葉真中顕のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
疑似家族が『本物』を侵食していく絶望の記録。
読み進めるのが苦痛になるほどの恐怖、なのにページをめくる手が止まらない。実際に起きた「尼崎事件※1」をモチーフに、暴力とマインドコントロールで他人の家族を乗っ取り、壊していく「ピンクババア(瑠璃子)」の絶対的な悪が描かれます。
一見、些細な家庭の問題という「パズルのピース」が、積み重なった瞬間に巨大な惨劇へと変貌する構成は圧巻。膨大な登場人物を、巻き込まれ型の加害者である宗太の視点に絞ることで、複雑な人間関係を鮮やかに整理してみせる作家の技量には脱帽です。あまりの凄絶さに「もう二度と読みたくない」という最大の賛辞を込めて、満点ではなく☆4。 -
Posted by ブクログ
私の感想として。
本作は尼崎の連続変死事件を題材にした戦慄の物語として描かれているが、読んでいて最も不可解に感じたのは、なぜ被害者たちが瑠璃子の支配から逃れられなかったのかという点である。血縁でもない他人を「家族」として受け入れ、やがてその関係が「愛」や「躾」という名目のもとで体罰や虐待へと変質していく。それでもなお、その関係に留まり続けてしまう人間の心理は、常識的な理解を容易に拒む。
しかし読み進めるうちに、冒頭に描かれる「沼」という存在こそが、この物語の中枢を象徴しているのではないかと感じた。
一度足を踏み入れれば、気づかぬうちに深く沈み込み、抜け出そうとすればするほど絡め取られていく -
Posted by ブクログ
面白かった!葉真中顕は本当に裏切らない…!
冒頭、作中の多恵が執筆した『犬を飼う』という短編小説からスタート。村田沙耶香でも読んでるのかと錯覚した、ほんとに葉真中顕????
作家としては全くの無名素人で主婦である多恵の人生に連動した二つの作品と、編集者である梨帆の人生を交互に描く形で物語は展開する。
どこまでが妄想で、どこまでが真実か分からない。そんなフィクションである物語に支えられて今日まで生きてきたんだなと思った。ただ想像するだけ、それは自由だから。
どちらかといえば人の絆とか愛とか、ゆえに生まれる呪縛だったり、そういったことを社会問題と共に提起するような作品が多くて、人物描写が緻 -
Posted by ブクログ
落ち込んでいたり、不安な時には読まないでください。
メンタルが落ち込むので。
尼崎連続殺人事件を題材にした、あくまでも架空の物語です。
実際の事件を題材にした小説やルポ作品も読んだことがありますが、
惨さのレベルは同等でした。
読みながら一番感じたのは被害者たちへの憤りでした。
何故警戒しないのか、違和感をごまかすのか、信じるのか、流されるのか、という思いからです。
この物語の中ではその理由もあるんです。
何らかの劣等感を抱えているあまり世間をしらない、主に家庭の中で年少の子供が優遇されます。
偽りの承認と共感を与えられて家族を憎むよう仕向けられると、簡単になびいて引き込まれてしまいます。 -
Posted by ブクログ
読みたい作品ではあったけど今の自分にはリアルすぎて敬遠してました。
ロスト・ケア…喪失の介護
たぶんもう内容はみなさんご存知ですね。
まずは介護に携わっているみなさんに
「ありがとうございます」と伝えたいm(_ _)m
私ごとですが
義母が認知症になったのが約10年前
義父との二人で暮らすいわゆる老々介護でした
義父から血便で救急車を呼ぶから至急家に来て欲しいと連絡が…この怒涛の1日から生活が一変。
義父は入院し義母はケアマネージャーの勧めで診療内科に入院。旦那52歳仕事もバリバリ忙しい。
両方の病院をハシゴしながら今後を考える。
猶予はない!義父は退院したら同居が暗黙の了解です。その