三津田信三のレビュー一覧

  • 水魑の如き沈むもの

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    刀城言耶シリーズ第五長編。水神水魑様の儀式の最中に起こった密室殺人を皮切りに、次々と神男が殺されていく。練り上げられた舞台の設定と、それを活かした事件の真相、トリック・動機に驚愕。解決編の伏線回収も圧巻。

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    2023年05月04日
  • 犯罪乱歩幻想

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    江戸川乱歩のトリビュート短編五篇と、『リング』「ウルトラQ」トリビュートが収録された短編集。乱歩トリビュートは、乱歩の世界と、作者のホラー・本格ミステリの世界が融合した作風で、乱歩の諸作品のオマージュが良い。また、『リング』トリビュート作品の『骸骨坊主の話』は、収録された短編の中で最も怖かった。呪いの拡散ほど恐ろしいものはない。

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    2023年04月08日
  • 六蠱の躯 死相学探偵3

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    死相学探偵シリーズ第三作目。「六蠱の軀」という儀式をめぐる猟奇連続殺人の謎に弦矢俊一郎が挑む。恐怖描写は少なく、サイコサスペンス的な本格ミステリ。意外な犯人にも驚愕。

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    2023年04月27日
  • 四隅の魔 死相学探偵2

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    死相学探偵シリーズ第二作目。『十三の呪』とは違い、弦矢俊一郎は物語の後半に登場する。“呪い、“死者の霊”が実在する前提で、怪死事件の謎を推理する。じわじわと迫る恐怖描写と最後のどんでん返しと怒涛の伏線回収には圧巻。そして、猫の「僕」がとても可愛かった。

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    2023年03月31日
  • 十三の呪 死相学探偵1

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    死相学探偵シリーズ第一作目。刀城言耶シリーズとは違い、閉鎖的な村のおどろおどろしい雰囲気は漂っていないが、本格ミステリとしての完成度は刀城言耶シリーズに引けを取らない。また、所々に入る恐怖描写はとても怖かった。呪の謎は解くことができたが、犯人を当てることはできなかった。また、東城雅哉、神々櫛村など、刀城言耶シリーズの名前も出てきた。

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    2023年03月30日
  • 密室の如き籠るもの

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    刀城言耶シリーズ第一短編集。表題作『密室の如き籠るもの』は、真相を提示した後更にどんでん返しが来る。これだけでも読む価値有り。他の短編は『迷家の如き動くもの』が好き。怪談の体験者が山の怪異に追いかけられる描写はとても怖かった。そして刀城言耶が示した謎への解釈にも納得。
    刀城言耶シリーズの長編は分厚いが、その分提示される謎も多く、読み終えたときの達成感や満足感が凄まじいが、短編集はそれを短い時間で味わえる新鮮さが良い。

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    2023年03月29日
  • 山魔の如き嗤うもの

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    刀城言耶シリーズ第四長編。成人参りの儀式で、遭遇した“山魔”に纏わる怪異譚から始まる。そして、刀城言耶が訪れた村で次々と見立て殺人が起こる!怪異描写は悍ましく、事件の謎は多い。解決編ですべてが繋がるどんでん返し。『首無の如き祟るもの』に次ぐ傑作。

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    2023年03月25日
  • 赫眼(あかまなこ)

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    短編八篇と、書き下ろし掌編四篇が収録された、著者初のホラー短編集。著者の怪奇短編の原点と言うべき作品で、どれもとても怖かった。表題作『赫眼』は、正体不明の怪異だけでなく、最後の台詞でゾクッとした。『灰蛾男の恐怖』は、ミステリ的な謎解き要素のある短編。勿論とても怖い。『後ろ小路の町家』は、背後から迫って来る怪異の描写に戦慄不可避。

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    2023年03月23日
  • 忌館 ホラー作家の棲む家

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    著者デビュー作。そして、作者が紡ぐ、“実話怪談”の始まりとなる作品。
    『百物語という名の物語』という作品が日本ホラー小説大賞に応募されていると友人から聞かされた「私」こと“三津田信三”は、そのころ偶然見つけた館を舞台とした怪奇小説を書き始める。
    語り手の“現実”の視点と、作中作の“虚構”の語りが入り混じり、読者を恐怖の迷宮へと誘う。傑作“メタ”ホラーミステリー。

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    2023年03月17日
  • 怪談のテープ起こし

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    作者が作品内に登場する怪奇短編集。また、この短編集が本になって出版されるまでの過程も描かれている。裏話的なエピソードが載せられていることによって、この話が本当にあった出来事なのか、それとも完全な創作なのかが分からなくなり、更に恐怖を倍増させる。最後まで怪異の謎が解けないので、読後にモヤモヤが残り、とても怖くなった。

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    2023年03月15日
  • 凶鳥の如き忌むもの

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    刀城言耶シリーズ第二作目。前作『厭魅の如き憑くもの』より恐怖描写は少なく、密室での人間消失を描く、ミステリ指向の強い作品。特に、密室からの消失を論理で分類し、分析しようとする推理と、解決編の伏線回収は圧巻。前者だけでも凄いと思ってしまう。

