葉真中顕のレビュー一覧
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まことさんに教えて頂いた9月の『山形小説家・ライター講座』にオンライン受講の申し込みをしたのですが(小説家を目指している訳では無いのですが)私の申し込んだ回は講師として葉真中さんが来られます。
穏やかに見える方なのにかなりハードに社会問題を切って行く作家さんなので楽しみなのですが、狙った訳ではなく本書が予約で回って来ました。
その点では素晴らしいタイミングですが『氷河期のゴミ』の後に読むには凄いタイミング。
凄いよ、凄いって…。
これルポじゃないの?え、フィクションなの?
これを読んでから『尼崎連続変死事件』を知るか、知ってからこれを読むか。
私は後者ですがどっちの順番でも震えます。
何が -
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犯人が誰なのかと言うよりも、介護の実態がリアルに描かれていて恐ろしい気持ちが勝った。
日本人の総人口に対する65歳以上の割合は20パーセントと言う表記があったが、自分の中では案外少ないななんて思い、今の割合を調べて見たらほぼ30パーセントになっていた。
少子高齢化が騒がれてからもう何年も経つのに、作中にある「わかっていたのに」がその通りだと思えた。
こういう小説の犯人は大体が誰かから頼まれたりという形で罪を犯すような表記が多いが、犯人が独断で救ってあげようと勝手に考えて実行するというのは珍しいし、自分の思い込みだった場合はなかったのかなと思ったが、介護する側が「この人が限界だな」と思うくら -
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ネタバレ⭐️3.5
ロストケアからの2作目。前回だいぶ前だけど、すごい良かった記憶があって手に取った。
さすが。やっぱりすごい、作り込まれていて面白いが第一の感想。
ただ、性と殺人、貧困(熱血営業)と忌避する要素が多すぎて再読はあまりしたくない印象。(作品としては100点と思う)
この作品では、戸籍や保険営業、夜職について細かく書かれている。詳しすぎて斜め読みしたところもある、、東日本大震災や社会の流れを入れて話を作っているのもすごいリアル。
最初から、陽子ーーの章は誰視点で書いてある?母?気持ちが悪い書き方だな、と思ってたけど最後に謎が解ける、、最後にミスバイオレットのところは読み返した。(途中 -
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介護と正義をめぐる重たいテーマを扱いながら、一人称の切り替えで迷わず読める構成が印象的で、深く考えさせられる一冊でした。
職場の読書友達から紹介してもらった一冊。扱っているテーマの重さを思うと「面白い」と言うのはためらわれるのですが、読み進めるほどに考えることが増えていく作品でした。映画化のダブルカバーを眺めながら読み始めたものの、長澤まさみさんがどの役なのか気になってキャストを検索してしまい、うっかりネタバレを踏んだのは完全に自分のミス。ただ、結果的には謎解きよりも作品が扱うテーマにしっかり向き合うことができて、ある意味では怪我の功名だったのかもしれません。
物語は複数の一人称が明確に切り替 -
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分厚いページ数に読み切れるのか不安があったけど、すらすら読めてしまった。
生活保護制度をはじめ、日本のリアルな現状をぎゅっと凝縮させたような世界に、負の感情が湧き上がった。
そして、勉強になった。
感想は、、主人公の人生を思うといたたまれない気持ちにはなるけれど、純の言うとおり、人生は自然現象という言葉は前向きにもさせてくれる物語であると思った。
選べない人生だからこそ、言い換えれば、いくらでも自分で選んでいっていい世界なのだと。人はみな自由なんだと。
ただ、自由になるのには、必要なものが必ずある。
その1つが、お金。多すぎる必要はないけれど、生活できるだけのお金は必ず必要。
生活保護 -
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実際の事件をモチーフにしたフィクションという事で、その理不尽さや不条理さがとにかく気分が悪く主犯の怖さが際立ちます。
元々ホラーには耐性がある方ですが、現実味の無いオカルトやスプラッターよりこういう現実でもあり得そうな人怖の方がリアリティを感じられて怖いです。
とにかく警察の不手際が目立ち、民事不介入を言い訳に全く機能していない様は読んでいてイライラしました。
もちろん犯人が悪いとは思いますが、凄惨な結果の一因に警察にもあると思います。
全体的に引き込まれる内容でしたが、不明のまま終わった点がいくつかありました。
あばた面の男の正体は?矢戸朱鷺子が妊娠していた描写があったがある時お腹が引っ込ん -
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面白かった!さすがは葉真中さんといった感じで、読後にwiki読んでみるとほぼほぼ史実通りだし、だからこそこの出来事の異常性が際立って良かった。読む手が止まらなかった。
でもだからこそ残念ポイントというか、今回の物語は家族の中でも気に入られてしまって上にいた宗太(のちに下に行くが)と澄ちゃんが被害者側のメインだと思うんだけど、だからこそこの二人以外の被害者であまり語られなかった長峰家・奥平家・七倉家・立花家の凄惨な状況を個人的にはもっと読みたかったな。あまりにだらだら被害状況を書くのも好みは分かれそうだから、これくらいでちょうどいいのかもしれないけど。一個一個描いてたら500ページとかいきそうだ -
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読み終えた後に心に残ったのは、犯人への怒りよりも「この社会の中で、自分に何ができるのだろう」というやるせなさだった。
序盤は介護問題を題材にした社会派ミステリーという印象だが、読み進めるうちに「人を救うとは何か」「善意はどこまで許されるのか」といった、簡単には答えの出ない問いを突きつけられる。
介護疲れや老老介護の末に起きる痛ましい事件やニュースを見るたびに、「他に選択肢はなかったのだろうか」と感じることがある。しかし本作を読んで、それをどこか他人事として捉えていた自分にも気づかされた。
正しさだけでは救えない現実と、社会が抱える深い問題を描いた重厚な作品。読後もさまざまなことを考えさせ