葉真中顕のレビュー一覧

  • 凍てつく太陽

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    面白かった。
    ページ数をものともしない。

    ただ、主人公がアイヌであることをもう少し生かせないものかと思った。
    差別を受ける、カムイの儀式…ただそれが物語の根幹には関わってこない。あくまで治安維持を目的とする警察の物語。
    終わりは心地良い。
    ただ、もう少し。もっと人を描いてほしかった。もっと多くを期待していたから、読み終わった後ここに感想を書くまで1週間以上ぼんやりとしていた。

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    2026年01月25日
  • もの語る一手

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    八人の作家の手による将棋がテーマの作品を集めたアンソロジー。
    ホロリとくる話から胸糞が悪い話、ミステリ調のものから時代ものまでバラエティに富んだラインナップ。

    好きなのはジワリと温かい気持ちになる青山美智子さんの「授かり物」と、棋士になる夢を捨てきれなかった男を描いた橋本長道さんの「なれなかった人」。
    装画が伊奈めぐみさんというのも将棋アンソロジーにぴったりでした。

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    2026年01月24日
  • 警官の標 警察小説アンソロジー

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    「web TRIPPER」に掲載された作品をひとまとめにしたアンソロジー。警察ものがもたらす人間ドラマやミステリーとしての広がりを感じることが出来る作品。読んだことのある作家が大半だが、読んだことのなかった、鳴神さんと吉川さんが良かった。また伊兼さんの硬派な感じも大好きだった。捜査を主軸にした正統派警察ものが少ない印象を持ったがそれがこのジャンルの幅の広さを知るすべになる。

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    2026年01月09日
  • 絶叫

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    ネタバレ

    ちょっと火車っぽいなと思いつつ読み進めた。
    中盤は盛り上がりに欠けて読み流した部分は多かったかも。
    終盤の覚醒は良かった

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    2026年01月04日
  • 鼓動

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    ネタバレ

    『ロスト・ケア』が良かったのでこちらも
    心に傷を抱えた女性刑事視点の話はイマイチだったが、引きこもりの半生の方は読み応えがあった。事件自体に魅力はないのに、ここまで読ませてしまう力は流石。日本の絶頂期から失われた30年に移行するこの時代の雰囲気を仮想体験できた。調べると著者は草鹿と同い年なんですね。しばしば耳にする就職氷河期世代の恐ろしさもよく理解できた。時代に恵まれ、売り手市場の生温い就活を経験した自分が、草鹿のことを「甘え」だとは口が裂けても言えない。
    ありそうでなかった(?)草鹿の動機に、ロストケア同様読者サービスのどんでん返し。この話の着地点は?自分らしく生きるにはまず自分を承認すると

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    2025年12月13日
  • ロング・アフタヌーン

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    多少思想に偏りがありそうだなと感じ、従軍慰安婦については朝日新聞が広めたデマだということはちゃんと書いてほしかった。
    でも、お話自体は面白かった。

    構成が素晴らしく、引き込まれる作品。

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    2025年12月09日
  • 鼓動

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    面白かった。
    だが、それは主人公と同世代であることと、無関係ではないだろうと思う。
    『団塊ジュニア』と言われる私たちのほとんどが、実感できるのではないだろうか。
    たまたま、うまくいって、まともな社会人、としてやっていけている。
    でも…あやうさは常に感じさせられてきた世代。
    時事ニュースと絡めながら、うまく時代背景の匂いを感じさせられ、共感できました。

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    2025年12月03日
  • ロスト・ケア

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    これがデビュー作!?と思うほど文章が上手だと思った。
    犯人も「あんたかい!」と驚いたし、そこへ向かう話の持っていき方も不自然な感じがしなく良かった。
    以降の作品もぜひとも読みたいと思える作家だった。
    介護という重くなりがちなテーマで、ロスト・ケアもそういう方向の話にはしたかったのかもしれないが、あまり自分の心には響いてこなかった。そこが残念とまではいかないが、次作の絶叫には期待するところではある。
    なにはともあれ、良い作家だ。

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    2025年11月21日
  • ロング・アフタヌーン

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    「犬を飼う」という作中作から始まる『ロング・アフタヌーン』。
    そのSFチックで衝撃的な短編の秀逸さにまず掴まれます。わずか40ページほどの物語ですが、全編にシスターフッドの気配を孕み、“もっと読ませてほしい”と思わせる魅力がありました。

    そして、次の作中作「長い午後」は、数十年後、同じ作者により再び立ち上がる物語。
    作中作を組み込みという事は、現実と虚構の境目をわざと曖昧にし、気を抜くと、自分がどちらの世界にいるのか分からなくさせるということ。

