あらすじ
平成一五年に発生した一家殺人事件。最有力容疑者である次女は薬物の過剰摂取のため浴室で死亡。事件は迷宮入りした。時は流れ、平成三一年四月、桜ヶ丘署の奥貫綾乃は「多摩ニュータウン男女二人殺害事件」の捜査に加わることに。二つの事件にはつながりが……!? 平成という時代を描きながら、さまざまな社会問題にも斬り込んだ、社会派ミステリーの傑作!
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
プロローグ
平成から令和に代わる平成最後の日
悲しい物語に終止符が打たれた
この世にいないはずの人間、ただ、、、
そう、彼は確かにそこに存在したんだ
戸籍上全く存在しない人間だったが、
ブルーは確かにそこにいたんだ、、、
本章
『Blue』平成という時代を駆け抜けた魂の★5
『絶叫』に続く奥貫綾乃シリーズ第2弾!
彼女は、物語の折り返しから登場する
青、通称“ブルー”は、昭和から元号が
代わる平成元年初日に生まれ、平成の最終日に
亡くなるという悲しき物語の主人公だ
物語は、主に平成15年と平成31年に起こった事件を
2つの異なる世代の刑事が追っていく
その事件の犯人はいくつもの悲しき
業を背負った人物だった
ここでも主題となるのは“家族”だ
同氏の最新刊『家族』でもそうであったが、
血の繋がらない家族
血の繋がっている家族
得てし、血の繋がっている家族より
繋がっていない家族の方が幸せの瞬間(時)がある
親が子を愛せないのだ
やがてブルーは悲しき感情が爆発し暴走していく
唯一の救いはエピローグの渚の成長なのか、、、
渚だから青“ブルー”に掛けたのか
青“ブルー”だから渚に掛けたのか
この繋がりを作者に追求したい
そう思った(¯―¯٥)
そして、どこまでも、どこまでも真っ青な渚が
海面を覆っていた、、、、
渚にとって、穏やかな日々が続いてほしい
そうも思った!
エピローグ
いつものように一人掛け用の安楽椅子(登場15回目)で本作を読み終え、表紙を閉じると
碧い眼でこちらを睨んでいるブルーと目が合う
かつて、ノーベル文学賞を受賞したトニ・モリソンの名作『青い眼が欲しい』で、主人公の少女は
差別の元凶は、肌の色にあると悩み、“青い眼”
すなわち、白い肌に憧れ、そして欲するが、
やがて狂信し自身が青い眼になれたような錯覚を
起こしていくという、
まことに悲しい物語を想起した
かくして、ブルーは何を欲していたのだろうか!?
容姿端麗であるが、戸籍上世の中に存在しなく、
愛に飢えているが故の殺人
そう、単純に親からの“愛”に飢え、“愛”を欲して
いたのだ
この報われぬ愛に失ったブルーを思いっきり
抱きしめてあげたい!
そう最後に思った!!!
完
あとがき
青依青氏のイラストが素晴らしい!
まさに本作『Blue』にはもってこいの画家だ
青のブルーの瞳の奥に絶望が垣間見えるのは
果たして錯覚なのだろうか!?
残忍さとスタイリッシュさが同居した画だ
まさに“エレガンス”と言いたい
ということで、次は、『エレガンス』だ!!!
Posted by ブクログ
作中で描かれる「青梅事件」が2003年という時代設定になっているのですが、当時の世相が随所に反映されており、懐かしさとリアリティを強く感じます。
題材として技能実習生や児童虐待といった社会問題をはじめ、さまざまな要素が物語に織り込まれており、また物語の展開も第一部から第二部へと主人公の世代が交代する構成になっていて、複雑。
けれど、要素の多さゆえに散漫になりそうなところを、複雑に絡み合わせながらも最終的には一つの殺人事件に収束させていく流れは見事だと思いました。
分厚い本ではありますが、緊張感のあるストーリー進行に引き込まれ、一気に読み進めてしまいました。多くの事物が登場し、いろんなエピソードがありましたが、その中で「親を選べなかった子供たち」というワードが、最も強く頭に残っています。
Posted by ブクログ
夢中で読んだ。
平成の30年間を。
その年の社会問題とストーリーを上手く融合され、
ブルーに寄り添って読んだ。
それぞれの人の悩みや問題をその人視点で描かれている。他者には分かり得ない内容だ。
読後は決して気分は良くないが、いろいろ考えさせられる。
Posted by ブクログ
平成という時代が始まった日に生まれ、終わぅた日に死んだ一人の男の話。
一部だけでもサスペンス小説として出来上がっているが、二部からが凄い。
「絶叫」を読んでたので、For blueの語り手が誰なのかもずっと気になっていた。
Posted by ブクログ
『絶叫』が良かったので同じく奥貫刑事が活躍するこちらも読んでみた。
青(通称ブルー)の人生とともに
平成に流行ったものや事件が描かれている。
絶叫がそうであったように
犯人が犯罪に至ってしまうやるせなさが描かれており
好みの作風だった。
For Blueが誰の視点だったか分かったときに感動したのと、
兄と妹で同じ人物を違うように捉えている点が深みがあって良かった。
Posted by ブクログ
半年前くらいに読み終わってめっちゃ好きな作品なのになんで感想書いてなかったんだろう笑
貧困、虐待、無戸籍児、外国人の労働力搾取など個人的にすごく興味のある問題が扱われている。
葉真中さんの作品は重くて読んでいて辛くなるけど、すごく心に残る!