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    2023年03月12日
  • 忌物堂鬼談

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    持っているだけで祟りを齎す「忌物」を巡る怪異譚。忌物の謎が解けたとき、さらなる恐怖が襲う。怪談の中では、第四夜「霊吸い」、最終夜「にてひなるもの」がとても怖かった。一話読む毎に怖くなる。最終夜ですべての謎が解けるミステリの要素もあった。また、ラストは、忌物の物語がまだ続く様な終わり方だった。

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    2023年03月11日
  • わざと忌み家を建てて棲む

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    前作『どこの家にも怖いものはいる』に続いて、今作もとても怖かった。特に『白い屋敷 作家志望者の手記』は、描写が濃厚で、読んでいるこちらも実際に烏合邸にいるような感覚になった。

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    2023年03月06日
  • 水魑の如き沈むもの

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    なんだこのぶっ飛んだ儀式はww…………(T^T)

    〜あらすじ〜
    水神を祀る四つの村。奇怪な雨乞いの儀式。湖上の密室殺人。神男たちは次々と……奈良の山奥、波美地方の"水魑様"を祀る四つの村で、数年ぶりに風変わりな雨乞いの儀式が行われる。儀式の日、この地を訪れていた刀城言耶の眼前で起こる不可能犯罪。今、神男連続殺人の幕が切って落とされた。ホラーとミステリの見事な融合。シリーズ集大成と言える第10回本格ミステリ大賞に輝く第五長編。

    刀城言耶シリーズ第6弾!!
    今回のシリーズ!いつもと様子がちゃう……
    いつもなら禍々しさを突っ走ってく言耶ワールド
    しかし今回は……めちゃ笑えるー

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    2023年03月03日
  • 水魑の如き沈むもの

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    刀城言耶シリーズ第5弾!

    今回もしてやられたぁ〜!!

    しかし!全く悔しくない、衝撃のラストです!!
    (≧∇≦)



    え〜、こちら、フレンドと推理バトルの課題本としました。

    めっちゃじっくり読みました!
    何度も何度も読み返しました!

    満を持しての犯人当ての結果は…(-∀-`; )

    …まぁ、当たらんよね笑笑


    刀城言耶に全く歯が立たず!でしたぁ。

    今回は奈良の山奥の湖で起こった殺人事件なのですが、この沈深湖には『水魑様』という神がいるそうです。

    晴天が続くと水不足となり、田んぼが枯れてしまうので、増儀と言われる雨乞いの儀式を行います。
    (逆に降りすぎたら、減儀の儀式を行う。)

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    2023年03月02日
  • のぞきめ

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    小説の世界に作者と思われる人物が登場するメタフィクション的なホラー・ミステリ小説。メインは二話の「実話怪談」であり、怪異の“のぞきめ”にまつわる物語。前半・後半共に恐怖を煽る描写が多数ある。そして終章で二つの怪異譚がつながる伏線回収が美しかった。

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    2023年02月01日
  • 誰かの家

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    実話怪談が六編、著者のエッセイが収録された短編集。相変わらず恐怖を煽る描写は秀逸。一話目『つれていくもの』、表題作『誰かの家』が特に怖かった。四話目『湯治場の客』は、今までの短編とは違う異色作。この作品も怖い。

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    2023年01月30日
  • 忌物堂鬼談

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    ネタバレ

    忌物(≒いわゆる特級呪物)をめぐるミステリ色濃いめのホラー連作短編集。現在進行形で怪異に苛まれる主人公の憑き物おとしを主軸に、独立した(もちろん最終話への伏線も仕組まれた)3つの短編怪談話が展開される。

    「砂歩き」
     とりあえず舞台設定と状況を説明しつつ、主人公が謎足跡&奇声に襲われる。情報を小出しにしてくるので、もしかしてシックス・センス的構造か…と疑ってしまうが、その正体は最終話でしっかり明かされ、杞憂に終わる。

    「後ろ立ち」
     古びたアパートを舞台に、一日毎に怪異が近づいてくる、という既視感のある設定だが、伏線の張り方(ノックの位置が低い!) があまりに巧妙&終盤に明らかになる光景

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    2023年01月18日
  • 幽女の如き怨むもの

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    花魁テーマは大好き。
    ミステリ絡まなくても楽しく読める。
    多分、多くの人が犯人の見当はつくと思う。
    そう考えさせないようにする描写が、少し無理があるような。

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    2023年01月16日
  • 白魔の塔

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    ネタバレ

    年末年始はホラーミステリー…と、読み始め…
    怖い
    曰くの森を彷徨う主人公…すでに怖い
    彷徨いつつも見つけた家は…(・・;)
    現れた幼さを残す女性と老婆のやり取りに、ほんわかしたり震えたり…
    灯台の歴史や知識が身につくこの一冊
    もちろん、灯台にまつわる怪談話もあり
    私的にはオススメ

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    2023年01月01日