葉真中顕のレビュー一覧

  • 家族

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    集団での暴力や大声での罵倒で人としての尊厳を奪い取り、無力で無価値な人間であると徹底的に「しつけ」という名のリンチを加える。まるで生け贄にする羊を痛めつけてなぶり殺すのを楽しんでいるような一連の流れに、自分自身が取り囲まれて大声で罵倒されているかのような錯覚に襲われ、怒りと憤りと悔しさで胸が苦しく泣きそうになり途中で読むのが耐えられなくなった。こんな暴力こそが正義と言わんばかりのあり得ない事が許されていいのか?しかしこれは現実に起こった出来事なのだ、読み続けなくてはならない、と最後まで読んだ。

    NHKの特番で尼崎事件のことを知り現代の日本でこんな事があっていいのか、と唖然とした。その事件をモ

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    2026年07月26日
  • 家族

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    吐き気がするような小説は数多あるが、本作品では実際に吐き気を催した。これは悪い意味ではない。実際に起きた尼崎連続変死事件をモチーフに人間の恐ろしさをこれでもかと抉って抉って表現する。人ってここまで簡単にマインドコントロールされるのだという恐怖があり、そして誰もがここに至るまでになんとかなるだろうと思うが、そうならないのが人間のバグのようでもある。暴力による支配は単純だが、生き物にとってはこれが効果的なのだろう。暴力を振るえる人を支配下におけば、支配者は無敵である。これが怖い。こんな事件が二度とおきないことを願う。

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    2026年07月23日
  • 家族

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    実話をモチーフにとは聞いてましたが、こんな事が本当に起こるんだ。人を支配するってテクニックやったんや。

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    2026年07月18日
  • 絶叫

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    『絶叫』は単なる猟奇的な犯罪小説ではなく、現代社会の病巣を解剖する鋭いメスである。作者は冷徹な筆致で「孤独死」の表層を剥ぎ取り、体制、家庭、そして資本の搾取に苦しむ底辺層の女性の絶望的な状況を暴き出している。

    鈴木陽子の転落は、社会のセーフティネットが完全に崩壊していることの縮図だ。彼女の妥協の一つ一つが、社会の偽善と冷酷さを浮き彫りにする。生存する権利すら奪い尽くされた時、悪鬼と化すことこそが彼女に残された唯一の抵抗であった。本書は、我々が生きるこの社会に対する最も痛切な問いかけである。一体誰が、彼女を後戻りできない深淵へと突き落としたのか?

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    2026年07月15日
  • 作家 超サバイバル術!

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    作家志望の人は是非とも読むべし。そしてきっと諦める、かも。「小説家なんてマジやめとけ」。もし賞を受賞デビューしたなら「地獄へようこそ」。デビューしたからと言って、5年後も生存しているかは・・・。三人三様の切り口ではあるけれど、結構同じことを言っているのが。なお迫るものがある。読み物としてとても楽しかった。

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    2026年07月14日
  • 灼熱(新潮文庫)

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    ネタバレ

    勝ち負け抗争のことも知らなかったので、とても勉強にもなった。
    トキオと勇の話かと読み進めていくと、最後で騙された。
    解説にも書いてあったけれど、何が真実で、自分の信じているものが正しいのかどうか、その時を生きている自分にはわからないのは、現代も一緒だと思う。

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    2026年07月12日
  • ロスト・ケア

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    いずれ来たる親の介護。
    “家族”という名の絆で結ばれた宿命。

    これまで育ててくれた恩返しとして、親が老いる時は子供が介護を行うことは自然の摂理とさえも感じる。しかし、子育て・仕事とライフステージが進む中で、認知症や寝たっきりの看病などで介護者も疲弊していく。そこには暴力や放棄などが伺え、資金力がない家庭は自分一人で全てをこなす必要がある。

    介護での財力の差。社会サービスでは埋めきれない大きな溝を考えさせられた一冊。

    犯罪を肯定するわけにはいかないが、犯罪に手を染めてしまう、背景や社会的障壁、葛藤など、自分に置き換えた時に、どうするかが問われる。

    これまで育ててくれた分、親には親孝行した

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    2026年07月09日
  • 絶叫

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    最後まで読み切ってよかった。
    長編小説、かつ、内容は鬱々とした酷い状況しかない。
    レイプ、暴力、貧困ビジネス、殺人などなど、読んでいて胸糞悪い気持ちしか湧いてこないのが正直なところ。
    それでもこの作品が最高だと思ったのはラストの描写だった。
    自分の居場所を求めて、何もかもを捨て去り、生きることを選択した執念に心を動かされたからである。

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    2026年07月04日
  • ロスト・ケア

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    メチャクチャ考えさせられる一冊です。
    43人の老人を殺した「彼」の正義と、法律と世間の倫理がぶつかる話です。
    高齢者介護に苦しむ家族を解放するために、殺人を犯すわけですが、実際に家族は自分の親を殺せないし、かといって終わりがわからない介護を何年も続けないといけない絶望感が、とんでもなくリアルに感じました。
    老人も、寝たきりや認知症で自分自身すら理解できない人が死なないだけで生き続けるのは辛いだろうという見解も、誘導されてる感はありますが納得させられてしまいました。
    家族も本人も救うという意味で、その代行殺人を行う正義は、果たして悪なのかと問われたら、答えは出ないと思いました。
    重たい内容ですが

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    2026年07月03日
  • 家族

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    嘘のような本当の話。本当にあった話だなんて信じられない。いとも簡単に人がコントロールされていく様に唖然とした。