    曖昧な登場人物、曖昧な記憶、曖昧なミステリー。その“揺らぎ”こそが本作の魅力であり、不穏な読後感をもたらすもの。

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    2025年11月20日
  • 鼓動

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    初めて読んだ作家さん。作品紹介だけ読むと、本もそこそこ分厚いし、どんなおどろおどろしい作品なのかと、覚悟して読み始めたのだが、児童文学作品も書かれてる作家さんだけあって、内容の割にはかなり読みやすかった。時代に沿って、実際に流行した文化や事件にも触れながら物語が進められており、退屈させないのが上手だなという印象で、中高生も読めそう。反対に結末まで救いのないドロドロ小説を期待されるのであれば、おすすめしません。笑

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    2025年11月19日
  • もの語る一手

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    将棋にまつわるアンソロジーとは知らず、青山美智子さんの名前を見つけ早速読んでみると1話目からジーンと来る。将棋が全くわからなくても一話一話引き込まれていく。もし将棋に詳しかったらもっとワクワクできるのかもしれない。
    実は貴志祐介さんのお話のオチが良くわからなくて解説が欲しかったが、ちょっと探しただけでは見つからなかった。
    「お前レベルの話はしていない」は大島版のみなので、芝版もあとで読んでみたい。

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    2025年11月13日
  • 灼熱(新潮文庫)

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    戦前のブラジル棄民政策の影響を受けて、敗戦後に日本が勝ったか負けたか、どちらを信じるかで2つに分かれる日本人社会。憎しみと詐欺が親友2人の人生を変えていく。

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    2025年11月01日
  • そして、海の泡になる

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    尾上縫を題材にしている/ 関係者へのインタビュー、回想という建て付けだが、喋り手が老人なのに会話が若すぎる/ 老人を書ききれていない/ みな同じ年代に見えてしまうのだ/

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    2025年10月26日
  • 警官の道

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    警官をテーマに、七人の作家が競演する書き下ろし警察短編集

    「上級国民」葉真中顕
    葉真中さんらしい、人間の陰をえぐる短編。
    現代社会の問題を踏まえながら、「下級国民」の強かでしなやかな生息を描きます。

    「許されざる者」中山七里
    刑事犬養隼人シリーズのスピンオフ的短編。
    コロナ禍の東京オリンピックを背景に、不祥事の数々を折り込みます。

    「Vに捧げる行進」呉勝浩
    あのコロナ禍当初の、息苦しい近隣・職場・日本、そして世界。
    「死を捨て街に出る」その衝動を描きます。

    「クローゼット」深町秋生
    性的嗜好を隠して生きる“クローゼット”。
    レイプ事件の被害者と加害者、それぞれの告白を前に、刑事は自らの

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    2025年10月21日
  • Blue(ブルー)

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    ブルーと呼ばれた少年を中心に、様々な社会問題が折り重なった重厚な社会はミステリー

    無戸籍児童・児童虐待・貧困問題・外国人就労問題…途中まではバラバラな事件のように感じていたが、最後にはまとまっていくのは唸らされました
    大量殺人を犯しているブルー、ただ生い立ちや動悸、社会の歪みに落とされた被害者の側面もある彼の存在に複雑な気持ちになりました

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    2025年10月16日
  • 政治的に正しい警察小説

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    表題作のテンションの高さ!!その前のカレーの女神もなかなか!どうかお店でカレーを食べるときに思いだしませんように。

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    2025年09月28日
  • もの語る一手

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    読みにくい作品もあったけど。奨励会にいる人は、誕生日をめでたい日とは思わないや。「なれなかった人」がふむふむ。

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    2025年08月15日
  • もの語る一手

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    将棋を知ってたらもっと楽しめたんだろうなあというところが多かった
    なんもしらないからおそらく3割くらいだろうなと悲しいけど
    将棋は兵法ということはわかった

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    2025年08月06日
  • Blue(ブルー)

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    大好きな「絶叫」の作者さんのやつ且つ評判が良いと聞いて楽しみに読み始めたところ、世間のエアポケットにすっぽりハマってしまった様な家族の様々な面が見えてきて… 幸せじゃないのは自分だけではない。でも幸せな時だってあるよね。とか色々巡り巡って苦しいです。ブルー幸せに生まれて来てね。。

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    2025年08月01日
  • Blue(ブルー)

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    ネタバレ

    この感想には『絶叫』のネタバレもちょっとあるかもだよ!注意!


    『絶叫』がめちゃくちゃ面白かったので手に取った本作。
    比較すると個人的には『絶叫』の方が面白かった。
    本作は結末が見えてるのでドキドキハラハラとかいう感じではなかったかな。
    でも中盤で『絶叫』にも出て来た奥貫綾乃刑事が出て来てびっくり!シリーズものだったんだね?知らずに手に取ったので本当に驚いた。
    奥貫綾乃刑事、個人的に刺さる描写が多くて多くて。虐待こそしたことはないが、子育て苦手な民からすると、一歩間違ったら綾乃と同じ道を辿っていたかもしれないと恐怖を感じる。

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    2025年07月18日