三津田信三のレビュー一覧

  • 幽女の如き怨むもの

    Posted by ブクログ

    刀城言耶シリーズはいつも引き込まれる。戦中戦後の廓町の様子がわかって興味深い。花魁の日記が出色。廓での生活が克明に描かれていて、その辛さにいたたまれなくなる。全体の謎の解明にはすっきりしないところもあるが、してやられた感あり。さすがにうまい。

    0
    2019年11月18日
  • 水魑の如き沈むもの

    Posted by ブクログ

    『サギリ』と来て、主人公がピンとこないところを見るとまだシリーズ一作目の前日譚なのかな?

    と、
    それはさておき、このシリーズ、怪異的なものは沢山出て来るものの実はそれが犯人の意図したトリックの一部だったり、たまたまそう見えてしまった結果だったりと最後の解決編で説明なり回収なり解明出来ることが殆どで、本当の怪異のありかは大団円のあと、最後の一頁でまさにゾッとさせられるという流れが確立されていた…が、今回は異例の非常に爽やかな結末。 


    アレ? と思いつつ、回想してみると…あるじゃない!
    未解決の案件! 少年の見聞きは霊感体質の彼特有のものとして、冒頭の主人公によるお馴染みの覚書でも触れられて

    0
    2019年10月14日
  • 幽女の如き怨むもの

    Posted by ブクログ

    このシリーズは以前読んだが、事件の関係者の扱いがおざなりだったのが不満だった。
    怪異を体験する視点人物としてメインで描写され、読者も感情移入していたキャラなのに、事件後のフォローが至らないというかなんともお粗末というか「トリックと犯人はわかったけどそれでこの子はどうなったのそれが気になるのに!」と消化不良でじたじたしたのを覚えている。

    本書ではそのモヤモヤがほぼないので満足。
    遊郭を舞台にしたホラーとしても面白く、それにも増して遊女たちの嫉妬や裏切り、駆け引きを主軸に据えた愛憎ドロドロの人間ドラマにひきこまれる。遊郭でのみ通じる隠語など、当時の世情も垣間見えて勉強になる。
    結局真相がなにもわ

    0
    2019年09月21日
  • 碆霊の如き祀るもの

    Posted by ブクログ

    今までの刀城言耶シリーズはミステリのスパイスに怪異譚を使っていたが、本作は軸となる怪異譚から現実の事件が産まれる感じ。ラストの投げっぱなし感といい、白魔の塔にも近く、近年の三津田先生が好む作風が分かる。

    0
    2019年09月10日
  • 誰かの家

    Posted by ブクログ

    どの短編も怖くて非常に楽しめたが、「ドールハウスの怪」が一番のお気に入り。映画、『アナベル 死霊人形の誕生』でもドールハウスが出てきたのを思い出した。もしかしてドールハウスは恐怖のメタファーとして、ホラー業界では有名なのだろうか?

    0
    2019年08月19日
  • 忌館 ホラー作家の棲む家

    Posted by ブクログ

    本格は得意じゃないので、そういう感じの文体になじめずに少し苦労したけど、3分の1ぐらい読んだところでようやく慣れてきた。作中作と混ざっていく辺りはなかなかよかった。でも、本筋とあまり関係なさそうな蘊蓄が多く、ストーリーになかなか集中できない点が残念。

    0
    2019年08月15日
  • 山魔の如き嗤うもの

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    鉄板の面白さ!

    確かにシリーズ中、ある程度のパターンはあるものの全く飽きを感じさせない物語の魅力に感心至極!

    また作中の些細なくだりの中に、ミスリードも含めた重要な伏線がいくつも隠されていて、あとあと「なるほど〜」とひとりごちること頻り。
    兎に角、ホラー好きの私の興が最後まで削がれることなく、尚且つ推理小説としての質の高さも十二分に併せ持つ今作が今のところ私にはシリーズの頂点です!

