三津田信三のレビュー一覧
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死相が見える主人公が、依頼人の死を回避するために死因を推理していくホラーミステリシリーズの第四作目。
いつもながら超常的な要素にミステリ的解釈を絡めていくのがうまいです。真相解明はこれまでのシリーズの中でも、意外性も見せ方も一番ではないかと。
今回は原因が呪術とほぼわかっているため、死相が出ている人々の関係性を探ることが中心になりミステリ要素が強めですね。この傾向は、物語の性質上仕方がないとは思うのですが、ホラー小説としては少し残念。
主人公の成長と、新キャラ追加、そして敵役が表に出てくることで、話が盛り上がってきてますので、ホラー性はますます薄れそうかなぁと心配しつつ続きに期待してます。 -
Posted by ブクログ
本作を読破した後、お風呂に入ったら、案の定目をつむるのが怖くてシャンプーが目に入りまくりました<○><○>カッ
安定の三津田作品です。夜中に1人で読まないほうがいいと分かっているのに、一度ハマるとやめられない止まらない。あーあ、また御不浄いけなくなるよ知らないよ〜\(^o^)/と、何故か他人事で済まそうとするけど、勿論そうはいかない今日この頃です。
長編ホラー小説・蛇棺葬の続編にして回答編である今作は、
「今回は謎解きメインだろうから、前作に比べたらホラーの部分なんてきっと軽くいけるわ〜ε=ε=ε=┌( ^o^)┘うほほーい」
と考えていた甘ちゃんな私の予想の遥か上をいってくれました。
シャンプーが前作に増して目に染みます、三津田先生!
「奇妙な男が語る実話怪談」という体裁を取っていた前作に対し、今作はその実話怪談を聞かされた「作家・三津田の周囲を襲う怪異」と、「怪談の中で語られた不可思議な人間消失現象に対する合理的な謎解き」がメインです。人ならぬ物が平気の平左で(古)ウヨウヨズルズルしてるのに、この部分は本格推理小説しちゃうのね、ってのは毎回思うことなんだけど、本作では一入だったなあ、いつにも増して怖すぎたから(笑)。
前作の少年の目を通して描かれる不気味な家族や因習も恐ろしかったですが、ある日突然、自分と同じ話を聞いた人々が次々と消えて行き、やがて風景の片隅や建物の暗がりに人ならぬ物を見出してしまった主人公の視点を追うのも、ひたすら怖かった。
肝心の謎解きは、ものすごく乱暴なトリックが物語中盤で一案として出てきた時は思わず閉口してしまいました。
が、その後の怒濤の恐怖描写に惑乱されたかと思うと、直後に提示された意外に呆気なさすぎるトリックの真相と、物語の核を根底から覆すような事実が明らかになったところで、「あ、人間消失トリックがメインじゃないわこりゃ」と遅まきながら確信に至ったのでありました。…なんか文の区切り方へったくそで申し訳ない…(°_°)
最終章で「逆転」する立ち位置。
そして、その後の「蛇足」と銘打たれた章の最後の一文で示される驚愕の真実。
でもって、解説の柴田先生の悪ノリ!(笑)
相変わらず、終盤で畳み掛ける三津田先生の剛腕に、今回もただただねじ伏せられるのでありました。
…「三津田信三」は、ずるっ、果たして、「どちら」だったのか?…ずるっ…おっと、誰か来たようd -
Posted by ブクログ
刀城言耶シリーズの短篇集です
ますますキャラクターが立ってきています。
文章も横溝正史好きなら好物の香りがプンプン。
刀城言耶の金田一耕助っぽさも磨きがかかり
安定感すら感じ始めています。
表題作はじめ、ラストの目まぐるしく変わる謎解きは
変わらず。じっくり読まないと訳がわからなくなります。
全編、密室がテーマ。
まあ「室」ではないのですが…。
個人的には迷い家が一番わかり易いし
登場人物の女の子達が可愛らしくて
明暗の対象がくっきりしているので好きです
密室の如く…は密室ミステリ談義が長いです
ちょっと京極夏彦っぽい運び。
長編に比べて、あの圧倒的な迫力はかけるものの
エッセンスは十分に楽しめる一冊。 -
Posted by ブクログ
ミステリとホラーを融合させた作風といわれる三津田信三の短編集。個人的にはこの短編集にはさほどミステリ色は感じられない。また、「ホラー」というカタカナ語よりも、怪奇小説とか恐怖小説と言い表した方がよいような、独特の湿り気と粘つきを感じる。
作中で、著者の分身のような登場人物が、「昭和二十年代から三十年代の農山村や孤島などの閉鎖的な空間を舞台に、憑き物信仰や葬送儀礼といった民俗学的なテーマを題材にして、怪奇幻想色の強い探偵小説を主に書いています」と言っているが、なるほど、昭和の匂いが強いかもしれない。読みながら「口裂け女」などを思い出したりしていた。
8編の短編の間に、4つの掌編というか、ごくごく短い、聞き書きや体験談のような話が挟み込まれている。
掌編の方は、特に落ちがなく、尻切れトンボのような話もある。それが逆に真実味を帯び、妙な余韻を残す。
短編で特徴的と感じられるのは、現実と虚構を編み上げていく手法の切れ味と、読者の半歩先を行く意表の付き方のうまさである。
現実の雑誌や怪奇写真家を織り込みながら、いつの間にか、虚構の世界に引き入れられている。ほかの短編に出てきた怪異が別の短編に引き継がれるのも、既視感を後押ししている。虚構の話を何度も聞いているうちに、それが現実のことのように思えてくるのだ。
そのうえで、「来るぞ、来るぞ」と待ち構えている読者の背後から、「実はこっちだ!」と言わんばかりのひねりが入る。
全般に、この作者は「つなぐ」ことに長けているのだろう。
あちら側とこちら側の境目。現実と虚構のあわい。
作者の手引きで、そこを「つ・・・」と通り抜けたときに、自信が揺らぎ、恐怖が生まれる。
そのとき、怪異が現実にこの手元の本から浮かび上がる、または本の中の怪異の世界に引きずり込まれる錯覚に襲われるのだ。いや、それはもしかしたら「錯覚」ではないのかもしれない・・・。