葉真中顕のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
専門職であるはずの私が、家族の前で無力だった〜『ロスト・ケア』を読む〜
介護保険制度が創設されてから、確かに改善されたことは多い。
「介護の社会化」は進み、家族だけで抱え込まなくてよい仕組みが整った。
少なくとも、そう教えられてきた。
ただ、私は介護保険制度が始まった後に社会福祉士になった世代。
制度ができる前と後の違いを、実感として知っているわけではない。
養成課程で「昔より良くなった」と学び、どこかで「そういうものなのだろう」と受け止めてきたに過ぎない。
では、今の日本は本当に安心して老後を迎えられる社会になっているのだろうか。
家族の負担は、軽くなっているのだろうか。
私と妻の祖 -
Posted by ブクログ
「尼崎連続変死事件」をモチーフにした、家族という定義があいまいな集団の歪みを描く傑作。事実は小説より奇なりで、事件そのものの複雑かつカオスな衝撃が強すぎて、小説のインパクトはそれに及ばないが、冒頭の「沼が、できた。」の件のメタファが、人の想像力を凌駕する得体の知れない恐ろしさを表している。事件の結果云々ではなく過程を丹念に描くことで、「何故」の著者なりの回答を提示して読者の判断に委ねるスタイルだが、こんなにも時系列をぐちゃぐちゃにする必要があるのかは疑問。事件そのものは複雑怪奇だが、フィクションなのだからもっと題材を整理して描いた方が良かったのではと思う。
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Posted by ブクログ
おもしろかったー。社会派ミステリーって読むまでに気合いが必要だけど、読むとおもしろいんだよね。
その時代の出来事も添えながらストーリーが進行していくから、当時を感じながら読めたのが良かった。
しかも油断して読んでいたら、真犯人がまさかの人で!!
真犯人の気持ちと、草鹿秀郎の父の気持ちが一番共感できたな。
好きな登場人物は梅田とマリエル。
それにしても引きこもりね。
実際どうなんだろう。甘えだよと言い切るつもりはないけど、引きこもれる環境があるからできることだっていうのは事実よね。
学生時代であれ、社会人になってからでも、傷ついても困っても引きこもる場のない人だっているし。
草鹿秀郎の場合なん