葉真中顕のレビュー一覧

  • 絶叫

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    本は分厚いが一瞬。
    一見異なる二つのストーリーラインが徐々に近づき、最終的に重なることは想像ついた。
    しかし、全く別物と思っていたストーリーラインも追加で重なっていくことが非常に面白く、同時にゾッとした。

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    2025年09月21日
  • 絶叫

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    やー、面白かった。
    夢中になって読んだ。

    あるマンションで発見された女性の孤独死体。
    その女性の身元や過去を追っていく刑事目線と、その女性の幼少期からの目線とで交互にストーリーが展開されていき、徐々に繋がっていく。

    母からの愛情を感じることなく育ってきた女性。そして、どんどんと堕ちていく。

    葉真中さんの作品は、ロストケアもそうだったけど、社会の闇、落とし穴、みたいのを巧みに描いているなと思う。

    社会派サスペンスというのかな、好きです。

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    2025年09月14日
  • そして、海の泡になる

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    ネタバレ

    すさまじい

    葉真中作品が好きなので購入、完読

    今回はバブル期に大儲けしたらしい尾上縫という人をモデルにした作品で、ある人物がハルをよく知る人たちに取材して物語にするというストーリー

    社会派作品なので単純に勉強になる。なぜバブルが起きたのかとか、その前時代の戦後の様子などなど、
    (ちょくちょく葉真中作品に多い、強姦されているのがやはりしんどい、、)

    取材者が誰なのかわかるシーンで、一瞬とはいえないぐらい少しフリーズした。全作品こういう「お前だったのかよ」となる技術にはほんとにびっくりする。

    しかも作品として読みやすい文体だからどうしてもサクサク進んでしまう中で、いきなり種明かしが始まり

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    2025年08月31日
  • 灼熱(新潮文庫)

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    途中から勇くんに早く気が付け、早く改心しろと思いながら読んでいました。やっぱり日本人って救いようの無いないバカ。敗戦を勝ったと思い込んで詐欺師に金を巻き上げらるなんて笑うしかありません。自分から信じたい、信じたいって、集団でアホみたいに騙される。80年過ぎた今も全く同じ。また外国人を追い出せとか始まっていますが、そのうちバカな戦争を起こしてまたコテンパンに負けて、今度こそ天皇制と日本語を廃止させられるのではないでしょうか。ヒトラーを担いだドイツ人、プーチンに乗って侵略戦争を支持するロシア人、トランプを2回も大統領にしたレベルの低いアメリカ人も同じです。小説としてはさすが葉真中さんの著作で最後ま

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    2025年08月28日
  • 絶叫

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    彼女の人生は壮絶だ
    うまく行きかけたところに必ず穴があってそこから幸せが逃げていく

    著書では彼女が選択したというワードが出てきたが本当に彼女が心から納得して選択したのかその選択肢以外選べない状況に追い込まれたシーンが多いように感じた

    どこで彼女は間違えたのかそんなことを考えながら最後まで読んだ

    ただ単純なミステリーだけではなく、ちゃんと考えさせられるテーマがあるのが面白かった

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    2025年08月27日
  • ロスト・ケア

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    長澤まさみさんと松山ケンイチさん主演で映画化された作品。
    介護の仕事をしているので、身近に感じた。
    介護業界の闇みたいなのをリアルに感じました。

    老老介護、ヤングケアラー、様々な問題点がある日本は、
    これからどうやって介護業界を変えていくんだろうか…

    是非読んでもらいたい。

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    2025年08月24日
  • Blue(ブルー)

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    夢中で読んだ。
    平成の30年間を。

    その年の社会問題とストーリーを上手く融合され、
    ブルーに寄り添って読んだ。
    それぞれの人の悩みや問題をその人視点で描かれている。他者には分かり得ない内容だ。

    読後は決して気分は良くないが、いろいろ考えさせられる。

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    2025年08月23日
  • ロスト・ケア

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    社会問題をテーマにした傑作。
    犯人と検事のやり取りが圧巻。
    検事の言ってることは正論だが、それが空虚に思え、犯人の言い分のほうが正論に思える。現実はそんな恐ろしい社会であることがわかる。

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    2025年08月15日
  • ロスト・ケア

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    ネタバレ

    この話に何度も何度も出てくる、「罪悪感」という言葉についてとても考えさせられる話だった。
    介護なんて、どれだけしんどくて辛いかは実際やった人じゃないと分からないと思う。大友が何もしてないくせに綺麗事言い過ぎて斯波や佐久間に共感してしまった。羽田の気持ちもすごくわかる。
    そしてそう思うことについて「罪悪感」を抱いてしまった。
    救われたのは最後の羽田の「きっとこの世に誰にも迷惑をかけないで生きる人なんて一人もいない」という台詞。

