葉真中顕のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ平成一桁ババァにとって
これまでの人生を振り返ってくれた本でした。
気になるけど分厚い…分厚いけど気になる…と思ってずっと読んでなかったけど、読んで良かった。面白かった。
「絶叫」を読んでいたのでFor blueのターンは誰目線なんだろう?当てるぞ〜とか思ってたけど、
多摩ニュータウン男女の娘だとは思いもしなかった。(リエンだと思って読んでた。)
親ガチャには外れてしまったけど、その後良い養親に出会えて良かった。
ただお兄ちゃんのほうはブルーに感謝してなくて、あくまで「俺らの親を殺した人」になってて、あんなクソ親でも憎めない心理とは…
ブルーも青梅事件であんなザクザク人を殺したのに、こんな -
Posted by ブクログ
『絶叫』とは、まさにジェットコースターのような人生を歩んだ女性の40年を描いた物語。
東京郊外のアパートで、飼い猫に食べられた無残な女性の遺体が発見される。当初は孤独死として処理されそうになるが、刑事の綾乃が不審な点に気づき、調べ始める。
最初は「孤独死した40歳、鈴木陽子」の生い立ちを追うヒューマンドラマかと思っていた。陽子はどこにでもいそうな普通の女性。だからこそ、ほんの少し歯車が狂うことで、人生が少しずつ悪い方向へ進んでいく怖さがあった。
「あなた」と語りかける人物は誰なのか。
読み進めるうちに少しずつ謎が深まり、最後には陽子の40年をもう一度振り返りたくなる。
そして、何気なく出 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「家族」という名の暴力の怖さを感じた一冊。
怖かったが、続きが気になり、詳細を知りたくて、あっという間に読み終えてしまった。お化けよりも、やはり人間の方が怖い。
家族なら何をしても許されるのか。もしこの人に目をつけられてしまったら、どうすれば逃げられるのか。どの時点なら引き返すことができたのかと考えたが、一度関係が始まってしまうと、引き返すのはとても難しいのだと感じた。
とても怖かったが、それ以上に続きが気になる面白さがあり、一気に読んでしまった。ただ、最後まで謎が謎のまま残っている部分もあり、少しすっきりしない読後感も残った。 -
Posted by ブクログ
介護の末の殺人から始まったその連続殺人事件は、死刑になるとわかっていたが、それも予定できたことである。
それは介護の苦しさだけではなく、社会に穴が空いていることに気づいたから…
重い重い家族をひとりで支えていると、おかしくなる。
それでも明日はやってきて、ずっと続いていく…。
その殺人は、かつての自分が誰かにしてほしかったことをしたのだと。
正義を信じる検察官の大友は、たとえどれほど立派な信念に基づいていようとも、救いのための殺人など認めるわけにはいかない。
最後まで大友は、斯波の引き起こした要介護老人のロスト・ケア事件に対して敗北感を残したままだ。
それは社会システムに歪みをどうする -
Posted by ブクログ
幽霊より、ゾンビより、何より怖いのは、人間!
沼の話しから始まるあたりから、もうゾワゾワしっぱなし。
実話をもとにしている、と知り、ますますぞっとした。
家族・・・・いったい何だろう、と考えさせられる。
夫婦は、家族なのか?ちがうのか?
夜戸瑠璃子の幼少期の話しは、かなりかわいそうに思ったが、人格形成でかなりの影響があったのはわかる。
それにしても、飴と鞭でのマインドコントロールのすさまじさ。
何かのきっかけで、かかわりを持ってしまったら、
そう思うと、恐ろしくていられない。
この本は中高生にはお勧めしない。
心臓の弱い方も、メンタルの弱い方も読まないほうが身のため。 -
Posted by ブクログ
集団での暴力や大声での罵倒で人としての尊厳を奪い取り、無力で無価値な人間であると徹底的に「しつけ」という名のリンチを加える。まるで生け贄にする羊を痛めつけてなぶり殺すのを楽しんでいるような一連の流れに、自分自身が取り囲まれて大声で罵倒されているかのような錯覚に襲われ、怒りと憤りと悔しさで胸が苦しく泣きそうになり途中で読むのが耐えられなくなった。こんな暴力こそが正義と言わんばかりのあり得ない事が許されていいのか?しかしこれは現実に起こった出来事なのだ、読み続けなくてはならない、と最後まで読んだ。
NHKの特番で尼崎事件のことを知り現代の日本でこんな事があっていいのか、と唖然とした。その事件をモ -
Posted by ブクログ
『絶叫』は単なる猟奇的な犯罪小説ではなく、現代社会の病巣を解剖する鋭いメスである。作者は冷徹な筆致で「孤独死」の表層を剥ぎ取り、体制、家庭、そして資本の搾取に苦しむ底辺層の女性の絶望的な状況を暴き出している。
鈴木陽子の転落は、社会のセーフティネットが完全に崩壊していることの縮図だ。彼女の妥協の一つ一つが、社会の偽善と冷酷さを浮き彫りにする。生存する権利すら奪い尽くされた時、悪鬼と化すことこそが彼女に残された唯一の抵抗であった。本書は、我々が生きるこの社会に対する最も痛切な問いかけである。一体誰が、彼女を後戻りできない深淵へと突き落としたのか? -
Posted by ブクログ
いずれ来たる親の介護。
“家族”という名の絆で結ばれた宿命。
これまで育ててくれた恩返しとして、親が老いる時は子供が介護を行うことは自然の摂理とさえも感じる。しかし、子育て・仕事とライフステージが進む中で、認知症や寝たっきりの看病などで介護者も疲弊していく。そこには暴力や放棄などが伺え、資金力がない家庭は自分一人で全てをこなす必要がある。
介護での財力の差。社会サービスでは埋めきれない大きな溝を考えさせられた一冊。
犯罪を肯定するわけにはいかないが、犯罪に手を染めてしまう、背景や社会的障壁、葛藤など、自分に置き換えた時に、どうするかが問われる。
これまで育ててくれた分、親には親孝行した