あらすじ
戦慄の本格ホラー推理!山深い村に蔓延る恐怖の連続! 神々櫛(かがぐし)村。谺呀治(かがち)家と神櫛(かみぐし)家、2つの旧家が微妙な関係で並び立ち、神隠しを始めとする無数の怪異に彩られた場所である。戦争からそう遠くない昭和の年、ある怪奇幻想作家がこの地を訪れてまもなく、最初の怪死事件が起こる。本格ミステリーとホラーの魅力が圧倒的世界観で迫る「刀城言耶(とうじょうげんや)」シリーズ第1長編。
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Posted by ブクログ
安心して読める、誰にでも勧められる、安定感抜群なシリーズもののホラーミステリ作品を聞かれたら真っ先に挙げる「刀城言耶シリーズ」の第1作目。ホラーミステリの特徴である、おどろおどろしさ、残虐さ、ミステリレベルなど、全てのバランスが秀逸です。それでもどうしても重い話になるときでも、すかさず探偵役の刀城言耶が場を和ませてくれます。
村全体の地図や屋敷の間取りも載っているのですが、こちらも親切すぎず、難解しすぎずで読み解きがいがあり、イメージを膨らませる余地があり楽しいです。
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シリーズ3作目が名作と聞き、読み始めた刀城言耶シリーズ。
結構な文量と登場人物、地名、民俗学的な描写に何度も漢字の読み方や相関関係、位置関係などを読み返しながら読み進めた。
何度も挫折しそうになったが、最後に二転三転する推理、「さいごに」の章での伏線回収は見事でした。
それぞれの視点から物語が無理なく進んでいくのも面白い。
なにより、これは心霊現象であってほしくないな、、というのを見事にかわしながらホラーとミステリーを融合させた点が素晴らしい。
次作も早く読みたい。
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ホラーとミステリーの融合、いわゆる因習村で起こった怪奇現象と事件が面白く混じり合っていて良かった。登場人物がややこしく(両家との関係や一族の女性の名前の読み方が全部同じ)覚えるのに苦労したが、ちゃんと家系図が書かれているためその都度読み直してなんとか理解した。
犯人はなんとなーく予想はできるが、トリック自体はなるほどと理解できて面白い。あと三津田信三のホラー部分の書き方が本当に上手いので怖さもちゃんとあってよい。続きも読みたいですね。
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1ページあたりの文字数が多く、慣れない表現があり、また、家系図や地図を見ながらでないと分かりにくい部分が多く読むのに苦労した。それでも、物語としてはおもしろかった。最後は色々な解決の解釈が描かれていて楽しめた。ただ、首無しのほうが面白かったかな。
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「首無」から読んだけど、どこから読んでも平気そうなシリーズ1作目。
首無の雰囲気が好きならきっと好き。
ミステリー的な解決はちょっとこじつけがすぎるかなあと思ったけど、大終盤の畳み掛けは面白かった。次も読む〜
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ホラー要素強くてちょっと怖い笑
でもミステリーでもあるから楽しめる。
こういうおどろおどろしい民族の風習みたいなの好きだから個人的には面白かった。
けど意外とすんなり解決に持っていかないのはびっくりした。解決してない謎も気になる。
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刀城シリーズ一作目。昭和の時代設定と民俗学、そして、様々な怪異が結びついてホラーテイストのミステリー、またはミステリーテイストのホラーとなっている作品。金田一シリーズと百鬼夜行シリーズ要素を感じます。
探偵がよたよたとしているイメージはあれど、怪異を作中から感じるところは楽しかったです。
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読後、不思議な感覚に襲われた 語り手…の刀城がなまじボクらに近い感性を持ってるせいでこの世界にも厭魅やカカシ様がいるのか疑ってしまう 何の気なしに読んでるところも伏線になっていて、風土に根付いた風習だからこその事件でおもしろかった!
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舞台は、世間から隔絶され、未だ悪霊や生霊・神といった不思議と人間が共存する山奥の村。そういった不思議を時代錯誤としてその文化の廃止を目論む勢力が謀を巡らす中、それを嘲るように次々と発生する密室状態での不可解な怪死事件。村を訪れた全く余所者の物書きを言わば探偵役に据え、事件の解決と村の歴史を紐解く物語。物語全体に帯びる禍々しい雰囲気が、我々読者を現実の世界から不思議と恐怖の世界に引きずり込む。終盤の所謂探偵役解説パートでは、話が錯綜し結論が二転も三転もして、読者はそれに為す術なく振り回される。その挙句に待っていた真犯人は想像だにし得ない驚嘆すべき人物だった。そこから思い返すと、物語の要所要所に、と言うよりも文章の全体に、須らく伏線が巡らされていたんだと、即ち文章の全体が、彼(彼女)こそが真犯人であると示していたことに気付き、またしても驚嘆させられる。そして事件の解釈が全て終わり、その不可解が不思議から論理へと昇華された後、最後の最後に最大の矛盾点に気づき、読者は再び恐怖へと落とされるのである。人物関係や設定の複雑さから読み終えるのに時間を要してしまったが、圧倒的な完成度と圧巻の雰囲気を体感できて、心から満足している。
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三津田信三さんが好きで、ずっと気になってた人気シリーズ刀城言耶(とうじょうげんや)第一作目!
