【感想・ネタバレ】鼓動のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2024年05月01日

圧巻。
引きこもりを題材にした作品の中で過去イチ良かった。

物語は、長い引きこもり生活の末に罪を犯した草鹿秀郎と、事件の真相を追う刑事・奥貫綾乃の視点で交互に語られる。

たらればを言ってもしょうがない。

だが、中学時代のいじめがなければ…。
就職氷河期のタイミングと重なっていなければ…。
一人...続きを読むでも彼の存在を肯定する人がいたら…。

何かが少しだけ変われば彼の人生は全く違うものになっていただろう。

引きこもり問題を深く掘り下げた社会派小説であるが、上質なミステリーでもある。

ラスト二頁で彼の想いが胸に迫る。
余韻冷めやらぬ読後。

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Posted by ブクログ 2024年05月05日

★5 引きこもり中年男性が侵してしまった事件… 8050問題の背後にあるリアルな原因と結果 #鼓動

■あらすじ
長い間ひきこもり生活を続けていた秀郎は、近所に住むホームレスの老女を公園で燃やしていた。通報を受けた彼は逮捕され、さらに自宅で父も殺害したと供述をする。

事件の背景について捜査を進める...続きを読む警察であったが、殺害された老女の身元がわからない。かつて子育てに失敗していた女性刑事が捜査を進める。彼女は殺害された老女に自分自身の将来を重ねてしまうのであった。

犯人と被害者にどんな背後関係があったか、刑事が見えた情景は…

■きっと読みたくなるレビュー
家族とは、親子とは、生きるってなんなのか? 途方もないテーマなのに、目の前の現実でもある。真正面から書き切った社会派ミステリー ★5です。

本作のストーリーは事件の背景や被害者の特定するという奥貫綾乃刑事の目線で進行する。それと並行して、ひきこもりである秀郎の目線で、幼い頃から事件に至るまでが綴られてゆく。

はぁ…苦しすぎるよ。実は私も同世代。育ってきた時代も、悩んでいたことも、そんなにも大きく変わりはない。ほんの少し人生の選択を間違えば、彼になっていたのかもしれない。

本書の半数を費やす彼の独白は、まさに日本の失われた30年を描いている。世界情勢や経済環境は常に変動し、日本も若者も、全員がその日その時を必死で生きてきた。それなのにいつの間にか遅れをとり、取り残されてしまった令和の現在。なんかもう悔しいのか腹立たしいのか、本を片手にさめざめと泣いてしまいました。

また子育てに思い悩み、苦心する女性の痛みが伝わり過ぎて… 自分の判断を正しいと言ってほしい、頑張ったよと言ってほしい、慰めてほしい。ちゃんと愛情を持ち合わせ、生物としても間違っていない。そして、そうだと信じたい。実は私も子育てには向いていなかったという反省があり、妻には感謝がしきれないのです。

なお小説やミステリーとしての品質も高いです。文章は気品があって、緩急のつけ方やリズミカルなところが大好き。謎解きとしてもハッとさせられ、心臓が縮んでいくようでした。

辛いお話ですが今年を代表する社会派ミステリーだと思います。心臓が動いてさえいれば希望はある。

■ぜっさん推しポイント
高齢者が多くのこっているにも関わらず、人口が減少して経済も発展しない。自分自身で問題を解決できる人であれば生き残れるが、病気や性格、家庭環境でつまずいた人たちはどうなってしまうのか。問題を先送りにして当面は生活ができていても、いったん経済や健康状態に問題が発生すれば一気に生活困窮状態になる。

8050問題、あと数年もすれば80歳の親たちは平均寿命を迎えはじめる。

本作はフィクションですが、NPO報告書にはリアルな実態が書かれていました。我が国に住んでいる、ひとりひとりの衝撃的な事実がそこにありました…

読んでいると途方に暮れてしまうのですが、自分にできることは何だろうと考え込んでしまいました。まずは知ること。ひとりでも救うと決めること。そして行動することではないでしょうか。

