葉真中顕のレビュー一覧

  • 夜更けのおつまみ

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    このサイトで著者を見ると勘違いする人もいると思うが、これは、おつまみについていろんな作家さんが書いたアンソロジーである。
    どれも私にぴったりで、最後まで楽しく読めたし、つまみの参考にもなった。
    あまり手の込んだものつまみは出てこず、なかにはコンビニつまみランキングなるものもあり、かなり参考になった。また、各作家さんの酒との距離感、そして、つまみのポジションが明確で、スッキリ読める。
    人それぞれ、酒とつまみの位置付けは様々だが、押し付けがましくなく、自分の日常を赤裸々(?)に語っているのが最高。
    さらに、一編ずつが短いのもポイント。
    ネックは、つまみを食べたくなり、酒を飲みたくなることだけです〰

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    2020年07月14日
  • コクーン

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     絶望の世界の物語なのに、なぜか神々しい世界へ連れて行かされる。今まで経験のしたことがない物語体験でした。

     カルト教団、診療報酬、自殺サイト、震災、戦争、性的虐待……、

     『ロストケア』『絶叫』と同様に今回も葉真中さんは社会の闇、人間の闇に容赦なく光を当てます。

     各章に登場するそれぞれの登場人物たちが見る闇と地獄。そして幕間に登場するある女性の壮絶な人生。葉真中さんの筆力はますます乗ってきているというか、光無き世界とその運命に翻弄される人物たちを、容赦なく描きます。どれもシリアスで暗い話ばかりですが、ついつい引き込まれます。

     そして、第4章を読み始めたとき「ん?」と思う人もいる

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    2019年09月30日
  • コクーン

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    1匹の黄金蝶が導く、数多の人たちの過去、そして現在。
    全ての人の運命は、1995年にカルト教団「シンラ智慧の会」が起こした銃乱射事件で繋がっている。
    それぞれの人が各々の考えで行動し、生きていると思うことは当然なのか、それともこの世界の全ては巨大な装置に牛耳られ決まったルートをあたかも運命かのように選ばされているだけなのか…。

    さすが葉真中顕さん、今回もめちゃくちゃ深かったです。
    本書のキーワードであるバタフライ効果の着地点、なるほど!面白い!
    「社会小説」「ミステリー」だけでは到底表現し尽くせない緻密さに酔いしれる作品でした。

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    2019年09月24日
  • コクーン

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    葉真中顕『コクーン』光文社文庫。

    平成という時代に起きた大事件と関係者の人生とをコラージュしたような幻想的な小説。金色の翅を持つ蝶が時代を超えてもたらす『バタフライ・エフェクト』。何が正解で何が間違いだったのか今となっては誰にも解らないが、少なくとも善と悪だけは明確である。

    東京丸の内で無差別銃乱射事件を引き起こしたカルト教団『シンラ知慧の会』の教祖・天堂光翅と彼に関わった人たちの因果応報の人生を描く。カルト教団『シンラ知慧の会』は『オウム真理教』がモデルであろう。

    タイトルの『コクーン』……繭は、物語全体を象徴する存在であり、金色の翅の蝶が引き起こすバタフライ・エフェクトの根源は繭なの

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    2019年04月14日
  • ブラック・ドッグ

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    葉真中顕『ブラック・ドッグ』講談社文庫。

    『ロスト・ケア』『絶叫』などの傑作とは全く違ったテイストの600ページを超えるパニック小説大作。凄いの一言に尽きる。過激な動物愛護団体DOGが仕掛けた予想外のテロ……スプラッター映画を観るかのような凄惨な描写の連続。教授の正体とは一体……

    人間のエゴにより売り買いされる動物。動物が苦手な人も居るのに辺り構わず、動物の気持ちなど永遠に解るはずかまないのにまるでモノのように連れ回す馬鹿者ども。もしも、犬と人間の立場が逆だったら……

