三津田信三のレビュー一覧

  • 寿ぐ嫁首 怪民研に於ける記録と推理

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     婚礼に祟る怪異『嫁首様』の伝承と名家で起きる不可解な連続殺人という金田一耕助作品を踏襲した雰囲気と得体の知れない怪現象が合わさったホラーミステリーで怪異を祀る『迷宮社』や首の捩れた死体、開かれた密室殺人に見立て殺人の示唆、果ては跡取り問題まで様々な要素が盛り込まれて、終盤の解決編の二転三転を経てあのラストは想像できなかった。

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    2025年12月21日
  • 首無の如き祟るもの

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    民俗学+ミステリというジャンル。
    どちらも好きな要素なので、名作と言われる本著を選んで読みました。
    漫画やドラマではよく見ていましたが、活字で読むのは初めてで、やや苦戦しました。
    登場人物紹介、因習の概要説明などで文章が長く重く、読み終わるのに結構時間を要しました。

    出題編が長い割に、スリリングに展開していくような見せ方でもありません。
    しかし、解決編で一気に捲ってきます。
    このカタルシスを味わうために、あのパートも、あのパートも必要だったのだのかと納得。
    前置きが長い分、解決編の衝撃はひとしおでした。
    楽しませてもらいました。

    「カササギ殺人事件」とか好きな人にオススメです。

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    2025年12月10日
  • 水魑の如き沈むもの

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    ホラーミステリである刀城言耶シリーズの中ではミステリ色の強い作品。それがそのまま評価に繋がっているようで、ミステリ好きには好評、ホラー好きには物足りないというレビューが多いです。
    確かに分かりやすい、直接的な怪異描写は、シリーズ他作品に比べて少ないです。相変わらず舞台となる土地や建物のおどろおどろしい雰囲気は抜群な分、肩透かしを喰らう印象を受けるののもあるのかも知れません。今作でも人知を超えたものは存在しますし、この辺りは読み手の想像力の差も評価に影響してくると思います。
    ミステリに関しては評価通りシンプルに素晴らしいです。詳細はどう書いても少なからずネタバレになるので避けますが、とにかく大

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    2025年12月07日
  • 首無の如き祟るもの

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    首無の如き祟るもの
    読み方 くびなし の ごとき たたるもの

    日本の首無しミステリの最高傑作の一つ。探偵 刀城言耶(とうじょう げんや)シリーズの第3作だが、今作だけでも楽しめる。
    因習×ミステリ×ホラーの絶妙なバランスと練りに練られたトリック。非常に分厚いですが、第1作と違って読みやすいですので、横山正史の犬神家や獄門島などの雰囲気が好きな方は、ぜひチャレンジしてみていただきたい。

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    2025年12月06日
  • 山魔の如き嗤うもの

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    なるほど! と思わせられてからの二転三転。文字を追っているだけで這い上がってくる怖さ。やはりこのシリーズは面白い。

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    2025年12月05日
  • 寿ぐ嫁首 怪民研に於ける記録と推理

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    刀城言耶シリーズのスピンオフ、怪民研シリーズの二作目。
    愛は大学の友人、唄子から地元の村で行われる自身の結婚式への参加を頼まれる。

    唄子は村の有力者である皿来家の分家から本家に『山神さまのお告げ』で嫁ぐが、その山神である嫁首様の祟りを避けるため、結婚式には数々の奇妙なしきたりが設けられている。
    その婚姻儀礼の最中に新郎の祖父、巳日治が嫁首様を祀る迷宮社で遺体で発見される。
    愛はなりゆきで素人探偵として事件について調べては、刀城の助手である天弓馬人に手紙で事件の内容を伝えることとなる。

    県警の鬼無瀬警部や媛首村、六地蔵童唄、さらには百巳家など、他シリーズでもお馴染みのワードがたくさん出てきて

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    2025年12月05日
  • 碆霊の如き祀るもの

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     碆霊様を祀る村に纏わる四つの怪談、それをなぞらえるような不可解な四つの密室殺人、死体に残された笹舟、村が秘匿してきた禁忌など怪異と本格ミステリーの塩梅が絶妙な刀城言耶シリーズの長編で、持ち味の多重推理と思わず絶句するラストが堪らなかった。

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    2025年12月02日
  • 首無の如き祟るもの

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    面白かった!一作目、二作目に比べるとホラー要素よりミステリ要素が強く、民俗学パートが少ないからかなり読みやすかった。冗長にならず驚くパートが中盤に何箇所かあり、ラストは怒涛の展開!ページをめくる手が止まらなかった。

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    2025年11月18日
  • 妖怪怪談

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    怖い。そして面白い。妖怪談義のエッセイ風書き出しに引き込まれる。雪女小泉八雲のところは読み応えあったな。1番怖かったのは座敷童で、ゾッとしたのは神隠し。三津田信三のモキュメンタリー、良いね!

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    2025年11月14日
  • 影牢 現代ホラー小説傑作集

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    様々な時代、年齢の登場人物、そして豪華なメンバー作家で贈られる短編集。じわっと怖いものから真に迫る恐怖まで。個人的には「浮遊する水」「影牢」「集まった四人」「山荘奇譚」が好きです。8編あるのでどれか一つは好きになる話があるんじゃないでしょうか。姉妹本もあるのでそちらも読んでいきたいと思います。

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    2025年11月13日
  • のぞきめ

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    昔読んだやつの記録です。
    以下、当時の感想である。

    最後辺りまでずっと静かな恐怖が読書中にあってホラー小説としてとても優秀だったと思う。最後の怒涛の伏線回収がミステリ好きな自分としてはかなり面白いと思った。そういえばそのような解明されてない謎があったなーと読者に思い出させてから「主人公の解釈」として答え合わせをしていて本当にこのページで読後感が決まった感じがする。おもしろかった。この人の他の作品も読んでみようと思う。

