葉真中顕のレビュー一覧
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500ページを越える長編、「絶叫」という題名。
この物語の底辺にある主人公の歩みは壮絶で悲壮。そこにはありとあらゆるこの世の社会的問題が詰め込まれている。貧困、ジェンダー、無縁社会、ブラック企業…。
どうしても立場の弱い女性が、社会の枠の底辺を歩いていく様は読んでいて辛い部分も多かった。だけど、最後までページを捲る手は止まらない…。
読み終わって、最後に読者が「絶叫」するというより、物語のそこかしこでいろいろな人が「絶叫」していた。時には大声で、時には息を飲み、時には心の中で… 。
人間の本質は自由で、善悪優劣因果のすべては、その上に貼られたラベルにすぎないという。始まりがあるものにはすべて終わりもある。
さて、これから彼女はどうやって生きていくのだろう -
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星★5!
フォーカスしたい部分がありすぎて。。。
・ミステリー本として
葉真中顕さんは一文一文が短くて読み易い。そして時々出てくる比喩や象徴的な表現が素晴らしい!今後の展開をそれとなく匂わせる使い方、ブラボー(*´꒳`*ノノ゙パチパチ
今回もしっかりミスリード
させられてました╭( ・ㅂ・)و ̑̑ グッ!
・主たる題材の介護について
長らく介護現場の看護師をしております。在宅事業所における介護保険のグレーゾーンなんぞも中々にリアルを書かれていて見事です!どこまでどうやって調べて書くんだろうってくらい。
そして“彼”の信念は痛い程よくわかる。もうね、わかりすぎるくらい。あたしが“彼”の弁護士やりたいくらいよ。
・犯人の深淵
365~366ページ、“彼”の善性に触れる事ができて爆泣き。
他にも感想山ほどあるけど長くなりますのでこの辺で。。( ・ω・ )ノ
10年以上も前の作品なんですね〜もっと早く出会いたかった!!
これは広く人に知られてほしい作品でした。
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いろんな切り口のミステリーの集まりで、ボリューム薄めなので、サクッと読みやすい。
誉田さんの『それはない』でスタートするのが良かった。こじれた話だけど、全体的に温かめのストーリー。
葉真中さんの『21グラム』のオバケが見える設定、荻堂さんの『コンカフェ探偵ロゼ』のオクスリオッケーな設定、といった、事件内容は現実的だけど、基本設定が異常、が良かった。
中山七里さんのミステリーを楽しみにしてたけど、私的にはミステリーというよりも、ヒューマンドラマを見ているような、このストーリーでは、脇役の善吉中心の温かいドラマにつながる“ゼロ”的な要素のストーリーな感じがして、とても良かった。この後佐知子さんと一緒になるのか気になる。 -
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ネタバレ尾野真千子さんの主演で、WOWOW連続ドラマ化された作品の原作。
社会派の作品だけあり、扱っているテーマは多岐にわたります。
夫婦間の家庭内暴力、いじめ、発達障害、シングルマザー、キラキラネーム、ホスト、ネトウヨ、アニマルホーダー(多頭飼育崩壊)、保険金詐欺、戸籍の悪用、ブラック企業、セクハラ、パワハラ、窓際族の社員問題、闇金、リボ地獄、生活保護受給の水際作戦、枕営業、不妊、無縁社会、暴力団、前科者、ホームレス状態にある路上生活者、貧困ビジネス、毒親、離婚、児童虐待、蒸発、家族ごっこ、デリヘル狩り、地方と都会の格差、認知症、女性の就労、もっと他にもあると思うけどざっとあげるだけでこれだけの要素を網羅していながら話の流れがしっかりまとまっているのには天晴れの一言。
こうやって書くと、現代の社会問題のほぼすべてが詰まってたような気がします…。嫁姑問題は少しだけ。
私は神代の取り巻き3人衆の名前は最後まで覚えられませんでした。それだけ登場人物も多いですが、基本は陽子と綾乃、2つの話が考察していくので置いてけぼりにはならず。1章を読み終わってからは加速度的にページを捲る手が止まらなくなるはずです。
ちなみにWOWOWのドラマは4つのエピソードで構成されていて、原作とは異なるテンポと展開でこれまた面白かったです。ドラマの方が陽子が中心に回ってる感じがしますね。 -
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専門職であるはずの私が、家族の前で無力だった〜『ロスト・ケア』を読む〜
介護保険制度が創設されてから、確かに改善されたことは多い。
「介護の社会化」は進み、家族だけで抱え込まなくてよい仕組みが整った。
少なくとも、そう教えられてきた。
ただ、私は介護保険制度が始まった後に社会福祉士になった世代。
