三津田信三のレビュー一覧
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後ろ向きに立つ人間って、怖い。
例えば、エレベーターの壁に向かって立つ人間。
夜、ふと顔をあげると前方の電信柱の下にこちらに背を向けて立つ人間。
真夜中に目覚めると、部屋の隅に壁を向いて立つ見知らぬ人間。
顔が見えないから、どんな表情をしているのか、そもそも顔があるのか。顔がハッキリ見える幽霊よりも怖い。
そんな後ろ向きに立つ人間が、夜な夜な一歩一歩、自分の部屋に近づいてきたら、目の前にいたら。
いわく付きの物語を持つ“忌物”を収集する通称“遺仏寺”に、得たいの知れない何かに追われて助けを求めてきた中学生の由羽希は、住職の天空に、彼女の身に起こった恐ろしい出来事を調べる代償として、毎夕、寺 -
ネタバレ 購入済み
好き
このシリーズの中では評価がわかれる作品ですが、私は好きでした。トリックもえ!とはなりますが、まぁ単純ではありますし。登場人物も少なく舞台もわかりやすいので。雰囲気もしっかりいつもの感じですし、楽しめました。
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再読。湯治の話以外はど」も怖くて楽しかった。
著者は家に関するホラーが得意分野の一つであるが、表題作は異色の設定で怖がらせる感じ。主要な登場人物以外は病者が無機質で、問題の家の無音の不気味さを暗示する。他の家関係の賑やかな怖さと異なるのが一風変わって魅力的。
ドールハウスの話はホラーというよりは不気味という感じ、呪いの話は奇妙な味わいの怖めな幻想小説という感じ。どれも読んで損はないと思う。
最初の短編はこれもあまり派手な立ち回りのない静かな怖さで、男の下心がエンジンになって話が回り始めるのが興味深い。怖い存在の見た目や立ち居振る舞いが全然怖くないのが怖い。あとあとさんは著者の得意な古い家と老人 -
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ネタバレ2008年の本格ミステリベスト10(国内編)第2位など,ミステリランキングで上位を総なめし,世間の評価も非常に高い作品。こういった世間の評価が非常に高い作品は,読む前にハードルが上がり過ぎてしまい,面白くてもそれほど満足度が高くならないのが難点
三津田信三の作品は,やや文章が読みにくい作品が多い。文章そのものが読みにくい上に,構成も様々な視点が入り乱れるため,更に読みにくくなる。この作品は,三津田信三の作品の中では,比較的読みやすい作品に感じた。
大きな構成としては,姫之森妙元という作家が,本名の高屋敷妙子として,かつて経験した姫首村を舞台とした2つの殺人事件について,迷宮草子という怪奇 -
購入済み
これはこれでいいけども
下巻では「朱雀の化物」が一つ抜けて好み。
作中作自体はもちろん、その謎を解くための
三津田と飛鳥のやりとりも、一作ずつ工夫がこらされていて楽しめる
ただ、全体の結末としては、「これはこれで
いいけど、新書版の方がもっと良くない?」
と思ってしまうのは、そちらに馴染みすぎた
せいか -
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『サギリ』と来て、主人公がピンとこないところを見るとまだシリーズ一作目の前日譚なのかな?
と、
それはさておき、このシリーズ、怪異的なものは沢山出て来るものの実はそれが犯人の意図したトリックの一部だったり、たまたまそう見えてしまった結果だったりと最後の解決編で説明なり回収なり解明出来ることが殆どで、本当の怪異のありかは大団円のあと、最後の一頁でまさにゾッとさせられるという流れが確立されていた…が、今回は異例の非常に爽やかな結末。
アレ? と思いつつ、回想してみると…あるじゃない!
未解決の案件! 少年の見聞きは霊感体質の彼特有のものとして、冒頭の主人公によるお馴染みの覚書でも触れられて -
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このシリーズは以前読んだが、事件の関係者の扱いがおざなりだったのが不満だった。
怪異を体験する視点人物としてメインで描写され、読者も感情移入していたキャラなのに、事件後のフォローが至らないというかなんともお粗末というか「トリックと犯人はわかったけどそれでこの子はどうなったのそれが気になるのに!」と消化不良でじたじたしたのを覚えている。
本書ではそのモヤモヤがほぼないので満足。
遊郭を舞台にしたホラーとしても面白く、それにも増して遊女たちの嫉妬や裏切り、駆け引きを主軸に据えた愛憎ドロドロの人間ドラマにひきこまれる。遊郭でのみ通じる隠語など、当時の世情も垣間見えて勉強になる。
結局真相がなにもわ