三津田信三のレビュー一覧
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三津田信三によるホラーアンソロジー。国内編、海外編、番外編に分かれている。番外編に収められた三津田の自作「霧屍疸村の悪魔」(pp337-390)は、作者が怪異小説に親しむようになったきっかけを振り返りつつ、でも日本人の子供にとって悪魔ってなんだかよくわからなかったというエッセイのような文章のあと、民俗学者から聞いた体験談を書き起こしていくスタイルの短篇で、前半で振り返られる有名な作品群へのオマージュのような味もあり、とても楽しく読めた。丘美丈二郎「佐門谷」(pp125-152)では作者の仕掛けたトリックに見事に騙され、菊地秀行「茂助に関する談合」(pp157-165)では声だけの存在に息をのみ、ロイ・ヴィカーズ「八番目の明かり」(pp221-245)ではロンドンの地下鉄の駅とトンネルに沈んでいく気持ちになった。
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刀城言耶は、碆霊様を祀る海と断崖に閉ざされた強羅地方を訪れた。
村に伝わる不気味な伝承をなぞるような四件の連続殺人事件に行き合う。同行する祖父江偲と共に、今再び怪異に挑む。刀城言耶シリーズ第九弾。
舞台設定の出来は驚異的。
村の様子や設定が細かく描写されており、まるで本当に存在する村であるかのように錯覚させられる。特に、昔の特幽村が極貧の寒村である描写が良かった。資源も土地もいまいちな村で、蛸漁をする村人たち。どんよりと曇った低い空まで目の前に浮かぶほどで、非常に気が塞ぐ。村の大人たちのどことなく疲れた虚ろな目が、ちゃんと言われずとも分かる。丁寧な描写力こそ、三津田信三の妙であると思う。
竹林宮で及位廉也が餓死した事件。
殺人事件で餓死を扱うのはかなり珍しい気がする。どう料理されるのか、ずっと気になっていた。紐解かれたのは、かなり悍ましい真相だった。及位氏が虫の息になるまでの様子は、かなり哀れなものだったのではないだろうか。及位視点で最後の半日程の記録を読んでみたくなる。
謎解きシーンが少しもたついた印象。
というのも、本作の答え合わせは、刀城言耶の思考を段階を踏んでしっかり詳細にトレースしている。しかし、私は探偵役に勝負を挑むような読み方をしない読者である。故に、いくつもの仮説を否定する工程がもたつきに思えてしまったのだと思う。正直、正解ルートの提示だけで良かったかなと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「乱歩…!」と思って読みたい本には入れていたものの、そのままになってた作品。
入ってる読書会で読まれてた方がいて、面白そうだ…と思って読みました。
面白かった…!!
収められてる作品の元ネタはウルトラQ以外既読というのもあり、楽しめました。
ウルトラQのも面白かった。
特に好きだったのは、「赤過ぎる部屋」「夢遊病者の手」「骸骨坊主の話」。
赤い部屋と違ってそっちを殺すのか、や、えっこれが全て!?となったり。
「骸骨坊主の話」は、人の噂で拡がっていくの怖いな……ビデオのダビング(リング時点)より拡散が速いし止められん、とゾッとしました。
三津田信三先生はガチホラーというイメージなので避けてきたけれど、これを読めたからいけるかも…とはなりませんでした。