あらすじ
空前絶後の人間消失。巫女が消える!見事な消失、ミステリー界騒然!! 瀬戸内海の鳥坏島、断崖絶壁の拝殿で行われる<鳥人の儀>とは何か? 刀城言耶シリーズ第二長編、待望の刊行。
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刀城言耶シリーズ長篇の中では登場人物が少なく、複雑な家系図を把握する必要もないので読みやすい作品です。更に早々に限られた人数で舞台となる島に渡ってしまうため、起こる事件や怪異も多くありません。それなより必然的にシリーズの中ではミステリ色の強い作品になっています。
また同じ理由で、ほぼ主人公の刀城言耶を中心で進むため混乱しないことに加え、彼の人柄もよくわかります。長くなるので詳しくは書きませんが、彼のある癖によって生じる笑いにつられて笑ってしまうのですが、誰も傷つかない笑いが心地いいです。
事件が起きた理由が弱いとのレビューもありますが、そういうことが有り得た時代であり、そういったことも含めた、壮大なミステリとして楽しめる作品かと思います。
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途中までは現場のイメージが沸かず、やや苦しかった。しかし、事件発生後は言耶の本領発揮といったところ。可能性をピックアップしてつぶしていくのがやはり良い。何よりも、この設定によって動機面に正当性をもたせられるのが本当に見事だ。
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刀城言耶シリーズ第二作目。前作『厭魅の如き憑くもの』より恐怖描写は少なく、密室での人間消失を描く、ミステリ指向の強い作品。特に、密室からの消失を論理で分類し、分析しようとする推理と、解決編の伏線回収は圧巻。前者だけでも凄いと思ってしまう。
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すごく好き。
文句なしです。
私の好みが凝縮されてます(*´ω`*)
刀城言耶シリーズ第二弾!
瀬戸内海に浮かぶ鳥坏島。
この島にある鵺敷神社の祭壇で、18年ぶりに「鳥人の儀」が行われる。
その神事に参加する事ができた刀城言耶。
儀式の最中に、巫女の朱音が姿を消してしまう。
拝殿は崖の上に存在し、扉は言耶が見張り、密室状態であった。
『厭魅の如き憑くもの』の時の感想と被るかもしれませんが、
ホラー
時代背景が昭和初期
宗教
不気味な言い伝え
密室状態
美しい巫女
そして、ミステリーである。
これはシリーズ全部貫かれるのかなぁ(*´﹃`*)
もう外れませんよ。
幽霊のような禍々しい怖さではなく、宗教・儀式とか、人間消失といった恐さですかね。
島の名の由来であったり、神社の巫女の名前もとても綺麗。今回はモンゴル密教なども関連していて、宗教率濃い目。
ネタバレしたくないからあまり言えないのがもどかしい…!
前作とはまた違うホラーを楽しめます^_^
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シリーズ2作目。孤島で起きた儀式と、消えていく人々。この度は、警察が介入することなく、主人公が事件解き明かし、幕を下ろしました。でも、最後の最後に、これはただの事件では無かった可能性。。匂わせてくれる作者様に脱帽です。ハラハラ、ドキドキを、ありがとうございます!
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特殊な状況下で起こる人間消失。舞台設定が少し複雑で難しいので、もう少し図解があっても良かったかも。ただ謎解きに至る過程での考察などとても面白かった。読み終わったとき結末の意外性に呆気に取られてしまった。すごく面白かった。
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ホラー要素は少なめ。
ミステリとして読むものかなと思った。
最後のオチのためにストーリーが構成されてるんだなぁと思った。
最後に謎が解けてスッキリ読み終われた。
建物の描写が僕の読解力不足なんだろうけどあまり映像として頭に描くことができなかった。
謎のリスト化もあまりわかりやすくはなく、考え方としてはそうするべきなんだろうけど、小説として読むのは少し冗長というか読みやすいものではなかった。
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刀城言耶シリーズの2作目。妖怪的な雰囲気は京極さん要素があるのですが、金田一の雰囲気が多めな小説。刀城言耶が色々な可能性を考えて理論を展開していく様子が面白く、それでも怪異としか思えないものもあるので、そういうのが好きな人にはおすすめです。
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詳細が不明な曰く付きの秘儀が十八年ぶりに行われると聞いた刀城言弥が立会人として参加すると、厳重に閉ざされた拝殿の中で巫女が消失する。その後同じ立会人が一人、また一人と姿を消していき…と、密室からの人間消失といった本格ミステリにはお馴染みのテーマだが、その枠組みが宗教的・秘儀的な要素に彩られて描かれる
まさにと言った具合の推理の細やかさで、登場人物たちと同じ心境で推理に参加しながら読み進めていくことが出来た
その直前の描写から謎解きにかけての内容はどんでん返しの数々で、驚くほかなかった
作中張り巡らされた伏線があっという間に回収されて妖しげな雰囲気も残しつつ謎が解決されていくのが楽しかった!