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    2025年08月09日
  • 鼓動

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    久しぶりの葉真中さんでしたが今回もやられました。現代社会の様々な問題に翻弄される人間の弱さ、素晴らしい深みです。生まれた年代が少し違っていたら、承認されるタイミングが少しずれていたら、私も同じような状況に陥っていただろうと思いながら読みました。犯人逮捕から始まる前半は、被害者の高齢女性ホームレスの身元調べと引きこもり中年男の独り言の地味な進行。相方の一昔前の中年オヤジが多少のアクセントではありましたが、退屈感が無きにしも非ずといった感じでした。ところが終盤になり次第に核心部に入ってくると一転、伏線が次々に回収されるなか登場人物それぞれの気持ちに入り込まされてしまいました。最後、希望の持てる終わ

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    2025年07月22日
  • ロスト・ケア

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    介護の正解ってなんなんだろうとか思いながら読んでた
    読み終わった後多分正解はないし、何を選んでもいいだけど、勝手にそれを人が決めて最後にするのは良くないと私も大友さんと同じように偽善的考えに至った。

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    2025年07月14日
  • ロスト・ケア

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    ネタバレ

    介護業界が抱える闇を抉り出す社会派ミステリー。正義とは、救いとは、罪とは何かを否応なしに考えさせられる。
    安全地帯にいる者ほど、介護をビジネスにするなんてと上っ面の綺麗事に囚われてしまう。主人公である大友自身が、安全地帯から空疎な正義を語る存在であるという点が皮肉である。
    人の善性を信じて疑わない大友に読者が息苦しさを感じてしまうことこそが、この作品が投げかけている問いなのだと思う。

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    2025年07月13日
  • ロスト・ケア

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    非常に興味深かった。
    こちらの作者はこれで初めて出会ったのだけれど、面白くてこの後同作者の本をいくつか購入。
    読後間は苦しかったけれども一瞬たりとも飽きることなく読める。
    私は浅はかなため、後半にはおそらく作者の思惑通りびっくりしてしまった。
    この後、映画もNetflixで観たが、本には及ばないと思い、本を再読した。

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    2025年07月13日
  • 絶叫

    匿名

    購入済み

    孤独と生きてきた女性。自ら選ぶ事はせずに流れに任せて生きて、どんどん不幸になってゆく。1つの事件からなんとも恐ろしい事件に繋がってゆき、とにかく怖かった。気持ち悪さがずっとまとわりついて、こんなに怖い女性だった?と、不気味でした。

    #ドロドロ #怖い

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    2025年07月10日
  • ロスト・ケア

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    少子高齢化が進み、高齢者の介護にかかるコストやリソースがどんどん大きくなっている。だが、介護事業の賃金は上がらず、それどころか最低賃金ギリギリの賃金のみが与えられている。
    この国の介護はもはや限界を迎えており、真の意味で「死が救済」となる未来はそう遠くないのかもしれない。

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    2025年06月27日
  • ロスト・ケア

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    「絶叫」「ブルー」に続いて葉真中氏のデビュー作「ロスト・ケア」を読んだ。社会問題である介護の地獄とミステリーを合わせて非常に読み応えがあった。

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    2025年06月17日
  • 灼熱(新潮文庫)

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    ネタバレ

    日系ブラジル人の話。
    明治、大正、昭和の時代、日本は爆発的に人口が増え食料が不足していた。
    そのため、日本政府は国策として、日本人を海外に放出することを考え、その送り先がハワイやアメリカ西海岸、またブラジルなどの南米であった。
    沖縄は食料が不足し、日本の本土に移住した沖縄人が多かったが、本土人による差別に苦しんだ。
    そこで、沖縄人の多くは、差別されない場所を求めて、はるか地球の反対側のブラジルに移住を決意した。
    移住者は錦の旗を飾って日本に帰ることを夢見て、ブラジルの奥地で奴隷同然の状況にも関わらず、必死に農業に従事した。
    そこはあまりに日本から遠く離れていたため、日本からの情報が乏しかった。

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    2025年06月15日
  • Blue(ブルー)

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    平成という時代が始まった日に生まれ、終わぅた日に死んだ一人の男の話。
    一部だけでもサスペンス小説として出来上がっているが、二部からが凄い。
    「絶叫」を読んでたので、For blueの語り手が誰なのかもずっと気になっていた。

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    2025年06月10日
  • 絶叫

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    とことん面白かった!

    どこまでも転落していく様子とその過程があまりにもリアリティがあり、説得力があった。だからこそ、飲めば読むほど引き込まれたし、600ページもあったのにすぐ読み終わった。

    内容は、年代に起きたことを踏まえつつ、主人公の人生を語る口調で進まれていくが、その時代のことを知ることができたのも嬉しかった。

    また、転落劇だけでなく、「あなただったのか、、」
    のようなどんでん返しあり、主人公のマインドチェンジがあり、作品の面白さと同時に作者の技巧の高さに驚いた。

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    2025年06月01日
  • 絶叫

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    ネタバレ

    ひとりの女性の転落壮絶人生
    中盤からどんどん引き込まれてスピードアップしちゃったw
    内容もさることながら、構成と語り口が素晴らしい

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    2025年05月29日