三津田信三のレビュー一覧

  • 怪異十三

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     三津田信三によるホラーアンソロジー。国内編、海外編、番外編に分かれている。番外編に収められた三津田の自作『霧屍疸村の悪魔』(pp337-390)は、作者が怪異小説に親しむようになったきっかけを振り返りつつ、でも日本人の子供にとって悪魔ってなんだかよくわからなかったというエッセイのような文章のあと、民俗学者から聞いた体験談を書き起こしていくスタイルの短篇で、前半で振り返られる有名な作品群へのオマージュのような味もあり、とても楽しく読めた。丘美丈二郎『佐門谷』(pp125-152)では作者の仕掛けたトリックに見事に騙され、菊地秀行『茂助に関する談合』(pp157-165)では声だけの存在に息をの

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    2025年11月30日
  • 妖怪怪談

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    題名のとおり、『妖怪』をモチーフにした『怪談』でした。モチーフにした妖怪の説明から入り、その妖怪が不可解な形で当事者達に怪異をもたらし…、最終章で当事者達のその後、つまり理不尽ではあるが”それ”に出会ってしまったが最後、逃げられはしない、という恐怖を告げています。好奇心は猫をも殺す、とならないようにゆめゆめお気を付けあれ。

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    2025年11月20日
  • 妖怪怪談

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    恐ろしいものに遭遇した者たちが語る怪談話し。

    中でも「蓑着て笠着て来るものは」
    私はこれが一番怖かった。
    本で読んでいるはずなのに、まるで映像で見たように頭の中で残ってます。

    この怪談の最後も、この本の最後もゾッとするような結末でした。

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    2025年11月20日
  • 首無の如き祟るもの

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    やっと読み終わった〜!
    かなり骨のある文章でした。
    やはりこの人はホラーの部分もミステリの部分も満足度の高いものであると実感することが出来た。
    結末大好きです!

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    2025年11月13日
  • 怪異十三

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    佐門谷 丘美丈二郎 怪談にミステリー的解決策を後述するタイプ。しかし馬車での描写は本当に怖い。魅入られて、もなかなか震えそう。古い作品が多いが、今でも恐怖をかんじ、幼い頃の田舎の暗闇を思いだす。都会ではもう本当の暗さを感じることも無い。

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    2025年10月13日
  • どこの家にも怖いものはいる

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    自身の体験を交えて(という体で)話が進んでいく、いわゆる古くは太宰スタイルの怪異本。

    いま大ブームのモキュメンタリーは三津田氏が作ってきた土台の元にあるんだなぁと改めて思わされる。

    私も大好きな背筋氏の近畿地方とかもこの形式を踏襲してるんだなぁと。どっちがパイオニアかとかはまぁどうでも良くて。どっちも面白いんでね。

    並行して雑誌ユリイカの澤村伊智特集号を読んでいるのでなんだかどっちが書いたんだろうと混乱するのも逆に心地良し。

    次何読もうかなーとワクワクが止まらないな。

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    2025年10月07日
  • どこの家にも怖いものはいる

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    ネタバレ

    これはなかなか面白い作品だった。
    まず、架空の世界の出来事なのかそれとも作者の三津田信三先生の現実で起こった話なのかがわからない。随所に出てくる作品名が三津田先生の実際の作品であるし出版社だからだ。たまに本当に起きた話なのかわからなくなる時がある。
    話は5つ話を読み、三津田先生と三間坂という人物が5つの怪談について共通点を見出すために検討をする。もっとも5つの話はどれも不気味で怪奇現象が起きたりとホラー満載だ。そして、5つの話が全て終わった後の三津田先生は驚くべき共通点を見つけた。それは全て同じ場所での出来事だというのだ。建物は取り壊されてもその土地には霊が居続けているというのだ。
    最後の解説

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    2025年10月07日
  • そこに無い家に呼ばれる

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    幽霊屋敷屋敷シリーズ第3弾!1弾から読んだ方が、衝撃度合いも大きいと思うので是非。
    シリーズ通して言えることだけど、これが小説と言うことを忘れてしまう。本当に人の報告書を覗いているようだったり、手紙を見ているようだったり。気がつくと自分の目の前にまで「恐ろしいこと」が迫っているようで、はっとさせられる。
    それでも辞められないで最後まで進んでしまう。
    まるでホラー小説の登場人物のように

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    2025年10月07日
  • 妖怪怪談

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    怪異の考察、分析も大変面白く読ませていただいたのだが、怪異にまつわる体験談も怖くて満足。「なぜかいるもの」では紛れ込んでる不可解な存在の不気味さが良かった。聞いたことのある怪異だからこそ入り込みやすい。時代は古くても雪女の話は怖さが全然伝わるから面白い。小泉八雲に関する文章も良かったなぁ。

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    2025年10月04日
  • わざと忌み家を建てて棲む