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    2026年07月03日
  • 鼓動

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    いい年をした男の引きこもりの気持ちなんてまったくわからないな、と思っていた。結局甘えてるだけなんじゃないの?とも思っていた。ところがこの本に登場する草鹿秀郎の気持ちは、そうそう分かるよ、と思ってしまったし、自分との共通点だっていくつも見つかってしまった。もしかしたらたったひとつのきっかけで、僕だってこうなっているのかもしれないと考えたら、この物語もまったくの他人事とはとても思えなかった。
    自らの過去に負い目を持つ刑事の奥貫綾乃。フラワーさんの事件を追う過程で、事件に纏わる登場人物たちの境遇に共感を深めていく描写が本当に素晴らしい。中年の引きこもりの心情描写も本当に素晴らしい。クライマックスは、

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    2026年07月01日
  • 家族

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    読後に実際の事件のWikipedia読んだら、各エピソードがかなり史実に基づいててビックリした。
    こんな犯罪者に狙われたらどうしたら良いんだろ。

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    2026年06月19日
  • 家族

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    これは読んではいけない系?でも、文章が軽くサクサク読んでしまうけど、内容は怖い。半分も読んでないけど、もう5つ星。あとで追記する。

    えええ〜っひどい〜ことが、起きる。もう、逃げられない。これはイジメ?どこまで行くの?1人の女に、マインドコントロールされる人たち。もう、読みたくないけど、やめられない。それから、そして、どうなるの〜的な感じで。

    マインドコントロールされて、自分を無くしてしまう、その時の境界線とは?

    「ピンクばばあ」と警察から揶揄される、厄介な女。人の心をあやつる天才。暴力と、それから、えげつない言葉遊びによって。

    読んで、どっと、疲れました。しかし、同作者の本を、もっと読

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    2026年06月15日
  • 家族

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    尼崎連続変死事件をモチーフにした小説。
    読みごたえがあった。
    時間軸と人がシャッフルされており混乱しそうになった。巻末の人物相関図に助けられた。
    イヤミス群像劇と言ってしまえばそれまでなのだけど、ただのイヤミスとはちがう面白さがあった。
    大久保で新しい家族を作っていた謎の男と彼がどうなるのか気になる。

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    2026年06月03日
  • 灼熱(新潮文庫)

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    ブラジル移民になるには、ひと家族に12歳以上3人の働き手が必要だった。勇は父の従兄夫妻とブラジルに船で渡る。入植地の弥栄村でトキオと出会って親友になった。やがて柔道の全伯大会に二人で出場する。

    全伯大会では勇が決勝でトキオを下して優勝した。しかし勝ちを譲られた気がして馬鹿にされたような気分になってしまう。その後勇は里子がブラジル人たちに襲われているところを助けた。そして結婚する。トキオはいたたまれない。その日真珠湾攻撃が起こる。

    ブラジルは連合国側についたため、日本とは行き来がなくなった。都市部では日本人の資産は凍結されたが、農村部では日本人が農業から手を引いてしまうとたち行かないので、何

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    2026年05月24日
  • ロスト・ケア

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    ネタバレ

    死生観について、新しい観念というか新たな捉え方を得ることが出来た崇高な作品
    にしても、アルツハイマー抱えている方の在宅介護の厳しさ、マジで凄まじいわ

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    2026年05月09日
  • ロスト・ケア

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    介護…大きな問題。

    家族の問題だけど、担う側になった時苦しみたくないし、家族に担わせて苦しませたくない。

    おもたすぎる。

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    2026年05月08日
  • Blue(ブルー)

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    葉真中顕さんの小説は読んだことがなく、最新刊の『家族』で知った。

    この『Blue』は、葉真中さんの全てを読んだわけではないものの、私には一番だった。
    構成がよいこと、
    平成記として読めること(出てくる事象は本物の名称を使っているのでよりリアル)、
    社会問題をしっかり扱っていること。

    『Blue』のあと、『絶叫』『ロスト・ケア』を、出版年を巻き戻すように読んでいる。
    どれもミステリーやエンタメとして読めるのに、社会の構造の問題に広く言及している。
    葉真中さんの生まれた世代に近く、昭和後期〜平成〜令和を生きている私には身につまされることばかりだ。

    特に今の政権下で読むと、あまりにも罪深い政府

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    2026年05月07日
  • 絶叫

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    そうきたかーー!!

    またすごい小説をひとつ読んでしまった。
    全体的に暗くてしんどい話だけど、中弛みは一切なく、最後に明かされる真実までの着地も見事。
    小説として上手いなぁ〜と思ったのは、共通する言葉が違う人の視点で出てきても、全部を無粋に説明するわけじゃないんですよね。
    読者が「あれ、これどこかで見たような…」と読み返すと、うわそういうことか!と気づいてさらに打ちのめされるという。

    描写がエグいところもあるので、誰にでもオススメという感じではないけど、私は大好きな一冊です!

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    2026年04月30日
  • Blue(ブルー)

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    「絶叫」では伏線回収で圧倒されたが、本作はそれよりも様々な社会問題を絡めて進む物語に読む手が止まらなかった。
    平成時代がいわゆる青春時代で、就職氷河期や自分探しの旅が自分ごとの世代だから、当時の話題に頷きながら、所々で挿入されてくる音楽を脳内再生しながら。
    春山の由来にグッときた同級生も多いはず…

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    2026年04月24日