寂れた村で起こる怪異事件を軸に物語が続きますが、途中途中で本物の怪異に出会ったりとホラー感もあり、読み応えがあって面白かったです。
なんとなく横溝正史っぽいかな?と思いました。
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個人的に、事件が起きるまでが長過ぎる作品は苦手なのですが、この本はそれが苦痛ではなく、独特の世界観にドキドキしながら、手が止まる事なく読み進められました。そのお陰で難しい名称や人間関係も、事件が起こるころには把握出来るようになってました。
謎解き部分も文句なくおもしろかったです!
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怪奇ミステリー。感覚的には、金田一と浅見シリーズを足して2で割ったような…
主人公の怪異作家が、そういう現象を求めて行った先で起こった事件を小説として残すという体のお話。
ホラー感はあまりないけど、夜1人で読むのはちょっと嫌かな〜位の怖さがある。それを金田一+浅見光彦っぽい主人公が少し中和してくれる感じ。
火サス好きの自分には読み易く面白かった。
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刀城言耶シリーズ一作目。
怪奇ホラーとミステリの良いところを組み合わせた、一度に二度おいしい作品。
前半は憑き物や山神、厭魅などといった怪異が全面に押し出され、殺人事件が起きた以降は本格ミステリになっていくのだけど、ホラーの面白さとミステリの面白さがどちらも全く負けてなく、丁度良く融合されており、楽しめました。
そして最後に明かされる真相は圧巻の一言!
今までの全ての描写が伏線と言っても過言では無く、ラストで明かされる怒涛の伏線回収は凄いとしか言えない(ただそのせいでちと文章が読みづらかったり、状況を文面から把握しづらかったりするのが玉に瑕)
三津田信三さんの書籍はホラー全振りの作品しか読んだことなかったので、ミステリはどうなのだろうと思ってましたが、そんな事は全くの杞憂でした。
次回作も既に購入しているので、いつか読みます٩( ᐛ )و
Posted by ブクログ
巫女の家系がみんな「サギリ」という名前なことに最初は混乱したが、漢字の違いで人物像が頭に入ってきた頃から物語もぐんぐん面白くなってきた。特殊な状況下にある舞台・神々櫛村や因縁を持った地主の旧家、人々の信仰が混ざり合って起こる悲しい事件ではあるが、読んでいてワクワクが止まらない。
京極夏彦の百鬼夜行シリーズと横溝正史の金田一耕助シリーズがチラチラ頭によぎる。ミステリーとホラーの匙加減がちょうど良く、最後まで飽きずに読み進められた。
事件の話はとても不気味だったが、小話的に挟まれるみんなの恐怖体験が息を潜める恐ろしさだった。それと棺の中に生きた子どもがいると判明するシーン。
終盤の主人公の推理は真面目に読んでいたので村人たちと同様に素直に信じてしまった。説を変えていくのがちょっと面白い。
最後はちゃんと「本物」の存在を仄めかしてくれるのが良かった。
Posted by ブクログ
ホラーとミステリを掛け合わせた作品。類似するものとして、京極夏彦作品が思い浮かべられる。両作品の違いを楽しむのも一興かもしれない。
・内容について
主人公含めた複数の視点から描かれる、世界観や登場人物たちの心情、そして、事件の有り様が読んでいて、引き込まれる。
ホラーで怖いはずなのに、なぜか離れられない。そんな怖いもの見たさが、この作品にはあると感じた。
しかし、1つ苦労したのは、舞台となる地形や登場人物の家系図の把握。これらを1回で理解するのは難しく、何度も単行本冒頭に添えられていた地図と家系図を見返す必要があった。
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厭魅の如き憑くもの
読み方 まじもの の ごとき つくもの
探偵 刀城言耶(とうじょう げんや)シリーズの第1作。
因習×ミステリ×ホラーは相性が良い。世界観説明のためとはいえ前半の語り口があまりにも難解なので、⭐︎3評価。
最高傑作の『首無の如き祟るもの』への助走と考えればそれもまた良し
Posted by ブクログ
面白かったけれど、これをミステリーとして、どのように評価すれば良いのか、ちょっと迷う。ことに、「おわりに」への評価が分かれ目な気がする。
あまり予備知識がなかったので、前半、ミステリーと言うより、ホラーだな、と思いつつ、かなり手こずった。トリックを楽しみたいミステリー好きには、少し評価が落ちるかもしれない。
世界観(というか、この村の構造や家系図、「カカシ様」への信仰など)は大変に作り込まれていて、それには魅せられるが、逆に、そういった僻地の閉鎖されたムラだから、信仰と畏怖があるから、長い歴史と入り組んだ縁組なども含んだ時代性に少し依存しているようにも感じられる。
ホラーだと思えば、面白かった。
事件が起きてからの後半は、読み進めやすかった。
多分、一度、最初から少し振り返る必要があるんだろうな。
(というか、京極夏彦って、どんなだったっけ? と思った)
Posted by ブクログ
うーん、怖かった〜
昭和の田舎の因習村の閉塞感に怪異のおどろおどろしさも加わってまさにホラー×ミステリという感じ。なんとなく雰囲気は横溝正史に近い感じかな。
ただホラーは苦手でも、それが後からロジックで解説されると割と読める。
しかし、結局お兄さんの神隠しの謎ってどうなったん?