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    相変わらず怖いです。みみそぎの時のように、
    読んでも大丈夫か?と、
    不安を抱えながら読むことになる。
    案の定読み進めるごとに
    何となく空気が重くなって行く。
    完全にスッキリ終われるとは言えないが、
    何事も無いことを祈ります。

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    2025年10月03日
  • 碆霊の如き祀るもの

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    刀城言耶は、碆霊様を祀る海と断崖に閉ざされた強羅地方を訪れた。
    村に伝わる不気味な伝承をなぞるような四件の連続殺人事件に行き合う。同行する祖父江偲と共に、今再び怪異に挑む。刀城言耶シリーズ第九弾。

    舞台設定の出来は驚異的。
    村の様子や設定が細かく描写されており、まるで本当に存在する村であるかのように錯覚させられる。特に、昔の特幽村が極貧の寒村である描写が良かった。資源も土地もいまいちな村で、蛸漁をする村人たち。どんよりと曇った低い空まで目の前に浮かぶほどで、非常に気が塞ぐ。村の大人たちのどことなく疲れた虚ろな目が、ちゃんと言われずとも分かる。丁寧な描写力こそ、三津田信三の妙であると思う。

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    2025年09月22日
  • 水魑の如き沈むもの

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    ネタバレ

    他のシリーズよりミステリー強めです!
    結末はスッキリしたハッピーエンドだった。

    結構他の作品と関係ある人物、ワードが出てきて「あっ!」となりました!
    首が伸びる女怪異や蔵の中の這いずり回る怪異はなんとなく百蛇堂、蛇棺葬に登場する怪異に似てる気がしました。ただ蛇迂郡它邑町の近くなので蛇を連想させる怪異が多めなだけかもしれませんが。

    私は関西出身なので関西弁(大阪弁)を話す祖父江偲が多く登場するのは個人的には嬉しかったです!

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    2025年09月11日
  • 怪談のテープ起こし

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    モキュメンタリー?というか筆者の手記的な方式をとっているので、しっかりと怖い。黄雨女が怖かったかな…

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    2025年09月08日
  • 犯罪乱歩幻想

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    ネタバレ

    「乱歩…!」と思って読みたい本には入れていたものの、そのままになってた作品。
    入ってる読書会で読まれてた方がいて、面白そうだ…と思って読みました。
    面白かった…!!

    収められてる作品の元ネタはウルトラQ以外既読というのもあり、楽しめました。
    ウルトラQのも面白かった。

    特に好きだったのは、「赤過ぎる部屋」「夢遊病者の手」「骸骨坊主の話」。
    赤い部屋と違ってそっちを殺すのか、や、えっこれが全て!?となったり。
    「骸骨坊主の話」は、人の噂で拡がっていくの怖いな……ビデオのダビング(リング時点)より拡散が速いし止められん、とゾッとしました。

    三津田信三先生はガチホラーというイメージなので避けて

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    2025年09月06日
  • 寿ぐ嫁首 怪民研に於ける記録と推理

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    ネタバレ

    真犯人の最期の独白後の有様を見て、怪異嫌いの天弓さんはどうなった?
    果たして立ち直れたのかな?(笑)

    シリーズ、これまでの話はひととおり事件が解決した後、それでもわだかまる謎が人知の及ばない怪異であり、それに肝を冷やすという流れだったけれど、今回の真相はほぼほぼ怪異にまみれており殺人事件は実はその幕間に過ぎなかった…と。

    怖っ。

    傑作ではあったけれど、
    そろそろ本家の刀城御大にお出まし願いたい…
    如し。

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    2025年09月03日
  • 厭魅の如き憑くもの

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    ホラーとしてはそんなに怖くない
    ミステリーとしてはそんなのもアリかという展開
    物語としては面白かった
    3.5評価

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    2025年09月02日
  • わざと忌み家を建てて棲む

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    怖いし、面白いさすが三津田さん。
    だし、謎解きのホラーであることを逆手に取ったのはゾクっとしました。

    2996冊
    今年224冊目

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    2025年08月27日
  • 怪談のテープ起こし

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    収録されていうる短編の中では『すれちがうもの」が一番好き

    作り話?それとも本当にあった話?
    本当にあった話だとしたら自分たちも、、、
    そんなじっとりとした良質な不快感を伴う読後感で、とても良きホラーだと思いました。

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    2025年08月23日
  • 寿ぐ嫁首 怪民研に於ける記録と推理

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    先生譲りの多重推理というのか
    「そ、そうなんです」は笑ってしまうのでやめてほしい

    嫁首様は本当にいるのか
    いつもフワっと誤魔化されるところが嫌いになれない

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    2025年08月22日
  • 十三の呪 死相学探偵1

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    死相が見える探偵が主人公の特殊設定ミステリ。ライト文芸のホラーかと思って読むと、どんどん人が死んでいくので三津田信三を思い知らされる。シリーズ1作目で、こんなに何にもできない主人公なの、ライト文芸らしくてなくて驚く。続きも楽しみ。

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    2025年08月20日