あらすじ
大学生の瞳星愛は、友人の皿来唄子に誘われ、彼女の実家で行われる婚礼に参加することになる。「山神様のお告げ」で決まったというこの婚姻は、「嫁首様」なる皿来家の屋敷神の祟りを避けるため、その結婚相手から儀礼に至るまで、何もかもが風変りな趣向が施されていた。婚礼の夜、花嫁行列に加わった愛は、行列の後ろをついてくる花嫁姿のような怪しい人影を目撃する。そして披露宴を迎えようというその矢先、嫁首様を祀る巨大迷路の如き「迷宮社」の中で、奇怪な死体が発見された――。作家であり民俗学研究者、そして名探偵としても知られる刀城言耶の怪異民俗学研究室、通称「怪民研」に出入りし、言耶の助手にして素人探偵の天弓馬人と共に数々の怪異譚の謎に挑んできた愛は、皿来家分家の四郎と共に事件の謎解きに挑むことになるのだが……。
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もともと刀城シリーズは大好きなので、本スピンオフシリーズも、第一作のときから気にはなっていた。そんな中、本の雑誌での本作の紹介文を見て(おそらく、刀城シリーズとの近似性が書かれていたのかな)、『これはこっちも読んどかんと』と手に取ったもの。もちろんせっかく読むなら順番通りに。で、やっと読めた本作。なるほど。”嫁首”なんだから当たり前かもしらんけど、”首無”と関連が深い訳だ。そして前作”亡者”と違い、本作は長編ってのもポイント高し。刀城シリーズ並みに満喫・堪能致しました。
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怪民研シリーズ2作目。
刀城言耶先生はでませんが、二人のかけあいは良いね。
いや〜 ラストはあいかわらずゾッとさせてきます。
花嫁道中でも得体のしれないなにかがいそうで、怖かった。
三津田信三先生の本をたくさん読みたい〜
ぜひ〜
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★5 昔ながらの風変りな土着信仰・婚姻儀式が執り行われる中、不可解な殺人事件が発生し… #寿ぐ嫁首
■あらすじ
大学生の瞳星愛は友人の唄子に誘われ、彼女の実家で行われる婚礼の式典に参加することになる。唄子は山神様のお告げによって結婚することになり、さらに嫁首様の祟りを避けるための儀式を行う必要があった。
まもなく披露宴が開かれる折、嫁首様をまつる迷宮社の中で死体が発見される。さらに迷宮社で動物が殺害される見立て殺人事件にも発展していき…
■きっと読みたくなるレビュー
★5 おもろい! 完成度の高すぎですね、さすが三津田信三先生、参りました。
本作は代々の名家である皿来家の物語。昔ながらの風変りな土着信仰、婚姻儀式が執り行われる中、迷路になっている迷宮社で不可解な殺人事件が発生。唄子付き添いで村に来ていた瞳星愛と、皿来家で最も冷遇されている四皿家の四郎と共に、事件の謎解きに挑んでいく。
まず唸らせられるのは、土着、風習、信仰の完成度ですよね。名家ならではの習わし、家長制度、嫁首様信仰、風土病、わらべ歌などなど、本の中に飛び込んでしまったかのように本格的。読めば読むほど夢中になっちゃって、面白過ぎて読み入ってしまう。
そして三津田先生といえばホラーですよね。定期的に放り込んでくる戦慄の仕掛けが上手なんですよ。
何?何? くるの? 怖い怖い… ぎゃーーー!もう勘弁して!
みたいな感じ、よくわかんないですね… とにかく、緊張と緩和、恐怖と安堵のバランスが最適化されてるんすよ。
また本シリーズの主人公の瞳星愛は、今風の一般的な女の子というところもミソ。怪奇で込み入った謎解きの暗い世界観の小説なんだけど、彼女が物語全体を柔らかくしてくれるんですよね。特に四郎や三太との会話がコミカルで、ニヤニヤしちゃうこともしばしば。
また刀城言耶の助手、そして素人探偵の天弓馬人も登場。このキャラが最高に好きなんだよね、しれっと本当のことを言いやがるこの憎々しさったら。瞳星愛との距離感も変な感じだし、やりとりもチグハグで可愛い、微笑ましいんだよねー。
そして本丸、謎解きですよ。本作は不可能犯罪、連続殺人、見立て殺人など本格ミステリーてんこ盛り。犯人と動機、そして皿来家の真相… 終盤の畳みかけは、今年いちばんの謎解きパートかもしれない。そのくらい力強く、深く、そして切れ味が鋭かった。
ほんで何がスゴイって、一連の土着信仰、風習と真相とがしっかりと絡み合ってるところだよね。やっぱりベテラン先生の底力は計り知れないです!