平成に生きた少年の話なので、その頃起きた事件や流行っていたエンタメが出てきて、まるでノンフィクションのような感じ。
この小説自体はフィクションだけど、こういうことって今もどこかで起きているんだろうなぁ
Posted by ブクログ
ロストケアが原作も映画も嗚咽が止まらなかったので、葉真中先生の最新作を手に取らせて頂きました。
私たちが『平成』という30年間を、何を知らずに生きてきたのか、またもやガツンッとたたき起こされ、嗚咽の繰り返しでした。
こちらもいずれ、令和時が進み、『平成』ってどんな時代だっけ?という時に、菅田将暉さんか、窪田正孝さん、あたりにBlueを演じて頂き、映画化してほしいですね。
Posted by ブクログ
平成が始まる日に生まれ、平成が終わる日に死んだ男の子の話。戸籍もなく、親に愛されず、人を殺し、人を救う。そして、自分を殺すことで、自分を救う。
ブルーは主人公の名前でもあり、ヴェトナムにある湖を指している。
壮絶に面白い。
Posted by ブクログ
この作者、社会問題✖️サスペンスを書いててサスペンスとしても面白いし、社会問題も考えさせられる物語で面白かった
ちょっと前にアマプラで見たロストケアもこの人が書いててこういう系好きかも!
Posted by ブクログ
平成15年に起こった『青梅一家惨殺事件』。
最有力容疑者・次女・篠原夏希は薬物の過剰摂取により事件後に浴室で死亡。
共犯者の存在が疑われたものの、事件は被疑者死亡で解決…
平成31年に起こった『多摩ニュータウン男女殺害事件』。
2つの事件にはつながりが…
死亡した夏希には『ブルー』と呼ばれる無戸籍の息子が。
『ブルー』の足取りを追うことで、無戸籍児童、児童虐待、格差社会、貧困家庭、外国人労働者… 社会問題が明らかになってくる…
平成の始まりに生まれ、平成の終わりに生命を落とした『ブルー』。彼の人生は壮絶だった。
親の都合で無戸籍に…
親の愛情に飢え、夏希に愛されたいと思うばかりに、言いなりに…
まだ幼かった従兄弟・優斗を殺害してしまったことに…
結局、格差社会から貧困家庭、無戸籍児童、児童虐待…繋がっていく。
連鎖から抜け出せなくなる…
養子縁組ができた翼や渚はまだいいほうで。
ひとつ、ボタンをかけ間違えると、負の連鎖が起こる。
本当に親の責任は大きい。
安倍政権が産み出した格差社会。
格差社会が産み出した問題の真相がこんなにも根深いとは…
家族でホームレスなんて…
Posted by ブクログ
「平成」という時代を舞台に、ブルーと呼ばれる人物が起こした事件を中心に、重い社会的問題を絡めて様々な人物の視点から語られる作品。分量も多く扱っているテーマは重いけど、スルスルと読み進められる葉真中さんの手腕に毎回すごいなと感心させられます。作中に出てくる、平成を象徴するようなワードも肌感覚でわかるものばかりで妙に懐かしさも感じてみたり。良かったです。
Posted by ブクログ
葉真中顕さん著「Blue」
「絶叫」に続く奥貫綾乃シリーズの第2弾。
前作「絶叫」が素晴らしかったので今作品も期待していた。その次の作品「鼓動」も既に購入済みで暫くはこのシリーズに没頭していきたい。
平成の初日に生まれ平成最後の日に死んだブルー。彼の辛く短い人生が平成という時代の史実と共に描かれていく。
今回のテーマは「愛」。ネグレクト、虐待、無戸籍、殺人教唆や殺人等を背景に作者特有の多視点から多角的に描かれている。
正直、これ程まで「愛」に見放されてしまえば「生」の存在価値すら見いだせないのではないか?と思えてくる。彼がこの世に産声をあげた時点から全てが彼の人生にのしかかってくる宿命だったのかもと思えてくる。辛かった。
今回凄いと思ったのが平行して描かれていく奥貫綾乃のパート。彼女もまた幼少期に両親に虐待された過去を持っていた。
今回のブルーの一件と平行しながら彼女自身の物語の方も読み応えがあった。
ブルーは結果として殺人という罪を重ねたが、彼女はそれを回避している。