制度ができる前と後の違いを、実感として知っているわけではない。
養成課程で「昔より良くなった」と学び、どこかで「そういうものなのだろう」と受け止めてきたに過ぎない。
では、今の日本は本当に安心して老後を迎えられる社会になっているのだろうか。
家族の負担は、軽くなっているのだろうか。
私と妻の祖母はいずれも介護状態にある。
それを支えている両親たちは、認知症が進み、身体が弱っていく祖母を前に、不安や悲しさ、時には怒りを抱えながら日々を過ごしている。
介護は制度で支えられているはずなのに、その感情の多くは、今も家族で引き受けられているように見えるし、実際のところ私自身も頼りにしてしまっている。
社会福祉士として、私はこれまで多くの高齢者と、その家族に向き合ってきた。
支援をしてきたつもりではある。
けれど、ふと立ち止まると、本当に力になれているのだろうかという問いが胸に浮かぶ。
ましてや自分たちの祖母のこととなると、なおさらだ。
専門職であるはずの自分が、十分に関われていない。力になれていない。
その事実が、無力感として残っている。
『ロスト・ケア』の中で描かれる介護現場の姿は、決して誇張ではなく、あまりにも現実に近い。
人手不足、余裕のなさ、理念と現実の乖離。
読んでいて胸をえぐられるような感覚があった。
社会福祉士として働いている私にとっては、痛いところを突かれているという表現が、しっくりくる。
同じ現場で働くソーシャルワーカーや介護職であれば、きっと似た感情を抱くのではないだろうか。
目を背けたくなる。
でも同時に、目を背けてはいけない問題だとも感じる。
この作品は、介護や支援の現場にある見ないふりをしてきた問いを、容赦なくこちらに差し出してくる。
だからこそ、読み終えたあとも考え続けてしまう。
そして、考え続けること自体が、私たち支援者に求められている姿勢なのかもしれない。 -
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著名な「作家」3名が、お金・インプット・編集者など様々な角度から「作家としてのサバイバル術」を赤裸々に語ったエッセイ。
葉真中さんの本は読んだことがない(気がする)けど、中山さん知念さんの本はよく読んでいるので「へぇ、こういう人なんだ」という発見もあり、楽しく読むことができました。
新人賞はプロになる前の人達との戦いで、そこを突破したら一気に有名な人達と戦わなくてはいけないというシビアな世界がよく分かります。
何より良かったのが、「作家」ではない自分にも参考になる生き方であり、何かを突き通している人達だからこそ学べることも多いなと思えたところです。
とはいえ、感銘を受け過ぎるのではなく(ここは作中でも指摘されていた)それを踏まえて自分なりのサバイバル術を見出していこうと改めて思いました。 -
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プロローグ
平成から令和に代わる平成最後の日
悲しい物語に終止符が打たれた
この世にいないはずの人間、ただ、、、
そう、彼は確かにそこに存在したんだ
戸籍上全く存在しない人間だったが、
ブルーは確かにそこにいたんだ、、、
本章
『Blue』平成という時代を駆け抜けた魂の★5
『絶叫』に続く奥貫綾乃シリーズ第2弾!
彼女は、物語の折り返しから登場する
青、通称“ブルー”は、昭和から元号が
代わる平成元年初日に生まれ、平成の最終日に
亡くなるという悲しき物語の主人公だ
物語は、主に平成15年と平成31年に起こった事件を
2つの異なる世代の刑事が追っていく
その事件の犯人はいくつもの悲しき
業を背負った人物だった
ここでも主題となるのは“家族”だ
同氏の最新刊『家族』でもそうであったが、
血の繋がらない家族
血の繋がっている家族
得てし、血の繋がっている家族より
繋がっていない家族の方が幸せの瞬間(時)がある
親が子を愛せないのだ
やがてブルーは悲しき感情が爆発し暴走していく
唯一の救いはエピローグの渚の成長なのか、、、
渚だから青“ブルー”に掛けたのか
青“ブルー”だから渚に掛けたのか
この繋がりを作者に追求したい
そう思った(¯―¯٥)
そして、どこまでも、どこまでも真っ青な渚が
海面を覆っていた、、、、
渚にとって、穏やかな日々が続いてほしい
そうも思った!
エピローグ
いつものように一人掛け用の安楽椅子(登場15回目)で本作を読み終え、表紙を閉じると
碧い眼でこちらを睨んでいるブルーと目が合う
かつて、ノーベル文学賞を受賞したトニ・モリソンの名作『青い眼が欲しい』で、主人公の少女は
差別の元凶は、肌の色にあると悩み、“青い眼”
すなわち、白い肌に憧れ、そして欲するが、
やがて狂信し自身が青い眼になれたような錯覚を
起こしていくという、
まことに悲しい物語を想起した
かくして、ブルーは何を欲していたのだろうか!?
