葉真中顕のレビュー一覧
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ネタバレミステリに入れたが、犯人捜しのお話ではなく、作中作と現実が徐々にリンクしていって、作中作ではこうなっているけど現実はどうなってるの~!? 系のミステリ。なんだそれ。
情報を開示する順番を工夫するだけで(それだけではないけど)こんなエキサイティングなお話になるんだなあ。
女性の心理描写がとてもリアルだったので、作者「アキラ」さんだからもしかして女性? と思っていたけど検索したら目黒世田谷あたりにいそうなオシャレ知的男性だった。でも山形が拠点なのですね。
解説の方も同じことをなさったようで笑ってしまった。中国では「葉間中顕女史」というレビューがついたそうだ。笑
作中作で行われる犯罪は生存のための -
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尼崎連続殺人事件をモチーフに書かれたフィクション。直木賞候補作品。
当時の報道を見ていて、家族全員が巻き込まれ死ぬまで逃げられないのはどうしてなのかと不思議に思った事を覚えている。それも複数の家族が…だ。
その答えがこの小説にあった。
これは無理だ。逃げられない。
自分が当事者だったら、おそらく同じ目に合ってしまうだろう。家族を人質にして
暴力による支配。
飴と鞭。
主犯の夜戸瑠璃子は巧妙に使い分ける。
愛ある家族を作りたいと言うが、その実は幸せな家族を破壊し、普通に暮らしている親子や家族を絶望の淵に貶める事に喜びを感じているような気がした。そんなサイコパスに目をつけられたら一巻の終わり。
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『絶叫』『Blue』に続く刑事、奥貫綾乃シリーズの3作目。まんまと葉真中顕氏の術中に嵌った。
ホームレスの老女が殺され燃やされる事件が起きる。犯人の草鹿秀郎は48歳の引きこもりで、父親も自分が刺し殺したと自供するが…。
「明日は今日よりも豊かになる」
と、誰もがそう信じた時代が終わりを告げた。
バブル崩壊、就職氷河期、阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件…と時代に翻弄されながら生きてきた犯人と女刑事の視点が交差しながら真実が暴かれていく。社会派ミステリーとして読み応えある作品。
暗闇の中を延々と進んでいく感覚が、終盤にきて一気に反転した。
伏線と言えるものは無かったと思いながらも頁を戻す手が -
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この作者の作品を読むのは、本書が初めて。
なので、ほかの作品がどうかはわからないけど、いい意味で「思ってたんと違う!」。
カバー裏表紙のあらすじを読んで、買ってみることにしたけど、大体どの本も「王道ミステリー」「人間関係ドロドロ」「女性の感情を切り取る」など、意識的にではないにしても、どんな作品か、予想をたてる。それで言うと、本作品は現実世界と小説世界がリンクしたミステリー、だと思って読んだが、違った。
予想よりも、感情の描写が繊細で、展開には容赦がなく、現実よりも現実的だった。自分の隣で、家の中で起こることではないか、という、そら恐ろしさがある。
作中の小説もうまく生かされ、あれがここに効い -
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ネタバレこの物語はある男の人生の独白と、女刑事がある事件の真相を突き止めるまでの過程が交互に展開する構成となっている。
公園の身元不明のホームレスの焼死体、その側に犯人がおり、犯行を認めている。父親も身勝手な理由で自分が殺したと自白していた。
刑事たちが被害者の身元を突き止めるまでの過程の中で、実は心の中に絶望を抱える刑事たちと、犯人・被害者の心理が重なりあい、やがて女刑事は犯人の本当の動機と、もう一人の犯人にたどり着く。
一つ目のどんでん返しが、被害者のホームレスの女にもう一人娘がおり、その娘はネグレクトを受けていたという事実。そこで初めて女刑事との境遇がここでも重なりあっていたのかという衝撃を受 -
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ネタバレ綾崎隼さんが将棋のアンソロジーに寄稿してると聞いては読まないわけにはいかない!
今回の綾崎さんの作品は、「僕らに嘘が一つだけ」の2人と同世代の朱莉さんが主人公。もう一度僕らに〜も読み返した上で、こちらも読み返したいな。
一話目は青山さんのお話らしく、前向きな気持ちになる門出の話。
葉真中さんは初読み。ただただ少年の手腕に鳥肌。
弟子にしたかった少年を冤罪から救うという白井さんの話にはびっくり。そういう将棋との絡め方もあるのか。
橋本さんも初読み。この一戦を勝てば夢が叶うという相手への対応って悩ましい。そこで手を抜かれて夢を叶えること、本気で相手してもらって破れること。
芦沢さんは気になってい