葉真中顕のレビュー一覧
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過激な動物愛護団体「DOG」が、謎の生物を使って起こすテロ事件。ペット業者主催のイベント会場を舞台に、中学生、事件に巻き込まれた人々、そしてDOG、それぞれの視点から事件の真相を描く物語。
パニック小説ではあるものの、恐怖だけではなく、動物愛護や倫理観、差別、いじめなど、さまざまな社会問題を織り交ぜていたのは、さすが葉真中顕さん。ほとんど1日の出来事で構成されていて、展開も早く、読む手が止まらなかった。
「DOG」の掲げる理念には考えさせられた。ペットとして愛される動物も、食用とされる動物も同じ命。人間の都合で「殺していい命」と「いけない命」を線引きしているという事実を突きつけられる。
だからといって、「動物も人間も同じ命だから」という理由で、人間を殺すことが正しいとは思えない。正解のない問いだからこそ、考え続けることに意味があるのかもしれない。
怖さやどんでん返しだけではなく、「命」や「正しさ」について深く考えさせられる一冊だった。 -
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ネタバレ新興宗教が起こした事件をめぐり、その中ではなく周りの人に焦点を当てた作品。とある人物の生涯と事件に関わりがある人物で構成されており登場人物が少し多い、途中これ誰だっけ?となってしまいページを戻ることもあった。なんといっても最初の衝撃がすごい、行路病院ってなんだ?って思いながら本当にあった病院で驚愕。わあこんなところを題材にしているのか、こりゃ読むの辛くなっちゃうぞと思ってたら最初と最後にちらっとでただけ。メインは各人のストーリーではあったのでそこは少し拍子抜けしてしまった。行路病院での話を怖いもの見たさで欲しがってしまった。ただ、題材を一つにしなくてもなんかわからない気味の悪さ、社会制度の脆さをついた貧困や現実を描いておりそこは流石です。
このなんか怖いな、こんなことが本当にあったんだっていう気持ちにするのがうまい。希望をとことんなくしていくスタイルに感嘆してしまう。けど、今回はお菓子屋さんの話は優しい、いい師匠に出会えてよかったねっ、少し立ち直れたねって思ったのも束の間、娘のパートナーが不穏で希望があると見せかけてへし折っていく作者のスタイル、そうだよね葉真中さんが最後だけハッピーエンドとかないよね、お見それしました。もはや待ってましたと言わんばかりに納得した。
今までと本の構成が違うけどやはり絶望が強い。オウム真理教がなかったらこういう事件が起きてたんじゃないか、繭と黄金の蝶、バタフライエフェクト、全てはつながっている。ややファンタジー要素もあるもののこれはこれで良いと思う。宗教って怖い。 -
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ネタバレ恐ろしい事件だったから深く印象に残ってる尼崎連続殺人事件をモデルにした小説
事件にかなり忠実に書いてあると感じた
実話ベースなので恐ろしさがリアル
被害者の尊厳が壊されていく様子に恐怖が加速し逃げる選択肢を奪われていく様子に絶望しかなくなった
最初は良い人たちのように見せかけ近づき
逃げられないように取り込んでから暴力で支配していく。
でもそれだけではない部分もあるというか…
あれだけ凶悪なことができる人間が逮捕後に自殺という最期に対して、どこかで本当に家族を求めていたことを思わせるような後味の悪さを感じた
瑠璃子は理想の家族を完成を追い求め、途中で気に入らなくなった家族は消して新しい家族と取り替えてアップデートを繰り返していたように見えてきた。 -
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作中作品の女性が、みんなから随分遅れて携帯を手に入れ、ネットサーフィンして世間に慣れていく姿が、驚くほどリアリティーがある。怖すぎる。
個人的に作中作品その1の段階で気持ち悪すぎて読書をやめてしまいそうになった。作中作品だと最初から言ってくれたら良かったのに。(幸い頑張れたけど!)
