葉真中顕のレビュー一覧

  • 政治的に正しい警察小説

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    ネタバレ

    相葉英雄「震える牛」を読み終え、社会派の警察物の面白さを体感し、その熱のまま手にしたのが本書。

    いやぁ、騙されました。

    表題からして警察物だと、しかも著者は葉真中先生とくれば私のイメージはまさに社会派。

    本書は6作からなる短編集、しかも表題作が私にはあわない(TT)

    確かに社会派とミステリー作品の融合でした。

    「秘密の海」「神を殺した男」「推定冤罪」「リビング・ウィル」まではそれなりに楽しめました。

    特に「リビング・ウィル」は感銘を受けた「ロスト・ケア」にも通じるものもあり、これぞ葉真中作品と思いきや...

    1話ごとの設定は面白いのですが、なかなか評価もわかれる作品かと思います。

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    2022年11月05日
  • 夜更けのおつまみ

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    ネタバレ

    アンソロジー どれも読みやすいし、初めての方に出会えるので、こういうのは好き。 三浦しをんさんはやはり酒が好き。 料理のイメージが全くないからか、簡単なレシピでもすごくめずらしく感じる。 お酒好きには嬉しい一冊。こんな時だから、家で飲むことの楽しさをもっと知りたいと思う。

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    2022年10月10日
  • 夜更けのおつまみ

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    ビール好きへというポップをみて購入しました。
    さくっとよめて、お腹が空く作品でした。
    お酒、いいですね。

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    2022年10月09日
  • 夜更けのおつまみ

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    ちょっと一杯の人も
    ちびちび、ずーっと飲む人も。
    31名の物書きさんたちが
    それぞれの愛する肴一品を紹介。

    この「ちょっとずつ」感がいい。
    一応、簡単なレシピがついているから
    自分で作ってみるのもアリ。
    酒は妄想で味わうだけですが
    肴って飲まない人間の舌にも合うのよね〜。

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    2022年06月10日
  • コクーン

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    こことここが繋がってるんだ、あーだからか、、的な繋がりは多数だけれど、どんでん返し的な驚きはない。

    読んでて辛くなる描写が多かった。救われない。
    カルト的宗教団体、格差社会、生活保護の搾取、集団自殺、、等々、実際の社会問題や震災など、リアルなものが盛り込まれている。

    読み終わってモヤモヤっとする。

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    2022年04月30日
  • コクーン

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    個人の選択の違いで少しずつ分岐し存在するかもしれないパラレルワールドでも、歴史の大きな流れは変わらないとしたら。。
    主人公の、カルト宗教団体の教祖としてテロを起こした息子が、生まれてない世界の方がより大きなテロ事件も原発事故も起こってたら、わたしと息子の存在にも意味があったのだ…という着地は主人公の救いにしかならないけれど、主人公にとっては唯一の救いだろうな。
    丸の内で銃乱射事件を起こす《シンラ智慧の会》も東日本大震災も、ハルピンの描写も生々しい。群像劇で連作短編集なので前の話に出てきていた人物がこの人だったんだ…というつながりが恐ろしいです。“沼”はこれから天堂光翅みたいになるんだろうか?

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    2022年03月09日
  • 凍てつく太陽

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    このミス2019年版9位。終戦間近の室蘭を舞台にした社会派ミステリー。兵器開発をめぐる汚職事件や悲惨な戦地体験による厭世的犯罪、終戦という価値観/正義の大転換のなかで翻弄されていく人達の生き様を描く大作。戦争描写、拷問や脱獄など重苦しい場面が多く、民族、国家、など大きなテーマについても語っており骨太の小説。どんでん返しもあってミステリーとしてもきちんと描かれているが、なかなか読み進めるのに時間がかかった。登場人物がそれぞれ多様性を持って描かれており感情移入も難しい面もあった。ある程度時間をとってしっかりと読む必要がある本。

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    2021年09月20日
  • 夜更けのおつまみ

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    お酒大好きですが、つまみはなくても良い人間です。食事と共に飲酒して、食事が終わればアルコールだけでOK。夜更けにつまみを食べて飲酒したら体重増えるやんと思うから。

    でもこうしてこの本を読むと、作ってみたくなるつまみがいくつか。レシピが掲載されているものもあれば、掲載するまでもないものもあり、好き勝手な体裁が楽しい。読んだことのない作家もたくさんいて、興味を惹かれます。

    「食欲と性欲が欠けている小説」を書くと言われた綾崎さん。前者についての言い訳はわかりましたが、後者についてはどうなのかが気になります(笑)。

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    2021年06月15日
  • コクーン

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    結果として
    一気に読む手が止められず
    引き込まれる作品だった。

    読み進める程にしんどくなり、
    どんどん気持ちが落ちて行く。

    実在した事件や災害を背景に
    新興宗教にのめり込み、犯罪に手を汚す者たち、
    信仰の教えに陶酔する事で救われる者、
    裏切られる者に関わる家族。

    無信仰の者には到底理解できない。
    信じる者も信じない者も救われない結末。

    勿論フィクションだけど、
    実際にあった事件の背景を生々しく
    解明するようなリアルさに
    まんまとやられた。


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    2021年04月02日
  • 政治的に正しい警察小説

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    ポリティカル・コレクトネスをコンセプトにした警察小説の依頼を受けた作家のハマナコが、超大作を書き上げ…。表題作はじめ全6編を収録したブラックユーモア・ミステリー集。

    長編作家と勝手に思っていた葉真中顕だけれど、ブラックユーモアにあふれた短編も書けるのかと驚いた。最後に収録の表題作はかつての往年の筒井康隆のような狂気にあふれる作品だった。
    (Ⅽ)