探偵役自身が立てた仮説を否定して、自分の思考の流れを追わせるような語りにはとても引き込まれた
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刀城言耶シリーズ二作目。
信仰や神事に懐疑的な人間が複数おり、密室からの人間消失というシチュエーションも相俟って、前作と比べて、ミステリ色が強めな作品。
特に中盤に差し込まれる、"人間消失講義"は完全にミステリ小説のそれでした。
ただ序盤の信仰と儀式に関する説明や、ラストのとあるシーンなど、怪奇要素もしっかり残っており、シリーズ特有のミステリとホラーの良い塩梅を楽しめました。
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こんな怪しい儀式にも、神秘的な舞台のど真ん中にいても、恐怖に取り込まれずにあくまで現実的に事件を解明しようとする主人公がいいなと思った。これだけ不気味な要素がありながら、この妙な冷静さを持ち続ける点は読んでいて安心できる。
前作よりも怖さは控えめだったように思うけれど、その分ずっしり重たい内容だった。想像以上に本気の儀式だったことが分かり、命をかけた姉の思いを何としてでも守りたい弟、切ない。赤い旗があがってさえいれば成功だったなんて、切ない。
巫女の間だけで引き継がれてきたこの儀式、朱里にもその役目が回ってきてしまうのかな。余韻の残るラストが良かった。
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刀城言耶シリーズ第二弾。
今回も内容はホラーとミステリーの融合作品ではありますが、密室空間における人間消失トリックがメインになっておりミステリー要素がやや強いです。
最初の段階で密室トリックを予測できてましたが、迷想探偵である刀城言耶の叙述トリック?(実際は違います)によって自分自身も迷想の渦に巻き込まれてしまいました。
結末を一言で言うならば「凶」、自分で予測していたことなのに真相を知ると余計に鳥肌が立つ作品でした。
ただ、自分が読み飛ばしたのか分かりませんが、密室空間に置かれていたある「モノ」の消失の謎が残りモヤモヤしています(笑)。
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刀城言耶シリーズ第2弾。前作とは打って変わって孤島を舞台にしたクローズドサークル、とあらすじを読む限りそんなイメージでしたが、中盤から推理が始まったりと一筋縄ではいかない展開が続いて面白かったです。推理をしては否定してを繰り返すスタイルは好きです。途中の洞窟に入る場面は江戸川乱歩の「孤島の鬼」を思い出しました。オチは無理があるなあと思いましたが、人間関係がすっきりしている分前作よりも読みやすかったです。
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解説にある通り、まさに
「本邦の民族風習に根ざすオカルト趣味とロジカルな謎解きの興趣を高度に融合させ」た作品。
ホラー要素は前作より抑えられており、人間消失の分類などロジカルさはかなり増している。
21個の謎を一気に解くあの真相の衝撃はハンパではなく、一瞬天を仰いでしまった。
全体的に推理の根拠が弱くは感じられるものの、伏線回収もとても巧い。
だが、18年前の事件の真相はさすがにいただけない。6歳がそれを思いついき、そして実際に七人の死体を処理したというのは無理がある。
それ以外は、個々のトリックや、“探偵が犯人にトリックを提供した”という皮肉的な事実などなど、本当に面白い。
あの鳥肌が立つラストも見事。
前作では正直邪魔に感じられた民俗学の講義が(何故か)本作では面白く感じられたこともあり、前作よりもハマった。
これもなかなかの傑作だと思うのだが、本作をも凌駕するらしい『首無〜』とやらはどんなもんなのか、今から楽しみで仕方ない。
好き
このシリーズの中では評価がわかれる作品ですが、私は好きでした。トリックもえ!とはなりますが、まぁ単純ではありますし。登場人物も少なく舞台もわかりやすいので。雰囲気もしっかりいつもの感じですし、楽しめました。
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最後がちょっと不気味とはいえ、自分が読んだ中では初めて、いわゆる物の怪が関与せず、人力のみで犯罪が完結された物語。そのせいもあってか、解説でも書かれているように、いわゆる本格ミステリ色が濃厚。でもわたし、そっち方向は望んでないのです。いかに本格ミステリとの差別化がなされるか、ってのが本シリーズの見どころと思っているので、もちろんクォリティは申し分がないのは認めるけど、シリーズ中ではちょっと低めの評価かも。
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評価の分かれる作品らしく、確かにあまりにダイナミックな結末を読むとさもありなん。「そんなの現実的にありかよ」ともなるし、結末の衝撃にただただ驚かされる楽しさもある。個人的にはびっくりが勝ったかな。
一作目と比べると登場人物が少ないのと、民俗学パートが簡潔で読みやすさもあるけど、その代わり現場の状況を頭の中で把握するのが難しかった、、立体図欲しい。
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地方の漁師町で古来より信仰される孤島の神社。十八年前そこで秘密の儀式が催行され、巫女含む男女6人が彼女の娘一人を残して不可解にも消失した。そして今、その娘によって秘儀が再び行われ、彼女もまた消失してしまった。