比較対象している様に描かれる両者の人生と節目の選択が奥深い結末をもたらしている。素晴らしかった。
第3弾、「鼓動」。
このまま読み進めていきたい。
Posted by ブクログ
葉真中作品初見でした。
子どもは親を選べない。ちょっと最近離婚して妻子と離れた自分にはタイムリーに心を刺されるテーマ。
子どもを愛せずに手を出してしまう親、子どもを愛したり手を出したり子どもを振り回す親。子どもは翻弄されるまま。そんなテーマの中に、これまた自分にタイムリーな平成時事ネタか散りばめられ、興味深く読みました。無戸籍の子どもって、結構いるんですね。自分の小さい頃よりはみすぼらしい子どもは見ませんが…
Posted by ブクログ
各所に挟まれる平成史と共に少年ブルーの影を追う。どんなに酷い虐待やネグレクトを受けても、お母さんに愛されたくて、笑ってほしくて健気に耐える子どもの描写を見ていられない。外国人技能実習生の過酷な労働環境や貧困・虐待の連鎖など辛く目を背けたくなるテーマが盛りだくさん。自らの行いを悔い、自分以上に壮絶な虐待を受けていた子どもを助けようとした点は同情の余地があるかもしれないが、贖罪の方向が間違っているところが哀れ。無戸籍児問題は今だに相当数存在するのかと驚いた。
Posted by ブクログ
「人は憎しみながらも同時に愛することができる動物」という一文が良かった。今日聞いた歌の中にも、「愛憎混じった四小節」というフレーズが出てきて運命的なものを感じた
Posted by ブクログ
本作は、「格差社会が生んだ闇」をテーマにした重厚な犯罪小説でした。読後は、何ともやるせない悲痛な気持ちになりました。慟哭必至の物語です。
児童虐待、毒親、子供の貧困、無戸籍児、外国人労働者からの搾取等、多くの社会問題を背景にしています。
2つの殺人事件、そして無戸籍で生まれ、暴力と貧困を経て市井に紛れた男<ブルー>‥。これらが一本の糸でつながっていく展開です。
平成という時代の光と闇の中で、<ブルー>の存在とは何だったのか? 社会を強烈にえぐり、読み手に重い諸々の問題を突きつける内容は、葉真中顕さんの真骨頂?ではないでしょうか。
平成時代の出来事、文化、風俗、流行などを俯瞰し、時に細かく、時に具体的に物語に重ねて描き込んでいるため、リアル世代の方は既視感を覚えるでしょう。物語の世界観に没入する要因になっている気がします。
特に物語で焦点化され、最重要テーマと言えるのが、「親と子の関係」だと思います。我が子を愛せない、愛さない親が多く登場(刑事側にも)し、これが負の連鎖のように続くので、私たちに自分事と捉えさせます。
描かれた闇は平成に限ったことではなく、多くの問題をやや盛り込み過ぎの感もありました。
それでも、「かわいそう」「仕方ない」では済ませられない、子育てに関する親の責任の重さを痛感します。
読後、本当に悲しく、切なく、いたたまれない感情を処理しきれない状況に陥りますが、読んでよかった、読むべき一冊だったと言いきれます。心の琴線に触れる作品でした。
Posted by ブクログ
名は青、母親は彼をブルーと呼んだ。。。
ブルーにはない、愛と幸福に満たされた家庭
それを滅茶苦茶に崩壊したいという気持ちに翻弄されます
苦しみもがき、平成という太く短い時代を生きたブルーの人生を追います
躾とは言えない幼児虐待、貧困、無戸籍児、外国人の低賃金労働、違法売春、ドラッグ、様々な社会問題が生んだ犯罪小説です
バブルが弾けた平成の世相に、一つの事件をきっかけに二つの殺人事件が起きてしまいます
ブルーが気に入っていた『早朝のごく短い時間だけ、水と光と霧が奇跡のバランスで織りなす、美しい〝運命の湖”』の写真
ブルーはそれに何を思い馳せたのでしょうか
そう思うだけで、悲しく切ない気持ちになってしまいます
出来事や流行った物・ヒット曲等が作中に随時出て来ますので、平成史を懐かしく、振り返りました