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    2021年03月28日
  • 凍てつく太陽

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    特高警察官として、戦時中の不用意な言動を取り締まる主人公は、身に覚えのない罪に問われ投獄される。
    他民族としての差別、圧倒的不利な戦況を批判する事も許されず、身の潔白を主張する事も許されない、この物語は理不尽さに溢れている。
    後半からのテーマは、主人公が如何に自分の使命を果たすか、でありそれは何の為に生きるか
    という問いでもあると感じた。

    重厚な長編小説であり、途中で読む側が息切れしてしまった感があり、星三つ。

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    2020年12月22日
  • コクーン

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    1995年3月20日、丸の内で起こった無差別乱射事件。カルト教団『シンラ智慧の会』による凶行の首謀者は、忌まわしき過去を背負う教祖・天堂光翅だった…。平成を揺るがすテロ事件が生み落とした絶望とかすかな希望を、幻想的かつスリリングに物語る衝撃作。
    美しい蝶も、一匹ならのどかな平和を感じる。数えきれない大量の蝶が翔んでいると幻想的だが恐怖も感じる。美しさに潜む悪の影ほど、掴みきれない想いがある。

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    2020年11月15日
  • コクーン

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    カルト教団による無差別乱射事件が起こった。
    ある二人の女性の人生を主軸に、テロに関連した様々な人々が「蝶夢」の形で視点を切り替えながら進む。
    何故悲劇が起こったのか?を少しずつ掘り進めながら探っていく群像劇。

    悲劇的な人生を送っている人物ばかりで全体的に鬱々とした空気が漂っているが、読み終わった時は個々の人物ではなく、一つの大きな流れの歴史を鑑賞した気分になった。群像劇だがギリギリのところでまとめが成り立っている。異色の作品だと思う。
    実在の事件をモチーフにした社会小説。

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    2020年10月26日
  • 凍てつく太陽

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    終戦間際の北海道を舞台に特高警察、民族問題に軍需産業、大脱獄劇にサバイバルなど、様々な要素がテンコ盛りのエンタメ大作。舞台設定のスケールが壮大な上に情報量も膨大なので、大味でリアリティに欠けるプロットではあるが、伏線をきっちり回収し、収まるべき所に収まる作品構成は秀逸で、希望の灯が宿るエピローグも実に感動的。圧倒的不利な戦況下で思考を停止し、国民に対し虚偽の戦況を伝達していた皇国日本を隠蔽体質の現政権に擬え、現代日本に警鐘を鳴らしている様にも感じられた。終戦記念日前、このタイミングでの文庫化に意義がある。

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    2020年08月15日
  • 政治的に正しい警察小説

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    『W県警の悲劇』は連作だったが、本書は収録された6編が完全に独立した短編集だ。タイトルから『W県警』のような作品を想像していたので意表を突かれた。収録作品はブラック・ユーモアだったり、スプラッターだったり、バラエティに富んでいてどれもおもしろかったが、中でも「リビング・ウィル」は興味深かった。ぼくが読んだ浜名湖安芸……じゃなかった、葉真中顕名義の単著としてはこれが最後となる。早く新作が読みたい!

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    2020年06月04日
  • 夜更けのおつまみ

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    ポプラ社のPR誌「Astra」掲載の‘おつまみ’をテーマにしたアンソロジー。大作家の随筆をワンテーマであちこちから抜いて集めたシリーズもバラバラぶりがよいけど、お題のために書かれた、わりと若めの作家さんのエッセイはブレてなくて、おいしそうでいいなあ。おつまみ作って飲みたくなるなあ。夜中にw

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    2020年05月25日
  • コクーン

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    ある新興宗教団体が銀座で銃乱射事件を起こす。乱射事件で息子が犠牲になった母親、教祖の幼なじみ、事件の加害者など、その集団や教祖に関わりのある人たちが事件とは関係ない部分を語ることで事件の根本をあぶり出す。

    オウム事件を元にしているのは明らか。でも事件に焦点当てているわけではなく、それに直接的、間接的に関わる人たちのエピソードで事件を形作っている。
    最後の章の真意はなんとも言えないが、起こったことは全て必然だったと言っているのか?
    あらすじも感想もなんだかすごく書きづらい。

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    2020年05月04日
  • コクーン

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    これまで読んできた葉真中作品とはかなり異なる癖玉だ。とある新興宗教が起こしたテロ、その被害者と加害者、教祖とその母親などが、黄金の翅をもつ蝶によって繋がれていく。キーワードは“バタフライ・エフェクト”。一見、無関係に見える人や出来事が絡み合い作られる世界はパラレル・ワールドだ。かなり実験的な作品で、賛否両論あるかもしれないが、ぼくには楽しめた。

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    2020年04月21日
  • ブラック・ドッグ

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    遺伝子操作で作られた巨大な犬が、人間と動物の間に種の差別をするなという主張のテロ組織に封鎖されたスタジアム内で人を殺しまくる。
    主人公?とか主要メンバーが、どんどん、あっさり死んでいく、こいつは最後まで生き残るだろうっていうのがすべて裏切られるなかなかないパターン。そして最後はテロ組織のリーダーがまんまと脱出する。悪者が勝ち逃げするのがムカつくので後味悪い。犯人に正義があって逃げ延びるストーリーはいいが、この小説では主義はあっても結局テロの主犯でしかない。関係ない者を無差別に殺すのやつは最後に鉄槌をくらわなければスカッとしない。

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    2020年04月15日
  • 政治的に正しい警察小説

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    児童虐待、将棋、冤罪、尊厳死、お袋の味、言葉狩りと、多彩なテーマの六編を収録するブラックユーモア・ミステリー集。
    ほどよい加減の毒がクセになりそうな短編集。特に表題作は破綻寸前のヤバい作品だが、筒井康隆の名作『残像に口紅を』を彷彿させる問題作。

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    2020年04月13日