三津田信三のレビュー一覧
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三津田信三さんの、刀城言耶シリーズ。奥戸(くまど)と呼ばれる地域に伝わる忌み山、乎山(かなやま)。この山には山魔(やまんま)と呼ばれる山神様がいるとされていた。ある時、この土地に伝わる成人参りの儀式をしていた郷木靖美(ごうぎのぶよし)は、山の中で様々な怪異に逢い、忌み山に入ってしまう。そこで一軒の家を見つけ、奇妙な家族に一晩お世話になるが、翌朝目を覚ますと、密室状態の家から、つい先程まで食べていた朝食を残し、一家全員が消えていたー。
山の中の集落、連続殺人、わらべ歌の見立て殺人、と、金田一のようなベタな設定ですが、最後の最後まで犯人が分からないのがさすが。
そして最後の最後にゾッとさせるのも見事なんですが、まじもののごとき〜がインパクトありすぎて、ラストに期待しすぎてしまいがち。 -
Posted by ブクログ
いわゆる「憑き物」の短編7つを収録。それぞれ次のとおり。
『夢の家』は、思い込みの激しそうな女性とのつきあいを断ったら、妙な夢を見るようになった会社員の話。表題作の『ついてくるもの』は、夜逃げしたと噂される家の裏庭に打ち捨てられていた雛人形のお姫様を拾った少女の話。『ルームシェアの怪』は、若者4人がルームシェアする一軒家に住むことになり、2階の住人を気にするOLの話。『祝儀絵』は、年の近い叔母から不気味な絵をもらって以来、周囲に異変が起きる男性の話。『八幡の藪知らず』は、絶対に入ってはいけないとされる森を訪れた少年たちの話。『裏の家の子供』は、引っ越し先で裏の家の騒音に悩まされる翻訳家の話。『百物語憑け』は、文庫化に当たって新たに収録された話の模様。
どの話の主人公にも恨まれるような非はなく、たまたまそこに居合わせてしまったせいで憑かれたというのがゾワ~ッ。
いずれもホラー作家の「僕」が執筆依頼を受けて原稿を書くに当たり、昔から集めてきた怪異譚のメモ等を見て思い起こすという構成。その過程でM・R・ジェイムズなどホラー作家の著作が挙げられるのも楽しい。そちらも読んでみたくなるものばかり。
三津田信三の書く怪異譚には強く惹かれます。どれも著者本人が実際に聞き取ってきたかのように進められる構成は、恐怖を煽るための仕掛けで、話自体はフィクションにちがいないと思う気持ちと、もしかしたらどこかで本当にあった話かもと思ってしまう気持ちと。グロいシーンは一切なく、昭和の風景が目の前に広がるようでもあり、ちょっとした郷愁を感じます。ただヒタヒタと怖いけれど、怖くて眠れないほどではない。ホラーがものすごく苦手な私にとっては、これが読むに堪えるギリギリの線だと思われます。 -
Posted by ブクログ
このミス2013年版4位。遊郭で3世代に渡って発生する身投げ事件。いままで読んだこの人の本の中で一番良かった。いつも終盤がどんでん返しの大安売りとなってもう勝手にやってよ状態になるんだけど、今回は一発で結構あっといわす結末になってる。緻密な構成と意外性のある展開で本格ミステリとしてとても良くできてるし、この作家のこだわってるとこと思うんだけど、自分的には第一部が一番良かった。ミステリアスな雰囲気につつまれた普通の物語として秀逸。第一部だけで普通の長編小説ぐらいの分量があるし、はらはらしながらグイグイ引き込まれて止まらなくなって最後はほっとする感じがすごく良い。2部、3部はそれに比べるとまんねり感がでてきて少し長さがこたえた。まあ最後が良かったのでまだゆるせるけど。