葉真中顕のレビュー一覧
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読み終えた後に心に残ったのは、犯人への怒りよりも「この社会の中で、自分に何ができるのだろう」というやるせなさだった。
序盤は介護問題を題材にした社会派ミステリーという印象だが、読み進めるうちに「人を救うとは何か」「善意はどこまで許されるのか」といった、簡単には答えの出ない問いを突きつけられる。
介護疲れや老老介護の末に起きる痛ましい事件やニュースを見るたびに、「他に選択肢はなかったのだろうか」と感じることがある。しかし本作を読んで、それをどこか他人事として捉えていた自分にも気づかされた。
正しさだけでは救えない現実と、社会が抱える深い問題を描いた重厚な作品。読後もさまざまなことを考えさせ -
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一気に読めたが、ずっしりきた。
草鹿秀郎はどうすれば引きこもりから抜け出ることができたのか。いや、1人じゃなかった。親の愛情もちゃんと理解していたし受けていた。草鹿が殺したと主張した老女のホームレスは、自身の身分も年金と共に無くしていた。それは、娘を引きこもりから救うため。引きこもりビジネスの闇、8050問題、ネグレクトと、重い社会問題満載。わかってもらいたい、認めてもらいたい、その願いが崩れた時、生きるために引きこもるのかもしれない。(だから「鼓動」?)そんなふうに思った。
願いを立て直すための小さなきっかけは、多分身近にある。自分の孤独は自分のもの。光はきっと自分の中にある。エピローグの描 -
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陽子が最期の最期まで求め続けたものは承認欲求を満たしてくれる存在と無償の愛ではなかったか。
本来はどちらも幼児期に親から与えられ、満たされた状態で人は大人になっていくものだが、機能不全めいた家庭で育った陽子は、人としての根幹を固められぬまま成長してしまった。
自分に欠けている何かを得て埋め合わせようと必死に生きる彼女の心身を社会やまわりの人々は都合よく扱い蹂躙した。
ラストは完全なバッドエンドではなかったけれど、ハッピーエンドとも言い難い。だがそこに人生のリアルさが詰まっているような気がして、悲しいけれど妙に納得してしまった。
陽子にはあの最期が合っている。あの安らげる場所が永遠に在り -
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直木賞候補作(これで前回直木賞の候補作は読み終えた。次次回から、候補作発表から授賞まで2ヶ月となったが喜ばしいと思う。本屋大賞もそうなればいいのでは?)
星4.5
2011年に明るみになった尼崎変死事件をモチーフにした小説。
著者のインタビューを読むと、今まで小説化されなかったのは、おそらく事件が複雑すぎるからでは?とのこと。wikiで見てみても、複雑すぎ、wiki を読む気にもなれないほど。
それ故、この小説では、全部を追いかけるのではなく、数人を追いかける形となっている。
それでも、巻末には人物相関図が載せられており、時代も行ったり来たりだが、それほど混乱することもなく読み進められ、 -
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最後まで読んだけど、何が言いたかったかよくわからなかった。鈴木を殺した犯人とかはわかったけど。
宇佐原陽菜は宗教2世だが、一緒に逃げた男の人にDVされて反撃して殺してしまった。刑務所にいる。
植芝甚平は朝比奈ハルと同郷、アメリカに負けて、アメリカ人が来る前の晩、ハルの父は母親と子供を縛って家に火をつけて一家心中しようとした。ハルだけが助け出された。
宇佐原陽菜はハルと刑務所の同室。ハルは父からの暴力を受け入れていた。でも日本は戦争に負けた。ハルは父から性暴力に晒されていた。ある時お坊さんからぶよぶよした「神の肉」をもらって食べ、そして生き残った。
高田峰子はハルが生き残って引き取られた -
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登場人物とと世代が近いので、平成〜令和に至るまでの様々な出来事が、自分ごととしても思い出されて懐かしかった。
特に父親との最期のやりとりは胸が痛かった。
人は誰しもその人だけの絶望を持っていると思っているけれど、それを抱えながらどう生きるか、どう在りたいか、自分自身と向き合い続けるしかない。
それをやらずに目を背けてばかりの人には、甘えんなと思ってしまうところもあるのだけれど、私もわりと大人になってから、自分で自分を承認することの意味や価値に気付いて、できるようになったから、ずっと気付けないままだったとしたら、今もっと生きづらかっただろうなと思う。
初めて読んだ作家だったけれど好みだったの