葉真中顕のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ読み応えはあるのに、なぜかとてもモヤモヤします。
新興宗教団体によるテロ事件に何らかの形で関わりのある登場人物の昔と今、ふたつの時代。モヤモヤの原因はおそらく最終章。事件を起こした教祖の母親がわが子を出産したことを悔やみつつ、自分がこの子を産まなかった場合、わが子の上を行く外道が出てきてさらなる大惨事が起きたであろうパラレルワールドを想像します。自分の息子が起こしたテロのほうがまだマシだったと考えることにモヤモヤ。
フィクションであっても、被害者や加害者の遺族のいつまでも癒えない思いや、その思いを抱えたまま暮らす様子には触れることができた気はします。事件を起こした犯人の思いはわからないから、とてつもなく不気味。
新興宗教のみならず、満州、行路病院(=生活保護を受ける患者を「転がす」病院)、東日本大震災のことまで盛り込まれてややこしく、誰が誰やらわかりにくい点と、性的に嫌な話が多いのと、それに目をつむったとしても陰惨すぎるのでめげます。それでも読み応えはあったから、他作品も読んでみたい作家。 -
Posted by ブクログ
葉真中顕、これまでの作品すごく好き。いつも社会問題を扱って、倫理とは問うてくる感じが好き。さらに、だいたい物語の後半でどんでん返しがあって「あああ、あなただったの〜」って展開が快感だったんだけど、この作品ではどんでん返しはなかったというか、弱かったというか。私が期待しすぎたのか。
この作品は今までの作品より詰まっている要素が多いかなと思う。登場人物も多く、視点もコロコロ変わる。いろんな関係のない人が、いろんなところで関係していて、自分より大きなものに影響される人生に、「もしこうだったら」と空想することがある種の救いであり、とらわれる対象でもある。
おもしろくて買って3時間で読んでしまったが、これまでの作品の方が好きだったかな。