■ぜっさん推しポイント
序盤の人間関係や土着、風習の説明パートが好きすぎる。すっかり世界に入り込み、ずっーと読んでいたくなるんだよね。現代社会では馴染みが少なくなってきていると思うので、こういった貴重な体験ができるのはありがたいです。
あと「花いちもんめ」の替え歌。儚げで美しい唄なんだけど、怖すぎでしょ。
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怪民研シリーズ二弾。学友の婚礼の「付き添い嫁」を務めるため、盂蛇村の皿来家を訪れた瞳星愛。皿来家の屋敷神である「嫁首様」の祟りを恐れ、奇妙な慣例によって婚礼が執り行われる中で事件は起きた。迷宮での密室殺人、そして儀式めいた不吉な殺動物事件。これは人間の仕業なのか、それとも嫁首様の祟りなのか。じわじわとした恐怖も味わえるホラーミステリです。
辺鄙な村。いわくありげな一族。奇妙な風習と言い伝え。謎の数え歌。もうこれでもかって要素が揃っていて、とんでもないご馳走でした。それに加えて迷宮で得体の知れない何者かに迫られる情景が怖くて怖くて! もちろんこのシリーズはきちんとミステリとして解明されますが、やっぱり怪異が残る……それが本当にとんでもなく怖くて、最高でした。刀城言耶ばりに錯綜する推理を次々と繰り広げる天弓も良いなあ。楽しい。
そして今回、いろいろ気になるキーワードがいっぱい登場したので、刀城言耶ファンには嬉しすぎ、そしてこれらがどこかで繋がっているとなると恐ろしい気分もしました。いろいろ読み返したくなっちゃったなあ。
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今作はミステリー寄りのホラー作品ですかね。迷宮のなかで死体が見つかり…。二転三転する推理も楽しめた。最初の事件の真相って実際の事件でも、あんなことあったのだろうか。銃の取り扱いって慎重しなきゃだ。真犯人がゾッとする方法で逃げてしまわれたラストが1番怖かった。
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真犯人の最期の独白後の有様を見て、怪異嫌いの天弓さんはどうなった?
果たして立ち直れたのかな?(笑)
シリーズ、これまでの話はひととおり事件が解決した後、それでもわだかまる謎が人知の及ばない怪異であり、それに肝を冷やすという流れだったけれど、今回の真相はほぼほぼ怪異にまみれており殺人事件は実はその幕間に過ぎなかった…と。
怖っ。
傑作ではあったけれど、
そろそろ本家の刀城御大にお出まし願いたい…
如し。
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先生譲りの多重推理というのか
「そ、そうなんです」は笑ってしまうのでやめてほしい
嫁首様は本当にいるのか
いつもフワっと誤魔化されるところが嫌いになれない
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怪民研シリーズ第二弾。今回は長編です。非常に読みづらい登場人物達の名前から始まり、如何にもな本家と分家の関係、呪い唄や嫁首さまの存在、とオイシイ物てんこ盛りの設定でした。謎解きはちょっと無理がある気もしましたが、最後はいつもの如く怪異が残る話ですのでメインそっちかと。姿が見えないモノに追われる部分は想像するだにヒィー!!ってなります…。
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ことごとく民俗学の要素がでてきて、民俗学が好きな自分としてはその部分もとても面白く読めた。作者がよく取材や勉強をされたうえで、というのもとても伝わってくる。
ラストはゾッとして、光景が眼に浮かぶようだった。実質2日で一気に読んでしまった。没入感あるので一気読みおすすめです。
人里離れた、因習の残る村で起きる祟りのような殺人事件。俗信や呪いに翻弄される人たち。因縁のような、見えない縛りのようなもの。推理小説でありながら、民俗学知識や論理的思考どちらも出てくるところがいいですね。それでもホラー要素もちゃんと存在しているので日本の怪異が好きな人も楽しめると思います。
自分は巳一さん、二日子さん結構好きでした。
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物語の骨格は刀城言耶シリーズのそれ
ただ無敵の陽キャ愛染様のおかけで軽く読める
好みの分かれる蘊蓄の長さも愛染様がカットしてくれてる
総じて刀城言耶シリーズの軽量版って感じ
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タイトルに異議があります。全然寿いでない!呪う〜とか伸びる〜とかにしろよ。
愛の大学の友人とはいうがこの村だと結婚イコール退学させられていそうで心配だ。でも新郎死んじゃったし籍は入れてなかったみたいだから戻れるかな?
迷宮の中で何かが愛に近づいてくるところはなかなか怖くて良かった。
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ホラー風味のミステリ。
嫁入りのしきたりが面倒くさく、なかなか頭に入ってこない。ホラー風味に惑わされたのも大きいかな。
「彼」の祖父母の話、として読むとキャラの違和感がひどいので、切りはなしたほうがよさそう。
それにしても愛が莫迦みたいだし、実際にずいぶんバカにした扱いをされているのは釈然としない。
いったいどこから彼らが後のキャラに変じるのかを知りたいが、そこまで書いてくれるのかな。
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怪民研のシリーズ。
怪異を下敷きにした風習からの民俗学ホラーミステリ。相変わらずのいい雰囲気。。。なんですが。雰囲気はいいんですがミステリ部分がちょっといまいちだったかな。特に最初と最後の事件が。落ちてきた銃弾で銃殺と思わしきことになるもんなんでしょうかね?疑問です。捻じれた首についても鮮やかな真相を期待していたんですが・・・
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怪民研シリーズ。
大学生の瞳星愛が、友人である皿来唄子の婚礼に参加するのだが、「嫁首様」なる屋敷神の祟りを避けるため、儀礼に様々な呪いを施しているのに驚く。
婚礼の最中に起きた当主の奇怪な死体を発見してから次々と起こる不可解な謎と立て続けに起きた殺人。
怪異の仕業か、巧妙な見立て殺人か?
愛は、怪民研の名探偵・刀城言耶の助手の天弓馬人に手紙を送り続け、力を借りる。
真相が解明するまで二転三転するが、唄から読み解く謎解きはなかなか難解だった。
伝承は怪異だからこそ後引く怖さがある。