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Posted by ブクログ 2024年04月25日

葉真中顕氏の力作、
不可思議な殺人事件をめぐる捜査の中で、様々な人間模様を見事に結びつけ、最後まで一気読みしてしまった。
団塊世代と団塊ジュニアの世代、8050問題などとよく言われる問題、我が家の事とついつい結びつけながら読んでしまった。

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Posted by ブクログ 2024年04月15日

 奥貫綾乃刑事…なんか、名前知ってる…!!「絶叫」と「Blue」にも出てきてたんだ!!なんの予備知識もなく、ただ好きな葉真中顕さんの新作だからと読み始めました。やっぱ、葉真中顕さんの社会派ミステリーはスゴイです。

 「明日は今日より豊かになる」で始まるプロローグ…。ホームレスの老女が殺された上に燃...続きを読むやされる事件が発生、犯人は近くに住み18年もの間、引きこもっていた草鹿秀郎で現場で逮捕された。草鹿秀郎は父も殺害したと自供する。この事件を捜査するのが、桜ケ丘署の巡査部長で奥貫綾乃、彼女は過去に子供を育てることができないと自ら家庭と縁を切った経験をしている。

 捜査が進む中、明らかになる老女の正体と、引きこもり問題と引き出し屋、8050問題、貧困ビジネス、虐待、労働環境の問題等々…いろんな問題が絡み合って、これぞ葉真中顕さんの作品っ!って感じになります。犯人の草鹿秀郎の生い立ちからこれまでの生き様を読んでいるうちに、あのときか…私は何してたかな??とつい思いを巡らせたりしました(これは関係ないけど)。親子がお互いを愛せないゆえの結末だったけれど、草鹿秀郎が生きることを選んだことが救いのように感じました。

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Posted by ブクログ 2024年04月08日

引きこもりの主人公と同年代の自分にとって、この物語には大きく揺さぶられた。
そういえば自分の子どもの頃ってこうだったよね、となんとも言えない懐かしさや息苦しさ。

時間を忘れて一気読み。

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Posted by ブクログ 2024年03月22日

面白かった。長年引きこもりの生活をしてきた男と自分の娘を愛しきれなかった刑事の心情が事件の流れにそって交互に語られていく設定が読みやすく引き込まれてしまい一気に読んでしまいました。

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Posted by ブクログ 2024年03月06日

葉真中顕さん初読みにして最高傑作に感じた作品でした。いまだかつてない心理描写ミステリーだと感じました。読み始めてなんともない展開がだんだんと心躍らせるストーリーになってきました。引きこもり、ホームレス、つながりなどあった驚く展開にびっくりです。刑事奥貫綾乃の経歴がいまだかつてないダークなイメージで出...続きを読むてくることが一風変わっていました。始まりのプロローグの言葉とラストの言葉がつながっていくことへの発見、そして最後の「一九七四年六月十三日のことだった」の意味を考えて読み終わりました。あなたもぜひぜひこの最高傑作を堪能して下さい。

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Posted by ブクログ 2024年05月12日

最高でした。わたしがなぜこの作者に惹かれるのかわかった気がした一冊になりました。

わたしは絶叫でなんと魂の叫びのような文章かと衝撃を受けました。
そして今回の鼓動。構成は同じかと思った。
導入は多方面の観点から話は進む。からのあの鼓動の後半の怒涛の展開!
全く別視点から最後に話が交差するのがまじで...続きを読む葉真中顕だった。やばかった。プロローグからのエピローグの回収でまじで鳥肌とまらん。
絶叫知ってるからこそ、ある程度の展開はわかっていたつもりだったのに無理でした。
時代背景もくどくなくわかやすく。わたしこの作者と同級生かと思うぐらいに丁寧な描写に感動。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年05月09日

草鹿秀郎はホームレスの女性と
自身の父親も殺害したと自供。

P181
〈守るものも、大事なものも、愛するものも〉
なにもない。
草鹿秀郎は“無敵の人”と呼ばれた。
本当にそうなのだろうか。

草鹿のエピソードは読んでいて辛かった。
彼が許されていいはずはない。
ただ、いろいろな不幸が重なった結果
...続きを読む草鹿のような者が生まれてしまったと考えるのは甘いのだろうか。

自分たちの未来も決して明るいとは言えない。
読み終えた後、ずしりと重いものが残った。

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Posted by ブクログ 2024年05月08日

やってもた!
女刑事奥貫選手シリーズの三作目らしいですわ
三作目から読んでもた!つかなんなら葉真中顕さん自体初読です
ちゃんとかなさんのレビューに書いてあったのにやってもた!

