あらすじ
あらゆるホラージャンルにおける最高級の恐怖を詰め込んだ、豪華アンソロジーがついに誕生。宮部みゆき×切ない現代ゴーストストーリー、新名智×読者が結末を見つける体験型ファンタジー。芦花公園×河童が与える3つの試練の結末。内藤了×呪われた家、三津田信三の作家怪談、小池真理子の真髄、恐怖が入り混じる幻想譚。全てが本書のために書き下ろされた完全新作! ホラー小説の醍醐味を味わうなら、まずはここから!
宮部みゆき「あなたを連れてゆく」
新名智「竜狩人に祝福を」
芦花公園「月は空洞地球は平面惑星ニビルのアヌンナキ」
内藤了「函」
三津田信三「湯の中の顔」
小池真理子「オンリー・ユー――かけがえのないあなた」
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
角川ホラーアンソロジーの「堕ちる」です。
コンセプトが割としっかりしている短編って「長編で読みたいなぁ」と思うことが良くある。
同じシリーズのアンソロジーで「潰える」「慄く」では、短編だからこそできる潔さがあったけれど、「堕ちる」に収録されている作品は、後を引く感覚があった。その後の出来事、前日、話が飛んだ間には何があったのだろうかと。
怖さで言えば「潰える」が1番だったけど、読後の感覚だと今作が1番だと言える。
なお、以下に個人的なランキングを書きました。
『怖さ』ランキング
1位 潰える
2位 慄く
3位 堕ちる
『読み応え』ランキング
1位 慄く
2位 堕ちる
3位 潰える
『コンセプト』ランキング
1位 堕ちる
2位 潰える
3位 慄く
Posted by ブクログ
SNSで話題に上がっていたのをたまたま覚えていて書店の棚で目に入って購入。
執筆陣が限られた枠の中に物語を詰め込んだ作品集。枠の中にピッタリと収まった物語の心地よさと怖さが良かった。
Posted by ブクログ
ホラーアンソロジー。これもまた最強の布陣ですよねえ。
やはり一番怖いのは三津田信三「湯の中の顔」。タイトルから連想した通り田中貢太郎「竈の中の顔」がモチーフなのですが、私としてはこっちの方が怖い! 下がっていく生首が想像するだけでぞぞっとしました。
宮部みゆき「あなたを連れてゆく」、良いなあ。これ、この後の物語もぜひとも読みたいと思います。
小池真理子「オンリー・ユー」、これは怖いというよりも切なくて、だけど素敵な物語だと感じました。孤独な主人公が幸せな家庭に惹かれるところが「夜顔」と似ているな、と思ったけど。「夜顔」ほど怖くなく、そして寂しく切ない結末です。
内藤了「函」、芦花公園「月は空洞地球は平面惑星ニビルのアヌンナキ」はどちらも不気味な怖さが印象的。でもって新名智「竜狩人に祝福を」が、まさかのアドベンチャーノベル。これってホラー? ……ホラーでした。まずは番号に従って、そしてあとでそれ以外も読むのをお勧めです。
Posted by ブクログ
角川ホラー文庫オリジナルアンソロジー。ホラー界では有名な人ばかりで、どれも楽しめました。中に1作ゲームブック形式の話があり、ページに指を挟んで進んだり戻ったりするのが懐かしいというか、めんどくさいというか(笑) 最終的に、全部の部分を読むため最初から番号関係なく読んだりして、普通の小説の方がいいな、と思いました…。個人的には内藤了の函が一番怖かったかな。
Posted by ブクログ
豪華作家陣によるホラーのアンソロジージー。
宮部さんの作品は、初期の頃を彷彿とさせるもので、なんだかとても嬉しくなりました。
そして、もっと嬉しかったのは新名さんの作品。ロールプレイング的な小説はすごく久しぶりに読んだ。子供の頃、すごくワクワクしながら読んだのを思い出した。しかし、普通に読み進めるとたどり着かない章があるのは、何を意図したのだろう。
Posted by ブクログ
ホラーの多様性と作家の個性を堪能できる上質なアンソロジー。ただし、期待値次第で評価が分かれるかもしれない。
宮部や小池の情感、三津田や内藤の伝統、新名や芦花公園の斬新さがバランスよく共存し、1冊で幅広い恐怖体験が味わえた。
Posted by ブクログ
有名作家が執筆したホラーアンソロジー。不思議な話、怖くない話もある。
個人的に好きなのは三津田信三さんと小池真理子さんの話。
三津田さんの話は想像するだけで怖くゾッとした。似ているかもしれない、って序盤で言われてる「竈の中の顔」を読んでみたいなと思った。
小池さんのはほんわかする話から一変して困惑したまま終わるのが良かった。
