葉真中顕のレビュー一覧

  • Blue(ブルー)

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     本作は、「格差社会が生んだ闇」をテーマにした重厚な犯罪小説でした。読後は、何ともやるせない悲痛な気持ちになりました。慟哭必至の物語です。

     児童虐待、毒親、子供の貧困、無戸籍児、外国人労働者からの搾取等、多くの社会問題を背景にしています。
     2つの殺人事件、そして無戸籍で生まれ、暴力と貧困を経て市井に紛れた男<ブルー>‥。これらが一本の糸でつながっていく展開です。
     平成という時代の光と闇の中で、<ブルー>の存在とは何だったのか? 社会を強烈にえぐり、読み手に重い諸々の問題を突きつける内容は、葉真中顕さんの真骨頂?ではないでしょうか。

     平成時代の出来事、文化、風俗、流行などを俯瞰し、時

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    2024年01月10日
  • 警官の道

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    葉真中顕、中山七里、呉勝浩、深町秋生、下村敦史、長浦京、柚月裕子『警官の道』角川文庫。

    7人の作家の短編を収録した警察小説アンソロジー。7人の作家全員が自分の好みというのはなかなかあり得ないことだ。読んでみれば、柚月裕子の『聖』がピカイチで後は平凡な短編ばかりで、少しがっかりした。


    葉真中顕『上級国民』。本作に描かれる刑事事件とされなかった交通死亡事故は、2018年に東京都港区で起きた元東京地検特捜部長による自動車死亡事故を思い出す。実際にこういうことはありそうだ。90歳の佐々木嘉一が交通事故で亡くなった。しかし、車を運転していた谷田部洋は逮捕されなかった。その裏には驚愕の事実が隠されて

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    2023年12月25日
  • そして、海の泡になる

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    かつて大阪ミナミの千日前にあった料亭の女将で、天才投資家とよばれた尾上縫をモデルにした物語。話は日本の敗戦から始まり、朝鮮戦争特需、戦後復興、オリンピック、万博、プラザ合意、バブル、バブル崩壊と日本経済に合わせたジェットコースターのように主人公の人生は急展開する。求めたのは女の独立、幸せなのか?
    小説を書くための取材ノートの形式で語られる。
    面白い。

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    2023年12月12日
  • Blue(ブルー)

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    名は青、母親は彼をブルーと呼んだ。。。

    ブルーにはない、愛と幸福に満たされた家庭
    それを滅茶苦茶に崩壊したいという気持ちに翻弄されます
    苦しみもがき、平成という太く短い時代を生きたブルーの人生を追います

    躾とは言えない幼児虐待、貧困、無戸籍児、外国人の低賃金労働、違法売春、ドラッグ、様々な社会問題が生んだ犯罪小説です
    バブルが弾けた平成の世相に、一つの事件をきっかけに二つの殺人事件が起きてしまいます

    ブルーが気に入っていた『早朝のごく短い時間だけ、水と光と霧が奇跡のバランスで織りなす、美しい〝運命の湖”』の写真
    ブルーはそれに何を思い馳せたのでしょうか
    そう思うだけで、悲しく切ない気持ち

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    2023年09月23日
  • Blue(ブルー)

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    ネタバレ

    貧困、虐待そして無国籍。虐待により心が傷つく。心が固くなる。身体が痛い。感覚が無いようにしたくなる。
    ブルーの気持ちが、どこに有るのか?
    どう生きれば良かったか。どんな子供か。どうすればよかったか。どんな大人になりたかったか。悲しい。

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    2023年08月11日
  • Blue(ブルー)

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    平成時代の社会の闇を凝縮したような内容です。

    ベトナムの『運命の湖』という美しい青色をした湖の風景から始まります。
    これに関しては何の予備知識も入れずに読み始めた為、完全に油断していました。

    この景色が伏線なんだろうなあ、位で読み進めて行くうちに、おや?あらあら?これは…
    コレヲヨムニハ、カクゴガヒツヨウダ…
    と、思わず片仮名変換になってしまう位に辛い話が続きます。
    これでもか、これでもかと言う程に。