正直言って、そんなに前だっけ?そんなに最近だっけ?と自分が持っていたイメージや記憶と現実が所々ずれていて、苦笑いでした( ̄▽ ̄;)
東日本大震災、阪神・淡路大震災、地下鉄サリン事件、米国同時多発テロ、就職氷河期、世界で一つだけの花♪、尾崎豊、ハイパーヨーヨー、ゲームボーイ、たまごっち、ルーズソックス、ポケモン、スーパーファミコン、ティラミス。。。。
初めましての葉真中輝さんの作品でした
本の分厚さの割に、平日隙間時間の読書で毎日ちびちびとしか進まず、今読み終えてホッとしています
そして、令和の今も尚続いている社会問題を突きつけられ、今日のスッキリしない天気の様に気持ちもドヨヨーンとしています ε-( ̄◇ ̄;)
少しあけて、違う作品も読もうと思っています
Posted by ブクログ
貧困、虐待そして無国籍。虐待により心が傷つく。心が固くなる。身体が痛い。感覚が無いようにしたくなる。
ブルーの気持ちが、どこに有るのか?
どう生きれば良かったか。どんな子供か。どうすればよかったか。どんな大人になりたかったか。悲しい。
Posted by ブクログ
平成時代の社会の闇を凝縮したような内容です。
ベトナムの『運命の湖』という美しい青色をした湖の風景から始まります。
これに関しては何の予備知識も入れずに読み始めた為、完全に油断していました。
この景色が伏線なんだろうなあ、位で読み進めて行くうちに、おや?あらあら?これは…
コレヲヨムニハ、カクゴガヒツヨウダ…
と、思わず片仮名変換になってしまう位に辛い話が続きます。
これでもか、これでもかと言う程に。
圧倒的な文章力と構成、ミステリ要素も上手く取り入れられており、目を逸らしたくなる闇が続くにも関わらずページを捲る手が止まりませんでした。
この状態に既視感を覚えていたのですが、櫛木理宇さん著『世界が赫に染まる日に』での読書体験と似ていました。
そしてまたもや感情移入型読者の私は大変しんどくなったのでした。(やはり良い意味で)
平成時代の時事ネタもきちんと出てきますので、これはノンフィクションではないのだろうかと途中で錯覚を覚え空恐ろしくなったものですが、実際に今もこういった無国籍児、違法売春、児童虐待は日常のように行われているのでしょう。
久々に社会派ミステリの深みに唸りました。
Posted by ブクログ
真相を知りたくて読み進めていったが、そこに描かれているのは、児童虐待、無戸籍児、搾取ともいうべき外国人労働者の実態で、胸が痛かった。負の連鎖はどこでどのように断ち切られるのだろうか。
事件の真相が解決した時に、登場人物の1人が言っていた言葉にハッとさせられた。「負」は形は違えども、誰もが人知れず抱えているものだ。そこに寄り添ってくれる人が1人でもいるなら、連鎖の縄目は少しづつ解かれていくのかもしれない。
Posted by ブクログ
平成の時代に生きた男の子の話。
親の暴力、虐待、貧困、情報格差、無戸籍、過酷な労働、非正規等々。斥力と引力。社会の目から、協力から逃げた親。翻弄される子供。
選んだもの、選べなかったもの、それしかなかった、選ぶ余地などなかった。
母親のその時の感情で暴力を振るわれる。
それでも母親を求める、愛情を求める。
男の子がほしかったもの。
自分を証明するものがないまま大人になる。
家族のようなものを得て生活をするようになってから、うなされるように。
無条件で愛してくれる存在。
自分が犯した罪と償い方。
ブルーのおかげで救われた者、恨む者。
もっと違う方法はなかったのかと…。
過酷な労働条件のもと働いていたリエンも逃げること、救いを求めることができなかった一人。
ブルーのおかげで最後は幸せになったけれど。
ブルーにも、誰か助けてくれる人がいれば違う人生があったはず。
ブルーと関わった人たち、いろんな人たちの証言で、事件が少しずつ少しずつわかってくる。自分の置かれた立場も語る。様々な感情が平成という時代背景と共に。
湖と沼の対比。
愛情を求めたブルーと、娘を愛せなかったという綾乃。
Posted by ブクログ
