葉真中顕のレビュー一覧
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500ページを越える長編、「絶叫」という題名。
この物語の底辺にある主人公の歩みは壮絶で悲壮。そこにはありとあらゆるこの世の社会的問題が詰め込まれている。貧困、ジェンダー、無縁社会、ブラック企業…。
どうしても立場の弱い女性が、社会の枠の底辺を歩いていく様は読んでいて辛い部分も多かった。だけど、最後までページを捲る手は止まらない…。
読み終わって、最後に読者が「絶叫」するというより、物語のそこかしこでいろいろな人が「絶叫」していた。時には大声で、時には息を飲み、時には心の中で… 。
人間の本質は自由で、善悪優劣因果のすべては、その上に貼られたラベルにすぎないという。始まりがあるものには -
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星★5!
フォーカスしたい部分がありすぎて。。。
・ミステリー本として
葉真中顕さんは一文一文が短くて読み易い。そして時々出てくる比喩や象徴的な表現が素晴らしい!今後の展開をそれとなく匂わせる使い方、ブラボー(*´꒳`*ノノ゙パチパチ
今回もしっかりミスリード
させられてました╭( ・ㅂ・)و ̑̑ グッ!
・主たる題材の介護について
長らく介護現場の看護師をしております。在宅事業所における介護保険のグレーゾーンなんぞも中々にリアルを書かれていて見事です!どこまでどうやって調べて書くんだろうってくらい。
そして“彼”の信念は痛い程よくわかる。もうね、わかりすぎるくらい。あたしが“彼” -
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いろんな切り口のミステリーの集まりで、ボリューム薄めなので、サクッと読みやすい。
誉田さんの『それはない』でスタートするのが良かった。こじれた話だけど、全体的に温かめのストーリー。
葉真中さんの『21グラム』のオバケが見える設定、荻堂さんの『コンカフェ探偵ロゼ』のオクスリオッケーな設定、といった、事件内容は現実的だけど、基本設定が異常、が良かった。
中山七里さんのミステリーを楽しみにしてたけど、私的にはミステリーというよりも、ヒューマンドラマを見ているような、このストーリーでは、脇役の善吉中心の温かいドラマにつながる“ゼロ”的な要素のストーリーな感じがして、とても良かった。この後佐知子さんと一 -
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ネタバレ尾野真千子さんの主演で、WOWOW連続ドラマ化された作品の原作。
社会派の作品だけあり、扱っているテーマは多岐にわたります。
夫婦間の家庭内暴力、いじめ、発達障害、シングルマザー、キラキラネーム、ホスト、ネトウヨ、アニマルホーダー(多頭飼育崩壊)、保険金詐欺、戸籍の悪用、ブラック企業、セクハラ、パワハラ、窓際族の社員問題、闇金、リボ地獄、生活保護受給の水際作戦、枕営業、不妊、無縁社会、暴力団、前科者、ホームレス状態にある路上生活者、貧困ビジネス、毒親、離婚、児童虐待、蒸発、家族ごっこ、デリヘル狩り、地方と都会の格差、認知症、女性の就労、もっと他にもあると思うけどざっとあげるだけでこれだけの要 -
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専門職であるはずの私が、家族の前で無力だった〜『ロスト・ケア』を読む〜
介護保険制度が創設されてから、確かに改善されたことは多い。
「介護の社会化」は進み、家族だけで抱え込まなくてよい仕組みが整った。
少なくとも、そう教えられてきた。
ただ、私は介護保険制度が始まった後に社会福祉士になった世代。
制度ができる前と後の違いを、実感として知っているわけではない。
養成課程で「昔より良くなった」と学び、どこかで「そういうものなのだろう」と受け止めてきたに過ぎない。
では、今の日本は本当に安心して老後を迎えられる社会になっているのだろうか。
家族の負担は、軽くなっているのだろうか。
私と妻の祖 -
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「尼崎連続変死事件」をモチーフにした、家族という定義があいまいな集団の歪みを描く傑作。事実は小説より奇なりで、事件そのものの複雑かつカオスな衝撃が強すぎて、小説のインパクトはそれに及ばないが、冒頭の「沼が、できた。」の件のメタファが、人の想像力を凌駕する得体の知れない恐ろしさを表している。事件の結果云々ではなく過程を丹念に描くことで、「何故」の著者なりの回答を提示して読者の判断に委ねるスタイルだが、こんなにも時系列をぐちゃぐちゃにする必要があるのかは疑問。事件そのものは複雑怪奇だが、フィクションなのだからもっと題材を整理して描いた方が良かったのではと思う。