梨帆はPMSの頭痛に悩まされている。梨帆は以前第二編集部に所属していたが、再編されて消滅した。だから今更小説を送ってこられても困る。それは数年前に担当した犬を飼うという作品の作者からで、どうやら別の作品を完成させたようだ。
作品の内容は、電車に飛び込もうと最後のオシャレをして家を出たター坊(50歳女性)が、道で25年ぶりの女子校時代の同級生に会う。携帯を持ってないと言ったら、一緒に買いに行ってあげるとついてこられ、買う。まだ小説を書いているのか訊かれる。
なぜ今になって送ってきたのだろう。7年も経っている。年末休みに入っていた。苦手な作家からランチに呼び出される。断ろうとすると死んじゃおうかなと言われる。仕方ない。
ター坊の夫は定年後嘱託で働いている。高圧的で家事は何もやらず、ほとんど会話もない。亡くなった義母は脳梗塞になるまでは良かったが、介護していたらどんどん不満が出てきたようだ。唐突に誤嚥性肺炎で亡くなった。
ター坊は毎日ネットサーフィンして過ごすようになった。夫のような元偉かったタダの人が世の中でみっともないマネをしているのがアルアルだと知る。結婚が失敗だったと思うようになった。小説を書く。
梨帆は子供を妊娠しようとしないことで離婚になった。3年前。そしてその後パニック発作が出るようになった。童話作家と結婚して双子を授かったニュースを聞く。
ター坊の書いた小説は最終選考まで残ったらしい。おかげで夫が何を言ってきても心折れず過ごすことができた。そして自分が夫の怒気を挫くことができることを知る。だけど賞に落ちたら元の木阿弥だった。
梨帆は出版したいと上に掛け合ったら、拍子抜けするほどあっさり通った。 -
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終始、怖かった、
逃げ出せない、、。
逃げても捕まる。逃げても、助けて貰えない。
逃げ切るか、殺人を犯したことを伝えるか、、。
こういう話を聞くと、逃げ出す瞬間はあったんじゃないか?と思うが、、逃げれないんだ。
いい顔して迎えに来る、、
洗脳、、コントロール。
親でも子でも殺してしまう、躾。
自分が躾され続けたらおかしくなってしまうのだろ、、洗脳されるまえ逃げて警察にいっても、、民事介入ができないと言われ返される、、救って貰えない、、。
すごく辛い。
家族の中で生き続けるなら気持ち的に良いのかもしれないが、1度機嫌を損なわれたり、嫌われたりしているとなれば、容赦ない、、。
躾をするのは本当に愛が、ある家族がする事なのか、、ズレている。
ズレているか、彼女は最初からズレている、、もはや彼女のせいではないと最初さ思うが
こうも、何十年も繰り返される躾をみると、狂っているしか思えない。
どうにか逃げて欲しい。警察に介入してほしい。救って欲しい。
尼崎連続変死事件をモチーフしてある。
衝撃な事件だった。この本を読むと、逃げれない何を感じる。
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単行本で4年ぶりに再読。年齢と共に読み方が違うのかとてもいい時間を過ごせた。「犬を飼う」「長い午後」を書いた主婦多恵。出版社勤務の梨帆。犬とイヌ、違和感に気づいたとき作中の作品なのに圧倒される。もう一つの作品も、考えないように生活してるからこそ長く感じる午後をiPhoneや旧友亜里砂がキッカケで溢れ出る感情にフタをしなかったター坊の気持ちが伝わってくる。分岐点であっちを選んでいたら、同じように最近思う事が多いので、振り返るきっかけにもなる。多恵が自分より若くバリバリ働く梨帆の現実を知ったら、時が経っても男女の求められるものが変わらないことにため息がでるだろうな。そして自分自身は多恵と梨帆を足して2で割ったような人生だけど、うまくいかない人生に後悔しかない。若い人に読んでほしい作品。
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ネタバレ平成一桁ババァにとって
これまでの人生を振り返ってくれた本でした。
気になるけど分厚い…分厚いけど気になる…と思ってずっと読んでなかったけど、読んで良かった。面白かった。