でも安心して下さい
三作目から読んでも全く問題なく楽しめましたよ!(光文社の手先マン現る)

はい、本作はいわゆる「805...続きを読む0問題」を取り上げた社会派ミステリーとなっております

いやサラッと書いてるけど、そもそも「8050問題」って何よって感じよね
お前が不勉強なだけでみんな知っとるわ!って感じ?
そうだとしても書いちゃう
恥を晒すだけだったとしても書いちゃう
書いちゃうっていうかコピペしちゃう

なぜならそれが生きるってことだからだよ!
恥を晒すってことが生きるってことだからだよ!

わいの『鼓動』を感じるがよろし!

8050問題(はちまるごーまるもんだい、はちぜろごーぜろもんだい、はちじゅうごじゅうもんだい)は、長年引きこもる子供とそれを支える親などの論点から2010年代以降の日本に発生している高年齢者の引きこもりに関する社会問題である。背景には在宅介護問題がある事が多い。高齢者と中年の引きこもりは親子依存もしくは扶養義務による事も多い。(ウィキペディアより引用)

ふ〜ん(リアクション薄いな)

いわゆる団塊の世代と団塊の世代ジュニアの年代よね
その団塊の世代ジュニアと就職氷河期がぶつかって引きこもりがどかんと増えたわけね
で、その引きこもりを経済的に支えてきた親世代が高齢化して収入が激減したり、亡くなってしまったりすることで
親の代わりに行政(つまり社会全体やね)が支えなきゃならなくなってきたんだけど
こっちだってそんなお金ねーわ!どうする?ってことなんよね

「自己責任」って切り捨てちゃっていいの?ってことよ
いやそれはマズイよねやっぱ
マズくねーわ!って意見の人もいるんだろうけど、わいは切り捨てたくないわーって思うのよね
だってそこに『鼓動』があるんだもん

でもなー

こっちだってそんな金ねーわ!状態でもあるんよなー

なんとかならんかなー

うーん、と、とりあえず諦めずに考え続けましょう!(結論が出せない悪い会議の見本のような終わり方)

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Posted by ブクログ 2024年05月06日

『絶叫』、『Blue』に登場する女刑事・奥貫綾乃のシリーズ(?)3作目。
公園でホームレスの女性が殺され、遺体が燃やされるという事件が発生する。現場にいた男が犯行を認めたため逮捕されるが、彼は自宅で父親も殺したことを自白する。
冒頭から殺伐とした空気が漂う。男の一人称(過去)と綾乃の三人称(現在)で...続きを読む交互に綴られる物語は、『Blue』同様に当時の社会情勢が巧みに盛り込まれたうえ、現在の問題にも焦点が当てられていて唸らされる。綾乃自身の抱える闇も深く、最後まで息を抜けない重苦しい読書だった。

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Posted by ブクログ 2024年05月06日

この著者の小説を初めて読む。「ロストケア」の映画は見たのだけど。
引きこもりの青年と、殺人事件を追う刑事の回想が交互に描かれて、真相が次第に明らかになる、という構成で描かれたミステリー。
何のために人は生きていくのか、という問題に真正面から取り組んだ作品で、好感が持てる。なかなか真正面から「正解」を...続きを読む見出そうとするのは、どの作家も、気恥ずかしくて避けてしまうことだし。また、文学ってものは、「正解」を嫌って、むしろ蔑む傾向があるし。

