葉真中顕のレビュー一覧

  • もの語る一手

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    『テーマ小説の旨味が凝縮された至極の一冊』

    将棋にまつわる8話のアンソロジー。総じて良かった。特に将棋の細かいルールがわからなくとも読めるのが良い。全体的に夢を諦めない姿勢と将来の不安に対する心の葛藤を描いた作品が多く、勝負師たちの手に汗握る緊迫感が伝わってくる。奨励会の描写は「ヒカルの碁」を思い出した。

    ●授かり物 青山美智子
     親子の優しい物語、ブラマンが出てくるのは青山ファンに嬉しい
    ●マルチンゲールの罠 葉真中顕
     賭け将棋師の物語、真剣勝負に手に汗握る
    ●誰も読めない 白井智之
     本格ミステリー、アリバイ崩しのトリックと将棋の先読みを掛けた白井先生らしい作品
    ●なれなかった人 橋

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    2025年05月09日
  • ロスト・ケア

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    第16回日本ミステリー文学大賞新人賞

    高齢化社会の闇がテーマの社会派ミステリー。
    他人事ではない重たさがあるからこそ話に没入してしまう。
    初読みの作家さんでしたが、読者をミスリードしたり、気になる言葉の言い回しで引きつけるのがうまくとても面白かった。

    今年の年始にあった有料老人ホームでの不正請求のニュースにはただ憤りを感じていたけど、この小説を読んでそうせざるを得ない社会のしくみにこそ問題があるのだと思い知った。

    介護の大変さはその介護度、家庭環境、経済状況によりピンキリで、私は身近にまぁまぁ大変な状況があるのでこの小説に出てくる介護家庭の悲惨さは想像だけはできる。
    だから正直気わかって

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    2025年04月24日
  • 灼熱(新潮文庫)

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    葉真中顕『灼熱』新潮文庫。

    最近では珍しく、先月の新潮文庫から読みたい本が4作も刊行された。うち3作はかなりのボリュームがあり、本作はその中でも一番のボリュームだ。

    本作は、戦前から戦後までのブラジルを舞台にした800ページに及ぶ読み応えのある渡辺淳一文学賞受賞作の長編小説である。

    幕間に描かれる呪術師の老婆の独白は物語とどう関わってくるのか。そして、老婆の正体とは。

    最近は自然災害が起きる度にSNSで噂やデマが飛び交い、さらには誹謗中傷の嵐が巻き起こる。本作に描かれる日本の戦争も勝利を信じる勝ち組が様々な噂やデマを飛ばし、やがて悲劇を生み出すのと何ら変わりはない。

    その裏で勝ち組を

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    2025年03月10日
  • W県警の悲劇

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    どんでん返しが効きまくったミステリーであり、警察内部の組織もうまく絡んだとても読みやすく面白い一冊だった。事件はそれぞれなのだが、警察内部の関係性がまとまってくるのもお見事だった。

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    2025年02月23日
  • Blue(ブルー)

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    葉真中作品初見でした。

    子どもは親を選べない。ちょっと最近離婚して妻子と離れた自分にはタイムリーに心を刺されるテーマ。

    子どもを愛せずに手を出してしまう親、子どもを愛したり手を出したり子どもを振り回す親。子どもは翻弄されるまま。そんなテーマの中に、これまた自分にタイムリーな平成時事ネタか散りばめられ、興味深く読みました。無戸籍の子どもって、結構いるんですね。自分の小さい頃よりはみすぼらしい子どもは見ませんが…

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    2025年02月22日
  • 警官の標 警察小説アンソロジー

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    月村了衛、深町秋生、鳴神響一、吉村英梨、葉真中顕、伊兼源太郎、松嶋智左『警官の標 警察小説アンソロジー』朝日文庫。

    7人の作家による7編全てが書籍初収録となる贅沢な警察小説アンソロジー。

    自分は、7人の作家全て最低1作は読んでいる。月村了衛と深町秋生、葉真中顕は文庫化作品は全て読破している。吉村英梨と松嶋智左も文庫化作品はほぼ読んでいるが、最近は取捨選択しながらという感じだ。鳴神響一と伊兼源太郎は文庫化作品を1作読んで肌に合わないと感じてからは読んでいない。

    月村了衛の『ありふれた災厄』と深町秋生の『破談屋』が取り分け面白かった。


    月村了衛『ありふれた災厄』。★★★★★

    本短編の冒

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    2025年02月16日
  • 作家 超サバイバル術!

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    うわーーーこれ面白かった。
    一気に読んでしまったよ…目がしぱしぱする。
    創作への情熱を思い出すような内容で、結構えげつないことも書かれてたけど、不思議と背中を押された感覚があった、ものすごく。
    私はインプットもアウトプットも両方不足してるから、とにかく描きたいし、何か見たい、読みたいって思った。
    読んで良かった…近年のやる気不足を吹き飛ばしてくれる内容だった。
    こんななけなしのやる気、出してもしょうがないし、才能もないから…って思うけど、それをバネに「悔しい…見返してやるーーー!!」っていう気持ちを教えてもらった。
    それはほんとに大事な気持ち。
    悪いものもプラスに変換していきたい!
    この本なか

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    2025年02月05日
  • 警官の道

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    どれも実力派の作家で、ハズレはありませんでした。中でも初読みの長浦氏は迫力を感じました。近い内に他の作品を読んでみようと思います。