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内藤了の家ホラーが段違いで恐ろしかった。芦花公園の河童の話もここ最近の世相を反映したホラーという点で面白い。小池真理子の最後の作品は、アンソロジーの最後にふさわしい切なさがあってよかった。
Posted by ブクログ
好きな作家さんが何名か著者として表紙に名前があったので読んでみました。
宮部みゆきさん、小池真理子さんは怖いだけじゃなくて読み終わった後の余韻もある味わいでさすがです。新名智さんの作品はゲームブック風、でも読み進めていくうちに…と驚きの展開でした。芦花公園さんは相変わらずワールド炸裂。一番怖かったのは内藤了さんの「函」でした。ONのシリーズが頭にあったのですが、全然違う味わいで、怖くて読みやめたいのに面白くてやめられないという大変な状況に。
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「竜狩人に祝福を」
一番面白かった。
ファンタジーのタイトルで内容も外国が舞台になってて、ゲームブックの構成だったから懐かしいな〜って思って楽しんでたらとんでもないことに…
「函」
久しぶりにめっちゃ怖い!夜中に読んでて途中で読むのやめて次の日に読みました。あんな家一泊もしたくない。
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ホラーにあるまじき爽やかな後味が秀逸の「あなたを連れていく」、ゲームブック形式にハマってつい夢中で何度も読み返してしまった「竜狩人に祝福を」、作者おなじみの展開ながらしっかりビビらせてくれる「湯の中の顔」、土地の怨念が牙を剥く恐怖直球勝負の「函」…どれが一番恐いかというより、こういう恐さ生んじゃうのか!と各話存分に発揮されたホラーの名手である先生方の様々な角度からの巧みな手法を堪能できる。
期待の芦花公園さんホラーはSF色強めで意外だったな。
「オンリー・ユー」は怪奇幻想と猫好きにはたまらない組み合わせ。
Posted by ブクログ
ホラーやミステリーで有名な6人の短編集。
書き下ろし短編集ということもありそれぞれの特色が出ており始めて読む著書の作品も読むことができてお得な一冊だと思う。
ただ、ホラー好きの方には若干ホラー要素は少なめな気がする。
私自身のおすすめは新名智さんと小池真理子さんの作品。
新名さんは本にしては珍しく読んでいくとゲームのような選択肢があり読者側に物語を選択させるという斬新なものであった。選択肢を変えれば何通りもの物語もある為、再読しても面白いと思う。ファンタジーかと思いきやしっかりオチもあり。
小池さんは主人公が少し訳ありでそちらに目を向けすぎて全然真相に気づけなかった。最後は少し謎が残るが、主人公も大事な人を亡くして仲睦まじい家庭を羨むばかりか幻覚を見ていたのかなと…。
Posted by ブクログ
角川ホラー文庫30周年を記念し、最大の恐怖を詰め込んだアンソロジー第2弾。
第1弾と第3弾は読んだので、読み残してた1冊。
以下印象的だった作品。
新名智「竜狩人に祝福を」
ドラゴンに支配された世界でドラゴンを倒すために旅立つ主人公。
ゲームブック形式は無条件にわくわくしてしまう。通常ルートで進むとたどり着かないページが点在していてそこを読むと主人公の背景が徐々にわかってくるんだけど、そのページが結構ぶつ切りになっていて、どうせならゲームブックの中に組み込まれて自然にたどり着くようになってたらさらによかったのになぁと思った。
内藤了「函」
突然一等地のお屋敷を相続することになった主人公。売れば3億円の価値があるという。喜ぶ主人公だが、その土地は呪われた土地だった。
古いお屋敷の描写や、その家のいわくがどんどん明かされていくところがぞくぞくする。座敷牢ってなんであんなに怖いんだろう。ハエとか虫の描写で不快感抉ってくるところが内藤了さんだなぁと思った。
三津田信三「湯の中の顔」
バーでたまたま隣り合った男から聞いた湯治先での怪異体験。
夜の温泉や山小屋での怪異との遭遇からの、そこから逃げる描写が怖くてさすがの三津田氏。最初の長々としたイニシャルトークは元ネタから拝借したけどパクったわけじゃないからねっていう言い訳かなと思ってしまうのは性格が悪いだろうか。Aの「K」とSの「M」しかわからん…。「怪異十三」は読んだので「竈の中の顔」も読んでるはずなんだけどさっぱり覚えていない。改めて青空文庫で読んでみたけど、言うほど類似してるとは思えなくて、なおさら最初のくだりが不要のように思えた。