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    2018年06月20日
  • 警官の道

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    読む達成感を求めるとどうしても同じ作者を追ってしまう。近年はブック・オフの100円コーナーで題名のインスピレーションで手に取る事が増えた。短編ではあるが7人の作者の作品が綴られていて中山七里さん柚月裕子さん以外は初めて読む作者だったので期待が膨らんだ。中でも長浦京さんのシスター.レイは面白かった。長浦京さんの他の作品も読んでみようと思います。

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    2026年04月11日
  • 鼓動

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    葉真中さんの本は3冊目、すっかりファンになってしまった!読みやすい〜!物語は二つの場面が交互に書かれている。
     一つ目はある事件を追っている女刑事の話。事件の内容は、女性のホームレスを殺し、その死体を焼き、さらに実父を刺し殺したと供述している男を逮捕したことから始まる。女刑事の奥貫は、殺されたホームレスの身元を調べていく。
     二つ目は1974年に生まれた男の人生。日本がどんな様子だったのかが書かれており、ベビーブームからバブル崩壊、氷河期、震災など…50代の男がいかに生きにくい時代を過ごし、どのように引きこもりになったのか胸の内が書かれている。
     まさに現代社会の問題を上手に言葉で表現してるな

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    2026年04月11日
  • 家族

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    ネタバレ

    パラサイトが1番先に浮かんだ。
    この事件はYouTubeの投稿で実話事件に関わった人とかの話、ニュースとかで知っていた。本当に稀にいるんだなこういう人間。北九州の事件もそう。その力をもっと陽の方に使えたら良かったのに。でも環境がそうはさせてくれなかったし、環境がそうした人間に変えてしまったのか。非常に痛ましい事件です。それでも助けようと、逃がそうとした人間(家族)もいたからそれだけが救い。みんな奥底には陽と陰を持っている。

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    2026年04月11日
  • 家族

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    ネタバレ

    尼崎連続変死事件をモチーフに書かれた小説。
    ちょっとしたことがきっかけで付け込まれ、抜け出せなくなり、虐待されたくないがために虐待をしあう。そして大切な人たちを死なせてしまう。
    瑠璃子がこだわった「家族」という言葉。結束の象徴のようで、実は一番身近な思い通りにならないものなのに、と思う。

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    2026年04月06日
  • 家族

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    日本で本当にあった尼崎連続変死事件を元に作られたフィクションのストーリー。
    登場人物も本当の事件の名前とは違うが、人物相関図の構成は事件とほぼ一緒。内容も詳細に各登場人物の視点から描かれており、生々しい故に恐ろしい。
    なぜ、擬似家族内で殺人が起きたのか。
    なぜ、警察は介入しなかったのか。
    色んな謎がこれを読むとわかる。
    小説のタイトル「家族」が読み進めていくと怖くなる。そして最後まで残された謎に疑問を持ったまま終わり、私はこの事件が未だ終わってないのかもしれないとさらに怖くなった。
    人間怖い。

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    2026年04月05日
  • 家族

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    クライム小説の中では文章表現が読みやすかったように感じますが、薄気味悪さや気持ち悪さと犯罪の酷さはすごいそんな小説だったかなと思います。

    本作は尼崎で起きた大量変死事件をモチーフにした小説。家族を謳う集団に寄生、洗脳され、家と財産を奪われていった登場人物たちを描くというストーリー。

    本小説に描かれている事件は、当時あまりニュースに関心のなかった私でも見覚え・聞き覚えのある戦慄な事件でした。大量犯罪と極限状態の中での暴力の正当化はやはり、印象が強かったのかなと思います。小説と分かって読むからこその刺激というか、面白さはあるのですが、現実に起こってしまった事件と捉えると、本当に凄惨な事件だなと

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    2026年04月05日
  • ロスト・ケア

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    犯人斯波は、介護していた父親からの嘱託殺人で父親を救済したと考え、介護職員になり、介護者と被介護者を介護·救済すると次々に43人もの殺人を犯す。
    題名「ロストケア」は犯人が「喪失の介護」と語る通り、介護者を喪失することでケアを行い得ると考える。
    一方、独自捜査で犯人を捕えた検事大友は聖書の1節「人にしてもらいたいと思うことを人にもしなさい」と犯人の行為をなぞらえ、また、斯波から「(死刑の求刑を求める)あなたも人殺しで罪悪感に蓋をしている。蓋をしてでも殺人をすべき時があるのは同じだと」指摘され、心が粟立つ。
    人の本質は善であり、検察の役目はその善に訴え、罪の重さを認識させ、悔い改めさせることであ