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    2025年01月27日
  • W県警の悲劇

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     架空のW県警で働く女性警察官たちが主人公の連作短編集。タイトルからもっと小粒な作品と思っていた上、短編集なのでそこまでのクオリティを期待していなかったが、どの話もしっかりしたどんでん返しが用意されており、意外にも楽しめた。生真面目刑事の娘の思考は理解不能だったが、各話を通して旧態依然とした男社会の警察組織に蔓延る悪が少しずつ成敗されていく様子が痛快。とは言え、最終的にもやもやする話がほとんど。こんな県には住みたくないが、では実際のわが居住地の警察はどうだろうか。

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    2025年01月02日
  • Blue(ブルー)

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     各所に挟まれる平成史と共に少年ブルーの影を追う。どんなに酷い虐待やネグレクトを受けても、お母さんに愛されたくて、笑ってほしくて健気に耐える子どもの描写を見ていられない。外国人技能実習生の過酷な労働環境や貧困・虐待の連鎖など辛く目を背けたくなるテーマが盛りだくさん。自らの行いを悔い、自分以上に壮絶な虐待を受けていた子どもを助けようとした点は同情の余地があるかもしれないが、贖罪の方向が間違っているところが哀れ。無戸籍児問題は今だに相当数存在するのかと驚いた。

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    2024年07月14日
  • ロスト・ケア

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    評判通り高評価に値する作品でした。自分の母も現在認知症、幸い、介護施設に預ける事が出来てます。しかし、施設に預けるまでは身内との議論、葛藤の日々でした。自宅介護すべきの意見も出ました。父は既に他界しており、実家1人暮らしの母をどう面倒を見ていくべきか、現実的に可能なのかどうか。日に日に症状が進行していく中で最終的には、お金の問題はあるにせよ、施設に頼る形を取りました。特養に関しては入居待ちの数があまりにも多く半年とか待たないと入れません。地域にもよると思いますが。非常に問題だと感じています。
    要するに、小説としてのフィクションのみの作品ということではなく、現実的背景が本作ではベースになっている

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    2025年06月11日
  • Blue(ブルー)

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    「人は憎しみながらも同時に愛することができる動物」という一文が良かった。今日聞いた歌の中にも、「愛憎混じった四小節」というフレーズが出てきて運命的なものを感じた

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    2024年05月16日
  • そして、海の泡になる

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    よき。面白かった。

    バブル期を生きた『ハルさん』
    『ハルさん』はどうやって巨額の富を得たのか
    『ハルさん』が願った人が死ぬのは「ウミウシ様」のおかげなのか

    と、いうのを当時の関係者へのインタビュー形式で明らかにしていく作品。
    文体のテンポもよく、オチもすっきりとても満足。
    あと、珍しく解説も面白かった。
    おすすめ

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    2024年05月11日
  • そして、海の泡になる

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    戦前、戦後、バブルから崩壊と、一人の女性の壮大な人生物語でした。
    現実にありそうな話だと思って読んでいたら、巻末の解説でモデルになった人が居たとのこと。幸せは人それぞれ、人の数だけあるんでしょうね。

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    2024年05月02日
  • 警官の道

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    上級国民:葉真中顕/許されざる者:中山七里/
    Vに捧げる行進:呉勝浩/クローゼット:深町秋生/
    見えない刃:下村敦史/シスター・レイ:長浦京/
    聖(あきら):柚月裕子

    作家もいろいろ 物語もいろいろ
    読んだことのない作家さん出会うのも おもしろい

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    2024年04月05日
  • そして、海の泡になる

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    バブルの時代、最高額の負債を抱えて自己破産した朝比奈ハル。そんな負債額になるまで貸し付けた銀行があったのかと思う。

    なぜ?彼女の思いは?周りの人や銀行は?
    これも人の生き方の一つなのかもしれない。私にはムリだと思うけど…

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    2024年03月31日
  • 警官の道

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    警官も人。
    悩みもあれば間違いもする。
    そんな中でも信念をもって行動し生きている人はかっこいい。
    どの作家さんの作品も響きました。

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    2024年02月29日
  • 警官の道

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    ネタバレ

    「警官」という職業に焦点を合わせているのが面白い。するっと読むつもりだったのに、好きな作家が多すぎて没入。急いで読むことができなくて、思いのほか時間を要しました。

    まずひとつめの葉真中さんで掴みバッチリ。以降、コロナに寄せた話もちらほらあり、あまりに寄せすぎるのは私は苦手なのですが、世間がパニックになっている間に作家たちはなんとかこれに絡めた話を書けないものかと考えていたのだなぁと思ったりも。

    警官だって普通の人間。LGBTをカミングアウトする時期に悩む姿なども描かれ、その生き様が興味深い。

    柚月姐さん、好きです♪

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    2024年02月20日
  • 警官の道

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    警察小説の短編集
    葉真中顕、中山七里、呉勝浩、深町秋生、下村敦史、長浦京、柚月裕子
    今読まれているこの作家達の警察小説アンソロジーという事で、期待しまくって読み進めましたが・・・
    作品によって大きく好き嫌いがある感じですかね?中山七里と柚月裕子はさすがの面白さでしたが、長浦京は警察小説ですらなく、「リボルバー・リリーの現代版」の様相だし・・・
    他の方にも是非読んでいただき、感想を聞きたいです。

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    2024年02月01日
  • 凍てつく太陽

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    戦時下のこと、アイヌのこと、難しい内容のはずがするすると入ってくる。
    惹き込まれる作品。

    夢中になりすぎて夜中まで読んで、その日の夜は自分が監禁されて脱獄して捕まる夢を見て目が覚め眠れなくなるという…これほど作品に惹きこまれた作品。

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    2024年01月22日