「絶叫」を読んでいたのでFor blueのターンは誰目線なんだろう?当てるぞ〜とか思ってたけど、
多摩ニュータウン男女の娘だとは思いもしなかった。(リエンだと思って読んでた。)
親ガチャには外れてしまったけど、その後良い養親に出会えて良かった。
ただお兄ちゃんのほうはブルーに感謝してなくて、あくまで「俺らの親を殺した人」になってて、あんなクソ親でも憎めない心理とは…
ブルーも青梅事件であんなザクザク人を殺したのに、こんな人生を歩まされてる母親を殺してやるって思考にはなってなかったし、どんな親でも愛してしまってる子どもたちが可哀想だったな -
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『絶叫』とは、まさにジェットコースターのような人生を歩んだ女性の40年を描いた物語。
東京郊外のアパートで、飼い猫に食べられた無残な女性の遺体が発見される。当初は孤独死として処理されそうになるが、刑事の綾乃が不審な点に気づき、調べ始める。
最初は「孤独死した40歳、鈴木陽子」の生い立ちを追うヒューマンドラマかと思っていた。陽子はどこにでもいそうな普通の女性。だからこそ、ほんの少し歯車が狂うことで、人生が少しずつ悪い方向へ進んでいく怖さがあった。
「あなた」と語りかける人物は誰なのか。
読み進めるうちに少しずつ謎が深まり、最後には陽子の40年をもう一度振り返りたくなる。
そして、何気なく出てきたものが後になって意味を持つ、伏線の散りばめ方と構成も見事だった。
社会派としての重厚さと、ミステリーとしての面白さ。その両方を存分に味わえる、強く印象に残る一冊だった。 -
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ネタバレ「家族」という名の暴力の怖さを感じた一冊。
怖かったが、続きが気になり、詳細を知りたくて、あっという間に読み終えてしまった。お化けよりも、やはり人間の方が怖い。
家族なら何をしても許されるのか。もしこの人に目をつけられてしまったら、どうすれば逃げられるのか。どの時点なら引き返すことができたのかと考えたが、一度関係が始まってしまうと、引き返すのはとても難しいのだと感じた。
とても怖かったが、それ以上に続きが気になる面白さがあり、一気に読んでしまった。ただ、最後まで謎が謎のまま残っている部分もあり、少しすっきりしない読後感も残った。 -
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介護の末の殺人から始まったその連続殺人事件は、死刑になるとわかっていたが、それも予定できたことである。
それは介護の苦しさだけではなく、社会に穴が空いていることに気づいたから…
重い重い家族をひとりで支えていると、おかしくなる。
それでも明日はやってきて、ずっと続いていく…。
その殺人は、かつての自分が誰かにしてほしかったことをしたのだと。
正義を信じる検察官の大友は、たとえどれほど立派な信念に基づいていようとも、救いのための殺人など認めるわけにはいかない。
最後まで大友は、斯波の引き起こした要介護老人のロスト・ケア事件に対して敗北感を残したままだ。
それは社会システムに歪みをどうすることもできないからだろう。
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幽霊より、ゾンビより、何より怖いのは、人間!
沼の話しから始まるあたりから、もうゾワゾワしっぱなし。
実話をもとにしている、と知り、ますますぞっとした。
家族・・・・いったい何だろう、と考えさせられる。
夫婦は、家族なのか?ちがうのか?
夜戸瑠璃子の幼少期の話しは、かなりかわいそうに思ったが、人格形成でかなりの影響があったのはわかる。
それにしても、飴と鞭でのマインドコントロールのすさまじさ。
何かのきっかけで、かかわりを持ってしまったら、
そう思うと、恐ろしくていられない。
この本は中高生にはお勧めしない。
心臓の弱い方も、メンタルの弱い方も読まないほうが身のため。