒的に有利みたいですね やはり新人賞をとって デビューして 話題性があるうちに 立て続けに作品を発表すると 波に乗りやすく 仕事も来やすいそうです でも とにかく 書き続けることが一番大事 出し惜しみするな とにかく書け と 3人とも力強い言葉でしたよ

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    2023年04月19日
  • 作家 超サバイバル術!

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    2023.02.26
    とても面白い!
    読書中毒、活字中毒、ミステリ愛好家、とにかく本の好きなヒトは読む価値あり。
    執筆者3人のそれぞれ、そして共通の見解もなるほどと思うし、佐藤青南さんの四コマ漫画も笑える。
    これだけ苦労して生み出される作品なのに、なぜつまらないモノ(決してこの執筆者の作品ではなく.世に出る書籍すべて)が存在することがあるのかと感じた。
    すると、読み手がちゃんと読めていないということなのかなあとか、ビジネスにも役立つ、ハラスメント防止にも役立つ、とにかく「面白い」「役に立つ」一冊です。
    5年後に続編が読みたいです。

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    2023年02月26日
  • 作家 超サバイバル術!

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    小説家を志すなら必読の一冊!
    現役の作家が語る、小説家の厳しい現状。これを読んでも書きまくるという気持ちがなければ生き残ってはいけないのだろう。

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    2023年02月03日
  • 夜更けのおつまみ

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    少しずつそれぞれの作家さんのお話がいただける、まさに「おつまみ」な本。
    読み進めていると、缶ビールが2本、空の状態で目の前にありました。

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    2022年07月24日
  • W県警の悲劇

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    葉真中顕『W県警の悲劇』徳間文庫。

    架空のW県警を舞台に描かれた連作短編警察小説。

    今に始まったことではないが、正義の使徒であるべき警察の腐敗。テレビの『警察24時』などでは警察の手柄ばかりを取り上げているが、その裏ではかなり良からぬことを行っているのは間違いない。

    連作短編の形式を取り、1つ1つの短編に様々な伏線や仕掛けを巧みに入れて、各々の短編が読み切りかと思いながら読み進んだのだが、実は1つの壮大な物語として構成されていたという驚きの作品。

    県警初の女性警視昇進の野望を抱く監察官の松永菜穂子と父親の警部・熊倉哲を失った娘の熊倉清巡査の二人の女性警察官の物語なのだ。なかなか面白い。

    『洞の奥』。事件の真相の意外性と犯人の罪深さに驚かされる。県警初の女性警視昇進の野望を抱く監察官の松永菜穂子は警部の熊倉哲に指定暴力団の若頭に捜査情報を漏洩している署内の人物の捜査を指示する。しかし、熊倉は遺体となって発見される。そして、事件はそれだけでは終わらず……

    『交換日記』。読者にミスリードを誘うような叙述トリックが光る短編。まさか第1話とパターンを変えてくるとは。最悪の結末を予測したのだが……

    『ガサ入れの朝』。こちらも叙述トリック。内容的にはかなりライトである。冒頭に熊倉警部の話題が出てくるのは、この後の伏線なのか。まさか警察の鑑識の千春が……

    『私の戦い』。痴漢を巡る捜査。なるほど、そういう仕掛けがあったのか。

    『破戒』。神父の犯した殺人の真相は……誰もが怪しく、誰にもアリバイが……

    『消えた少女』。遠足の最中に失踪した少女の捜索に警視正に昇進した松永菜穂子が加わり、恐るべき明快な推理力を発揮する。少女の失踪はあっさりと解決するかと思えば……

    この結末からすると、やはり熊倉清は……

    確かに『W県警の悲劇』である。

    本体価格690円
    ★★★★★

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    2021年01月17日