だから何だか、この小説からは、文学の取り澄ました崇高さを超えて、しんどい人たちへのエールを送ろうという意志が感じられるのだ。

いい小説だと思う。多くの人に読まれてほしい小説です。

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Posted by ブクログ 2024年04月25日

葉真中さんの作品なので大どんでん返しがあるのかなと思って読みましたが、本作は大きなそれではありませんでした。

社会派ミステリーに分類されるであろう本作は、引きこもりと8050問題を軸に描かれています。
相当に細かく取材や勉強をされたのでしょう、40~50代になるまで引きこもりを続けている人の心理描...続きを読む写はリアリティに富み、重く心にのしかかってくるものがありました。
本作には「自己責任」という過去の一時期に多用されたキーワードが登場し、引き込もっている本人が自身に向けて投げ掛けてもいますが、果たして全てが「自己責任」なのかと問われると答えに窮するのは確かです。
しかしながら、100%周囲の人間関係やその他の環境が原因かと言うとそうではなく、引きこもり問題の難しさを提示していると感じました。

さて、ミステリーとしては私自身がどんでん返しを期待して慎重に読み進めていたせいか、真相の半分は予測できていたためさしたる驚きはありませんでした。
ミステリーとしては普通ですが、引きこもりに係る描写と問題提起のクオリティの高さが際立つ一冊だと思います。

読むタイミングによって抱く感想が変わりそう。それくらい難しいテーマでした。


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Posted by ブクログ 2024年04月25日

働きたくても怖くて働けない。
死にたくても怖くて死ねない。
ただ時間ばかりが過ぎてゆき、
何も変われない自分のままで、
年齢だけが大人になっていく。
引きこもりは甘えじゃなくて、
社会に対する"怯え"だと思う。
父親の最期が不憫でならない。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年04月21日

ホームレスが燃やされる事件が起き、ある男が容疑者として逮捕される。男は引きこもりで、同居の父親も殺したと供述する。

◇◇◇
これは意外な結末だった。知らず知らずの内に「引きこもり」にレッテルを貼りつけていた。人を殺すような人間には思えなくて違和感があったのも、「引きこもり」ならやりかねない、社会へ...続きを読むの逆襲のつもりだったのだろうと思い込んでしまっていた。
草鹿は元々真面目な性格だったのだろう。社会で頑張ろうとしていたし、置かれた環境がここまで酷くなければ、引きこもりにならずに生きていたかもしれない。

終盤、草鹿の真相が分かるにつれ、彼の状況が憐れで仕方なくなる。親に殺されそうになることの絶望感は計り知れない。

ホームレス事件については、言葉もない。私は家族というものに少々幻想を抱いてる節があって、家族同士で忌み嫌うという話がどうにも理解できないというか理解したくない。
でも決して犯人を糾弾する気はない。家族から自分の存在を認められなくなったら、誰が自分のことを覚えていてくれるのだろう。

最後、奥貫刑事の草鹿の気持ちを分かろうとする姿勢に胸が熱くなった。

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Posted by ブクログ 2024年04月09日

ホームレスの老女が殺され燃やされた事件から物語は始まる。
殺された老女の身元を調べる所轄の刑事・奥貫綾乃目線と、ある団塊ジュニアの男目線の語りが交互に描かれる。

そして、物語は単純なミステリではなく、男の半生を通して、現代日本が抱える大人の引きこもり問題、いわゆる「8050問題」へと舵を切る。

...続きを読む「明日は今日よりも豊かになる」と信じていられた時代。高度経済成長からのバブル狂乱、そしてその崩壊。その後長きにわたる失われた30年。時代からこぼれ落ちた人々が一体どれほどいるのかと暗澹たる思いになる。

自己肯定感を得られず、他者からの承認を希求し、過剰な自意識に縛られて孤独のうちに自らの内に引きこもる者たち。自己責任と切り捨てられた彼らのうちには、自らを承認してくれない世の中を恨み、いわゆる「無敵の人」となって社会に復讐しようとするものもいる。

そんな彼らに容赦なく投げつけられる「甘えるな」「死ぬなら一人で死ね」という言葉。でも、運良くそちらに転ばなかっただけで、時代が時代なら自分も……と想像することはできる。

