三津田信三のレビュー一覧

  • 影牢 現代ホラー小説傑作集

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    傑作ホラーを集めたアンソロジー。1993年以降に発表された全8編を収録する。「七つのカップ」の姉妹編。
    浮遊する水(鈴木 光司)
    猿祈願(坂東 眞砂子)
    影牢(宮部 みゆき)
    集まった四人(三津田 信三)
    山荘奇譚(小池 真理子)
    バースデー・プレゼント(綾辻 行人)
    迷い子(加門 七海)
    赤い月、廃駅の上に(有栖川 有栖)

    読み終えると、なんとなくじんわりゾクッとくる作品ばかり。さすが実力派作家の皆様だと感じる。

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    2024年04月12日
  • 凶鳥の如き忌むもの

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    刀城言耶シリーズ二作目。
    信仰や神事に懐疑的な人間が複数おり、密室からの人間消失というシチュエーションも相俟って、前作と比べて、ミステリ色が強めな作品。
    特に中盤に差し込まれる、"人間消失講義"は完全にミステリ小説のそれでした。
    ただ序盤の信仰と儀式に関する説明や、ラストのとあるシーンなど、怪奇要素もしっかり残っており、シリーズ特有のミステリとホラーの良い塩梅を楽しめました。

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    2024年04月09日
  • 忌館 ホラー作家の棲む家

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    ネタバレ

    処女作とのことだが、三津田らしい作品だった。
    本作のジャンルはホラーだが、後発のホラー作品よりもミステリー(刀城言耶シリーズみたいな)に寄っていると感じた。それでいて刀城言耶シリーズを"裏返し"(; "逆さま"ではない)したような感触も受けた。
    刀城言耶シリーズが「オカルトに見える事件を推理・論理でミステリーとして解く」のに対して、家シリーズは「オカルトに見える事件を推理・論理でオカルトとして解いた」ように見える。
    本書で物語は完結しているように見えるが、あと2冊ある家シリーズの続編はどんな内容なのだろうか。
    また、三津田作品のなかに"逆さま"の「ミステリーに見える事件を推理・論理でオカルトで解く」ようなホラー作品はあるのだろうか。

    三津田作品としては刀城言耶シリーズだけでなく「誰かの家」のようなオーソドックス(?)な形のホラーをすでに読んでいたので、著者の文章の書き方の多彩さは知っており、本作を楽しむことができたが、もし、本作から時系列に沿って読んでいたのなら、刀城言耶シリーズの2作目くらいで「幅が狭い」として読むのを止めていたかもしれないと思った。

    余談だが、カバー表紙の絵はそれだけでも怖いが、読み終わると意味が分かる。読むまでは不気味な女性だと思っていたが、読み終わると女装のようにも見える。不思議。

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    2024年04月07日
  • 凶鳥の如き忌むもの

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    3.8。読んでいたら分かるのに分からなかっただけにやられた感というかインパクトあった。トリックも動機も。

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    2024年04月08日
  • 犯罪乱歩幻想

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    ネタバレ

    乱歩ワールドに挑んだ連作5編に「貞子」「ウルトラQ」トリビュート2編を加えた短編集。トリビュート作品でありつつ、間違いなく三津田氏独特の世界として成立しているのが面白い。
    ・「屋根裏の同居者」は原典は勿論だが、春日武彦『屋根裏に誰かいるんですよ』にかなり触発されたと思しい(参考文献にもある)。
    ・「赤過ぎる部屋」は猟奇趣味が語られる秘密倶楽部を舞台に二人称で書かれた作品。異常心理を扱った点で本作が乱歩の作品世界に最も近いように感じられた。
    ・「G坂の殺人事件」は作者自身(がモデルの人物)が殺人の被害者だったり、探偵役として登場するのがファンにはお馴染みの人物だったりと完全に三津田作品の世界。……ところで横浜市のG坂って、権兵衛坂か弘明寺坂か、それとも別の(架空の)坂?
    ・夢遊病を発症し人を殺めてしまった経験を男が語る「夢遊病者の手」は、精神分析医の謎解きもさりながら、一瞬目眩を覚えるようなラストが乱歩世界への深い造詣によるものーと解説を読んで納得。
    ・「魔鏡と旅する男」は鏡と双生児という乱歩好みのガジェットがふんだんに用いられている。
    ・かつて著者自身が聞き書きしておいたという体の「骸骨坊主の話」は、貞子トリビュート企画で書き下ろされたもので、登場作品の「リング」そのものをモチーフにした得意のメタフィクション仕立て
    ……と思い込むことにする。
    ・ラストの「影が来る」は登場人物などウルトラQの世界を舞台にしたSFホラーでありながら、ここでも著者の作品世界としれっと地続きにしてくるところで思わず笑ってしまう。とは言え仮に「ウルトラQ」のリブート作品でこの話を映像化されたとしても、違和感は何らない気がする。

