葉真中顕のレビュー一覧
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平成15年に起こった『青梅一家惨殺事件』。
最有力容疑者・次女・篠原夏希は薬物の過剰摂取により事件後に浴室で死亡。
共犯者の存在が疑われたものの、事件は被疑者死亡で解決…
平成31年に起こった『多摩ニュータウン男女殺害事件』。
2つの事件にはつながりが…
死亡した夏希には『ブルー』と呼ばれる無戸籍の息子が。
『ブルー』の足取りを追うことで、無戸籍児童、児童虐待、格差社会、貧困家庭、外国人労働者… 社会問題が明らかになってくる…
平成の始まりに生まれ、平成の終わりに生命を落とした『ブルー』。彼の人生は壮絶だった。
親の都合で無戸籍に…
親の愛情に飢え、夏希に愛されたいと思うばかりに、言いなりに…
まだ幼かった従兄弟・優斗を殺害してしまったことに…
結局、格差社会から貧困家庭、無戸籍児童、児童虐待…繋がっていく。
連鎖から抜け出せなくなる…
養子縁組ができた翼や渚はまだいいほうで。
ひとつ、ボタンをかけ間違えると、負の連鎖が起こる。
本当に親の責任は大きい。
安倍政権が産み出した格差社会。
格差社会が産み出した問題の真相がこんなにも根深いとは…
家族でホームレスなんて…
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「将棋」をテーマにしたアンソロジー。
大好きな伊奈めぐみさんの装画が可愛すぎるし。
大好きな青山美智子さんから始まるのだけど、初っ端から泣きそうになった。
「授かり物」
天才棋士と偶然同じ生年月日の息子が、唐突に漫画家になると言い出すお話。
普通の人生って何なんだろう。
分からないのに、「才能」みたいなものを必要とされる職業に就くことに、不安を感じる。
将棋は、「王」を取るゲームではなく、「玉」を取るゲームだったかもしれない、という解釈も、ストーリーに合っていて良い。
他にも、ちょっと怖い話や、奨励会員をめぐるキリキリする話など、豊かで面白かった。
将棋に関する小説が増えてきたような気がする。 -
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ネタバレ将棋がテーマのアンソロジー。
お気に入りは青山さん「授かり物」
有名な棋士と、同じ年で同じ誕生日の息子を持つ松原芳枝。シングルマザーとして息子を育てていたが、20歳になった歳に漫画家のアシスタントになると言い出し…
ひょんなことから出会った将棋を指す老人と出会い、将棋の奥深さにハマっていく芳枝。これまでの人生と将棋を掛けた描写にじんわりきました。
綾崎さんの「女の戰い」
あくまで棋士を目指す朱莉。女流棋士とは違い狭き門で、保険で東大へ入学できるのも凄いです。
ライバルだけど、友達以上恋人未満な関係の京介が心地よく、認めてくれる人がいるだけで強くなれる関係がまた更に朱莉を上へ連れてってくれる気がしました。 -
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葉真中顕さん著「Blue」
「絶叫」に続く奥貫綾乃シリーズの第2弾。
前作「絶叫」が素晴らしかったので今作品も期待していた。その次の作品「鼓動」も既に購入済みで暫くはこのシリーズに没頭していきたい。
平成の初日に生まれ平成最後の日に死んだブルー。彼の辛く短い人生が平成という時代の史実と共に描かれていく。
今回のテーマは「愛」。ネグレクト、虐待、無戸籍、殺人教唆や殺人等を背景に作者特有の多視点から多角的に描かれている。
正直、これ程まで「愛」に見放されてしまえば「生」の存在価値すら見いだせないのではないか?と思えてくる。彼がこの世に産声をあげた時点から全てが彼の人生にのしかかってくる宿命だったのかもと思えてくる。辛かった。
今回凄いと思ったのが平行して描かれていく奥貫綾乃のパート。彼女もまた幼少期に両親に虐待された過去を持っていた。
今回のブルーの一件と平行しながら彼女自身の物語の方も読み応えがあった。
ブルーは結果として殺人という罪を重ねたが、彼女はそれを回避している。
比較対象している様に描かれる両者の人生と節目の選択が奥深い結末をもたらしている。素晴らしかった。
第3弾、「鼓動」。
このまま読み進めていきたい。 -
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W県警という、架空の田舎県の県警の裏側(あくまでノンフィクション)を
描き、女性検察官の女性による職場改革をも描いた連作短編小説。
事件の隠蔽や、取り調べの問題点など、県警の事件解決への在り方を
あまり硬くなりすぎないタッチで描かれていて、すごく読みやすい。
著者のロスト・ケアほどではないが、衝撃的な展開もあり、
社会派としての一面もあり、どこまでが事実にもあり得るのかと考えてしまう。
ネット社会のパスワード問題やYoutuberが出てくるところなど、
現代を反映させている点も本当にこんなことがあるのかと思ったり思わなかったり
な作品になっていた。