葉真中顕のレビュー一覧
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ネタバレすさまじい
葉真中作品が好きなので購入、完読
今回はバブル期に大儲けしたらしい尾上縫という人をモデルにした作品で、ある人物がハルをよく知る人たちに取材して物語にするというストーリー
社会派作品なので単純に勉強になる。なぜバブルが起きたのかとか、その前時代の戦後の様子などなど、
(ちょくちょく葉真中作品に多い、強姦されているのがやはりしんどい、、)
取材者が誰なのかわかるシーンで、一瞬とはいえないぐらい少しフリーズした。全作品こういう「お前だったのかよ」となる技術にはほんとにびっくりする。
しかも作品として読みやすい文体だからどうしてもサクサク進んでしまう中で、いきなり種明かしが始まり -
Posted by ブクログ
途中から勇くんに早く気が付け、早く改心しろと思いながら読んでいました。やっぱり日本人って救いようの無いないバカ。敗戦を勝ったと思い込んで詐欺師に金を巻き上げらるなんて笑うしかありません。自分から信じたい、信じたいって、集団でアホみたいに騙される。80年過ぎた今も全く同じ。また外国人を追い出せとか始まっていますが、そのうちバカな戦争を起こしてまたコテンパンに負けて、今度こそ天皇制と日本語を廃止させられるのではないでしょうか。ヒトラーを担いだドイツ人、プーチンに乗って侵略戦争を支持するロシア人、トランプを2回も大統領にしたレベルの低いアメリカ人も同じです。小説としてはさすが葉真中さんの著作で最後ま
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Posted by ブクログ
久しぶりの葉真中さんでしたが今回もやられました。現代社会の様々な問題に翻弄される人間の弱さ、素晴らしい深みです。生まれた年代が少し違っていたら、承認されるタイミングが少しずれていたら、私も同じような状況に陥っていただろうと思いながら読みました。犯人逮捕から始まる前半は、被害者の高齢女性ホームレスの身元調べと引きこもり中年男の独り言の地味な進行。相方の一昔前の中年オヤジが多少のアクセントではありましたが、退屈感が無きにしも非ずといった感じでした。ところが終盤になり次第に核心部に入ってくると一転、伏線が次々に回収されるなか登場人物それぞれの気持ちに入り込まされてしまいました。最後、希望の持てる終わ
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Posted by ブクログ
ネタバレ日系ブラジル人の話。
明治、大正、昭和の時代、日本は爆発的に人口が増え食料が不足していた。
そのため、日本政府は国策として、日本人を海外に放出することを考え、その送り先がハワイやアメリカ西海岸、またブラジルなどの南米であった。
沖縄は食料が不足し、日本の本土に移住した沖縄人が多かったが、本土人による差別に苦しんだ。
そこで、沖縄人の多くは、差別されない場所を求めて、はるか地球の反対側のブラジルに移住を決意した。
移住者は錦の旗を飾って日本に帰ることを夢見て、ブラジルの奥地で奴隷同然の状況にも関わらず、必死に農業に従事した。
そこはあまりに日本から遠く離れていたため、日本からの情報が乏しかった。