三津田信三のレビュー一覧
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「首切りの如き裂くもの」
舞台設定が都市伝説じみていてなんとも不気味。
結局言耶は現場には赴かないというのは、少し物足りないなあ。
「迷家の如き動くもの」
刀城言耶シリーズにしては珍しく、怪奇の怖さ<<<現実の怖さ。
女の子二人が可愛らしくて良い。
「隙魔の如き覗くもの」
これはおそろしい、好き。
怪奇を逆手に取るという発想が面白い。
「密室の如き籠るもの」
「コトリバコ」を連想させるイヤーなお膳立てのお話。
真相は何とも言えない。
「口うるさい強欲な親戚」というのは便利な登場人物である。
短編と中編で、長編よりはいくらか読みやすい。
思わず背筋が冷たくなるような余韻を残すのが、相変らず上手だなあと思いました。 -
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ネタバレ刀城言耶シリーズの短編集第二弾。
言耶の学生時代で、まだ探偵・小説家として活躍する前の話。
タイトルの『生霊〜』は田舎の旧家に伝わるドッペルゲンガーのような伝承にまつわる事件。
表題作の他に事件現場に残された足跡により現場が密室化するものが二作、密室状態の現場から人が消失するものが二作。
言耶が成り行きから探偵のような役割を果たすが、名探偵の父のことに触れられるのを露骨に嫌がるのがまだ青いなあ。
そして阿武隈川烏の存在感(笑)
終盤で推理が二転三転するのはお決まりといえるが、そのせいであらゆる可能性を排除してもどうしても残る怪異が余計恐ろしく感じる… -
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怖い話には惹かれるが、読んだ後トイレやお風呂が怖くなる人は電灯をつけて
昼間に読みましょう。
怖い話には惹かれるし、読んだあともひょっとしたら怖い体験に自分も出会えたらなー、
といったタイプの向こう見ずな人は、深夜に枕元の電気スタンドだけで読みましょう。
寝返りを打とうと反対側を向いた瞬間に、この表紙の女の子が笑って
あなたを覗き込んでいるかもしれませんよ。
そんな無駄話はさておいて、本当に買ってよかったホラー本の一つでした。
読む端からゾクゾクとしたものが背筋を駆け上がります。
背後や頭上が妙に気になり、物語がおぞましい展開を見せるたび、
顔を引きつらせ、身体をこわばらせて、それでもページをめくる手は
止めることができません。
ストーリーの中身は、あくまでもよくある「怖い話」。
ネットで既に飽和状態の傾向すらある、ごくごくよくあるような怖い話です。
しかし、それをどのような文章で表現するかによって、ここまで恐怖の感じ方は
変わるのだなと舌を巻きました。
正体不明の存在が正体不明なまま、『何かわからないが怖い』で終わる点も
素晴らしいと思います。
主人公には怖い目に遭うような理由は何もない。
ただ理不尽に、何のいわれもなく、おぞましいものがヒタヒタと忍び寄る。
ホラー(特に日本的なじわ怖)が好きな人が、本当に求めている怖さの要素を
兼ね備えた本だと思います。
オススメは、『後ろ小路の町家』 -
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赫眼
表題作&カバーイラスト
転校生の謎めいた女の子の家にいた禍々しいなにか…
怪奇写真作家
雑誌編集者が怪奇写真作家の自宅を訪ねる…
怪談奇談・四題
(一)旧家の祟り
数百年も続く旧家の七代末までの祟り
見下ろす家
新築されたというのに、いつまで経っても人が住む気配の無い崖の上の立派な洋風住宅
僕は、あの家が僕を見下ろしていると感じていた。
怪しい家を調べようと少年達が中へ入る…
怪談奇談・四題
(二)原因
ある日を境に悪い出来事の続くK
そのはじまりの日の出来事とは…
よなかのでんわ
5年前、仲間5人で酒の勢い行った廃墟と化した墓場から掛けているという電話
ほんまはな、お前をこっちへ呼びたかってんけど…
灰蛾男の恐怖
温泉旅館の露天風呂で出会った老人から聞いた蝙蝠男と灰蛾男の二つの事件
二通りの謎解きをしてみせた僕を襲う恐怖…
怪談奇談・四題
(三)愛犬の死
最愛の愛犬と引き換えに授かった子供
後ろ小路の町家
引っ越したばかりの京都の小路が昔の俗称では後ろ小路と呼ばれていた
『あそこを夕方に通るときは、ぼうっとせんように気ぃ付けんといかんよ。頭も心も空っぽにしとったら、後ろから何かが憑いて来てしまうから……』
怪談奇談・四題
(四)喫茶店の客
とある喫茶店で近くに座っていた女性が突然おかしなことを口走り出した。
好奇心に駆られ、聞き耳を立てた…
合わせ鏡の地獄
合わせ鏡に魅せられ、覗いてはいけないのに、覗いてしまった男の話…
死を以て貴しと為す 死相学探偵
事務所の扉を開けるなり、「俺にも死相が視えるでしょ?」と詰め寄ってきた男
彼には「死の影」など纏い付いていないのに禍々しい何かを感じる… -
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ネタバレ⭐︎4.5
前提として、この本は私が読む初めての刀城言耶シリーズである。
⬛︎良い点
・ページ数は多いが、とても親切に読みやすく書かれている。人物一覧や地図があるのはもちろんのこと、章名で先の展開が気になってペラペラ読み進めてしまったし、ルビも読み方を忘れた頃(章ごと?)に再度振ってくれている。
・最後の怒涛の種明かしに驚けた。ここでも親切にしっかりと前提を書き出してくれていて助かった。
・キャラクターに愛着が湧きやすく、刀城言耶と偲の関係性が良い。この2人の掛け合いによってこの本が暗くなりすぎていない。
・情景描写に優れており、場面場面が頭に浮かびやすかった。特に正一の満州時代はこちらまでげんなりしてしまうほど描写が良かった。
・超自然とそうでない内容の混ぜ方の塩梅が絶妙である。雰囲気作りと動機作りまでにとどめ、トリックの大部分には超自然を用いないのがフェアで良い。
・良心のある大人によって、最後は宮木家が報われた気がして良かった。
・龍じが悪人すぎていい。情状酌量の余地が全く無く開き直ってるので、宮木家その他被害者に全力で同情できる。
・単純に民俗学についての話が興味深く、その部分でも楽しめる。
・刀城言耶シリーズを読むのは初めてであったが、とても楽しめたので他の作品も読みたい。
⬛︎微妙な点
・最後の展開がやや急でドタバタ感があった。ただし、結末自体には不満はない。
・本読み上級者にとっては親切すぎて冗長に感じる箇所があるかもしれない。私は初心者なので助かった。