    でも、我らの小説家探偵の見立て通りなら、かの家の子供の性別って? その辺の言及はなかったけれど、逆に意図的な感じが…いつか彼(彼女?)が戻ってくるとか…。

    0
    2019年08月06日
  • 生霊の如き重るもの

    Posted by ブクログ

    刀城言耶短編集2。短編にちょうどいい感じで謎解きと怪異がブレンドされていて、とにかく引き込まれる。短編間で共通のテーマと異なる個性が織り成されていて、全体としての読み応えもある。マイベストを選ぶとすれば表題作かな。最後のも変わった趣向でよかった。

    0
    2019年07月07日
  • 碆霊の如き祀るもの

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    4つめの怪談話がとにかく怖くて「黒いひょろ長い胴体がグネグネしてた」ってのが、実際は 爺さんが3人肩車してバランス崩してグラグラしていただけと思うとかなり笑える。

    0
    2019年07月06日
  • 黒面の狐

    Posted by ブクログ

    犯人の推理が二転三転したり、説明のつかない謎の存在を残すところなど刀城言耶シリーズを彷彿とさせる。新しさは感じないものの誰が犯人なのか最後の最後まできりきり舞いさせられ、後半に進むほどおもしろかった。
    全体的なホラー要素は控えめだけれど、“地の底で誘惑してくる白い肌の魔性の女”という怖淫靡なゾクゾクと冒頭の老炭鉱夫の話だけで十分刺激的。
    炭鉱という歴史に生きた人々の運命の悲哀がいつまでも尾を引くラストで、かの青年の手記のような時代を再びくり返すことこそ真に恐ろしいとしみじみ思う。

    0
    2019年05月07日
  • 碆霊の如き祀るもの

    Posted by ブクログ

    険しい山と海で隔離された5つの村に伝わる時代の違う怪談。それに興味を持って村を訪ねる刀城言耶と編集者一行が巻き込まれる怪談の語りを彷彿させる不審死。竹藪の中での餓死とか目撃者のいる中での物見櫓からの失踪とか設定にわくわくする。謎の解明が二転三転するのはいつもだけど今回は慣れたせいなのか始めの方はそうか!と関心したけど後の方はどうも取ってつけた感が。でも事件の謎を追っていくと明らかになる怪談の裏に隠れた真相が物悲しくて良いし最後の締めの不条理感は健在。

    0
    2019年04月17日
  • 忌館 ホラー作家の棲む家

    Posted by ブクログ

    ・燠火(おきび)火勢が盛んで赤く熱した炭火。おこし火。薪が燃えたあとの赤くなったもの。おき。
    ・澱(おり)液体の中に沈んで底にたまった滓。
    ・嚆矢(こうし)「荘子在宥」より。昔、中国で合戦の初めに、かぶら矢を敵陣に向けて射かけたことから、物事のはじめ。最初。
    ・斟酌(しんしゃく)相手の事情・心情などをくみとること。
    ・窃視(せっし)こっそりとのぞき見ること。

    0
    2019年04月17日
  • 誰かの家

    Posted by ブクログ

    雑誌に連載した短編ホラー6編を収録。個人的には鄙びた湯治場で筆者が遭遇する不思議な体験を描いた「湯治場の客」が、ほんのりと色っぽさもあってお気に入り。ほかの作品も少しずつ読後感が異なり、満足感のある一冊に仕上がっている。

    また、日下三蔵の解説も、ホラー小説のガイド的な読み方もできる充実したものになっていて、しっかりと本の価値を高めているのもよい。

    0
    2019年04月07日
  • 碆霊の如き祀るもの

    Posted by ブクログ

    序盤に綴られる4つの怪談はじわじわと恐怖を醸し出し読者を圧倒します。
    その後事件が発生するまでが長くやや退屈ではありますが、70にもなる謎の列挙から試行錯誤を繰り返し矛盾無く解決する刀城言耶の推理は圧巻。竹林の密室殺人のトリックやエンディングの強烈さも印象的で、高い完成度を誇る作品だと思います。

    0
    2019年02月02日
  • 碆霊の如き祀るもの

    Posted by ブクログ

    刀城言耶モノとしては久しぶりの作品。
    前作は肩透かしの一作だったが、今回はまさしく三津田ワールド全開。
    怪異な話が4本続き、そこから連続殺人事件が繰り広げられる。しかも密室条件付き!