    全7編共トリビュート作品であり、元ネタを知らないよりは知っている方がより面白いだろうな……というところ。乱歩作品を言わば自家薬籠中のものとして自身の作品世界を構成した感があり、自分含めた三津田ファンには愉しめるだろうが、例えば乱歩ファンが読んだらどんな評価なんだろう、か。

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    2024年10月05日
  • 忌名の如き贄るもの

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    ネタバレ

    今回も子どもに対して容赦ない地方の奇っ怪な儀礼、「忌名の儀礼」の李千子の体験に第一章から震える。人生の災厄を忌避するための儀礼でありながら、こっちの方が危険極まりないじゃないかw
    ヒヤリが半端ないホラーとミステリーの組み立てを存分に堪能した後は、いつにも増して残された事件の謎が大きく、推理が推理のままで終わっちゃったなと油断していたら終章でドカンと真相の爆弾が投下されてやられた~!怖くてしょうがなかった第三章の終わりの伏線がここにきて炸裂しようとは…。
    「マジかぁ…」と何度も呟いてしまう読後だった。

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    2024年02月20日
  • 厭魅の如き憑くもの

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    三津田信三さんが好きで、ずっと気になってた人気シリーズ刀城言耶(とうじょうげんや)第一作目!

    寂れた村で起こる怪異事件を軸に物語が続きますが、途中途中で本物の怪異に出会ったりとホラー感もあり、読み応えがあって面白かったです。
    なんとなく横溝正史っぽいかな?と思いました。

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    2024年02月16日
  • 禍家

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    幽霊屋敷を題材とした小説が多い三津田信三さんの作品。
    結構前の作品ですが、しっかり怖かったです!
    じめじめした怖さと展開が面白く、ホラー作品は三津田さんばっかり読んでます。
    中学生の男の子が引っ越した先の家で恐ろしい怪異に何回も遭遇するんですが、表現が絶妙で映像のようにイメージできます。
    夜寝る前にオススメです...。

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    2024年01月23日
  • 幽女の如き怨むもの

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    ある花魁の生い立ちをなぞっていくようなお話。もちろん今までのように怪異はあるのだけど、背景情報から、さもありなんという気になった。
    ミステリーホラー感は薄いが、話としては面白く一気に読み進められた。

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    2024年01月08日
  • 水魑の如き沈むもの

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    前作よりさらにホラー感少なめ、というか、首無しのホラー感が強かっただけか。
    今までと違い爽やかな読後感。作中も偲ちゃんのおかげで柔らかくなっている。ここが評価の分かれる所だと思うが、ちょっと頑張ってホラーを読んでいる自分としては、今作が一番読みやすい。

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    2024年01月05日
  • 厭魅の如き憑くもの

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    個人的に、事件が起きるまでが長過ぎる作品は苦手なのですが、この本はそれが苦痛ではなく、独特の世界観にドキドキしながら、手が止まる事なく読み進められました。そのお陰で難しい名称や人間関係も、事件が起こるころには把握出来るようになってました。
    謎解き部分も文句なくおもしろかったです!

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    2024年01月05日
  • 山魔の如き嗤うもの

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    まさに浅見光彦が金田一の事件に対峙したかのような。
    1作目よりも火サス感の強い作品。
    前作で刀城言耶がいなかったのは此処に来てたからか〜と、シリーズ物ならではの繋がりが見えるのも嬉しい。
    ちなみに、私の中の浅見光彦は中村俊介。

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    2024年01月04日
  • 逢魔宿り

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    ネタバレ

    5話からなる短編集。家シリーズみたいに時代はバラバラ。ただ、所々に白いものが出てきます(白猫さんだったり、奥さんだったり)。あと、三津田さんが手掛けられた書籍のお話も出てくるから、本当に起きたことも含まれてるのかな…錯覚しそうになったりもする。

