葉真中顕のレビュー一覧
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登場人物とと世代が近いので、平成〜令和に至るまでの様々な出来事が、自分ごととしても思い出されて懐かしかった。
特に父親との最期のやりとりは胸が痛かった。
人は誰しもその人だけの絶望を持っていると思っているけれど、それを抱えながらどう生きるか、どう在りたいか、自分自身と向き合い続けるしかない。
それをやらずに目を背けてばかりの人には、甘えんなと思ってしまうところもあるのだけれど、私もわりと大人になってから、自分で自分を承認することの意味や価値に気付いて、できるようになったから、ずっと気付けないままだったとしたら、今もっと生きづらかっただろうなと思う。
初めて読んだ作家だったけれど好みだったの -
Posted by ブクログ
怖いもの読んだ( ノД`)
家族と言う名前の搾取相手を
次々に見つけては巻き込んでいく手口
家族と呼ぶだけあって優しく接する中で瑠璃子に気にいられるか否かで道は変わってくる様だ
従順であれば可愛がられ、そうでなければ何かにかこつけての言いがかりと暴力
その様を家庭のこと───と遠巻きにする警察
それぞれがピッタリ機能して声を挙げても蓋をされて家庭でのリンチ(ここでは躾、と呼びます)の悪循環。
本当にあった事件をモデルに書かれた本だそう
あまり覚えてなくてこんな事あったんだ……と、また怖くなる
それにしても
民事不介入って言うけれど、どの辺りから介入して貰えるもんなの?って憤りが強 -
Posted by ブクログ
葉真中顕さん著「家族」
第174回直木賞候補作。2011年に発覚した「尼崎連続変死事件」をモチーフにした作品とのこと。
実際にあった事件なだけに全体に漂う不穏な空気感が凄い。10年程前にNHKの「未解決事件」でも特集されていた事件。
家族まるごと乗っ取ってどんどん吸収し洗脳していくその手法は恐怖でしかない。
今作品はその被害者達が主格となって描かれていく物語。
この事件の凄いところが被害者達が自ずと加害者にもなっているという構図。
第三者目線では何故?と思ってしまうのだが当の本人達はその支配下では従うという選択しか残されていないのだろう。
生と死が巧みに操られていくこの事件…
とてつもな -
Posted by ブクログ
ネタバレ陽子の変死体が発見されるプロローグに始まり、幼少期からプロローグの場面に至る40歳までの陽子の壮絶な人生が600ページ以上に渡って丁寧に描かれる物語。
ここまで試練がやってくるかというくらい怒涛の転落シーンが続くが、幼少期に自分は平凡だと思っていたことや親から愛されなかったことが後の人生で誉められたり認めてもらうことで様々な転落のトリガーとなってしまう展開はとても印象的だった。
陽子にとっては母親の存在含めて生まれ変わることで「自由に」自分の人生を生きることを選べた結末だったのかなと解釈したが、最後の鈴木陽子の結末はお見事だった。
描かれている陽子の特徴に対して様々な男性との色恋沙汰や搾取さ -
Posted by ブクログ
葉真中さんの本は3冊目、すっかりファンになってしまった!読みやすい〜!物語は二つの場面が交互に書かれている。
一つ目はある事件を追っている女刑事の話。事件の内容は、女性のホームレスを殺し、その死体を焼き、さらに実父を刺し殺したと供述している男を逮捕したことから始まる。女刑事の奥貫は、殺されたホームレスの身元を調べていく。
二つ目は1974年に生まれた男の人生。日本がどんな様子だったのかが書かれており、ベビーブームからバブル崩壊、氷河期、震災など…50代の男がいかに生きにくい時代を過ごし、どのように引きこもりになったのか胸の内が書かれている。
まさに現代社会の問題を上手に言葉で表現してるな -
Posted by ブクログ
犯人斯波は、介護していた父親からの嘱託殺人で父親を救済したと考え、介護職員になり、介護者と被介護者を介護·救済すると次々に43人もの殺人を犯す。
題名「ロストケア」は犯人が「喪失の介護」と語る通り、介護者を喪失することでケアを行い得ると考える。
一方、独自捜査で犯人を捕えた検事大友は聖書の1節「人にしてもらいたいと思うことを人にもしなさい」と犯人の行為をなぞらえ、また、斯波から「(死刑の求刑を求める)あなたも人殺しで罪悪感に蓋をしている。蓋をしてでも殺人をすべき時があるのは同じだと」指摘され、心が粟立つ。
人の本質は善であり、検察の役目はその善に訴え、罪の重さを認識させ、悔い改めさせることであ