    が、何故か満足感は今一つ。こちらの期待が高くハードルが上がったのは仕方ないとしても、話が走らない。
    殺人事件が起きるまですでに200ページ、そこからはテンポは良いが捜査側も全く精彩がないし、動機も犯人もさほど意外性もなく、次々に解き明かされる謎もあまり深さを感じなかった。

    読みにくいキャラ名や地名は毎度のことながら、不要なモノが多すぎた。

    0
    2019年01月14日
  • 水魑の如き沈むもの

    Posted by ブクログ

    刀城言耶第5長編。期待を裏切らない圧巻の内容だった。何がどうなっているのかさっぱりわからない状況からの怒涛の展開。「解決編の中で推理し解決していく」やり方に磨きがかかっている。ちょっと無理があるのではと思う箇所もあれど、読後感はさわやか。偲ちゃんにもフォーカスが当たってうれしい。

    0
    2019年01月13日
  • 碆霊の如き祀るもの

    購入済み

    スッキリ

    怪談部分と謎解き部分がキレイに別れていて、結果的に読み易かったと思います。

    0
    2018年11月02日
  • 幽女の如き怨むもの

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    刀城言耶シリーズ 第6長編。

    戦前、戦中、戦後の遊郭を舞台にした物語で、1章は花魁となった女性の日記、2章は女将と刀城氏の会話、3章は作家 佐古荘介の原稿、そして4章で事件の種明かしを刀城氏が行うという設定になっている。

    特に印象深かったのが、1章の花魁の日記で遊郭での壮絶な生活の様子が描かれている。 本題である事件よりこちらの内容の方が頭に残っている。

    各章で女将(経営者)が代わり各々建物の名前も変わるのだが、商売の形態は同じで、別館3階より転落しする事件、事故が3階づつ起こる。

    最後の種明かしは圧巻で謎解き自体も「あっ!」と驚く解決が待っている。

    ただ1つ 追記とされる章だけが 

    0
    2018年10月19日
  • 碆霊の如き祀るもの

    Posted by ブクログ

    刀城言耶シリーズ第9弾。
    海と断崖に閉ざされた寒村で、怪談をなぞるように次々と不可解な殺人事件が起こり、居合わせた刀城言耶が古くから伝わる怪談と殺人事件の謎に挑む。
    やはり三津田信三ではこのシリーズが一番好き。じっとりと重厚なホラーテイストで、特に怪談はゾクゾクと怖い。
    殺人事件の解決はそれに比べるといまいち盛り上がりに欠けるが、ラストでまたスーッと背筋が寒くなるのがこのシリーズの醍醐味。

    0
    2018年10月17日
  • 碆霊の如き祀るもの

    Posted by ブクログ

    刀城言耶シリーズ最新作。
    冒頭に語られる四つの怪談。それになぞらえるかのような連続殺人事件。
    いずれも密室状態という、刀城でなくても堪らなく興味を惹かれる…というかと言えば、むしろどんどん陰鬱になっていくような雰囲気。
    閉塞的な寒村、歴史を遡ればおぞましくも悲しいほどに貧しいことが印象的で、多分こうしたことは日本だけでなく世界中どこにでもあったのではないかとも思える。
    結局刀城が解き明かした真実は明るみにはならない。そうしても意味のない、誰も救われないことが分かっている。
    その結末もまた同様。
    それでも刀城は全国を訪ね歩くのだろう。
    事件の構図としてはなかなか面白い。シリーズ作品はここ最近下降

    0
    2018年09月30日