三津田信三のレビュー一覧
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最後のページでゾクっとした。
ホラー&ミステリーの三津田信三さん、クローズドサークルっぽい作品。
不思議な稲荷の社で遊ぶ少女から始まり、子どもを集める不思議な園に舞台が移る。気味の悪い大人の住人たち、優しいけれどちょっと不思議な美女、正気を少し失いかけてる老婆。謎の儀式が行われて過去に人が死んだことのある建物。そして暗い森。
舞台装置はもう完璧。
途中、謎解きの行動をしてる最中の説明が冗長かな?と思った。読むのに時間がかかった。
あの人とあの人のことは途中で何となく想像がついたが、ラスト、まさかそっちが!?とびっくりさせられたので、良しとしよう。
こういう話はけっこう好き。
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戦後間もない関西地方の村で起きた奇妙な殺人事件をテーマにした物語だが、特殊な読み方の語句が頻出する.尼耳(あまがみ)家、銀鏡(しろみ)家、虫絰(むしくびり)村、河皎(かわしろ)家等々.この村では7歳、14歳、21歳の子供に忌名(いな)の儀礼を執り行う風習があり、尼耳季千子(いちこ)が14歳の儀礼中に仮死状態になったことが話の発端となる.作家の刀城言耶がその事件の真相を探るべく村に出向くが、季千子と結婚を考えている発条福太も同行する.言耶が当所の警察と情報交換して真相を探る場面が楽しめた.さらに季千子の父 太市の隠し子 市糸郎が儀礼中に殺害され問題が複雑になっていく.19名の関係者が尼耳家の座敷に集って真相を議論する第15章が圧巻だ.犯人は意外な人物だったが、次々に新しい事実が出てくる展開は把握するのが大変だった.
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「刀城言耶」シリーズ第四弾。
怪奇小説家・刀城言耶の元に編集部付で原稿が送られてきます。
それには、とある山村にある“集落の「成人参り」という儀式に臨んだ集落の地主、郷木家の四男・靖美が、迷い込んだ”忌み山”で遭遇した様々な怪異と、山中の奇怪な一軒家にいた家族がまるっと消えてしまったという不可思議な体験が綴られていました。
これらの謎を解明すべく、件の山村を訪れた言耶ですが・・。
まず思ったのが、 前三作に比べて読みやすくなっているな・・ということです。
お陰で話が入ってきやすく、内容に没頭できたせいか、個人的には評判の良いシリーズ三作目の『首無の如き祟るもの』より本作の方が面白く読めました。
”忌み山”と呼ばれる禁忌の地での身の毛もよだつような怪異。
密室状態からの人間消失。
そして、わらべ歌になぞらえて起こる連続殺人・・。
閉鎖的な村独特の"陰"の雰囲気と不気味なわらべ歌に見立てた事件が絶妙にマッチして、この謎が謎を呼ぶ展開にどんどん引き込まれていきました。
特に終盤の"大惨劇"で描かれている殺戮シーンは、犯人のビジュも相まって、あの"津〇三十人殺し"(『八つ墓村』のベースといわれている事件)を彷彿とさせるような戦慄の恐ろしさでございます。
そんな訳で、お腹いっぱいホラー&ミステリを堪能させて頂いたのですが、肝心の真相解明部分がまわりくどいな・・というのがちょいと残念なところでして。
言耶が長々と披露した推理をあっさりと覆して"実は真犯人は別"みたいなこと言われると、"ちょ・・今までのは何だったん?"と、時間を返してほしくなった私です。
ただ、このように解決編で二転三転するのは今に始まった事ではなくシリーズ通しての傾向なので、言耶の謎解きは"解明+最終検証"と含んでおいた方が精神衛生上良いかも・・と思った次第です。
加えて、解決編の後で更なるどんでん返しもあるので、最後の最後まで気が抜けなかったですね。
それにしても、"彼"はどこに消えてしまったのでしょうか・・・怖っ。 -
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ネタバレ今作は出だしや序盤でオカルト色が強すぎる感じがした。
クロ先輩の話では、(能力を持つという)修験者たちからの水使神社には超常的な力や仕掛けがあるという話を当たり前のように受け入れているし、正一少年の話でも一つ目蔵の周囲に結界が張られているというように、異能を当たり前のように出してきていて、拍子抜けというか残念というか。
