三津田信三のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
古い家に住むことになった夫婦。引っ越し早々、家の中で妙な物音や視線を感じ始め、徐々に「何か」が棲んでいる気配に気づく。妻は恐怖に耐えながらも家の過去を調べ、かつて住んでいた家族の不穏な出来事や、語られぬ因縁にたどり着く。やがてその「こわいもの」が現実に干渉し始め、平穏だった生活は崩壊寸前に──。
三津田信三さんらしい、じわじわとにじり寄る恐怖が読者を包み込む一冊。派手な演出はないが、静かな描写と繊細な心理の変化がリアルで、読後も残る“気配”に背筋が寒くなる。ホラーというより、“存在するかもしれない”不安と向き合う文学作品のよう。タイトルの通り、「こわいもの」はどこの家にも棲んでいるのかもしれ -
Posted by ブクログ
三津田作品2冊目。ハマってしまいそうなムーブ。前から言ってるけど澤村伊智と似ている。澤村伊智から毒気(人怖)を引くと、三津田信三になる感じか。いや澤村伊智が三津田信三に影響されたんだね。ただ怖いだけじゃなくて思わぬ伏線回収があるところも癖になる。
この短編集も基本僕(三津田氏)が人から聞いた実話怪談という体で語られる(本当に聞いた話なのかもだけど)。
『怪談のテープ起こし』でもそうだったが、今作も怪異の解明はされず謎のまま終わる。三津田作品の特色なのか。
【収録作品】
「夢の家」
異業種交流会で出会った女性に次第に異様さを感じた男が夢の中で女に追い詰められていく。
夢の話が怖い。誘われるまま -
Posted by ブクログ
2020年、単行本として刊行。
初めて読む作家さんかもしれない。
ホラー短篇集だが、読んでいくと、語り手の「私」はいつも三津田信三さん本人らしく、作家が誰かの話を聞いて、仮名に直して書き綴ったという体裁を取る。作者三津田信三さんは自分と同じくらいの歳かと思ったが、Wikiによると7つ上の1962(昭和37)年生まれとのこと。
ホラーミステリという、両者融合の書き手として知られているようだが、本書でも確かに謎解きらしいものが一つはあった。が、ほとんどの作品は、霊的現象の背景にこれこれこういう怨念が原因としてあって、結果、こうなった、という、一般のホラーにもあるような解明は無く、ただ、それ -
Posted by ブクログ
舞台は奥多摩の因習村。首無の伝承多きこの村で、三家が水面下で一族の首長争いを繰り広げる最中、その跡継ぎの伝統儀礼において次々と起こる不可解な首無殺人事件を綴った物語。
ミステリ読者の、あわよくば自ら先に謎を解いて仕舞おうという生半可な心意気は、直ちに何ら機能を果たさぬまま、敢無く崩れ去ってしまうだろう。500頁に亘り繰り広げられる超次元的な事件の様相は、最早そうした合理的解釈を受け付けないと見える程に高度に複雑で、犯人どころか、殺害の動機、方法、殺害現場に残された不可解な状況に隠された意図、そのどれもが全く不明のまま、我々はただ事件の状況を整理し物語に追従するのに精一杯にならざるを得ない。そし