草鹿が18年の引きこもりの果てに気づいた自分で自分を承認することに必要な強さ。自分は弱いけれど、せめて生きてこの世に「いる」ことは赦そうとしていたその心の変化に涙が出る。

そして絶望を抱えているのは草鹿だけではないということ。一見強者のように見える綾乃ですら、人には言えない絶望を身の内に抱えているところにこの物語の深みがある。終盤、取調室で二人が対峙するシーンはグッとくる。

重くてやるせない社会派作品だったけど、草鹿の今に少しの光が見出せたことが救い。

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Posted by ブクログ 2024年03月26日

「ロング・アフタヌーン」以来、葉真中顕さん2年ぶりの新作長編は〝奥貫綾乃刑事シリーズ〟3作目にして著者らしい社会派ミステリ。何ともやりきれない「引きこもり」「育児放棄」がテーマの話で、本作でも団塊ジュニア世代の恨みつらみが世相とともに描かれる。「Blue」以降同様のパターンが続き、「ぼく」の独白パー...続きを読むトでの時代背景詳述に〝またか〟という思いや違和感があった。が、そこはやはり葉真中さん、必然性があったからこそで、終盤の盛り上げと全て納得のいく締め方はさすが。タイトルも刺さった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年05月12日

公園で住所不定の老婆が殺され燃やされる。犯人の男の引きこもりへと至る人生と殺人捜査の状況が交互に語られる。引きこもりを食い物にしたビジネスと子供の虐待にも遠因のある結果が哀しい。

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Posted by ブクログ 2024年04月24日

ひきこもりの中年男性が父親とホームレス女性殺害を自供。ひきこもりに至る経緯が詳しく綴られる。

現代的なテーマを重たく描く。ラスト近くの謎解きはあまり好みではなかった。

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Posted by ブクログ 2024年04月21日

テーマ自体は8050問題、引きこもり等アップデートしたものであるだけに、読んでいて辛い気持ちになる。
気分が落ち込むようなテーマであり、次は気持ちが晴れ晴れでとする明るい作品を読んでみたい。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年03月31日

引っ張ったわりにインパクトは弱かった。
たんなる引きこもりのエゴとしか言えないかな。
もっと悲惨な人たくさんいるし。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年03月27日

登場人物みんな嫌いです。作品ではなく、登場人物がですね。
この本では、引きこもりや、毒親を題材にしてます。
婦警さんの私も辛くて死にたくなる時があるという言葉は、読んでいてかなり胸糞悪くなりました。子供は親に頼るしかないのに、その親から愛情を受けられないのがどんなに辛いか。その子自身自立するほど強い...続きを読む子であればいいですが、犯罪者になってしまうケースもかなりあると思います。
ただ、母親の苦労や他人の苦労なんてその人にしか分からないですし当事者でもない人が、あまり強くいうのも良くないかなと思ってます。

そして、引きこもりの人。様々な経緯で、引きこもりになった理由があると思いますが、少なくともこの作品に出てくる引きこもりの人は両親がいて、大学に行けるだけのお金もあって40までほとんどニートだったなんてその時点で嫌悪感がありましたが、母親が癌で死んでしまう時のその場その場でいいツラをしてめんどくさくなったらまた引きこもりに戻るその根性に腹が立ちますね。
地震が起きた時に、自分が掴めなかった幸せな人たちが不幸になった。俺は無事だ、世界はこんなにも僕にとって生きづらい世界に粛清を与えたんだ!作中でここまで書いてないですが、このように感じてしまい、そんなんだからそうなるんだよとしか言いようがありませんでした。
本の感想というより、自分の感情剥き出しになってしまい申し訳ないです。
殺人事件自体は、キャラクターにイライラしていて、読んでる途中から興味なくなってしまいました。
ただ、高評価なのは自分の感情をここまで引き出された事。
感動する、爆笑するなどいい感情で評価高い時もあります。
ただ、逆のイライラする、憎いなどの悪い感情も引き出される作品は、それはそれで人の感情を動かしたということでやるなぁと自分は思うからです。

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