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ミステリとホラーの融合と言われた時、パッと出てくるのが三津田だが、刀城言耶の一作目にあたる本作は今ひとつ、といったところ。
確かにトリックにはビックリしたし、腑に落ちる感覚も良い。頁数が多いのも自分の好みではある。
悪くはないし、興味を惹かれるのだがあの結末に持っていくために遠回りに遠回りを重ねているようにしか見えない。自分とは合わなかった。
Posted by ブクログ
初めての作家さん。ホラーも書いてる方らしく、気になって買ったはいいものの怖すぎたらどうしようという一抹の不安があった…
いざ読み始めると、やっぱりそれなりに背筋が薄ら寒くなりそうな不気味なシーンがちらほらありつつも、怖すぎて読むのを断念する程ではなく丁度良くて安心した^^;
音が同じ名前の登場人物が複数いて最初は覚えられるか心配だったけど漢字が違うから混同することもなく案外すんなりいけた。
途中途中起きた不可解な恐ろしい現象は一体どう解明されるんだろうと謎だったけど最後にちゃんと解決。
ちゃんとと言ってもおわりにまでいってやっとちゃんとわかる感じで私はそれまで全然ピンと来なかった…笑
と言っても全部が全部スッキリ解決‼︎という訳でもなく、中には本物もいたのかもしれないとか完全に否定することは出来ないとかで薄気味の悪さも少し残してるのが所謂普通のミステリと違いホラーミステリであるが故さが出ててゾクっとした…
最後の解決編のところでなかなか話が真犯人に辿り着かないの遠回りすぎてじれったいけど面白かったな^^
次の巻も読んでみようかな
Posted by ブクログ
ホラーミステリー
終戦後の因習に閉ざされた山村のせいか、金田一耕助の世界観…。
種明かしではフーンとなったけれど、文章からはあまり感じられず。
土着の民俗学的な観点から見た話は興味深かった。
作者が2001年から活動と知り、昭和の雰囲気を文章化する筆力に脱帽。21世紀に、この世界観に浸れるのは驚嘆。
Posted by ブクログ
ホラー小説のような前半の時点では、非常にワクワクしながら読み進めた。
が、結末はしっくりこなかったかな。。。
確かに、神の視点の記述、といった点は面白い(とはいえ、難易度高すぎ)が、
諸々の舞台装置※が「作り物感」ありすぎて、ややチープな映画を観ているような感覚になった。
※村の入り組んだ構造、過去の言い伝え、等
特に、和尚が急に蛇だなんだと語り始めたときには、ややシラケてしまいました。
あとは、とにかく長い。。。
Posted by ブクログ
【購入本】三津田 信三先生の本を読むのはこれが初。“ホラー小説”と銘打ってあるものの、そこまでの怖さは感じなかった。想像力不足か?(笑) まぁ、刀城言耶の二転三転する解説に目が回ったのは確かである。小霧といい、カカシ様といい、まだ不明瞭な点はあるものの、十分楽しめる作品であったと思う。次作以降は....自分の気が持つようなら、トライしてみるつもりだ。
Posted by ブクログ
恐怖も藝術も全ては解釈次第。
私は自らの脳をもっともっと練磨し、多種多様な解釈を実現したい。ただ、そうしていつか手に入れた脳と暮らせるのはあとどのくらいなのか。
時が惜しい。