    圧倒的な文章力と構成、ミステリ要素も上手く取り入れられており、目を逸らしたくなる闇が続くにも関わらずページを捲る手が止まりませんでした。
    この状態に既視感を覚えていたのですが、櫛木理宇さん

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    2023年08月04日
  • 凍てつく太陽

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    終戦間近の北海道室蘭が舞台。アイヌの人達がこの時代どう生きたのか、ミステリーや脱獄もののエンタテーメントの要素があって読み応えあった。

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    2023年07月14日
  • コクーン

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    1995年の事件を主軸に過去と現在が行ったり来たりのバタフライエフェクトもの 登場人物が多い はじめはそんなに多いと思ってなくて、年代的に合わないからだれの話だろうと混乱するけど、読み進めていくと緻密によくできていて凄いなあと感心する

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    2023年07月03日
  • Blue(ブルー)

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    真相を知りたくて読み進めていったが、そこに描かれているのは、児童虐待、無戸籍児、搾取ともいうべき外国人労働者の実態で、胸が痛かった。負の連鎖はどこでどのように断ち切られるのだろうか。
    事件の真相が解決した時に、登場人物の1人が言っていた言葉にハッとさせられた。「負」は形は違えども、誰もが人知れず抱えているものだ。そこに寄り添ってくれる人が1人でもいるなら、連鎖の縄目は少しづつ解かれていくのかもしれない。

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    2023年05月22日
  • Blue(ブルー)

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    ネタバレ

    平成の時代に生きた男の子の話。

    親の暴力、虐待、貧困、情報格差、無戸籍、過酷な労働、非正規等々。斥力と引力。社会の目から、協力から逃げた親。翻弄される子供。

    選んだもの、選べなかったもの、それしかなかった、選ぶ余地などなかった。
    母親のその時の感情で暴力を振るわれる。
    それでも母親を求める、愛情を求める。
    男の子がほしかったもの。

    自分を証明するものがないまま大人になる。
    家族のようなものを得て生活をするようになってから、うなされるように。
    無条件で愛してくれる存在。
    自分が犯した罪と償い方。

    ブルーのおかげで救われた者、恨む者。
    もっと違う方法はなかったのかと…。

    過酷な労働条件の

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    2023年05月16日
  • Blue(ブルー)

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    平成という時代を、経済や天災・犯罪と共に、文化や流行・風俗まで作中に描いたミステリーです。
    2019年初版平成が終わり、ひとつの時代を読み物とされています。
    日本に戦争が無かった時代の、平和で安全でバブルは去ったといえ、経済にも恵まれた日本の闇の部分。その闇から生まれた無戸籍児“ブルー”が社会機構から見放された厳しい生涯がミステリーの中心です。
    機能不全家庭・児童虐待・貧困という中で育つ子供達。外国人労働者、技能実習生の諸問題。なかなか盛りだくさんの内容です。社会派小説としての詳細に時代を追った分、メインの少年の心情とか成長などは多少希薄になったような気がしています。ブルーが親を選べなかった子

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    2023年05月14日
  • 作家 超サバイバル術!

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    kissarmy0814さんの本棚にあったこちらの本。
    なーんか面白そう〜!
    ということで読んでみました。ありがとうございます。

    この本を読むと。
    小説家って本当にすごい。
    尊敬。ヤバい。

    物語を紡ぐ能力というのがそもそも普通じゃないけど、
    それを続けるということがどんなに大変なことか。

    おカネの話も含んで結構ナマナマしい内容満載。
    オモシロおかしく書いてあるけど、
    まぁ地獄の世界だなというのはひしひし伝わってきました。

    今後手に取る小説は、
    重みをやたら感じそうです。

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    2023年05月12日
  • 凍てつく太陽

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    『ロストケア』『Blue』に続き、
    手に取りました✋