平成という時代を、経済や天災・犯罪と共に、文化や流行・風俗まで作中に描いたミステリーです。
2019年初版平成が終わり、ひとつの時代を読み物とされています。
日本に戦争が無かった時代の、平和で安全でバブルは去ったといえ、経済にも恵まれた日本の闇の部分。その闇から生まれた無戸籍児“ブルー”が社会機構から見放された厳しい生涯がミステリーの中心です。
機能不全家庭・児童虐待・貧困という中で育つ子供達。外国人労働者、技能実習生の諸問題。なかなか盛りだくさんの内容です。社会派小説としての詳細に時代を追った分、メインの少年の心情とか成長などは多少希薄になったような気がしています。ブルーが親を選べなかった子供達の為、過去に犯した自分の罪を償う新たな罪を犯し、彼の生涯と平成が終わりを迎えます。
ブルーの生涯は、彼を知る人の語りに終始します。
もったいないような気もしますが、そこが不憫さを際立たせるのかもしれないです。
Posted by ブクログ
ブルーと呼ばれた少年を中心に、様々な社会問題が折り重なった重厚な社会はミステリー
無戸籍児童・児童虐待・貧困問題・外国人就労問題…途中まではバラバラな事件のように感じていたが、最後にはまとまっていくのは唸らされました
大量殺人を犯しているブルー、ただ生い立ちや動悸、社会の歪みに落とされた被害者の側面もある彼の存在に複雑な気持ちになりました
Posted by ブクログ
大好きな「絶叫」の作者さんのやつ且つ評判が良いと聞いて楽しみに読み始めたところ、世間のエアポケットにすっぽりハマってしまった様な家族の様々な面が見えてきて… 幸せじゃないのは自分だけではない。でも幸せな時だってあるよね。とか色々巡り巡って苦しいです。ブルー幸せに生まれて来てね。。
Posted by ブクログ
この感想には『絶叫』のネタバレもちょっとあるかもだよ!注意!
『絶叫』がめちゃくちゃ面白かったので手に取った本作。
比較すると個人的には『絶叫』の方が面白かった。
本作は結末が見えてるのでドキドキハラハラとかいう感じではなかったかな。
でも中盤で『絶叫』にも出て来た奥貫綾乃刑事が出て来てびっくり!シリーズものだったんだね?知らずに手に取ったので本当に驚いた。
奥貫綾乃刑事、個人的に刺さる描写が多くて多くて。虐待こそしたことはないが、子育て苦手な民からすると、一歩間違ったら綾乃と同じ道を辿っていたかもしれないと恐怖を感じる。
Posted by ブクログ
Blueブルー
葉真中顕さん
絶叫
Blue
鼓動
奥貫綾乃刑事が出てくる。
読みながら、
あれ?この本読んだことある?
と思ったら、
引用してた!面白い!
繋がってる!
無戸籍
おやをこどもは選べない
虐待の連鎖
青ブルーは愛してるよと、
言って欲しかっただけ。
なんとも。
悲しいお話。
小説だけど、
現実にもあるんだろうなぁ。
Posted by ブクログ
「平成」を感じられる一冊。
執着、拠り所、家をテーマにしており手が止まることはなかった。後半部分こそ、失速しがちであったが、BLUEの幸せと対比していることを考えれば面白かった、コンストラストが多く、いずれ再読したい本である。
Posted by ブクログ
虐待、無戸籍児、貧困、外国人労働者など、平成期に顕在化し社会問題となったであろう事柄が盛り込まれた作品。葉真中顕作品は3冊目だが、さまざまな社会問題を絡めて作品を作り上げるのが上手いなと感じる。ただこの作品は盛り込みすぎてそれぞれの印象が薄くなったようにも感じた。
平成が始まった日に生まれ、平成が終わる日に生涯を終えたブルー。自らの境遇に翻弄され続けたブルーは最期、救われたのであろうか。
個人的な話だが。
結婚しているが子供を持たない私。子供は欲しくないし産みたくもないと思っていて、自分には母性が欠落しているんだ、ということを最近痛感していた。そんな中読んだこの作品。立場は違うが、実子を愛せず「母性が欠落している」と感じた綾乃の苦悩が少し理解できる気がして、読むのが辛かった。