刀城言耶シリーズは、「一見オカルトに見える事件が推理で解き明かせる」。そして「(解明される直前の)最終版までオカルト的な気味悪さ・怖さが残る」というのが良さだと思っていたので、作品中で超常現象が肯定されているとその良さが死んでしまい、論理や常識を飛び越えてどうとでもできるようになってしまうのではないかとの危惧を覚えた。
発刊された順番を調べると、首なし→山魔→本作の順だったので、最後に怪異が出てきて犯人一味を穴に連れ去った『山魔の如き・・』からシリーズの流れが変わったのかもしれないと思った。
その点を置いておけば、作中での(特徴的な)面白さは健在で、游魔が儀式中の殺人の犯人だと思った途端に、正一と共に行動しており実行不能だったり、ボンベでの潜水のアイディアは推理に利用されたりで、常にこちらの思っていることの先を行ってくる。
正造じいさんが犯人説も思いついていたが、それも作中で否定された。
読みながら読者が推理していることの先をちょうど良く行きながら、オチもおかしくない。この書き方はスゴいと思う。
被害者(:死んだと思った人物)が真犯人であるというのは推理小説の常套手段であるのに、それでも小夜子が犯人であるとは考えられなかった。被害者になったのが物語の時系列では最初でも、文中では終盤だったからなのだろうか。
終わりもハッピーエンドで文句なし。
『首なし・・』を読んでいなければ星5だったのだが、
あの整合性のとれた推理とそれをあっさり否定し、さらにもっともらしい推理を持ち出してきた展開の驚きと、真相がわかってもなにが真実か掴みきれない気味悪い読後感を知った後だと、どうしても見劣りしてしまう感じがする。高望みなのはわかっているのだが・・。 -
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ネタバレ著者の三津田氏が聞いた話という体裁で書かれた怪奇短編。加えて序章・幕間・終章にて担当編集者の異変を描き、現実に障りがあるような恐怖を描く、念の入れよう。実話なのかどうかはさして重要ではないけど、怪異が解明する、あるいは解消されることはほとんどないのが実話っぽさを増していると思った。『新耳袋』に載っていそうな話といえばいいのか。
【収録作品】
「死人のテープ起こし」
ライターの吉柳が集めたという自殺者が最後に残した肉声テープを文書に起こしてもらう三津田氏。三つのサンプルに単なる死の実況ではなく不可解なものを感じる……
文書の内容もかなり不気味なんだけど、それより三津田氏に吉柳を紹介した作家島村奈津さんの名に驚いた。『フィレンツエ連続殺人』は読んだことがある。実在の作家出してくるのはズルいよなぁ(笑)
「留守番の夜」
大学のOGらしき女性に紹介された留守番のアルバイトで恐ろしい体験をする女子大生の話。
最後まで読むと一応の真相はわかるようになってるけど、ただ理由や夫妻の謎、伯母の存在など解明されてないことばかりで厭な読後感である(褒め言葉)。
「集まった四人」
共通の知人岳に呼ばれてハイキングをすることになった初対面の四人が遭遇する怪異。
と言っても怪異を感じているのは語り手の勝也のみで、ほかの三人は普通に山登りをしてきただけになっている。これも一本足の足跡も各々に残された卵石のことも何も解明されない。
「屍と寝るな」
中学の同級生Kから聞いた話。Kの入院している母の隣のベッドの老人が呟く話を整理すると少年時代の出来事だった。
これはかなり不気味で好みの話だった。少し似た話を澤村伊智も書いてた気がする(澤村さんが三津田氏を好きらしいから影響を与えたのかも)。彼の頭の中で永遠に繰り返されているのだとしたらこれほど恐ろしい話はないだろうな。
「黄雨女」
女性占い師の語る元カレの不気味な体験。全身黄色い雨具に身を包んだ女性「黄雨女」につきまとわれたサトルはついに……
これも気持ち悪い。黄雨女の由来も実在すらもはっきりしたとはわからないまま。都市伝説に近いものがあるかも。
「すれちがうもの」
毎朝通勤途中ですれ違う顔馴染みの人々。その中に黒い影を見つけた夕菜はそれが日に日にこちらへ近づいて来ていることに気づき……
これも不気味。なかなか対抗手段を取らなかったことを本人も悔いているけど、現実にはどうしたらいいかわからないよね。そして黒い影はいったい何だったんだろう。
全ての話がすっきりしない終わりかたではあるので、そういうのが苦手な人には楽しめないかもしれない。