三津田信三のレビュー一覧

  • 赫衣の闇

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    敗戦直後の混乱期の日本社会の描写が興味深い。近年「戦争孤児」の方々の記憶が語られるようになり、NHKの“駅の子”や“戦後ゼロ年”“東京ブラックホール”等戦後史を扱った番組を通じて再度戦後史に関心をもっていたので興味深く楽しめた。
    終盤「ジーンズパンツが似合う青年」が....

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    2022年02月21日
  • 幽女の如き怨むもの

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    今回はちょっとホラー色薄めかな〜と思いながら、読み終わって本を閉じた丑三つ時。
    手洗いに立った私は、なるべく窓の外に目を向けないように不自然に顔を背けていました。だって………。

    …………窓のすぐ外側から、誰かの顔が覗いてるような、そんな気がしたんです…………


    キャーーー!!!!!(うるさい


    やっぱり三津田先生の刀城言耶シリーズは鉄板に面白い。程良く怖い。怖すぎないんだけど、なんか時間を置いてジワジワくる怖さがある。

    本作は「遊女」をテーマにした不可解事件。
    戦前、戦中、戦後。時代を経て三度繰り返される転落事件の謎を、刀城言耶が解き明かします。

    テーマがテーマなだけに、遊女になった

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    2022年02月15日
  • 碆霊の如き祀るもの

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    刀城言耶シリーズ。

    ホラーが苦手なので、最初の4つの怪談話はいつもながら気合を入れて読む。とは言いつつ、三津田さんのホラーは怖いけれどいつも惹き込まれて読んじゃう。江戸~戦後直後といった時代性と地域性が限定されているので、怖さよりも民俗学的要素の興味のほうが強くなっちゃうのかも。
    そして漸く刀城言耶が登場するや、一安心。怪異のような事件は起こり続けるけれど、彼の登場からは推理モノとして十分に楽しめた。最後、完全解決にはならないところがこのシリーズの特徴というか、醍醐味というか。弩級のミステリが投げかけられていて痺れましたワ。

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    2022年02月12日
  • 犯罪乱歩幻想

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    ネタバレ

    江戸川乱歩トリビュート作品に、リングとウルトラQトリビュート作品も加えた短編集。
    乱歩は薄ら覚えてるレベルで読んだけど大変面白かった。
    それぞれの話の語り口調がいかにも乱歩な感じで、昭和な世界観で進んでいくのだけど、急にスマホとか出てきて現代に引き戻される。

    「赤すぎる部屋」が結末まですっきりしてて好き。
    衝動を引き起こす原因には気づかなかった。

    「屋根裏の同居者」はミステリとして解決したと見せかけて、最後に突き放された。
    探偵の身が危ないのか、語り手の身が危ないのか。

    リングというか貞子トリビュートの「骸骨坊主の話」は確かに貞子っぽくて面白かった。

    作者の他の作品は未読なので、「G坂

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    2022年02月02日
  • 赫衣の闇

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    物理波矢多シリーズ第3弾。今回は戦後の闇市が舞台で、どちらかというとホラーよりミステリ寄りな話である。
    『黒面の狐』の事件後、物理波矢多は友人の依頼で闇市に出没する「赫衣」と呼ばれる怪人の正体を調べることに。しかしそこで凄惨な殺人事件に遭遇し‥
    闇市の歴史や当時の食糧事情、風俗などがよくわかって面白かったし、「赤迷路」と呼ばれる闇市の魅力や不気味さがよかった。密室や犯行後に消える犯人の謎は物理的にはそれほど驚くことはなかったが、この時代ならではの心情を思うと切ない。

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    2022年01月23日
  • おはしさま 連鎖する怪談

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    三津田信三先生のTwitterで知る。
    サイン本は買えなかった!

    これがきっかけで台湾、香港の翻訳小説を初めて読んだ。宗教や土俗的なところは似ているところが多く、想像しやすい。歴史や名前が出てくるところは新鮮だけど。

    和製のじっとり忍び寄る怖い話、人の感情を繊細に描写して人間ドラマも楽しめる話、サスペンス、ミステリーの要素があって誰が黒幕かとハラハラする話、神様がしっかり登場する冒険劇のような話と、色んな要素を楽しめる。箸をキーワードにしたリレー小説で、前の小説を読んで次の作者が書くので少しずつつなぎ合わさっていくワクワクもある。

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    2022年01月16日
  • 凶鳥の如き忌むもの

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    ネタバレ

    解説にある通り、まさに
    「本邦の民族風習に根ざすオカルト趣味とロジカルな謎解きの興趣を高度に融合させ」た作品。
    ホラー要素は前作より抑えられており、人間消失の分類などロジカルさはかなり増している。

    21個の謎を一気に解くあの真相の衝撃はハンパではなく、一瞬天を仰いでしまった。
    全体的に推理の根拠が弱くは感じられるものの、伏線回収もとても巧い。
    だが、18年前の事件の真相はさすがにいただけない。6歳がそれを思いついき、そして実際に七人の死体を処理したというのは無理がある。
    それ以外は、個々のトリックや、“探偵が犯人にトリックを提供した”という皮肉的な事実などなど、本当に面白い。
    あの鳥肌が立つ

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    2021年12月26日
  • 山魔の如き嗤うもの

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    終盤、思ったより盛り上がらないなぁ〜、と残念に思ってたら、流石です。お見事でした。

    ミステリー的には現実的な解釈されないと、むず痒いけど、ホラー的にはそれがちょっと淋しく感じてしまうので、難しいねぇ
    人によってバランスが違うしね

    私は、もう少しホラーよりでもよかったかな?