密室状態の拝殿からの消失、そこに残された異様な惨状を前に、読者は人智を超えた宗教的な力の作用を直感する。合理的な解釈の検討を試みる主人公を横目に、一人また一人と次々に一行が消失する様は、読者を恐怖に陥れると共に、現象の超自然性を強め、合理的解釈即ち事の真相への読者の注目度を格段に高める。不可解な言動や消失に伴う状況証拠、島を探索して得られた発見などから導き出された真相は、常人には到底想像もつかぬ様な、常軌を逸した内容であった。それは、秘儀が、その現象こそ合理的即現実的であれど、内容は極めて狂信的であったということを指し示し、読者にこれまでにない劇的なインパクトを残して、物語の幕を閉じる。
読後感の強さが甚だしく、何か壮絶な体験をした感覚さえ得られる。途中の合理的解釈を検討する部分で間延びして少々の読み辛さを感じたものの、買って後悔のない一冊であった。
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怪異と論理的思考を組み合わせた硬めのミステリー。
民俗学的な謂れが長くてやや辟易したり、推理が格式ばりすぎて頭がついていかなかったりと読中疲れるが、次回作も読むこと間違いなしのシリーズ。
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密室トリックをあれこれ検討していく過程が、ちょっと分かりづらかった。
最後の推理ももう一段階あるのかなと思っていたら終わってしまって、うーん、という感じ。
つまらないわけではないけど、前作ほどの衝撃はなかった。
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戦後すぐ位の田舎の方であれば、こんな狂信的な宗教家や、祟りなどへの強い怖れがあったんだろうな〜、と1作目より現実っぽさがあった。
ちょっとやるせなさみたいな感じが残った。
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あり得ない状況での、人体消失の謎を追う、刀城言耶シリーズ、第二弾。
今作は、ホラー要素が少なめで、ミステリ要素が多め。
人体消失の謎について、喧々諤々と議論する場面は、いかにもミステリの楽しさに溢れている。
しかし、ラストは衝撃的。この結末は、ある意味、一番、ホラーかも。
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刀城言耶シリーズ第二弾は、瀬戸内海に浮かぶ鳥坏島が舞台。神事「鳥人の儀」を執り行う巫女・朱音は、この地を訪ねた刀城言耶の目の前で姿を消す。これは果たして奇跡か?トリックか?そして、18年前にも執り行われた鳥人の儀との関係は?
いきなりですが、物語の肝の部分、つまり朱音が姿を消した真相ですが、これ、かなり賛否がわかれる内容かと。正直、わたしは「ありえねぇ…」と呟いてしまった人なのですが、一応筋は通っていた(だよね?)ので、これはこれとして受け入れることができました。ただ、今回は(といってもまだ3作しか読んでいません)怪異の部分が少し弱かった印象。もうすこし鳥女の化け物の恐怖を味わいたかったなぁと思ったり。
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シリーズ2作目。
一作目ほどホラー要素は強くなかったですが、前回と同じで最後の最後の終わり方がすきです。
密室のトリックは奇想天外。よくこんなことを思いついたなと。想像するだけでもおぞましいです笑
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★3.7くらい
1作目より禍々しさが無くて読みやすかった。最後の後味の悪さも少なくて割とあっさりしていた。怪異的謎が最後に残るのはこのシリーズの良さでもあるけどちょっとむず痒い。
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鳥坏島で十八年振りに執り行われる『鳥人の儀』。
その儀式に参加した刀城言耶の目前で起きた人間消失。
これは人々が崇める大鳥様の奇跡か、鳥女の呪いか、それとも事件なのか。
驚愕の真相が待ち受ける怪奇ミステリー。
謎の一つである『鳥人の儀』の意味を知った瞬間、背筋が凍った。
Posted by ブクログ
多くの方が感想で書かれているように、島の地形図や建物の中がどうなっているか想像するのが難しかったけれど、何とか楽しめた(畳の下の板をはがすと岩肌、が不思議で仕方なかった…)
衝撃的な儀式だったなぁ。
ラストシーンはとても切なく、でも私はこの終わり方好きでした。
1冊目よりは読みやすかったように思う。
Posted by ブクログ
鳥坏島で行われる鳥人の儀で起こる人間消失の謎。結末が予想外すぎだった…。
頭の中で拝殿とか島の様子を想像しても、いまいちピンとこなかったなぁ…。少々図解が必要かも。
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このシリーズ、個人的に最新作を読んでから遡って一作目、二作目と読み始めたんだけど、一作目は詰め込みすぎ、二作目は前作を省みて逆に削ぎ落とし過ぎのように感じた。
ただシリーズモノってこうやって試行錯誤を繰り返して洗練されていくのだと思えば、全く興を削がれる事は無く、この後大御所キング先生のホラーを挟んでシリーズ中でも評価の高い『首無し…』を読もうと既に準備している。
一作目に比べてあっさり感は否めないもののそれでも巫女消失のトリックについては破壊力充分だった!
結びにもう一点、あとがきを読んで読む本を決められる方、この本についてはやめられた方が良い。
掟破りの『あとがきネタばらし』で肝心な箇所がハッキリ明記されてますよ(笑)。