    社会に出ると誰しも多少は感じる違和感を取り上げて、それと葛藤する主人公の姿がありました。

    是非、こちらも映画化して欲しいです。八尋は妻夫木聡さん、ヨンチュンは鈴木亮平さん、で。もう年かなぁw

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    2023年04月15日
  • 凍てつく太陽

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    戦時下、民族差別といったシリアスな設定ながらも、一方でエンタメ要素も十二分に盛りこまれたミステリー。非常に力のこもった力作だということは、読んでいて伝わってきました。

    書き出しから濃い場面から始まって引き込まれる。
    凍える寒さの北海道室蘭の貯炭場で重労働を課せられる朝鮮人の人夫たち。その過酷な環境下の中で、ある指令のため人夫たちにまじり潜入捜査をする刑事。

    ここまでですでに相当カロリーの高い設定だけど、これはあくまで序章に過ぎないのがまたすごい。

    そこから軍需工場関係者の連続殺人や、犯人が現場に残した血文字の謎めいたメッセージと興味を惹く展開で、物語を引っ張っていく。

    そして主人公を追

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    2023年04月12日
  • 作家 超サバイバル術!

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    医者で作家というのが憧れだけど、現実はそう甘くないよう。取材旅行して、ホテルのスイートルームに缶詰めで執筆なんて妄想か。

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    2023年04月05日
  • ロスト・ケア

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    連続殺人犯の死刑判決から始まる。
    日本の介護問題のリアリティとマスコミの報道を上辺だけ鵜呑みにして批判する大衆などまさに現代社会の問題点を先取りしたような内容で進む。
    謎解き自体に盛り上がりはあまりないが、楽しめた。
    3.8

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    2025年05月04日
  • シークレット~綾辻行人ミステリ対談集in京都~

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    デビューのきっかけやデビュー直後に縁のある作家との対談なので、綾辻行人が謂わば道標となる存在であることが強調される。
    綾辻行人自身が対談を楽しんで相手の作品を褒めるので読みたくなります。ミステリは継がれていくものだと実感する。

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    2023年02月12日
  • 作家 超サバイバル術!

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    中山七里さん、知念実希人さんの作品はよく読みます。

    これを機に葉真中さんの作品も読みたくなりました。

    作家が同じテーマで新人作家に向けたイロハを伝えています。全く同じ事を伝えていたり、異なる事を伝えていたり。
    結局良い作品をとにかく書き続けること、に落ち着いていますが、お金のことや出版社についても赤裸々に語っているので、作家業の裏側が見えて面白かったです。

    1番驚いたのはこの本のイラストや四コマ漫画を描いているのが、佐藤青南さんなことです。エンマ様シリーズ大好きです。多才な人だったんだなぁ。

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    2023年02月04日
  • 作家 超サバイバル術!

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    中山七里・知念実希人・葉真中顕。新刊が出たら間違いなく読む小説家3氏共著の新人作家のための作家養成ギブス的エッセイ本。新人作家の裾野を考えると需要があるとは思えないので、外野の読書好き人種向けエッセイと思って拝読。3者のカラーが色濃く出ていて、佐藤青南氏の4コマ漫画含め(外野なので)楽しく読めた。まあ想像通りの内容ではあったが、やはり人気作家に大切なのは幅広いインプットと反面教師だということがよくわかった。プロ野球選手らと同じで大変だが夢のある職業なので、これからも面白い本を上梓いただけるよう期待しております(外野なので)。。

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    2023年01月25日
  • コクーン

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    カルト教団「シンラ智慧の会」
    その教祖、教祖の母親、信者、信者の家族、教団が起こした事件の被害者とその家族。

    いろんな面から見る世界。

    複雑に絡み合う出逢い。

    あの時、この道を選んでいなければ幸せだったのか。

    運命というものを考えさせられる。

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    2023年01月23日