    5話目でそれまでのお話全てと繋がっていくんだけど、家シリーズみたいに完全に繋がってる訳ではなく。関連してると言った方がいいのかも。そんな関係性のあるお話で締めくくられてました。
    だから、個人的には5話目が微妙でした。。そこだけノンフィクションだと思って読んだら、めちゃ怖いけど…

    2話目が少し毛色が違ったのかな。1、3、4話はシチュエーションが嫌だ、怖い。1話は子どもだから逃げられないけど、3と4の人は断りなよ〜って思いながら読み進めてました。

    一気に読んだらまた違った感想になるかもしれない。お話同士の繋がりとか、設定とか、もっと想像して楽しめる気がする。。

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    2024年01月02日
  • 十三の呪 死相学探偵1

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    見えるけど祓うことは出来ないから、怪異に頭を使って対峙するスタイルが良かったです。主人公がおばあちゃんと話す時に人間味が出るのも好感が持てました。

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    2023年12月20日
  • 厭魅の如き憑くもの

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    怪奇ミステリー。感覚的には、金田一と浅見シリーズを足して2で割ったような…
    主人公の怪異作家が、そういう現象を求めて行った先で起こった事件を小説として残すという体のお話。
    ホラー感はあまりないけど、夜1人で読むのはちょっと嫌かな〜位の怖さがある。それを金田一+浅見光彦っぽい主人公が少し中和してくれる感じ。
    火サス好きの自分には読み易く面白かった。

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    2023年12月10日
  • 逢魔宿り

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    得体の知れないものに追われ続ける恐怖感。神や魔物に魅入られてしまう、その悍ましい。今目の前に存在するものが、人なのか人ならざるものなのかその判別すらままならない現実。怪異の謎を解いて行きつつも、核になる部分はやはり闇の中へ封印してしまう。後味悪い読後感が恐怖を増幅する。

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    2023年11月30日
  • 凶鳥の如き忌むもの

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    ネタバレ

    こんな怪しい儀式にも、神秘的な舞台のど真ん中にいても、恐怖に取り込まれずにあくまで現実的に事件を解明しようとする主人公がいいなと思った。これだけ不気味な要素がありながら、この妙な冷静さを持ち続ける点は読んでいて安心できる。
    前作よりも怖さは控えめだったように思うけれど、その分ずっしり重たい内容だった。想像以上に本気の儀式だったことが分かり、命をかけた姉の思いを何としてでも守りたい弟、切ない。赤い旗があがってさえいれば成功だったなんて、切ない。
    巫女の間だけで引き継がれてきたこの儀式、朱里にもその役目が回ってきてしまうのかな。余韻の残るラストが良かった。

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    2023年11月24日
  • 忌名の如き贄るもの

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    刀城言耶シリーズ第8長編。こわいこわい。こわい話だった…。
    いつもながら、怪異とロジックをうまく組み合わせているなと思う。話の展開がえらく遅いな、犯行動機にえらくこだわるな、今回は緻密なロジックはあまり語られないのかな、最後はいつもの二転三転する推理に突入するのだろうなと思いながら読んでいたら…。これはこわいよ。そしてそこに行くまでの道のりがこれまでのどの長編とも違う感じだった。ついでに偲ちゃんの扱いも違ってたな。

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    2023年11月06日
  • 子狐たちの災園

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    ネタバレ

    ホラー小説はあまり読まないので馴染みないんだけど、安定の三津田センセー作品。むしろ枠としてはミステリでは…?とはいつものこと。

    わりとサクッと読めて、相変わらずストレスフリー。つか奈津江ちゃんも含めて賢すぎる。自分より胆力あるかも。まぁここらへんは自分一人で生きていけないから災園にいなくてはいけない、という理由付けとしての面が強いのだろうけど。

    しかし狐周りはまったく活用されず話が終わったな…。灰色の女と狐の繋がりはもっとあっても良かったのでは?とか思わなかったりしたり。

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    2023年11月05日
  • 子狐たちの災園

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    ネタバレ

    逃げるシーンが多くて謎解きが少なかった。
    怖さもあまり感じず、少し残念でした。
    肝試しのルートが分かりづらいでしたが、深読みしなくてもだいたいはわかるので良かったです。
    小学生にしては頭の回転が良すぎる。
    面白かったです。

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    2023年10月27日