小池真理子「オンリー・ユーーかけがえのないあなた」
司法書士事務所の助手として勤める主人公。故人の所有するセカンドハウスの整理に出かけたところ、そのマンションの管理人一家の暖かいもてなしを受けるが…
怖い、というよりは悲しい話だった。
Posted by ブクログ
宮部みゆきさん目当てで読みました。
ネタバレ感想
あなたを連れてゆく
ふんわりホラー
アキラは幸せなのかな不幸なのかな?と思ったり。
とても怖い!というよりか少しノスタルジー感じるホラーファンタジーみたいな作品でした。
竜狩人に祝福を
この本はこの話を読んだだけでもいい収穫になると思います。新感覚選択式ストーリーでかつラストに驚愕の真実を得ます。順々に選択していくと…。
この作品はもっと評価されて欲しい、この作品だけで小説を出して欲しいです。
月は空洞地球は平面惑星ニビルのアヌンナキ
河童のお話
ナメてかかって読んだら意外と怖かったです。
この分野はなんていうんだろう…
函
あぁ…やってしまった感
怪しさ満点
まぁそんなうまい話はないわな
世にも〜にも出てきそうな怖い話
オンリーユー かけがえのないあなた
切ないホラー、最初から最後まで悲しいお話。
とても優しい家族がまさかの…。
慄くもネコがいましたが、
今作品、始まりも最後もネコでした。
Posted by ブクログ
最高級の恐怖はなかったけど、それぞれのもちあじのあるホラーで楽しめた。個人的には内藤さんのどんどん狂っていく感じのストーリーや小池さんのしっとりとした雰囲気が好みでした。
Posted by ブクログ
⭐︎3 宮部みゆき あなたを連れてゆく
怖さは全くなく、ほっこりした
星なし 新名智 竜狩人に祝福を
児童書のサバイバルゲームブックみたい、、
なんだ?こんなのが読みたいんじゃない!と本を投げたくなって、途中でやめた
⭐︎2 芦花公園 月は洞地球は平面惑星ニビルのアヌンナキ
えー、と、、カッパとレプね、、うん、好みじゃない
⭐︎4 内藤了 函
うんざりしてたところに、内藤了さんの名前は安心感半端ない
絶対怖いよ、面白いはず!とわくわく
この中でダントツ1番好き、これぞホラー
⭐︎2 三津田信三 湯の中の顔
序盤なにを聞かされているのか、、とうんざりしてとばして
ようやく話が始まり、山に入って逃げるまではドキドキしたけど、結局なにもかもよく分からないまま終わった
⭐︎2 小池真理子 オンリーユーかけがえのないあなた
途中までは普通に楽しめてたんだけど、結局あの道が関係あったのか、色々と腑に落ちない、よくわからないまま終わった
Posted by ブクログ
最恐ではなかったかな…
宮部みゆきのはさすがなのだが、恐くはないし、まぁ確かにそれは恐いかなというのは一つあったけれど。
だから、タイトルに惹かれて、そういうつもりで読んでるとちょっと違うかな。
一つ一つは、面白くなくはないけどな。
Posted by ブクログ
ホラーアンソロジー。
最恐とうたってはいるが、トイレに行けなくなるほどではない。
が、やはり力のある作家の作品なので怖い。
特に、面白いと思ったのは次の作品。
「竜狩人に祝福を」
昨年は辰年ということもあって、Aden+anaisの干支シリーズ、ドラゴン柄ガーゼケットを買った。
ドラゴンだとか龍だとか、かっこいいよね!
いいと思うのは小中学生男子だけじゃないんだぞ、ということでタイトルに惹かれた。
中身は、自分で選んだ数字通りに物語を読み進めるRPGタイプ(結構こういう手間が好き)なのだが、そこに一工夫。
そのままだと全て読めない、のだ。
だから飛ばした部分を初めから読むと…‥。
虚構と現実がないまぜになっていくのが面白い。
「オンリー・ユー-かけがえのないあなた」もまた幻想的。
「愛情」を書かせたらピカイチの作者。
似たような話はブラック・ジャックにもあるが、そもそも日本の昔話に鶴女房というものがある。
こうした物語というのは普遍性のあるものなのかもしれない。
「函」は正統派のホラー。
家にまつわる怪異は怖い。
寒い日、薄曇りの日に、薄暗い家に一人でいる時に(正確には赤ん坊がいるから二人だ)読むもんじゃない。
開発されない場所、というのは何かきっとあるんだろう、そんな気がしてきた。
Posted by ブクログ
新名智さんのゲームブック的な展開面白かったな。全体的にホラーというよりはホラーファンタジー的なのが多かったかな。宮部みゆきさんと小池真理子さんのも読み物として面白かった!