容姿端麗であるが、戸籍上世の中に存在しなく、
愛に飢えているが故の殺人
そう、単純に親からの“愛”に飢え、“愛”を欲して
いたのだ
この報われぬ愛に失ったブルーを思いっきり
抱きしめてあげたい!
そう最後に思った!!!
完
あとがき
青依青氏のイラストが素晴らしい!
まさに本作『Blue』にはもってこいの画家だ
青のブルーの瞳の奥に絶望が垣間見えるのは
果たして錯覚なのだろうか!?
残忍さとスタイリッシュさが同居した画だ
まさに“エレガンス”と言いたい
ということで、次は、『エレガンス』だ!!!
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Posted by ブクログ
ネタバレ作中で描かれる「青梅事件」が2003年という時代設定になっているのですが、当時の世相が随所に反映されており、懐かしさとリアリティを強く感じます。
題材として技能実習生や児童虐待といった社会問題をはじめ、さまざまな要素が物語に織り込まれており、また物語の展開も第一部から第二部へと主人公の世代が交代する構成になっていて、複雑。
けれど、要素の多さゆえに散漫になりそうなところを、複雑に絡み合わせながらも最終的には一つの殺人事件に収束させていく流れは見事だと思いました。
分厚い本ではありますが、緊張感のあるストーリー進行に引き込まれ、一気に読み進めてしまいました。多くの事物が登場し、いろんなエピソードがありましたが、その中で「親を選べなかった子供たち」というワードが、最も強く頭に残っています。 -
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ネタバレすさまじい
葉真中作品が好きなので購入、完読
今回はバブル期に大儲けしたらしい尾上縫という人をモデルにした作品で、ある人物がハルをよく知る人たちに取材して物語にするというストーリー
社会派作品なので単純に勉強になる。なぜバブルが起きたのかとか、その前時代の戦後の様子などなど、
(ちょくちょく葉真中作品に多い、強姦されているのがやはりしんどい、、)
取材者が誰なのかわかるシーンで、一瞬とはいえないぐらい少しフリーズした。全作品こういう「お前だったのかよ」となる技術にはほんとにびっくりする。
しかも作品として読みやすい文体だからどうしてもサクサク進んでしまう中で、いきなり種明かしが始まり、その後のラストのメッセージ性の強い部分まで一気に駆け抜ける感がすさまじい!
ワガママに生きてきたハルでさえも結局何かの奴隷で、人生の最後には幸せでなかった感情の中に死んでいったと思われるところがやるせない。
彼女のどの分岐でも我慢を選んでも幸せになれたとは思えないし、満足のいく人生として終わることは極めて難しいことなのかもと感じる。
この作品の主人公(レポーター?)の取り巻く環境、過去に目を渡し、とても楽観できず、重い現状に押しつぶされそうになる中でハルが教訓として自分の人生に語り、それを希望とするように小説を書こうとする、ということになにか胸にくるものがある。
社会的に犯罪者として蔑まれ、被害者からは憎悪を向けられる人でも誰かの光になることがあるということをその作品を通して丁寧に納得させられたからかもしれない。 -
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途中から勇くんに早く気が付け、早く改心しろと思いながら読んでいました。やっぱり日本人って救いようの無いないバカ。敗戦を勝ったと思い込んで詐欺師に金を巻き上げらるなんて笑うしかありません。自分から信じたい、信じたいって、集団でアホみたいに騙される。80年過ぎた今も全く同じ。また外国人を追い出せとか始まっていますが、そのうちバカな戦争を起こしてまたコテンパンに負けて、今度こそ天皇制と日本語を廃止させられるのではないでしょうか。ヒトラーを担いだドイツ人、プーチンに乗って侵略戦争を支持するロシア人、トランプを2回も大統領にしたレベルの低いアメリカ人も同じです。小説としてはさすが葉真中さんの著作で最後まで予想を裏切る展開、とても面白かったです。
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Posted by ブクログ
ネタバレ日系ブラジル人の話。
明治、大正、昭和の時代、日本は爆発的に人口が増え食料が不足していた。
そのため、日本政府は国策として、日本人を海外に放出することを考え、その送り先がハワイやアメリカ西海岸、またブラジルなどの南米であった。
沖縄は食料が不足し、日本の本土に移住した沖縄人が多かったが、本土人による差別に苦しんだ。
そこで、沖縄人の多くは、差別されない場所を求めて、はるか地球の反対側のブラジルに移住を決意した。
移住者は錦の旗を飾って日本に帰ることを夢見て、ブラジルの奥地で奴隷同然の状況にも関わらず、必死に農業に従事した。
そこはあまりに日本から遠く離れていたため、日本からの情報が乏しかった。
そんな状況下での太平洋戦争と敗戦。
直接戦場となることはなかったにも関わらず、はるか地球の反対側で繰り広げられた、日系ブラジル人同士の闘争、後に「勝ち組」、「負け組」と呼ばれることになる。