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    2025年11月10日
  • 堕ちる 最恐の書き下ろしアンソロジー

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    角川ホラーアンソロジーの「堕ちる」です。
    コンセプトが割としっかりしている短編って「長編で読みたいなぁ」と思うことが良くある。
    同じシリーズのアンソロジーで「潰える」「慄く」では、短編だからこそできる潔さがあったけれど、「堕ちる」に収録されている作品は、後を引く感覚があった。その後の出来事、前日、話が飛んだ間には何があったのだろうかと。
    怖さで言えば「潰える」が1番だったけど、読後の感覚だと今作が1番だと言える。
    なお、以下に個人的なランキングを書きました。

    『怖さ』ランキング
    1位 潰える
    2位 慄く
    3位 堕ちる

    『読み応え』ランキング
    1位 慄く
    2位 堕ちる
    3位 潰える

    『コン

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    2025年11月04日
  • 密室の如き籠るもの

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    探偵役である刀城言耶は、快刀乱麻を断つような解決をするのではないのですが、それが魅力になっているシリーズ。しかし短編集となると迷う暇なく解決してしまう感じです。
    決してそれが悪いという訳ではなく、彼が登場した時の安心感がたまらないですし、何よりカッコ良さが強調されている印象です。そう考えると、順当に長編から読んでおくとギャップを楽しめそうです。
    そんな感じで推理の流れとしては解決までに余り迷わず刀城言耶シリーズとしての特徴が薄目なのですが、怪異が絡む余地を残すラストなど、ホラーミステリとしての魅力はしっかり味わえます。
    特に表題作である「密室の如き籠るもの」は中編と言える長さで読み応え十分な上

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    2025年11月02日
  • 寿ぐ嫁首 怪民研に於ける記録と推理

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    もともと刀城シリーズは大好きなので、本スピンオフシリーズも、第一作のときから気にはなっていた。そんな中、本の雑誌での本作の紹介文を見て(おそらく、刀城シリーズとの近似性が書かれていたのかな)、『これはこっちも読んどかんと』と手に取ったもの。もちろんせっかく読むなら順番通りに。で、やっと読めた本作。なるほど。”嫁首”なんだから当たり前かもしらんけど、”首無”と関連が深い訳だ。そして前作”亡者”と違い、本作は長編ってのもポイント高し。刀城シリーズ並みに満喫・堪能致しました。

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    2025年10月20日
  • わざと忌み家を建てて棲む

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    1冊目より想像力が必要(間取り的な意味で)。
    烏合邸、本当に過去一恐ろしい場所かもしれない。
    ホラーって他のジャンルより合う合わないがある気がするが、私の場合三津田先生の作品がドンピシャ。
    人生で1度も怪奇現象と無縁だったにも関わらずこの本読んでる間2回怖いものが視界に入った気がしてドキッとさせられた…。

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    2025年10月01日
  • 首無の如き祟るもの

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    三津田信三氏の最高傑作と言われることも多い作品。トリックとしては複雑でありながら読み進めにくさは全くなく、ミステリ初心者から強者まで楽しめます。人気作品なので良質なネタバレ考察がネットに沢山上げられていますが、ミステリとしても小説としてもマイナスな意見はほとんど見られません。
    氏の骨頂であるホラーミステリとしても秀逸で、違和感なく怪異とミステリを合わせるだけでも容易でないのに、本作では見事にお互いの魅力を高めあっています。
    また本作は刀城言耶シリーズの3作目になりながら単体でも充分楽しめる点を高評価として挙げられることも多いです。同意見ですが、本作に散りばめられたミステリや怪異を1つ残さず楽し

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    2025年09月24日
  • 怪異十三

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    色んな怖い話が読めて面白いです。
    人が恐れるもの恐怖とは簡単に共感できないんだと知れてよかったです。

    外国の怖い話というのがとても興味深く、悪魔やばいなと思いました。

    それぞれの話ごとに三津田さんの解説もあり、読み応えがあります。

    作者の巻末書き下ろし番外編【霧屍疸村の悪魔】を皆さんに一読してほしいです。
    とても面白かったです!!

    田中貢太郎【竈の中の顔】
    橘外男【逗子物語】
    宇江俊勝【蟇】
    ロバート・ルイス・スティーブスン【ねじけジャネット】
    マイクル・アレン【アメリカからきた紳士】
    の作中に登場する「おばけの足音」という話が特に面白かったです!!

    オススメです!!

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    2025年08月28日
  • 首無の如き祟るもの

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    ネタバレ

    刀城言耶が出てくるのが唐突だなあと思ったら、必然性があったのか……。
    たった一つのポイントですべてが解明できる、爽快感を味わえた。

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    2025年08月25日
  • 歩く亡者 怪民研に於ける記録と推理

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    三津田信三作品の新シリーズ。無明大学にある「怪異民族学研究室(怪民研)」で、学生の瞳星愛と刀城言耶の助手、天弓馬人が怪異の謎を解く。作中で描かれる怪異はどれもおぞましく、背筋が冷える。謎解きのパートでは刀城言耶シリーズのように推理を提示しては否定し、事件の解決に迫る。真相の伏線回収に感嘆。謎が解かれたあとも、本物の怪異である可能性を示唆して物語が終わるため、謎解きの爽快感と恐怖心が読後に残る、まさにホラーミステリという作品。

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    2025年08月21日
  • ついてくるもの

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    ああ...怖かった。次はどんな展開かと怖くて堪らないのにページを捲る手が止まらい。個人的には日本人形にそもそも恐怖心があるのでビビり倒しました。泡吹き失神事案。

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    2025年08月13日