Posted by ブクログ
角川ホラー文庫30周年記念アンソロジー、2冊目。収録されているのは以下の6編。
宮部みゆき×霊能を持つ従姉とのひと夏の思い出、『あなたを連れてゆく』。新名智×狂気のゲームブック、『竜狩人に祝福を』。芦花公園×河童との三つの取引、『月は空洞地球は平面惑星ニビルのアヌンナキ』。内藤了×一等地の土地家屋に秘められた呪い、『函』。三津田信三×怪談作家による怪談論、『湯の中の顔』。小池真理子×死後事務委任契約で訪れたリゾートマンションで遭遇する怪異、『オンリー・ユー―かけがえのないあなた』。
『潰える』と同様、名の知れた作家が名を連ねるホラーアンソロジー。新たな推し作家を見つけられるのを期待していたのだが、残念ながらピンと来る作品はなかった。敢えて挙げるとすれば、新名智『竜狩人に祝福を』だろうか。ゲームブック仕様で物語が進むという新奇な仕様。指示どおりに読み進めると辿り着くことがない隙間ページに、物語の真相が挿入されているのも面白い。仕様で物語の世界を作り上げている良き一作。
Posted by ブクログ
2025.01.07
ホラー界の大御所や新進気鋭の作家たちばかりでは豪華だけど「恐い」って感じではないかな…。
芦花公園は切り口も内容も面白いのにオチに持っていくまでが残念!王道ホラーを書いてくれたらもっと受け入れられそうなのに。
新名智「龍狩人に祝福を」は昔懐かしのゲームブック風で逆に新鮮。どう進んでも辿り着かないページがあるのも面白い。
内藤了「函」が展開が読めずハラハラしながら読めて久しぶりにホラー短編で面白いと感じた。
小池真理子氏の文章はねっとりまわりクドくてやっぱり好きになれない。ていうかこれホラー?
Posted by ブクログ
刺激的なタイトルと宮部さんの名が連なていたので読む。
手にしてみると、ホラー文庫であった。
好んで読むジャンルではないけど、恐る恐る・・・
怖さはなかったけどホラーは後味悪いな、やっぱり。
Posted by ブクログ
「最恐」と銘打ったにしてはやや物足りないが、怖さの魅せ方のバリエーションは豊か
"あらゆる怖さのニュージャンル"というホラー文庫創刊当時のコピーを具現化している、なーんて言ったらやや褒め過ぎ、か
Posted by ブクログ
作家6名のホラーアンソロジー。
ダイレクトに怖いものと、じんわり怖いものと、読み終えの最後に怖さがくるものと、それぞれ感。イメージ的で読者の読解力に委ねられた、わかりにくく微妙な作品が多めに感じた。
あなたを連れてゆく宮部 みゆき(霊を助ける娘)
竜狩人に祝福を新名 智(選択をしながら読む)
月は空洞地球は平面惑星ニビルのアヌンナキ芦花公園(人をあやつる?河童)
函内藤 了(古い屋敷と血縁)
湯の中の顔三津田 信三(頭部の霊?)
オンリー・ユー小池 真理子(管理人一家の謎)
Posted by ブクログ
「あなたを連れてゆく/宮部みゆき」
「竜狩人に祝福を/新名智」
「月は空洞地球は平面惑星ニビルのアヌンナキ/芦花公園」
「函/内藤了」
「湯の中の顔/三津田信三」
「オンリー・ユー/小池真理子」
6話収録の書き下ろしアンソロジー。
お目当ては推しの小池真理子さん。
6話それぞれにテイストが異なり、多種多様な恐怖を味わえたが、特に印象に残ったのは、宮部さんと小池さん。
宮部作品は安定のリーダビリティの高さ。
最恐と言うより、じっとりとした恐ろしさを醸し出しながらも読後感がいい。
小池作品は流石の一言。
怪奇小説作家としても秀逸。
Posted by ブクログ
まぁ、作風もいろいろ。
私的には、宮部みゆきと小池真理子の話が綺麗でまとまっていて好き。
内藤了は最近 よく読むけど 相変わらず世界観が怖い。都会の谷間の吹き溜まりって この人の得意の世界。