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    2021年11月16日
  • 死相学探偵最後の事件

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    これにてシリーズ完結。ついに黒術師との直接対決。
    前半は招かれた孤島で呪術により一人づつ命を落としていく王道の展開。
    後半はついに黒術師のアジトでの直接対決で、祖父母や黒捜課に託されて塔を登っていく俊一郎という展開が胸熱だった!
    黒術師の正体も僕にゃんの真実も衝撃。

    作者の別の作品の登場人物や地名も出てきて、過去作品をおさらいしたくなった。

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    2021年10月18日
  • 「さあ、どんでん返しだ。」(キャンペーン8作品無料試し読み)

    購入済み

    沢山のミステリーを知ろう

    ミステリー作品は読んでない人からすれば敷居が高く感じられますが、同一作者のみのものではなくさまざまな作家先生方の作品が連載されているこのシリーズであれば、自分のお気に入りの作風を知ることができると思います。

    #深い

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    2021年11月06日
  • 「さあ、どんでん返しだ。」(キャンペーン8作品無料試し読み)

    購入済み

    東川篤哉先生の純喫茶〜の続編が見られるなんてワクワクします。是非文庫本が出たら買いたい。これを気に他のミステリー作家さんたちを知れたのも良かったです。

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    2021年10月14日
  • 死相学探偵(1)

    無料版購入済み

    原作既読です

    原作を読んだのは少し前だったので、思い出しながらマンガの方を読んでみましたが、絵になることで作品のイメージが広がって面白かったです。それにしても死相の見え方がマンガにするとエグい!!私には見えなくて良かったなあ(笑)

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    2021年10月12日
  • 禍家

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    ネタバレ

    両親を失い祖母と新しい家に引っ越してきた主人公の中1男子の貢太郎は初めて来る町なのに見覚えがあるような感覚を覚える。
    ただのデジャブだと考えていたのだが......
    老人から訳の分からないことを聞かされたり、魔物に襲われたり、家の中では霊を見たりとホラー全開。

    ただのホラーなら霊の正体を突き止め退治してエンドって感じだが、本書は一ひねりも二ひねりもあり、どんでん返し付きのミステリー要素もプラスされる。

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    2021年10月12日
  • 白魔の塔

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    物理波矢多シリーズの2作目。前作「黒面の狐」とはまた違った方向性で物語を展開してきたところが面白い。
    今回は「灯台守」テーマということで、灯台という閉鎖空間で過ごす男達に襲いかかる怪異モノになるか…と思いきやそうではなく、灯台が建つ地域(僻地)の因縁をテーマにした物語でしたね。
    一部と二部で現在と過去が語られ、第三部で解決篇を描きつつも、第三部のタイトルが「五里霧中」ってのが良い。この物語の展開のさせ方、大好きです。映像演出でも見てみたいぐらい、ここぞという見映えポイントでしたね。
    今回は怪異ウェイトが高いので、ガチ本格を求める人には評価は渋くなるかもしれませんが、怪異の雰囲気と物語の組み上げ

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    2021年10月10日
  • 死相学探偵最後の事件

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    ネタバレ

     「最後」だからなのか、冒頭で作者の他の作品に出てきた探偵役や、作品が、作中で実際にあった解決済みの事件として登場しており、とても楽しい。
     しかも、ただの雑談ではなく、謎解きに関連してくるために過去作を呼んでいればさらに楽しめる。
     最後の舞台は黒術士のアジトがあるとされる孤島。
     死相学探偵たちはそこに招かれるが、関係者や無関係のホテルの従業員たちが一人ずつ殺されていく。いわゆる孤島ミステリーである。
     しかし、相手が黒術士なだけあって、一筋縄ではいかないトリックが使われていた。
     連続殺人の謎解きの後には、黒術士の塔に招かれて直接対決を行う。
     シリーズ全体のまとめがなされ、きれいな最終

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    2021年09月19日
  • 黒面の狐

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    炭鉱が舞台の小説は初めて読んだし、炭鉱に関する知識は全く無かったのですが、著者の広い知識と説明のおかげで世界に入っていくことができました。

    後半は怒涛でほとんど一気読み!

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    2021年08月30日
  • わざと忌み家を建てて棲む

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    本当なのか創作なのか分からないような書き方が怖さを増していて良い。難しい漢字を使うのは怖さを助長するのかな?

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    2021年08月27日
  • 碆霊の如き祀るもの

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    ゆっくり味わいながら読む筈が、結末をのんびり待っていられない謎だらけのおもしろさについ夜更かし。
    時代を跨いだ四つの怪談からの始まりは好き嫌い別れそうだけれど自分はゾクゾクしてこの強羅という舞台特有の不気味さが感じられて好印象。
    押しの強い偲さんのキャラにもだいぶ慣れてきたなw
    薄々気づいてしまった唐食船の正体も、その答え合わせを待つ間のドキドキが一種の醍醐味。土地土地が背負ってきた歴史の想像を絶する重さ…。それでも守るのは過去ではなく未来を生きる子供や若者であって欲しかった。
    ゾッと凍りつく幕切れに息を呑む。

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    2021年08月15日
  • 凶宅

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    ちょうどいい怖さだった。主人公は小学生の少年だが、頭がよく怪異に対して積極的に調査していく。友人と共闘して立ち向かうのも良い。
    田舎の閉鎖的な感じや、村の言い伝えなど、これぞ民俗学ホラーという感じで好みだった。
    最後の一行までぞっとさせてくれる。

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    2021年08月01日
  • のぞきめ

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    村を題材にしたホラー小説

    民俗学と呪われた家系と村を題材にしたホラー小説。軸としては上記に挙げたとおりなのでが、よくある言い回しだが「人間が一番恐ろしい」ということに収束する。
    気の良い人物に対しても油断してはいけません。

    #ダーク #ドキドキハラハラ #怖い

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    2021年06月20日