三津田信三のレビュー一覧
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三津田信三によるホラーアンソロジー。国内編、海外編、番外編に分かれている。番外編に収められた三津田の自作『霧屍疸村の悪魔』(pp337-390)は、作者が怪異小説に親しむようになったきっかけを振り返りつつ、でも日本人の子供にとって悪魔ってなんだかよくわからなかったというエッセイのような文章のあと、民俗学者から聞いた体験談を書き起こしていくスタイルの短篇で、前半で振り返られる有名な作品群へのオマージュのような味もあり、とても楽しく読めた。丘美丈二郎『佐門谷』(pp125-152)では作者の仕掛けたトリックに見事に騙され、菊地秀行『茂助に関する談合』(pp157-165)では声だけの存在に息をの
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ネタバレこれはなかなか面白い作品だった。
まず、架空の世界の出来事なのかそれとも作者の三津田信三先生の現実で起こった話なのかがわからない。随所に出てくる作品名が三津田先生の実際の作品であるし出版社だからだ。たまに本当に起きた話なのかわからなくなる時がある。
話は5つ話を読み、三津田先生と三間坂という人物が5つの怪談について共通点を見出すために検討をする。もっとも5つの話はどれも不気味で怪奇現象が起きたりとホラー満載だ。そして、5つの話が全て終わった後の三津田先生は驚くべき共通点を見つけた。それは全て同じ場所での出来事だというのだ。建物は取り壊されてもその土地には霊が居続けているというのだ。
最後の解説 -
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刀城言耶は、碆霊様を祀る海と断崖に閉ざされた強羅地方を訪れた。
村に伝わる不気味な伝承をなぞるような四件の連続殺人事件に行き合う。同行する祖父江偲と共に、今再び怪異に挑む。刀城言耶シリーズ第九弾。
舞台設定の出来は驚異的。
村の様子や設定が細かく描写されており、まるで本当に存在する村であるかのように錯覚させられる。特に、昔の特幽村が極貧の寒村である描写が良かった。資源も土地もいまいちな村で、蛸漁をする村人たち。どんよりと曇った低い空まで目の前に浮かぶほどで、非常に気が塞ぐ。村の大人たちのどことなく疲れた虚ろな目が、ちゃんと言われずとも分かる。丁寧な描写力こそ、三津田信三の妙であると思う。
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Posted by ブクログ
ネタバレ「乱歩…!」と思って読みたい本には入れていたものの、そのままになってた作品。
入ってる読書会で読まれてた方がいて、面白そうだ…と思って読みました。
面白かった…!!
収められてる作品の元ネタはウルトラQ以外既読というのもあり、楽しめました。
ウルトラQのも面白かった。
特に好きだったのは、「赤過ぎる部屋」「夢遊病者の手」「骸骨坊主の話」。
赤い部屋と違ってそっちを殺すのか、や、えっこれが全て!?となったり。
「骸骨坊主の話」は、人の噂で拡がっていくの怖いな……ビデオのダビング(リング時点)より拡散が速いし止められん、とゾッとしました。
三津田信三先生はガチホラーというイメージなので避けて