三津田信三のレビュー一覧
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作家三部作の第二作目にあたる本作は、大きな作中作の中で、ミステリで言う所の問題編である短編を扱い、それを外側から(と言い切ってしまえないのがアレですが)解いていく、そこにメタ的要素も入ってきて…というなんとも入り組んだ構造になっています。
前作が大きくホラーの側に傾いていたのに対し、本作は本格ミステリとしても十分満足のいくものになっています。
収録されている7つの短編は、どれも幻想的なもので僕には堪りませんでした。
お気に入りは幻想怪奇小説の雰囲気が存分に楽しめ、なおかつミステリとしての驚きもある「霧の館」でしょうか。
時点は、「朱雀の化物」
どういうトリックが使われているか見当はつくのだが、 -
Posted by ブクログ
上巻で感じた違和感にしっかり説明を付けてくれた下巻でございました。スッキリ〜!(笑)
【刀城言耶】シリーズ、【三津田信三】シリーズ共に、二転三転するラストの真相指摘が圧巻の三津田作品ですが、今作は作中作を絡め、いつにも増してメタメタな展開が楽しめます。こういうの、評価は別れるだろうけど、私は好きなのよね〜(笑)。
ホラー、怪談、ミステリ、これらのジャンルを見事に融合させる手腕に唸り、最後の最後で【こちらを凝視してくる】「彼」の視線とその後の余白に、ただただ痺れました…。予想してたのにね。
本当に、三津田先生の文章には読者を引き込む力を感じるなあ、とつくづく思いながら本を閉じたのでした。…お -
Posted by ブクログ
死相が見える主人公が、依頼人の死を回避するために死因を推理していくホラーミステリシリーズの第四作目。
いつもながら超常的な要素にミステリ的解釈を絡めていくのがうまいです。真相解明はこれまでのシリーズの中でも、意外性も見せ方も一番ではないかと。
今回は原因が呪術とほぼわかっているため、死相が出ている人々の関係性を探ることが中心になりミステリ要素が強めですね。この傾向は、物語の性質上仕方がないとは思うのですが、ホラー小説としては少し残念。
主人公の成長と、新キャラ追加、そして敵役が表に出てくることで、話が盛り上がってきてますので、ホラー性はますます薄れそうかなぁと心配しつつ続きに期待してます。 -
Posted by ブクログ
本作を読破した後、お風呂に入ったら、案の定目をつむるのが怖くてシャンプーが目に入りまくりました<○><○>カッ
安定の三津田作品です。夜中に1人で読まないほうがいいと分かっているのに、一度ハマるとやめられない止まらない。あーあ、また御不浄いけなくなるよ知らないよ〜\(^o^)/と、何故か他人事で済まそうとするけど、勿論そうはいかない今日この頃です。
長編ホラー小説・蛇棺葬の続編にして回答編である今作は、
「今回は謎解きメインだろうから、前作に比べたらホラーの部分なんてきっと軽くいけるわ〜ε=ε=ε=┌( ^o^)┘うほほーい」
と考えていた甘ちゃんな私の予想の遥か上をいってくれました