葉真中顕のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
新人作家さんが、その後売れっ子作家となるのにはどうしたらいいのか?中山七里さん、知念実希人さん、葉真中顕さんが、自らの経験を踏まえて指南してくれるエッセイ集です。
この3人の作家さんは何冊か読んでいるので、スゴく興味深く楽しく読み切ることができました。佐藤青南さんの4コマ漫画やイラストもよかったですね!作家さんの苦労がよくよくわかります。
私は作家を目指しているわけではもちろんないのですが、それでも、この3人の作家さんが新たにブレイクする作家さんに期待する熱気のようなものを感じます。新人作家さんがこの作品を読んで、いい作品を世に送り出す…そんな作品を沢山読めたらいいなって思います。もちろん、今回レクチャーしてくれた中山七里さん、知念実希人さん、葉真中顕さんの作品もこれからも沢山読みたいなって思ってます。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「オウム真理教」を彷彿させる「シンラ智慧の会」が引き起こした無差別銃乱射事件、その教祖である天堂光翅を中心に、彼の関係者達の繋がりを描いた作品。
そこに共通し登場するのが金色に光る翅を持つ✨蝶✨
人生の分岐点とも言うべき分かれ道に差し掛かった時にどこからともなく現れ、「こっちだよ」と言わんばかりに導いていく。
もちろん、違った選択をしていればどんな未来が待ち受けていたのかは誰にもわからない。
どこか幻想的な雰囲気を醸し出していたが、時間を跨ぎ、登場人物の視点がコロコロと代わる為、私には読み辛い作品でした。
内容(「BOOK」データベースより)
一九九五年三月二十日、丸の内で起こった無差別乱射事件。カルト教団『シンラ智慧の会』による凶行の首謀者は、忌まわしき過去を背負う教祖、天堂光翅であった。彼や教団に関わった者たちの前に現れる一匹の煌めく蝶。金色の翅が導くのは地獄か、それとも…。平成を揺るがすテロ事件が生み落とした絶望とかすかな希望を、幻想的かつスリリングに物語る衝撃作!
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
葉真中/顕
1976年東京都生まれ。2013年、『ロスト・ケア』で第16回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞し、デビュー。第2作『絶叫』は第36回吉川英治文学新人賞、第68回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)の候補となり、大きな話題を呼ぶ。’19年、『凍てつく太陽』で第21回大藪春彦賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) -
Posted by ブクログ
ペットの販売イベントに集まった動物愛護団体によっての隆平と栞、会場で歌を歌うはずだった中学生の結愛、拓人たちは、世界的な過激動物愛護団体の<DOG>によって会場に閉じ込められ、獣に襲われる。
次々と襲われ、食い殺される人間たち。彼らは極限の状況の中、生き残ることが出来るのか……。
ペット産業の闇を描いたパニック小説。
主要と思われる登場人物たちが容赦なく血みどろでガンガン死んでいくので、救いはないんですか……と絶望的な気分に浸れます。
私なんかもともと世の中の大半の動物が苦手なのもあり、読んだ後黒い獣に襲われる夢見て魘されました。単純すぎる。
獣に襲われるのも怖いですが、一番物語に影を落としているのはやっぱり人間の恐ろしさ・醜さです。自分が生き残るために他者を容赦なく犠牲にし、利益のために好き勝手に動物を交配し、「普通」からはみ出たものを排除する。
何となく、七つの大罪(新しい七つの大罪や七つの社会的罪を含む)をコンプリートしたような小説だなと感じました。
そんな中、数名の登場人物たちが見せる良心が、微かに闇を照らしている感じです。
人と動物の関係について考えさせられましたし、読むのにとても体力のいる小説でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ相葉英雄「震える牛」を読み終え、社会派の警察物の面白さを体感し、その熱のまま手にしたのが本書。
いやぁ、騙されました。
表題からして警察物だと、しかも著者は葉真中先生とくれば私のイメージはまさに社会派。
本書は6作からなる短編集、しかも表題作が私にはあわない(TT)
確かに社会派とミステリー作品の融合でした。
「秘密の海」「神を殺した男」「推定冤罪」「リビング・ウィル」まではそれなりに楽しめました。
特に「リビング・ウィル」は感銘を受けた「ロスト・ケア」にも通じるものもあり、これぞ葉真中作品と思いきや...
1話ごとの設定は面白いのですが、なかなか評価もわかれる作品かと思います。
説明
内容紹介
社会派ミステリー作家が放つ問題作
“ポリティカル・コレクトネス”をコンセプトにした警察小説の依頼を受けた、新人作家・ハマナコがたどり着く境地とは……!? 表題作「政治的に正しい警察小説」ほか、偶然通りかかったカレーショップで、生き別れた母の思い出の味に再会した大学生の僕とその“隠し味”をめぐる「カレーの女神様」、25歳の若さで亡くなった“史上最強の棋士”紅藤清司郎の没後20年にあたり、彼の軌跡を取材したライターがたどりつく真相を描く「神を殺した男」など。驚愕と感嘆にあふれた全6編を収録。『ロスト・ケア』『絶叫』など社会派ミステリーの新鋭が放つ、ブラックユーモアミステリー集が文庫オリジナルで登場。
【編集担当からのおすすめ情報】
著者の企みに満ちた、スリリングな展開のミステリー6編を収録しています。驚きの逆転劇をお楽しみください。
内容(「BOOK」データベースより)
飛ぶ鳥を落とす勢いの新鋭作家・浜名湖安芸は、「ポリティカル・コレクトネス」をコンセプトにした警察小説という“意識高い”依頼を受けた。パワフルでエキセントリックな編集者を相手に、ハマナコは超大作を書き上げる!?(「政治的に正しい警察小説」)大学生の僕は、偶然通りかかったカレー店で思い出の味に再会した。幼いころに生き別れた母の味だ。女店主にその「秘密の隠し味」を訊ねると…。(「カレーの女神様」)そのほか、児童虐待、将棋、冤罪、尊厳死など、多彩なテーマの六編を収録するブラックユーモア・ミステリー集。著者初の文庫オリジナル作!
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
葉真中/顕
1976年東京都生まれ。2012年、介護問題をテーマとした『ロスト・ケア』で第一六回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞し、ミステリー作家としてデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) -
Posted by ブクログ
個人の選択の違いで少しずつ分岐し存在するかもしれないパラレルワールドでも、歴史の大きな流れは変わらないとしたら。。
主人公の、カルト宗教団体の教祖としてテロを起こした息子が、生まれてない世界の方がより大きなテロ事件も原発事故も起こってたら、わたしと息子の存在にも意味があったのだ…という着地は主人公の救いにしかならないけれど、主人公にとっては唯一の救いだろうな。
丸の内で銃乱射事件を起こす《シンラ智慧の会》も東日本大震災も、ハルピンの描写も生々しい。群像劇で連作短編集なので前の話に出てきていた人物がこの人だったんだ…というつながりが恐ろしいです。“沼”はこれから天堂光翅みたいになるんだろうか?
「原因と結果は、常に強力な因果律で結びついているのだ」。だとすると、今起こっている事も因果応報なのだろうか。思いの外落ち込みます。