三津田信三のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
刀城言耶シリーズの短篇集です
ますますキャラクターが立ってきています。
文章も横溝正史好きなら好物の香りがプンプン。
刀城言耶の金田一耕助っぽさも磨きがかかり
安定感すら感じ始めています。
表題作はじめ、ラストの目まぐるしく変わる謎解きは
変わらず。じっくり読まないと訳がわからなくなります。
全編、密室がテーマ。
まあ「室」ではないのですが…。
個人的には迷い家が一番わかり易いし
登場人物の女の子達が可愛らしくて
明暗の対象がくっきりしているので好きです
密室の如く…は密室ミステリ談義が長いです
ちょっと京極夏彦っぽい運び。
長編に比べて、あの圧倒的な迫力はかけるものの
エッセンスは -
Posted by ブクログ
ミステリとホラーを融合させた作風といわれる三津田信三の短編集。個人的にはこの短編集にはさほどミステリ色は感じられない。また、「ホラー」というカタカナ語よりも、怪奇小説とか恐怖小説と言い表した方がよいような、独特の湿り気と粘つきを感じる。
作中で、著者の分身のような登場人物が、「昭和二十年代から三十年代の農山村や孤島などの閉鎖的な空間を舞台に、憑き物信仰や葬送儀礼といった民俗学的なテーマを題材にして、怪奇幻想色の強い探偵小説を主に書いています」と言っているが、なるほど、昭和の匂いが強いかもしれない。読みながら「口裂け女」などを思い出したりしていた。
8編の短編の間に、4つの掌編というか、ごくご -
Posted by ブクログ
横溝正史や江戸川乱歩などのミステリを好む人はきっと楽しめるだろう。ある意味「あれ?」と思ってしまうような部分さえも彼らに通ずるところがあるのだから(と少し意地悪く言ってみる)。
(あらすじ)「迷宮草子」というホラー系古書愛好家の間では有名な同人誌を手にした飛鳥信一郎と三津田信三。不思議な装丁のその本を開いてみれば、短編の内容に沿った奇怪でとにかく恐ろしい現象に巻き込まれてしまう。「迷宮草子」誕生の謎と収録された短編謎を解き明かしていくと――。(/あらすじ)
展開が多少漫画的なのが気になったがいつの間にかそんなものが気にならなくなっていた。個人的には多少引っかかる「謎解き」があるにしても、も