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    2026年04月02日
  • 家族

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    一時期世間を騒然とさせた尼崎で実際に起こった事件をモチーフにした作品。

    平易な文章であっという間に読み進める事ができる。内容は概略わかっていても、かなり怖い。

    家族、人格が恐怖でどんどん崩壊していく様がリアルに描かれている。あまりにも犯罪が広がりすぎていて、個人個人の事情がどうしても薄くなってしまっている。

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    2026年04月02日
  • 家族

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    「洗脳」という言葉は強い。この言葉一つで物語がうまれ正当化される。
    著者が描きたかった"なぜ逃げなかったのか"をしっかり喰らわされた作品。

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    2026年03月30日
  • 絶叫

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    これは平成の嫌われ松子の一生か。
    ねこに食われて孤独死した鈴木陽子。地味で平凡でたぶんきっと整った顔をした陽子がもしかしたらそれが故の不幸も背負いつつ、生きた人生を丁寧に辿る物語。
    聖人君子では決してない陽子の生き様にぐっと胸が詰まる。最後に絶叫したのは陽子なのかあなたなのか私なのか。

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    2026年03月28日
  • 家族

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    恐ろしや。フィクションよりノンフィクションの方が実は怖い、そんな印象を与えてくれる作品です。単にフィクションとして葉真中さんの創作ベースだけで作られていたらきっとここまでぶっ飛んだ内容とまではなってなかったと思います。犯罪者が犯罪を犯すに至る衝動や言動、それは時に常人の常識や概念を遥かに大きく上回るものなんだと改めて痛感します。尼崎事件が忠実に再現されているわけですが、この手の理解し難い精神や人間の闇を非常に繊細かつリアルに描いており、文体も含め秀逸な作品であると感じざるを得ません。ただ、その内容や起きた事件についてはただただ胸くそ悪い気分にさせられます。

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    2026年03月27日
  • 家族

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    救いようのない話の中で
    宗太と澄だけが小さな光を持ってた。
    また同じ道を選ぶか?と記者に聞かれた時の
    宗太の回答が切なすぎた。

    実際の事件も不明な所が多いから
    そこを忠実に倣って、結末を勝手に作ってない所が
    いい終わり方だった。

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    2026年03月25日
  • ロスト・ケア

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    ロスト・ケア(喪失の介護)だと その殺人犯は言う。42人もの身体が不自由で、生活に助けを必要とするお年寄りを殺した男は。

    物語は 
    「彼」ー殺人犯
    “シングルマザー”ー認知症の母を自宅で介護
    “介護施設で働く若者”ーかって父を介護
    “検察官”ー父を高級介護施設に入居させている
    “介護企業の営業部長”ー検察官の古くからの友人
    の 五人の立場から 終始語られていく。

    これからの日本 多くの高齢者が社会にあふれ出す日本。子供は少なく 介護する者は限られてくる。考えなくても 介護の現場は疲弊必至だ。
    綺麗事では すまない 介護の実態。
    しかし その当事者にならなければ その大変さ!は 先ず理解出来

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    2026年03月25日
  • 絶叫

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    別の作品でシリーズものだと知ったので奥貫シリーズに手を出しました。
    他の媒体で見ましたが、葉真中先生は男性でありながら女性の描写が上手いと。確かにそう思う。解像度が高い。
    しばらく葉真中先生にハマりそうです。

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    2026年03月24日
  • Jミステリー2025~FALL~

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    短編集なので、少し前からチマチマ隙間時間に読んでた。
    短編のミステリーで読み応えがすごいです!作家さんの書き方文体を少し味わうのにピッタリです。好きな作家さんが見つけられそうな本です。

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    2026年03月22日